奥さんはセーブして働く?それともガッツリ働く?

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「奥さんはセーブして働く?それともガッツリ働く?」です。

---------
パートで働く奥さんの収入が150万円以下の場合、ご主人の扶養に入れるため、ご主人は38万円の配偶者控除を受けることが出来ます。
結果、例えば、ご主人の所得税の税率が5%の場合、年間約19,000円の所得税と、年間約38,000円の住民税を合わせた計約57,000円節税することが出来るようになります。

ではあなたは、奥さんがこの制度をうまく使いながら配偶者控除や配偶者特別控除の範囲内でおさまるようセーブして働くのと、配偶者控除や配偶者特別控除の範囲を超えてガッツリ働くのと、果たしてどちらの方がいいとお考えでしょうか?

vol.275simplenoteblog1.jpg


✔ お金のコトは長い目で考えることが大切!

例えば、奥さんが配偶者控除や配偶者特別控除の範囲を超えてしまった場合、奥さんはご主人の扶養から外れなくてはいけなくなります。
結果、ご主人は先程算出した所得税と住民税を合わせた57,000円の税負担が増えることになります。
また、奥さんは自分自身で、健康保険や年金といった社会保険料を負担しなくてはいけなくなってしまいます。
つまり、短期的な視点で見ると、確実に負担は上がってしまうというわけですね。

しかし、たとえご主人と奥さんの負担が上がってしまったとしても、奥さんが勤務先で厚生年金に加入出来るとしたら、比較的少ない負担で、奥さんも将来老齢厚生年金という老齢基礎年金に上乗せされた年金を受け取ることが出来るようになります。
また、勤務先の健康保険に加入出来れば、勤務中に長患いしたとしても、健康保険からおよそ月給の3分の2が、傷病手当金として支給されることにもなります。
つまり、多少負担は増えてしまうものの、セーフティーネットが手厚くなるため、長期的視点で見ると、負担以上のメリットがあるというわけです。

さらに、65歳以上を老後として捉えるとすれば、夫婦2人で必要となる最低生活費は約22.5万円だと言われていますが、実は、この額は平均的なご家庭が将来支給される年金の額よりもわずかながら多いと言われています。
その上、この費用の中には、家賃や住宅ローンといった住居費や、趣味や旅行といったゆとり費は一切含まれていないため、豊かに暮らそうと思えば、さらなる費用がかかると言われています。
それゆえ、老後に向けて、コツコツと貯蓄していくためにも、そして年金収入をもっと増やすためにも、この控除枠を超えてでも、ガッツリと働くようにした方がいい、というわけです。


✔ 節税方法を知ることで負担を軽減する!

そして、夫婦2人でガッツリ働きつつ、子供の教育資金や、自分たちの老後資金にしっかりお金を残していくためにも、知っておいていただきたいことが、いかに税金を安く抑えるかということです。
そのためには、国が推奨している個人型確定拠出年金iDeCoや、医療費控除の中身について、しっかり理解しておくことが必要不可欠です。
これらの制度について、ここでは詳しくは述べませんが、1つ確実に言えることは、これらの制度を知っているか知っていないかで、手元に残っていくお金が大きく違ってきます。

例えば、iDeCoを知らず、それに掛けるべき費用を家づくりに回してしまったとしたら、それを知っていた人との老後資金は、夫婦合わせて1500万円〜2000万円ほど違ってくるかもしれません。
あるいは、収入合算すればより多くのローンが組めるからと家づくりの予算をさらに高く設定しまったりすると、2000万円どころか3000万円以上、手元に残るお金が違ってくる可能性だって充分考えられます。

ですから、家づくりもお金のことも、短期的な視点だけで捉えるのではなく、長期的な視点も持って考えるようにしていただければと思います。
それでは、また次回。

収納をたくさんつくらない

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「収納をたくさんつくらない」です。

---------

"収納はたくさんあればあるほどいい"

家を建てる誰もがこのようにお考えになるでしょう。
しかし、無駄に収納を広げてしまうと、必然的に家のコストは上がってしまいます。
家のコストを上げることなくよりたくさんの収納をつくるためにも、まずは、収納に対する勘違いを正していただかなくてはいけません。

では、今回は収納で知っておくべき2つのコトについて、お伝えしていきたいと思います。

まず、1つ目が「ただ単にたくさん収納をつくればいいわけじゃない」ということです。

例えば、暮らしの拠点となるリビングダイニングキッチンには、手紙、書類、薬、文房具、生活用品など、細かいものがたくさんあるのですが、いろんな場所に散らばって収納があるお家は、これらを管理しやすいでしょうか?
管理しにくい収納をつくってしまうと、どこになにを置いたのかを忘れてしまい、それが見つからないか、あるいは探すよりも買ったほうが早いことを理由に、また同じモノを買ってしまうことになります。
結果、モノが増えることになり、収納の中がさらにゴチャゴチャになります。
また、収納に収まりきらなくなった場合、それらがリビングダイニングに溢れることになり、今度は、それを片付けるための収納家具を買わざるを得なくなってしまい、リビングダイニングが狭くなってしまいます。

また、無駄に奥行きが深い収納も、とっても管理しにくい収納だと思いませんか?
手前にモノを置いてしまうと、奥に置いてあるモノが取り出しにくくなるのはもちろんのこと、奥にあるモノを忘れてしまう原因にもなりますからね。
結果、無駄な出費を生むことになるし、収納の中がゴチャゴチャになってしまう、というわけです。

人は、複雑になればなるほど、記憶出来なくなってしまうし、管理出来なくなってしまうものです。
それゆえ、収納は管理しやすいように分かりやすく単純につくらなければいけないんですよね。


✔ 通り抜け動線は収納を減らす最大の原因

続いて、知っておいていただきたいことが、通り抜け動線についてです。
収納を通過することが出来る動線や、玄関を家族用と来客用に分けたりする動線ですね。

vol.274simplenoteblog1.png

この図をご覧いただくとお分かりいただけますが、右は通常の収納で、左が使い勝手をよくするために、通り抜け出来るようにした場合です。

左の場合、収納を通過出来るため、一見、右に比べて使い勝手が良いように感じるかもしれません。
しかし、通過出来るようにしたことで、「廊下」が収納の中に出来てしまい、結果、収納が大幅に減ってしまっています。

しかも、
・ドアも1本増えるため、その分コストアップすることになる
・スイッチも、2つの入口のどちらでもオンオフが出来るようにしないといけないため、右よりも高価なスイッチを使わざるを得なくなる

それゆえ、ただ使い勝手が良さそうという理由で、通り抜け動線をつくってしまうと、思っていたより収納にモノが置けず、結果片付けにくい家になってしまい、なのに余分なコストがかかるため、逆に家の価格が割高になってしまうというわけ、なんですよね。


✔ 収納の正しい考え方

結論から言うと、収納は床面積ではなく、壁面積で考えるようにしなければいけません。
2m40cmという天井までの高さをどれだけ有効に使うことが出来るのか?が大切だということです。

床面積だけで収納を考えてしまうと、収納をどんどん増やしてしまい、結果、家の価格が高くなってしまいます。

一方で、壁面積で考えるようにすれば、わずかな床面積でも壁さえ充分にあれば、相当な収納力があることを理解出来るようになります。
ただし、棚の枚数をケチらないようにしないといけないですけどね。
棚板も決して安いわけじゃないので、住宅会社側は棚の枚数を減らそうとするでしょうからね。

ということで、コストを上げることなくより多くの収納をつくるためにも、そして管理しやすい収納をつくるためにも、今回お伝えさせていただいた収納の知識を覚えておいていただければと思います。

それでは、また次回。

イイ家を最小限のコストで建てるための知識

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「イイ家を最小限のコストで建てるための知識」です。

---------
家の価格は面積に最も左右されるため、コストを抑えるためには、出来るだけ家をコンパクトにすることが重要なポイントとなります。
とはいえ、家を建てるとなると、あれも欲しい、これも欲しいとなりやすいことから、家をコンパクトにすることは想像以上に難しいことです。

よって、家の価格をなるべく抑えたいとお考えであるならば、そうならないように、合理的な考え方を持っていただく必要があります。

では、家の面積を左右する部屋の広さについて、1つ1つ考えていきたいと思います。


vol.273 simplenoteblog1.png

✔ 子ども部屋について考える

子ども部屋を2階につくることが、今の家づくりでは当たり前となっていますが、それと同時に当たり前となっていることが、子ども部屋の広さを6帖でつくることです。
しかし、子ども部屋って本当に6帖も必要でしょうか?

というのも、6帖の部屋は3.51m×2.6mが実際使える広さなのですが、例えば、この中に幅90cmのシングルベッドと幅90cmの学習机を置いたとしても、まだ1.5帖〜2帖ほどの余白が出来るからです。

もちろん、どんな部屋であろうと、少しでも広く、少しでもゆとりがある方がいいというお気持ちはよく分かります。
しかし、コストに換算するとどうなるでしょうか。

・もし1.5帖部屋の広さが違うだけで、家の価格が45万円も違ってくるとしたら?
・もし2帖部屋の広さが違うだけで、家の価格が60万円も違ってくるとしたら?
・そして、その部屋が2つあるとしたら?

いずれ子ども達は家を出て行くでしょう。ですから、その点も考慮しつつ、子供部屋の広さを決めるようにしていただければと思います。


✔ 寝室について考えてみる

寝室に関しても、展示場のような8帖や10帖もの広さが果たして本当に必要でしょうか?

例えば、6帖の部屋には、ダブルベッドを2つ並べておくことが出来ます。
6帖の広さが3.51m×2.6mなのに対し、ダブルベッドを2つ並べた時の寸法は2.8m×2mだからです。

それゆえ、寝室も無駄に広くつくる必要はないんですよね。
ただ寝るだけの部屋だし、荷物はウォークインクローゼットに全て片付けるでしょうし、親世代のように婚礼タンスを置くことも、ドレッサーを置くこともないし、テレビを置くにしても今は壁掛けが一般的なわけなので。


✔ 床面積を増やすと!?

床面積が増えればその分家の価格も高くなってしまうのですが、同時に、余ったスペースになにかを置こうとしてしまうため、逆に家が散らかりやすくなり、片付けがしにくい家になってしまいます。
そこに置くものを買うにしても、お金がかかるわけですしね。

例えば、子ども部屋であれば、余ったスペースがあればそこにソファーやテーブルなどを置きたくなるでしょう。
そして、快適な環境が出来上がってしまうと、子ども達が部屋に閉じこもってしまう要因にもなりかねません。

また、リビングダイニングの場合はどうでしょうか?
この場合、余白が出来るのはダイニングテーブルとソファーとの間です。
ここに余白が出来ることで、子ども達が自分達の荷物をここに置きがちになります。
そして、ランドセルや勉強道具や習い事道具などがいつも無造作に置かれた、雑然とした空間になってしまいます。

それゆえ、子ども部屋や寝室はもちろんのこと、たとえリビングダイニングといえど無駄に広げる必要はないということ、なんですよね。

無駄に広くつくってしまうとコストがアップするだけじゃなく、掃除や片付けの手間がかかる家になってしまいやすくなります。
もちろん、そうするためには、収納を使いやすい場所につくるとか、子ども部屋を使いやすい場所につくるといった間取りの工夫は必要になってきますが。

いかがでしたか?
イイ家を、コストを抑えながら建てるためには、こういった考え方が必要不可欠となります。

固定概念にとらわれず合理的に家づくりをすることが出来れば、いつまでも暮らしやすい家を、最小限のコストで手に入れることができます。
ですから、こういったことも、家づくりをする前にぜひ夫婦で話し合ってみていただければと思います!

それでは、また次回。

白い家が多い理由

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「白い家が多い理由」です。

---------
「ホントは、白い家にしたいけど、白って汚れが目立つじゃないですか」

こう考えてしまい、白い家を諦めている方が数多くいらっしゃるのではないでしょうか?

確かに、白は汚れが目立ちます。
ですが、汚れが目立つのは黒でも同じだし、たとえアイボリーやベージュにしたとしても、白同様に汚れは目につくものです。

それゆえ、外観をキレイに保つためには、汚れが目立ちにくい色を選ぶという選択よりも、そもそも汚れの原因をなくすことを優先的に考えるようにしないといけません。

vol.272simplenoteblog1.jpg


例えば、こちらのお家は、ご覧のように眩しいほどに真っ白の外観にさせていただいたのですが、玄関がある家の正面から汚れの原因となるものを全て排除させていただくことで、家の顔となる正面が汚れにくくなっています。


✔ 外壁の汚れの原因となるものとは?

外壁を汚れさせる最大の原因は「窓」です。
窓は外壁よりも突出しており、その突出した部分に溜まった土ほこりなどが、雨と共に窓の脇を伝って流れるからです。

それゆえ、自分たちも毎日目に触れることになる家の正面には、基本的に窓をつくらないようにしています。
もちろん、家の中の明るさはしっかりと確保しながらです。

結果、家が汚れにくくなるし、家の見た目も格段に美しくなります。
そして、将来かかってくる塗り替えコストを少しでもカットすることができます。
(あまりに汚れていると気になって早めに塗り替えたくなるし、訪問販売のリフォーム会社にも目をつけられやすいですからね)

パッと見ただけで間取りが分からなくなるため、自ずと防犯性も高くなりますしね。

また、水回りの換気扇の外部カバーや、エアコンの配管と室外機、2階のトイレの外部配管、それからエコキュートの本体や室外機、そして軒にかかる樋(とい)と落ちてくる樋などは、立面図やパースなどに反映されないため、家が完成して住み始めて初めて気付くことになるのですが、これらの部材も窓同様に家を汚し、家の景観を乱す大きな原因となります。

それゆえ、
・家の正面に換気扇の外部カバーが出てこないか?
・家の正面にエアコンの配管が出てこないか?
・家の正面にエコキュートを置くようなことになっていないか?

など、家を汚す原因となるものが家の正面に出てこないようにも配慮しながら、間取りを考えていく必要があるんですよね。

多くの方が、間取り図(平面図)だけを見て家の間取りを考えてしまうし、変更しようとしてしまいます。

しかし、家は敷地環境や周囲の家との兼ね合いなども同時に考えながら、配置や間取りを考えていかないといけないものです。

例えば、ただ単に方位が南だからという理由だけで南に大きな窓をつくったとしても、そこが丸見えであるならば、その窓の本来の役割を果たすことができなくなります。

また、南につくった大きな窓のすぐ向こうに2階建ての家が建っているとしたら、そこから光が入ってくることもないため、思っていたよりも暗い家になってしまいます。
これらはほぼ全ての方が住んでみて初めて気付くことですが、住んでからではどうすることもできないものです。
ですから、間取り図(平面図)だけを見てあーでもない、こうでもないと考えるのではなく、敷地環境や周囲との兼ね合いも考慮した上で、間取りを考えるようにしていただければと思います。

それでは、また次回。

2階建ての無駄なスペースとは?

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「2階建ての無駄なスペースとは?」です。

---------
平屋は高いというイメージがありますが、必要な部屋や部屋の広さ、収納などを減らすことなく、2階建てよりもコンパクトに建てることができるため、結果的に建築費は2階建てとそう変わらなくなります。

そして、同時に家が圧倒的に使いやすくなります。
上下移動がなくなり、水平移動だけになるからです。
では、なぜ平屋は2階建てよりもコンパクトになるのでしょうか?

まず、平屋には 「階段」 がいりません。
2階がないので当たり前のことですよね。
そして、階段には1・2階合わせて合計2坪(=4帖)必要なので、平屋の場合これが丸ごとなくなるというわけですね。

続いて、省くことができるものが 「廊下」 です。
2階建ての場合、2階につくる寝室や子供部屋、トイレなどに行くための廊下が必ず必要になりますが、平屋にし、かつ廊下をつくららないように間取りを考えれば、この廊下を全て省くことができます。

vol.271simplenoteblog1.png


✔ 廊下欲しいですか?

あなたが家に求める条件の中に、「廊下が欲しい!!」という項目は、おそらくないのではないでしょうか?

しかし、2階建ての場合、必ずできてしまうのがこの「廊下」です。
そして、この廊下にも部屋や収納と同じようにコストがかかっています。
実は、1㎡あたり15万円というコストが、です。

仮に、あなたが建てる家に10㎡もの廊下ができてしまったとしたら、欲しいとも思っていないもののために、150万円も余分にお金を支払わなくてはいけなくなってしまう、というわけです。

それゆえ、家の価格を少しでも抑えるためには、廊下を限りなくなくすことが、とっても大切なこととなります。


「廊下」がないほど良い別の理由

そして、廊下を少なくした方が良いもう一つの理由が「冷暖房効果」です。

というのも、廊下をつくってしまうと、廊下に接するドアを閉めてしまうからです。
その結果、空気の流れを止めてしまい、家の中に温度差をつくってしまいます。

他方、部屋と部屋がダイレクトにつながっていれば、空気が循環しやすくなります。
結果、家の中に温度差が生まれにくくなり、風呂で起こるヒートショックも起こりにくくなるというわけです。

また、廊下をつくれば、ドアの数も必然的に多くなってしまいます。
部屋と部屋がダイレクトに繋がっていれば、ドアは1本しかいりませんが、その間に廊下ができてしまうと、もう1本余分にドアが必要になるからです。

その結果、廊下によるコスト上昇だけじゃなく、ドアによるコスト上昇も同時に招いてしまうというわけですね。

ということで、コスト面はもちろん、快適性の観点からも、できるだけ廊下はつくらないようにしていただければと思います。

この他、平屋にすれば2階のトイレも必要じゃなくなるため、これらを合計すれば、それだけでも4坪(=8帖)ほど2階建ての家よりも面積を縮めることができるようになります。
結果、2階建てとそう変わらない価格で平屋を建てることができるようになるというわけです。

あなたがこれから家づくりをしたいとお考えであれば、平屋は高いという思い込みは一旦捨てていただき、また、家といえば2階建てという思い込みも一旦捨てていただき、家を建てようと思っている土地に平屋が入るのであれば、いずれの選択肢も持ちながら家づくりの計画を行っていただければと思います。

それでは、また。

2階の子供部屋は使いやすいのか?

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「2階の子供部屋は使いやすいのか?」です。

---------
敷地に合わせて家を建てるのが原則だとしたら、ほとんどの家が平屋になるべきなのですが、実際に建っている家のほとんどは2階建てです。

例えば、2階建ての家は子供部屋を当たり前のように2階につくるのですが、果たして、この子供部屋は使いやすいのでしょうか?

もしお子さんがまだ小さいとしたら、子供部屋を2階につくってしまうと、子供たちは自分の部屋をすぐには使えません。
というのも、小さな子供が親と離れたところにいるのは心細いし、お化けが出そうな気がして怖いからです。

また、荷物をいちいち2階まで持ち運びするのって、とっても面倒くさいですよね。

結果、リビングダイニングの空いたスペースに彼らの荷物が全て置きっぱなしになり、リビングダイニングが散らかってしまいます。
なんせ、小さな子供たちは、"散らかすことが仕事である"とすら言われるぐらいですからね......。
片付けても片付けても、キリがないですもんね。

vol.270simplenoteblog1.png


✔ 和室は必要?

それゆえ、2階建ての家では、1階にリビングダイニングとは別に和室をつくることが多いです。
普段は子供たちの遊び部屋として使いながら、親御さんが泊まりに来た時やお客さんが来た時にも使える部屋として。

しかし、収納を含めた和室の広さが仮に6帖だとしたら、この和室をつくるために一体どれくらいコストがかかるのかご存知でしょうか?

もしそのコストに180万円ぐらいかかるとしたら、果たしてこれだけのコストをかけてまで、この部屋をつくる必要があるのでしょうか?

もし、子供部屋を1階につくることで、子供部屋が客間としての用途も兼ねられるとしたら、果たしてこの和室は必要なのでしょうか?

子供部屋を1階につくれば、子供たちが部屋を建てた直後から使えます。

リビングダイニングに置きっぱなしになる荷物を自分たちの部屋に片付けられるようになるし、親の気配が感じられるところで遊ぶことができるからです。

結果、子供部屋はいつも散らかった状態になってしまうと思いますが、その代わり子供部屋を2階につくるよりも、リビングダイニングを美しい状態で保ちやすくなるのではないでしょうか?

友達が子供を連れて遊びに来てくれた時も、子供部屋で遊んでいる子供たちの様子を見ながら、リビングダイニングでゆっくり会話ができますしね。

また、子供が小さいうちは家族みんな寝室で一緒に寝るため、親御さんが泊まりに来た時は、子供部屋で寝てもらえばいいですし。

さらに、子供部屋を1階につくれば、将来的なメリットもあります。
子供たちが家を出て行った後、自分たちの寝室として使うこともできるし、大きな納戸として使うこともできます。

つまり、その用途としてずっと使わない部屋を兼用で使うように考えれば、変化する年齢や家族人数、ライフスタイルに合わせて無駄なく家が使えるようになるし、合理的に建築コストをカットしながら、住みやすい家が出来上がるというわけですね。

誰しも歳をとれば足腰も弱ってくるため、1階に部屋を多くつくっておいた方が、1階の部屋や収納不足を原因とする余分な増改築コストもカットできることになります。

ということで、知らない間に頭の中で出来上がってしまっている「常識」に縛られた家づくりをするのではなく、実際に暮らすことを想像しながら、合理的に家づくりをしていただければと思います。

それでは、また次回。

2階建てありきで家を考えていませんか?

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「2階建てありきで家を考えていませんか?」です。

---------
家の基本は「平屋」から始まります。
つまり、その敷地の中に平屋が建つだけのゆとりがあるのなら、基本的には平屋で間取りを考えるようにすべきである、ということですね。

というのも、平屋にすることで、様々なメリットがあなたにもたらされるからです。

まず、平屋にすれば、必然的に耐震性が高くなります。
家の重心が低くなり、2階からの荷重もなくなるからです。

家は、重量車両が通行すれば揺れるし、台風や強風などによっても揺れるのですが、その影響は、平屋よりも2階建て住宅の方が、より受けることになります。
2階建ては平屋よりも重心が高く、かつ1階の柱や壁の量が2階に比べると少ないため、平屋に比べて不安定になるからです。

その結果、重量車両が通ればその影響を受けて家が振動し、耐震金物が緩んでいく原因になります。
また、台風の時などに強風を受ければ、家が左右に揺れ、これも耐震金物が緩んでいく原因になります。

そして、もし金物が緩んでしまった状態で地震が起こったとしたら......?
確実に1階よりも重くなってしまう2階が、地震によって激しく揺らされるとしたら......?

そうです。地震による倒壊リスクが高くなってしまいます。

その点、平屋は重量車両の通行による振動の影響も受けにくいし、台風の時などの強風の影響も受けにくくなります。
また、柱も壁の量も多く、地面に対する設置面も広いため、2階建てに比べて地震の被害を受けにくくなっています。

つまり、天然で地震に強いのはもちろんですが、"長持ち"という「耐久性」で考えてみても、2階建てよりも高いということが言えます。

この他、コスト面や暮らしやすさにおいても、2階建てに比べてよりたくさんのメリットを享受できます。
(これらはまた次回、詳しくお伝えさせていただきます )

vol.269simplenoteblog1.png


✔平屋に対して多くの方が持っている「思い込み」

多くの方が、「平屋=高い」と思い込んでしまっていたり、「平屋=土地が広く必要=土地代が高くなる」と思い込んでしまっているのではないでしょうか?

そしてその理由は、不動産屋や住宅会社からそう言われたからではないでしょうか。

この思い込みに縛られたまま家づくりを進めてしまうと、平屋を建てられる土地であるにもかかわらず、当たり前のように2階建てを建ててしまいます。
自分たちの土地にはとてもじゃないけど平屋なんて建てることができないと、初めから諦めてしまうことになります。

ですが、当たり前のように建てられている2階建ての家は、本当に住みやすい家なのでしょうか?
また、その住みやすさはいつまでも続くのでしょうか?

そして、コスト面で考えてみても、平屋に比べて本当に割安なのでのでしょうか?
イニシャルコストだけでなく、ランニングコストにおいても。

ということで、次回は、当たり前のように建てられている「2階建ての家」について、詳しくお伝えしていきたいと思います。

それでは、また次回。

家の価格を坪単価で判断してはいけない理由

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「家の価格を坪単価で判断してはいけない理由」です。

---------
最小限のコストで家づくりをするためには、「土地・建物・庭(外構)」という3つの項目のバランスをうまく取らなければいけませんが、土地や庭のコストをカットするためには、まず根本となる「家のコスト」を最小限に抑える工夫が欠かせません。

家のコストを無駄に上げないために、まず知っておいていただきたい重要なポイントがあります。それは、

「家の価格を坪単価で判断しない!」ということです。
なぜなら、坪単価が安ければ安いほど、実は家自体の価格は高くなってしまう傾向にあり、さらには電気代や固定資産税といった「維持費」までも高くなってしまうからです。


✔ 坪単価の「落とし穴」とは?

例えば、あなたが同じ土地の上に、全く同じ仕様で「20坪」と「40坪」という2つのプランを検討していると仮定しましょう。
この場合、2つのプランの坪単価は、実におおよそ10万円ほど違ってくることになります。

その最も大きな理由は「水回り」のコストです。
仮にキッチンやバスルームなどに200万円かかっているとすると、坪単価への影響は以下のようになります。
・20坪の家:200万円÷20坪=坪単価 10万円
・40坪の家:200万円÷40坪=坪単価 5万円

このように、家の大きさが違うだけで、坪単価には5万円もの差が生まれるわけです。

しかし、40坪の家は坪単価が安い反面、建築総額は20坪の家に比べると圧倒的に高くなります。
・20坪の家:70万円×20坪= 1,400万円
・40坪の家:60万円×40坪= 2,400万円


✔ 総額とランニングコストを考える

つまり、坪単価は「家が大きくなるほど安くなり、小さくなるほど高くなる」という性質を持っています。
ところが家の総額は、その逆で「家が大きくなるほど高く、小さくなるほど安く」なります。

そのため、家の価格を坪単価だけで判断してしまうと、つい面積を大きくしすぎてしまい、結果的に非常に高い買い物をしてしまう可能性が高くなるというわけ、なんですよね。
また、面積が大きくなれば、一生涯払い続けることになる「固定資産税」も高くなりますし、冷暖房にかかる「電気代」も増えてしまいます。


✔ 同じ面積でも「形」で坪単価は違う?

さらに知っておきたいのは、坪単価は「家の形」によっても異なってくるということです。
vol.268simplenoteblog1.png

例えば上記のAとBは、形こそ違いますが、どちらも同じ100㎡(30坪)の家です。
しかし、面積は同じでも「家の周囲の長さ」が全然違います。
・Aの周囲:10m+10m+10m+10m= 40m
・Bの周囲:5m+20m+5m+20m= 50m

外周が長くなれば、それだけ外壁の工事面積が増えることになります。
となると、当然ながら建築コストも違ってきますよね。


✔ 家の価格は「総額」で判断する

「坪単価はいくらぐらいですか?」というご質問を時々お受けしますが、これまでお話しした通り、坪単価は土地の形状、家の形、建てる面積によって大きく変動するものです。
もちろん、使用する材料や、どこまでの付帯工事費用が含まれているかによっても異なります。

それゆえ、土地の条件や建物の詳細が分からない段階でいきなり質問されても、正確にお答えすることができないのが普通なのです。

家の価格は、坪単価ではなく「総額」で判断しなければいけません。
そうしないと、思わぬ予算オーバーを招いてしまうからです。

繰り返しお伝えしますが、
・坪単価は、家が大きくなるほど安くなり、小さくなるほど高くなるもの
・家の価格(総額)は、家が大きくなるほど高くなり、小さくなるほど安くなるもの

そして、光熱費や固定資産税も、家が大きくなるほど高くなり、小さくなるほど安くなるものです。

ということで、初期費用(イニシャルコスト)と維持費(ランニングコスト)の両方を最小限に抑えるためにも、「出来るだけ家はコンパクトにした方がいい」ということを覚えておいていただければと思います。
坪単価の安さに惑わされて判断してしまうと、結果的にどちらのコストも高くなってしまうだけですから。

それでは、また次回。

平屋には、大きな土地が必要なのか?

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「平屋には、大きな土地が必要なのか?」です。

---------
平屋と聞くと、「建築費が高そう」「かなり広い土地がないと無理そう」といったイメージを持つ方が少なくありません。
ですが実際のところ、平屋が特別に高額になるとは限りませんし、想像しているほど広大な敷地がなくても十分に建てることは可能です。

たとえば不動産会社で「平屋を建てたい」と相談すると、「80〜100坪くらいは必要ですね」と言われることがあります。
しかし、4人家族が暮らす住まいであれば、60坪あればゆとりのある平屋を建てることができます。
むしろ広さを持て余すケースもあるほどです。
50坪の敷地でも、間取りを工夫すれば4人家族が快適に暮らせる平屋は十分実現できますし、駐車スペースも3台分確保することは可能です(1台は軽自動車になる想定ですが)。

それでも「家=2階建て」という前提で考える不動産会社や住宅会社が多いため、50坪あれば自然と2階建てを提案されがちです。
周囲も2階建てが一般的なため、その中に平屋を建てることに日当たりや明るさの不安を感じる方もいるでしょう。
その結果、平屋を希望しているにもかかわらず、50〜60坪ではなく、80〜100坪といった広い土地を勧められることになります。

vol.267simplenoteblog1.png

しかし、土地を広く買えば、その分あらゆるコストが増えていきます。

まず、土地取得費そのものが高くなります。
仮に本来は55坪で十分だったのに100坪購入したとします。
坪単価が20万円なら、45坪分の差で900万円もの追加負担です。

さらに、外構費用も広さに比例して上がります。
敷地が広くなれば、造成やコンクリート施工の面積が増え、塀やフェンスの延長も長くなります。その分、工事費も膨らみます。

加えて、毎年支払う固定資産税も高くなります。
特に住宅用地は、一定面積を超える部分について軽減措置が小さくなるため、想像以上に税負担が増えることがあります。
広く買えば買うほど、長期的なランニングコストも増えていくのです。

そして見落とされがちなのが、庭の維持管理です。

若いうちは「多少広くても問題ない」と思えるかもしれません。
子どもをのびのび遊ばせたいという気持ちもあるでしょうし、「後から土地は買い足せないから、今のうちに広く」と考える気持ちも理解できます。
しかし、年月が経ち体力が落ちてきたとき、広い庭の手入れは大きな負担になります。
平屋にすることで2階の上り下りをなくしたとしても、広すぎる庭の管理が大変になってしまっては本末転倒です。

こうした理由から、コスト面でも将来のメンテナンス面でも、必要以上に広い土地を購入するメリットは大きくありません。

土地取得費を抑えるためのポイントは、「本当に必要な広さを見極めること」です。

土地探しは、不動産会社任せにするのではなく、家の設計を前提に住宅会社と一緒に進めることをおすすめします。
そのためには、まず無理のない資金計画を立て、自分たちが土地にかけられる予算を明確にしておくこと。
そして土地を決める前に、どんな家を建てるのか方向性を定めておくことが重要です。

正しい知識を持たずに土地を広く買い過ぎてしまうと、その後の家づくり全体に影響してしまいます。
そうならないためにも、計画的にそして冷静に判断していただければと思います。

それでは、また次回

日当たりが悪い土地 = 暗い家が建つ?

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「日当たりのいい土地を買って後悔すること」です。

---------
北・東・西に道路が接している土地を見ると、「日当たりが悪そうだな」と感じる方は多いのではないでしょうか。
とくに北道路の土地はその印象が強いかもしれません。
というのも、敷地の南側にはすでに建物が建っていることが多く、今は空いていたとしても将来的に家が建てば、光が遮られてしまいそうだと考えてしまうからです。

さらに、住宅が密集する分譲地では、南だけでなく東西にも隣家が建ち並びます。
その状況を想像すると「きっと暗い家になるだろう」と不安になるのも無理はありません。

そのため、価格が比較的抑えられていたとしても、積極的に選ばれることは少ないのが現実です。

では実際のところ、こうした土地では本当に明るい家は建てられないのでしょうか。
日当たりが不利な土地では、必ず暗い住まいになってしまうのでしょうか。

たしかに北道路の土地では、北側に駐車スペースを設け、建物を南側へ寄せて配置するのが一般的です。
そのうえで、敷地のいちばん南にリビングを置き、南面に大きな窓を設けるという"いつもの間取り"にしてしまうと、思ったほど光が入らず薄暗い空間になりがちです。
隣家との距離が十分に確保できないからです。

不足する明るさを補おうとして、東西にも大きな窓を増やすケースもあります。
しかし、そうすると周囲の視線が気になり、結局はカーテンを閉めたままの生活になってしまいます。
これでは、せっかくの窓も十分に機能しません。

つまり、従来の考え方にとらわれたまま設計してしまうと、「やはり暗い家になってしまった」という結果を招きやすいのです。

vol.266simplenoteblog1.png

住宅が密集するエリアで家を建てるなら、発想を少し変え、光の取り込み方そのものを工夫する必要があります。

多くの方は「リビングは南に配置するもの」と考えますが、必ずしもそうである必要はありません。
思い切ってリビングを北側に配置するという選択肢もあります。
その場合、建物の中央付近に外部空間を設け、そこから光を取り込む設計にします。
いわば、家の真ん中に光を落とす場所をつくるという考え方です。
中央に設けたその空間があることで、南・東・西の隣家との間にしっかり距離を確保しやすくなり、さまざまな方向から安定した光を取り込めるようになります。

さらに、その空間には直射日光だけでなく、外壁などに反射したやわらかな光も届きます。
こうした間接光が室内全体に広がることで、日中は照明に頼らなくても過ごせる、明るく心地よい住まいが実現します。

加えて、外からの視線が直接入りにくいため、カーテンを閉め切る必要もありません。
プライバシーが守られた安心感の中で、空や光を感じながら暮らすことができます。

間取りも外から把握されにくくなるため、防犯面でも有利です。

外に向けた大きな窓が少ない住まいは、結果としてデザイン性も高まりやすくなります。
目隠しフェンスや高額な塀に頼る必要が減るため、外構費の削減にもつながります。

さらに、土地条件に合わせた柔軟な設計ができるようになれば、必ずしも高額な南道路の土地を選ぶ必要はなくなります。
これまで敬遠されがちだった土地を、比較的抑えた価格で購入できる可能性も出てきます。

土地の日当たりと、家そのものの明るさは、必ずしも比例するわけではありません。
土地に過度な予算をかけるよりも、設計の工夫に目を向けるほうが、賢い選択になることも多いのです。
土地を探す際は、「南道路」「日当たり良好」という言葉だけにとらわれず、どんな設計が可能かという視点で判断していただければと思います。

それでは、また次回。

日当たりのいい土地を買って後悔すること

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「日当たりのいい土地を買って後悔すること」です。

---------
これから土地探しを始めるとしたら、あなたはどんな条件を重視しますか。

子どもの学校区。
駅やスーパーへのアクセス。
ゆったりした広さ。
車の出し入れがしやすい前面道路。
そして――日当たりの良さ。

多くの方が「できれば南向きで日当たりのいい土地を」と考えるのではないでしょうか。

もちろん、土地選びは価値観に基づいて行うものです。
ただし、限られた予算の中で最善の家づくりをするためには知っておいてほしい大切な視点があります。

まず理解していただきたいのは、「日当たりが良さそうな土地=明るく快適な家が建つ」とは限らないということです。

たとえば、6区画の分譲地があり、南側道路の区画と北側道路の区画があったとします。
多くの方は直感的に南側道路の区画を選ぶでしょう。
日当たりが良さそうに感じるからです。

ですが、その土地に家を建てるとどうなるでしょうか。

南側道路の土地を選べば、当然ながらリビングや大きな窓は南側に配置することになります。
しかし南側は道路であり、人や車が常に通る場所です。
大きな窓を設ければ、室内は外から見えやすくなります。

結果として、ほとんどの窓にカーテンを取り付け、日中でも閉めたまま生活することになりがちです。

では、カーテンを閉めた室内は本当に明るいでしょうか。
晴れた日はまだしも曇りや雨の日はどうでしょう。
光は入りにくくなり、朝から照明をつける生活になるケースも少なくありません。

また、カーテンを閉めていると風通しも悪くなります。
窓を開けても視線が気になり、結局閉めたままにしてしまう。
開けたとしてもカーテンが風で揺れて落ち着かない。
こうして、本来の「日当たりの良さ」を活かせない家になってしまうことがあります。

vol.264simplenoteblog1.png

防犯面も同様です。
夜に室内の明かりがつけば、家の中の様子が外から分かりやすくなります。

さらに、南向きのベランダに洗濯物を干せば、家族構成や生活パターンが推測されやすくなります。

加えて、2階バルコニーに洗濯物を干す間取りにすると、重い洗濯物を持って階段を何度も往復することになります。
日当たりを優先した結果、家事動線が悪くなることもあるのです。

そしてもう一つ大きな問題があります。外構費用です。

室内が丸見えにならないようにするため、塀や目隠しフェンス、植栽などを追加する必要が出てきます。
これにより外構工事費が大きく膨らみ、内容によっては200万円を超えることも珍しくありません。
カーテン費用も当然かかります。

さらに、南側道路の土地は人気が高いため、価格も最も高く設定されがちです。
坪単価で2〜3万円違えば、50坪の土地で100万〜150万円の差になります。
同じエリアで利便性が変わらなくても、向きだけでこれだけの価格差が生じます。
しかも、人気の区画は値引き交渉がほとんど期待できません。
需要が高いため、売主も強気です。

つまり、日当たりが良さそうに見える土地は、土地価格も高く、外構費用もかかりやすく、それでいてプライバシーや家事動線の面で工夫をしなければ住みにくい家になりやすいという側面があるのです。

だからといって「では北側道路の土地が必ず良い」と単純に言えるわけでもありません。
直感的にはやはり南向きの方が魅力的に感じるでしょう。

しかし、土地は"向き"だけで価値が決まるものではありません。
設計の工夫次第で、北側道路の土地でも明るく快適な住まいを実現することは可能です。

次回は、なぜ一見不利に見える土地の方が、実はコスト面でも住み心地の面でも優れている可能性があるのか、その理由について詳しくお伝えしていきます。

それでは、また次回。

土地代だけでは買えない?土地の経費に関して

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「土地代だけでは買えない?土地の経費に関して」です。

---------
土地を購入する際、「土地代さえ払えば手に入る」と考えてしまいがちですが、実際にはそれ以外にもさまざまな費用が発生します。

また、家を建てるとなれば建物本体だけでなく、外構や庭の工事まで含めて考えなければなりません。
つまり、土地・建物・付帯工事のすべてにかかる総コストを把握したうえで、土地探しや家づくりを進めることが大切だということです。

それではまず、土地を購入する際に必要となる主な経費から整理していきましょう。

最初に挙げられるのが、不動産会社へ支払う仲介手数料です。

土地の販売形態には大きく分けて二つあります。
一つは、不動産会社が自ら土地を仕入れ、造成して売主として販売するケース。
もう一つは、一般の所有者が持っている土地を不動産会社が仲介して販売するケースです。

前者の場合は売主が不動産会社のため仲介手数料はかかりませんが、後者の場合は買主が仲介手数料を支払う必要があります。
一般的な計算方法は「(土地価格×3%+6万円)×消費税」です。
たとえば2,000万円の土地であれば、およそ70万円前後の仲介手数料が必要になります。

土地価格だけを見て予算を組むと、この費用が抜け落ちてしまうことがありますので注意が必要です。

vol.263simplenoteblog1.png

次に、水道加入金と水道引込工事費です。

土地を取得して建物を建てるには、水道を利用するための加入金を自治体へ支払う必要があります。
この金額は水道メーターの口径によって異なり、その基準は市町村ごとに違います。
数万円で済む地域もあれば、20万円前後かかる地域もあります。

また、新しい分譲地であれば敷地内にすでに水道が引き込まれていることが一般的ですが、古い土地や個人所有地の場合、敷地内まで水道管が入っていないケースもあります。
その場合は道路から敷地内へ新たに引き込む工事が必要になり、距離や道路状況によっては数十万円単位の費用が発生します。

さらに、既存の住宅が建っていた土地であっても、水道の口径が現在の基準に満たない場合には増径工事が必要になることがあります。
その際は追加の加入金が発生することもありますので購入前の確認が重要です。

続いて、排水負担金です。

公共下水道が整備されている地域であれば大きな問題はありませんが、下水道が整っていない地域では浄化槽を設置する必要があります。
その場合、地域の排水組合などへ負担金を支払うケースがあります。
金額や支払い方法は地域によって異なり、初回のみの場合もあれば継続的に費用がかかる場合もあります。

これも事前に調べておくべきポイントです。

そして、境界に関する工事費も忘れてはいけません。
隣地との境界部分にブロック基礎やフェンスを設置する場合、その費用が発生します。
境界線の中央に設置する場合は隣地所有者と折半できることもありますが、自分の敷地内に単独で設置する場合は全額自己負担となります。

また、設置するフェンスの種類や長さによって金額は大きく変わります。
購入を検討している土地が道路以外にどの程度の長さで隣地と接しているのか、すでに境界構造物があるのかどうかによっても必要な費用は変わります。
現地を確認し、どの程度の工事が必要になるのかを把握しておくことが大切です。

このように、土地を取得する際には土地価格以外にもさまざまな費用がかかります。

そして、その金額は土地の条件や地域によって大きく異なります。
だからこそ「この土地はいくらか」ではなく、「この土地に建てるまでに総額いくらかかるのか」という視点で考える必要があります。

諸費用を含めた総額を把握したうえで、自分たちが土地に充てられる予算はいくらなのかを逆算していくことが重要です。
土地代だけを基準に判断してしまうと、後から思わぬ出費に悩まされることになります。

まずは全体のコストを理解すること。
それが失敗しない土地選びの第一歩です。

それでは、また次回。

予算計上の際に忘れられやすい項目

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「予算計上の際に忘れられやすい項目」です。

---------
家づくりでは、住宅ローンに関する費用や火災保険、登記費用など、いわゆる諸経費がかかることは広く知られています。
しかし実際にはそれ以外にも見落としやすい支出がいくつもあります。

まず、あらかじめ想定しておきたいのが地盤改良工事費です。

地盤改良が必要かどうかは、地盤調査を実施しなければ分かりません。
しかも、地盤の強さだけでなく建物の大きさや形状、配置計画によっても工法や費用が変わります。
間取りと配置が確定しなければ正確な調査ができないため、着工直前まで費用が読めないケースも珍しくありません。

改良が不要であれば問題ありませんが、必要と判定された場合、工事費は数十万円で済むこともあれば100万円以上かかることもあります。

だからこそ、最初から余裕を持って予算に組み込んでおくことをおすすめします。
もし改良が不要であれば、その分を外構工事や家具購入に充てることもできます。

vol.262simplenoteblog1.png

次に、新しく購入する家電や家具の費用です。

新居に入居するタイミングで、エアコンを新調する方は非常に多くいます。
リビング用だけなのか、寝室や子ども部屋にも設置するのかによって必要な台数は変わります。
2026年現在は家電価格も以前より上昇傾向にあり、高性能モデルを選べば1台あたり20万円前後になることもあります。
複数台設置する場合は、想像以上の出費になる可能性があります。

また、テレビや冷蔵庫、洗濯機などの大型家電も家づくりに合わせて買い替えを検討する方が多いでしょう。

特に冷蔵庫やエアコンは省エネ性能の進化が大きく、古い機種を使い続けるよりも電気代を抑えられるケースもあります。
ただし、その分初期費用はかかるため、あらかじめ予算に含めておくことが大切です。

さらに、新居に合わせて家具を新調したくなる方も少なくありません。
ダイニングテーブルやチェア、ソファ、テレビボードなど、リビングダイニングに置く家具は空間の印象を大きく左右します。

こだわり始めると予算は膨らみがちですので、「いくらまでなら使ってよいのか」を先に決めておくことが重要です。

引っ越し費用も忘れてはいけません。
すべて自分たちで運ぶのか、一部だけ業者に依頼するのか、すべて任せるのかによって金額は大きく変わります。

また、3月や4月などの繁忙期は費用が高くなる傾向があります。
時期や曜日によっても料金が変動するため、ある程度幅を持たせて見積もっておきましょう。

そのほか、テレビアンテナやインターネット回線の工事費用、カーテン購入費用、外構の追加工事費、地鎮祭や上棟時の費用なども発生します。
ひとつひとつは大きな金額でなくても、積み重なると数十万円規模になることもあります。

これらを予算に含めないまま家づくりを進めてしまうと、土地や建物にお金をかけ過ぎてしまい、結果的に住宅ローンの借入額を増やすことになったり、手元に残しておくべき貯蓄を取り崩すことになったりします。

だからこそ、「建物にいくらかけられるか」を考える前に「別途いくら必要か」を把握することが大切です。
自分たちにはどの項目がどの程度必要になりそうかを整理したうえで、土地探しや設計に進むようにしてください。

順番を間違えると、後から調整が難しくなります。

まずは全体像をつかむこと。
それが、安心して家づくりを進めるための第一歩です。

それでは、また次回。

家を建てる時にかかる必要経費の話

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「家を建てる時にかかる必要経費の話」です。

---------
住宅ローンの商品を決め、毎月の返済額と返済期間が確定すると、金融機関からの借入額が明確になります。
そして、その借入額に自己資金を加えれば家づくりに充てられる総予算が見えてきます。

しかし、ここで注意しなければならないのは、その総予算をそのまま土地や建物に充ててはいけないということです。
実際には、土地代や建築費とは別にさまざまな諸経費が必要になります。
まずはそれらを差し引いたうえで、本当に使える予算を把握することが重要です。

それでは、具体的にどのような費用がかかるのでしょうか。

まずは、銀行に支払う費用です。

住宅ローンを利用する際には、事務手数料、保証料、印紙代、団体信用生命保険に関する費用などが発生します。
選ぶ商品が変動型か固定型かによっても条件は異なりますし、金融機関によって手数料体系も大きく違います。

さらに、土地の決済と建物の完成時期がずれる場合には、「つなぎ融資」が必要となり、その際の利息や手数料も別途発生します。

2026年現在住宅ローン金利は上昇傾向にあり、金利だけに目が向きがちですが、初期費用を含めた総支払額で比較しなければ本当に有利な商品かどうかは判断できません。
住宅ローンは「金利」だけでなく、「諸費用を含めた総コスト」で選ぶことが大切です。

次に、火災保険と地震保険です。

火災保険は、保険会社や契約内容によって保険料が大きく変わります。
建物の構造、所在地、補償範囲、加入年数によって金額が異なります。
現在は最長で10年契約が可能ですが、5年契約を選ぶ方も増えています。

たとえば、省令準耐火構造(T構造)の住宅は、一般的な木造住宅よりも保険料が大幅に抑えられます。
10年間で比較すると条件によっては20万円以上の差が出ることもあります。

また、水災リスクの高い地域では保険料が高くなりやすく、家財まで補償範囲を広げるとさらに費用は増えます。

地震保険については、どの保険会社で加入しても保険料は同一です。
単独では加入できず必ず火災保険とセットになります。

契約期間は最長5年です。
保険料は建物の構造や耐震等級によって割引率が変わります。

ただし、地震保険で補償される金額は、火災保険の保険金額の最大50%までと決められています。

そのため、万が一建物が全壊しても保険金だけで建て替え費用をまかなえるとは限りません。
さらに、被害の程度によって支払われる保険金額が変わるため、想定より少ない支払いになる可能性もあります。
この点は事前に理解しておく必要があります。

vol.262simplenoteblog1.jpg

続いて、登記費用です。

土地を購入すると、まず所有権移転登記が必要になります。
さらに、土地購入資金を借り入れる場合は、金融機関が担保を設定するための抵当権設定登記が行われます。

建物が完成すると建物表題登記を行い、その後に所有権保存登記を行います。
そして、建物にも抵当権が設定されます。
これらの登記には登録免許税や司法書士報酬が必要になります。

また、土地の地目が宅地でない場合には地目変更登記が必要ですし、既存の古い建物を解体する場合には建物滅失登記も必要になります。

状況によって発生する登記が異なるため、事前に確認しておかなければ思わぬ出費につながります。

これらが、いわゆる「諸経費」と呼ばれるものです。
家づくりでは、どうしても建物の仕様や土地の条件に目が向きがちですが、こうした諸経費を正確に見積もっておかないと、予算オーバーの原因になります。
必要経費を甘く見積もらず余裕を持った資金計画を立てることが、後悔しない家づくりにつながります。

それでは、また次回。

全期間固定の住宅ローンは正解なのか?

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「全期間固定の住宅ローンは正解なのか?」です。

---------
住宅ローンは、金利が低ければ低いほど支払う利息は少なくなります。
したがって、借入金額が大きい人ほど本来はできるだけ低金利の商品を選ぶべきだと考えるのが自然です。

しかし実際には多くの資金を借りなければならない人ほど、自己資金が十分ではなかったり、土地の購入も同時に進めなければならなかったりと、資金計画に余裕がないケースが少なくありません。
そのような状況で目先の金利の低さだけを基準に住宅ローンを選んでしまうと、将来的なリスクを抱えることになります。

借入額が大きい人ほど多少金利が高くなったとしても、返済額が最後まで変わらない全期間固定型の住宅ローンを選ぶという考え方は十分に合理的です。

なぜなら、金利上昇によって返済額が増えるリスクを完全に避けることができるからです。
これまで計画的に貯蓄をしてこなかった人が、家を建てたことをきっかけに急に貯金上手になるとは限りません。

そのような状態で、将来の金利動向によって返済額が変わるローンを選んでしまうと、家計は不安定になります。
返済額が一定であるという安心感は、それだけで大きな価値があるのです。

2026年2月時点の住宅ローン金利を見ると、変動型はおおよそ0.5%〜0.7%前後、全期間固定型は1.8%〜2.1%前後が一つの目安になっています。
両者の差は1%台前半程度ありますが、この差をどう捉えるかが判断の分かれ目になります。

vol.261simplenoteblog1.jpg

とはいえ、全期間固定型にも注意すべき点があります。

まず一つ目は、初期費用が比較的高くなることです。
代表的な全期間固定型である住宅金融支援機構が提供するフラット35では、融資手数料が借入額の約2%前後かかるケースが一般的です。
仮に3,000万円を借りる場合、約60万円程度の手数料が必要になります。
この費用は自己資金から支払うことが多いため、その分だけ建物や土地に充てられる予算が減ることになります。
資金計画を立てる段階であらかじめ織り込んでおく必要があります。

二つ目は、金融機関ごとに条件が大きく異なることです。
ある銀行では全期間固定金利が2.2%程度に設定されている一方で、フラット35が1.9%前後で利用できる場合もあります。
また、住宅性能によって一定期間金利が引き下げられる制度が適用されるケースもあります。
同じ「固定金利」という言葉でも、内容や総支払額は大きく変わります。
必ず複数の商品を比較し、総額で判断することが重要です。

三つ目は、借り過ぎてしまうリスクです。
フラット35は銀行融資と比べて借入可能額が大きく出る傾向があります。
例えば年収400万円の場合、銀行では2,300万円から2,600万円程度が目安となることが多いのに対し、フラット35では3,000万円台半ばまで借りられる可能性があります。

夫婦合算で年収600万円の場合も、銀行では3,500万円前後が目安となる一方で、フラット35では5,000万円前後まで借入可能と判断されるケースもあります。

しかし、借りられる金額と無理なく返せる金額は別物です。
固定金利で安心できたとしても、借入額そのものが大きければ家計への負担は重くなります。

教育費や老後資金、将来の修繕費などを考慮したうえで、本当に無理のない返済額かどうかを見極めなければなりません。

全期間固定型は、将来の金利上昇に左右されないという大きな安心感があります。
一方で、初期費用や金利水準、借入可能額の大きさなど、見落としてはいけないポイントも存在します。

住宅ローン選びは、単に金利の高い低いだけで決めるものではありません。
借入額、毎月の返済額、そして将来のライフプランまで含めて総合的に判断することが大切です。

家や土地の魅力に目を奪われる前に、まずは現実的な資金計画をしっかりと固めることが後悔しない家づくりにつながります。

それでは、また次回。

銀行が推奨する住宅ローンは本当にいい商品なのか?

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「銀行が推奨する住宅ローンは本当にいい商品なのか?」です。

---------
銀行のパンフレットに記載されている「10年固定」という文字を見ると、この商品を"固定金利"商品だと誤解してしまう方も多いのではないでしょうか?

また、あなたが銀行の窓口に一見客として行った場合、基本的に銀行側が勧めてくる住宅ローンは「3年固定」や「10年固定」といった当初期間固定型のローンが多いです。

しかしまず理解しておかなければならないのは、これらが実は変動型のカテゴリーに属する商品であるということです。

この商品は名前の中に「固定」という言葉があっても、借入期間中ずっと金利が固定されるわけではなく、固定期間満了後にはその時点の金利をもとに同じ商品を選ぶか、あるいは変動型に切り替えるかを選択しなければなりません。

つまり、いずれにしても固定期間終了後に金利を再設定する必要があり、返済額が変わる可能性が高いということです。

だからこそ銀行がすすめてくれたからといって安易に選ぶのではなく、将来的な金利上昇のリスクを理解したうえで商品を選ぶべきなのです。

vol.260simplenoteblog1.png


そして、当初期間固定型を選ぶうえで特に理解しておくべきことが、「将来の返済額アップに上限がない」という点です。

変動型住宅ローンでは、返済額の増加率は一定期間ごとに見直されますが、日本の一般的な仕組みでは返済額アップは上限125%などある程度制限されたルールがあります。

しかし、 当初期間固定型にはこのような制限がありません。
そのため未払い利息がない反面、返済額が大きく増える可能性もあります。

例えば、当初固定期間中の返済額が80,000円だったときに、見直し後に返済額が40%上がるとしたら、80,000円×1.4=112,000円となり返済額が一気に増えてしまう可能性があります。

また、当初期間固定型は当初の固定期間中だけ金利の優遇幅が大きく、その後は優遇幅が縮まるパターンが一般的です。

例えばこんなケースです。
店頭表示金利:約2.8%
当初3年間の優遇幅:約2.0%引き下げ
→ 当初3年間の適用金利:約0.8%

↓(3年後)

店頭表示金利:約2.8%
優遇幅:約1.3%引き下げ
→4年目以降の適用金利:約1.5%

このように、市場金利が上がっていなくても優遇幅が縮まることで金利が0.6%前後上がる例は実際に起こり得ます。

さらに、市場全体の金利が上昇すればたとえば店頭金利が2.8%→3.8%に上がれば、3年後の適用金利は約2.5%となり、4.8%に上昇すれば**約3.5%**程度になる可能性もあります。

では、これを実際の数字に当てはめてみましょう。
借入3,000万円、35年・元利均等払い、ボーナス返済なし、当初3年間の金利0.8%で試算してみます。

この場合、当初3年間の毎月返済額は約78,000円になります。
そして3年後、もし市場金利が上昇せず当初優遇幅が縮小した結果、適用金利が1.5%になったとすると返済額は約86,500円 となります。

これは返済額の上昇率が約11%です。
ではもし市場金利が1%上昇した場合は?

3年後の適用金利は約2.5%になり、返済額は約99,000円となります。
返済額の上昇率は約27%です。

さらに市場金利が2%上昇した場合は適用金利は約3.5%となり、返済額は約113,000円にまで上昇し、上昇率は約45%に達する可能性もあります。

いかがでしょうか?

「そんなに金利が上がることはないでしょ?」と思われるかもしれません。
しかし、金利が将来必ず動かないという保証はありません。
それゆえ、変動型も含め住宅ローンを選ぶ際は、商品のメリットだけでなく、こうしたリスクも理解したうえで選ぶ必要があります。
後になって気づき取り返しのつかない状況にならないよう、住宅ローン選びの前にこうしたリスクまで把握しておくことを強くおすすめします。

それでは、また次回。

大切な住宅ローンを正しく理解しよう!

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「大切な住宅ローンを正しく理解しよう!」です。

---------
資金計画では、自己資金と住宅ローンの借入額を決めることで、家づくり全体の予算をいくらに設定するのかを算出していきます。
そして、この自己資金がどれくらい用意できるのかによって、選ぶべき住宅ローンの考え方も大きく変わってきます。

例えば、準備できる自己資金がそれほど多くない場合、家づくりに必要な費用の大半を住宅ローンで賄うことになります。
そうなると、返済期間を長く設定せざるを得ず、金利上昇による返済額増加のリスクを避けるために、金利がずっと変わらない固定金利型の住宅ローンを選ぶ必要が出てきます。
たとえ、変動金利型に比べて金利が高く、毎月の返済額が大きくなってしまうとしても、です。

一方で、十分な自己資金を用意できる場合は、返済期間を短く設定することが可能になり、金利上昇によるリスクをある程度抑えることができます。
その結果、固定型より金利が低い変動型の住宅ローンを選択することもできるようになります。

このように、自己資金の状況によって適した住宅ローンは異なりますし、
収入や年齢、土地をすでに所有しているかどうかなど、さまざまな条件によっても選ぶべき住宅ローンは変わってきます。

資金計画では、こうしたあなたの状況を踏まえた上で最適な住宅ローン選びを行っていきます。


✔ 住宅ローンの種類を知っていますか?

住宅ローンは大きく分けると、「変動型」と「固定型」の2種類に分類されます。
さらに「変動型」は、純粋な変動型と「当初期間固定型」の2つに分かれます。
当初期間固定型とは、3年固定・5年固定・10年固定など、地方銀行が主力として扱っている住宅ローン商品ですね。

vol.259simplenoteblog1.png

✔ 変動金利型住宅ローン

変動金利型は、金利が低く設定されている反面、市場金利の動きに応じて金利が上下します。
そのため、金利が上昇すれば、返済額も連動して増えていくことになります。
ただし、変動型には金利が上がっても5年間は返済額が変わらない仕組みがあり、さらに5年後に返済額が増える場合でも、上昇幅は最大25%までに抑えられています。

では、具体的にシミュレーションしてみましょう。
借入金額3,000万円、金利1%、35年返済、元利均等返済、ボーナス返済なし、という条件で計算してみます。
この場合、毎月の返済額は84,765円です。

この金利のまま2年間返済を続けたとすると、2年後の利息は、28,553,730円(残高)×1%÷12か月=23,794円となります。
つまり、金利が上がらなければ、25回目の返済では84,765円から23,794円を差し引いた60,891円が元金返済に充てられます。

では、もし金利が上がってしまったらどうなるでしょうか?
極端な例ですが、2年後に金利が3%になった場合、利息は、28,553,730円×3%÷12か月=71,384円となります。
返済額は84,765円のままですから、元金に回せるのは84,765円−71,384円=13,381円しかありません。
つまり、返済しているにもかかわらず、金利上昇によって元金がほとんど減らない、という状況になってしまうのです。

さらに、金利が4%に上がった場合は、28,553,730円×4%÷12か月=95,179円となり、利息が返済額を上回ってしまいます。
そうなると、元金は減らないどころか、84,765円−95,179円=10,414円分の未払い利息が毎月積み重なっていくことになります。

現状では、住宅ローン金利が短期間で2〜3%も上昇する可能性は高くないと考えられています。
しかし、過去を振り返ると、1年で2%、2年で3%上昇したケースもあり、可能性がゼロとは言い切れません。
だからこそ、メリットだけでなくデメリットもしっかり理解した上で、住宅ローンを選んでいただきたいのです。
次回は、変動金利の一種である「当初期間固定型」について、詳しくお伝えしていきます。

それでは、また次回。

固定概念にとらわれないことが、家づくり成功のカギ

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「固定概念にとらわれないことが、家づくり成功のカギ」です。

---------
家づくりは、多くの方にとって一生に一度の大きな出来事です。
だからこそ、
「絶対に後悔したくない」
「できる限り妥協したくない」
そんな強い想いをお持ちではないでしょうか。

しかし後悔したくない一心で家づくりにお金をかけ過ぎてしまい、その負担が住宅ローンとして重くのしかかり、結果的に家を手放すことになってしまっては、取り返しがつきません。
たとえ何とか暮らしていけたとしても、家計に余裕がなく、貯蓄がまったくできない状態が続けば、お子さまの進学時や老後に、大きなツケが回ってくる可能性もあります。

だからこそ、「今」だけを見るのではなく、ずっと先の将来まで見据えたうえで、家づくりの予算計画を立てることが、成功への欠かせない条件となります。

vol.258simplenoteblog1.png

まずは、避けるべき家づくりの進め方からお話ししていきましょう。
その代表例が、具体的な資金計画を立てないまま、いきなり土地探しから始めてしまうケースです。
土地や建物にかけられる予算がはっきりしない状態で土地探しを始めると、ほぼ確実に予算を大きく超えた高額な土地を選んでしまいます。
同じ条件の立地であっても、最も価格が高い土地を選んでしまったり、必要以上に広い土地を購入してしまったりするからです。

その結果、借入額に限りがある場合は、建物に回せる予算が大きく削られます。
一方で、融資に余裕がある場合は、今度は家にもお金をかけ過ぎてしまい、毎月の返済が重くなってしまいます。

たとえば、現在の家賃が7万円だとすると、家づくり後の住宅ローン返済額は、できれば同額、もしくはそれ以下に抑えるのが理想です。
なぜなら、家を所有すると、固定資産税が毎年かかり、火災保険や地震保険にも加入し、将来的にはメンテナンス費用も必要になるからです。

ところが、こうした点を十分に理解しないまま、土地と建物を合わせた総予算が3,500万円になってしまったらどうでしょうか。
仮に、自己資金として200万円を用意できたとしても、銀行からの借入額は3,300万円になります。
この金額を、最長の35年ローンで組んだ場合、毎月の返済額は約9万4,000円にもなります。
つまり、現在の家賃よりも2万4,000円以上高くなってしまうのです。
この負担増は、正直かなり厳しいですよね。

もし、「今の家賃と同じくらいの支払いで家を持ちたい」と考えるのであれば、毎月の返済額を2万4,000円抑えた状態で、家づくりの予算を組む必要があります。
そうなると、借入額は3,300万円ではなく、約2,500万円が目安になります。
つまり、約800万円の予算削減が必要になる、ということです。
この金額を削るためには、土地の予算、建物の予算、さらには庭や外構にかける費用も、見直す必要があります。
「削る」と聞くと、「それは妥協なのでは?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、予算をカットすることは、決して妥協を意味するものではありません。
土地・家・庭に、知らず知らずのうちにかかっている無駄を合理的に見直すことで、住みやすさや使いやすさをむしろ向上させることも可能なのです。

次回からは、その具体的な方法について、詳しくお伝えしていきたいと思います。
ぜひ楽しみにしていてください。

もちろん、まずは資金計画が重要ですので、次回は資金計画の流れや押さえるべきポイントからお話ししていきますね。
それでは、また次回。

vol.258simplenoteblog2.png

一生払い続ける光熱費を、賢く抑えるための考え方

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「一生払い続ける光熱費を、賢く抑えるための考え方」です。

---------
住宅ローンには返済期限がありますが、光熱費には終わりがありません。
だからこそ、生涯にわたってかかり続ける光熱費をいかに抑えられるかは、家づくりにおいて非常に重要なポイントの一つです。

ここで、まず一つ質問させてください。
ご家庭で使われるエネルギーのうち、冷暖房が占めている割合はどれくらいだと思われますか?
感覚的には、「半分以上を占めているのでは?」と感じる方も多いかもしれません。
しかし実際のデータを見ると、暖房が全体の約26%、冷房に至ってはわずか約2%に過ぎません。
合わせても約28%という割合です。

一方で、意外と多くのエネルギーを消費しているのが、家電製品や照明などの動力部分で、これらが全体の約35%を占めています。
さらに、給湯に使われるエネルギーも冷暖房と同程度の約28%を消費している、という結果が出ています。
内訳をさらに詳しく見ていくと、最もエネルギー消費量が多いのは冷蔵庫で、次いで照明やテレビ、その次にエアコンが続く、という意外な順番になっています。

vol257simplenoteblog1.jpg

✔ 住宅の「過度な高性能化」は本当に必要か?

こうしたデータを踏まえると、改めて考える必要があるのが、住宅を過剰に高性能化する必要があるのかという点です。
断熱性や気密性を高めることは大切ですが、それだけを強化しても、冷暖房以外のエネルギー消費にはほとんど影響がありません。
もちろん、国が定める断熱基準を満たした住宅を建てることは大前提です。

しかし、その基準を大きく上回る性能を追求した場合、実際にどれほど光熱費が削減できるのかは、冷静に見極める必要があります。
もし、多額の費用をかけて性能を高めたにもかかわらず、住み始めてみると、思ったほど光熱費が下がらなかったとしたら?あるいは、家を必要以上に大きくしてしまった結果、かえって冷暖房費が増えてしまったとしたら?
それでは本末転倒ですよね。


✔ 光熱費を抑えるために取り組むべき2つのこと

住まいの光熱費を抑えるために、ぜひ意識していただきたいポイントが2つあります。

1つ目は、「できるだけ家をコンパクトにする」ということです。
当然のことですが、家の面積が小さくなれば、室内の体積も減り冷暖房に必要なエネルギーも抑えられます。
ただし重要なのは、無理に狭くするのではなく、無駄を省いて小さくする、という考え方です。

例えば、室内の温度差が少ない快適な家を目指すうえで、最も不要になりやすいスペースの一つが「廊下」ではないでしょうか。
廊下を極力なくすことで、家全体の温度差が生じにくくなり、各部屋ごとに設置するエアコンの使用量を減らすことができます。
また、廊下に限らず、その他の余分な空間を見直すことで家全体の面積を抑えることができれば、建築費そのものを大きく削減することも可能になります。
住宅価格は、面積に大きく左右されるからです。

そして2つ目に注目すべきなのが、「創エネ」、つまり太陽光発電の活用です。
住宅の高性能化が主に冷暖房エネルギーの削減に効果を発揮するのに対し、太陽光発電は冷暖房だけでなく、家全体のエネルギー消費を幅広くカバーすることができます。

ただし、太陽光発電であれば何でも良い、というわけではありません。
誰にでも無条件でおすすめできるものでもなく、返済方法やパネルメーカーの選定など、慎重な検討と試算が欠かせません。
とはいえ、電気料金は今後も上昇していくと考えられるため、太陽光発電を設置するかどうかで、生涯にわたって毎月1万円〜2万円もの差が生じる可能性もあります。
だからこそ、家づくりを考える際には、光熱費という視点にも目を向けることで、将来の老後資金に充てられる余力を生み出していただければと思います。
それでは、また次回。

家づくりの際に見直すべき「3つのコスト」

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「家づくりの際に見直すべき3つのコスト」です。

---------
家づくりと並行してまず見直していただきたい1つ目の項目が、「生命保険」です。

というのも、住宅ローンを利用して家を建てる場合、ほとんどの方が「団体信用生命保険(団信)」という掛け捨て型の生命保険に加入することになるからです。
この保険は、住宅ローンの契約者に万が一のことがあった際、残っている住宅ローン残高がすべてゼロになる仕組みです。
つまりもしもの事態に備えて、必要以上に生命保険へ加入する必要がなくなるということになります。

その理由を、順を追って説明いたします。

まず、万が一のことが起きた場合、配偶者には「遺族年金」が支給されます。
さらに、お子さまが小さい間は、その金額が上乗せされる仕組みになっています。
加えて、住宅ローンの名義人が亡くなるということは、その方の生活費や車の維持費などが一切かからなくなる、ということでもあります。

例えば、車1台を維持するための費用は、車両代の分割払いだけでなく、ガソリン代、保険料、車検費用、メンテナンス費用などを含めると、毎月およそ7万円かかるとも言われています。
その生活費がまるごとなくなるとすれば、家計の負担は大きく軽減されますよね。

つまり、住宅ローンの残債がゼロになり、生活費が大幅に減り、そこに年金収入が加わることで、仮に給与収入が残っていれば、ゆとりある生活が可能になるのです。
だからこそ、万が一に備えて、必要以上に保険へ入り過ぎる必要はないというわけです。

vol.256simplenoteblog1.png

また、日本は諸外国と比べても、健康保険をはじめとした公的保障制度が非常に充実しています。
そのため、医療保険に過剰なお金をかける必要も実はあまりありません。

というのも、国民年金をきちんと納めていれば、誰でも「高額療養費制度」を利用することができるからです。

多くの方は、仮に医療費が100万円かかった場合、自己負担割合である30%、つまり30万円が必要になると思われがちです。
しかし、高額療養費制度を使えば、実際の自己負担額は10万円以下に抑えられます。
そう考えると、毎月3,000円や5,000円といった高額な医療保険料を支払うよりも、保険料を抑え、その分を貯蓄に回して現金を手元に残しておく方が、合理的とも言えるでしょう。

病院側としても、ベッド数には限りがありますし、経営面を考えれば、できるだけ入院期間を短くし、通院へ切り替えたいという事情があります。
その結果、保険適用外となる通院費用が別途必要になるケースも考えられます。

以上の理由から、もし現在、万が一に備えて必要以上の保険に加入しているのであれば、家づくりをきっかけに、一度すべて見直してみることをおすすめしています。
場合によっては、保険の見直しだけで、毎月1万円〜1万5,000円ほどの老後資金を捻出できる可能性もあります。

次回は、2つ目の要素である「光熱費」について、詳しくお話ししていく予定です。
それでは、また次回。

長期金利の上昇が与える家計への影響

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「長期金利の上昇が与える家計への影響」です。

---------
長期金利の代表的な指標である10年物国債の流通利回りが上昇すると、それに伴って長期金利も上がります。

と言われても、正直あまり実感が湧かないですよね。
ということで今回は、この動きが家づくりにどんな影響を与えるのか、分かりやすくお伝えしていきたいと思います。

長期金利が上昇すると、一部の住宅ローン商品の金利も引き上げられます。
具体的に影響を受けるのは、銀行が主に扱っている変動型ローンの中の「10年固定」と、フラット35に代表される「全期間固定型ローン」です。


vol.255simplenoteblog1.png

✔ 金利が上がると、利息はいくら増えるのか?

では、仮に金利が0.5%上昇した場合、支払う利息はどの程度増えてしまうのでしょうか?
10年固定をおすすめする方と、全期間固定をおすすめする方は条件がまったく異なるため、ここではそれぞれ分けて考えていきます。

まずは、10年固定型住宅ローンの場合から見てみましょう。
10年固定をおすすめするのは、返済期間を20年以下に設定できる方です。
多くの自己資金を用意できる方や、土地を購入する必要がなく、家づくり全体の予算を大きく抑えられる方が該当します。

ここでは、借入額1,500万円、返済期間20年、金利1%と1.5%で比較してみます。

金利1%の場合 → 68,984円
金利1.5%の場合 → 72,382円
金利が0.5%上がるだけで、最初の10年間は毎月3,398円の差が生まれます。
その結果、10年間で407,760円も支払利息が増える計算になります。

さらに10年経過後、それぞれの金利が1%ずつ上昇したと仮定すると、
金利2%の場合 → 72,456円
金利2.5%の場合 → 75,992円となり、
残りの10年間も毎月3,536円の差が発生します。

3,536円 × 120回 = 424,320円
さらにこれだけの利息差が生じることになります。

つまり、20年間トータルでは、832,080円もの返済差が出てしまうのです。
これを割合で見ると、金利がたった0.5%上がっただけで、利息の支払いは約42%も増える計算になります。
そして、これが全期間固定ローンになると、影響はさらに深刻になります。


✔ 返済期間が長いほど、利息は大きく膨らむ

自己資金をあまり準備できない方や、まったく用意できない方、また土地から購入して家づくりをする方の多くは、全期間固定型ローンを選択せざるを得ません。

なぜなら、変動金利の上昇リスクを背負うのは、あまりにも危険だからです。
途中で金利が上がれば、返済が一気に苦しくなり、最悪の場合、破綻してしまう可能性も高まります。
せっかく建てた家を手放すことほど、家づくりにおいて避けるべき失敗はありません。

では次に、借入額2,500万円、返済期間35年、金利1%と1.5%で比較してみましょう。
金利1%の場合 → 70,571円
金利1.5%の場合 → 76,546円
このケースでは、毎月の支払いが5,975円増えることになります。
全期間固定ということは、この差が35年間、420回続くということです。

結果として、支払利息は2,509,500円も増加します。
割合で見ても、利息負担は約54%も増えてしまいます。

いかがでしょうか?
わずかな金利差が、これほど大きな利息差につながることをご理解いただけたのではないでしょうか。
毎月の返済額だけを見ると、数千円の違いなので、それほど大きな負担に感じないかもしれません。

しかし、冷静に総額で計算してみると、住宅ローンがいかに大きなお金を左右するものかが分かります。
だからこそ、住宅ローンを選ぶ際には、最も重要な「利息」についてしっかり理解したうえで、自分に合ったローンを選んでいただきたいと思います。

それでは、また次回。

vol.254 住宅侵入リスクと家づくり

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「住宅侵入リスクと家づくり」です。

---------
三井住友海上火災保険が発表したデータによると、「7割以上の家庭に住宅侵入リスクがあり、そのうちの6割以上が防犯対策をしていない」とのことです。

そして、多くの人が無意識のうちに家の中に侵入されやすい状況を自ら作り出してしまっているようなのですが、以下の項目に当てはまるものがある方はどうやら泥棒に狙われやすいようです。

①植木や枯れ木の手入れがされていない
②玄関先が掃除されていない
③ポストにチラシなどが溜まりがち
④夜、自宅周辺が薄暗く人目につきづらい
⑤敷地内に死角になる場所がある
⑥5分以内の外出やゴミ出しなどの際、鍵を閉めないことがある
⑦置き配を夜まで放置していることがある
⑧外に干した洗濯物を仕事などで夜遅くまで取り込まないことがある
⑨自宅にいる際に玄関や窓の鍵を開けたままにすることがある

そんなわけで家づくりをするにあたっては、防犯性を高めることも配慮しつつ間取りや外観、エクステリア設計を行わなければいけないというわけですね。

vol.254simplenoteblog1.png

では、これを一つ一つ考えていきたいと思いますが、まず①に関しては
植物の手入れは想像以上に手間がかかるので、この作業が好きじゃないという方はそもそも植えないこと。
これに限ります。

また、必要以上に広い土地を購入してしまう、不必要に余白を残しながら家を建てるということも、注意しておきたいポイントです。

無駄に余白が出来ればその分手入れに手間がかかるし、これをサボると景観が乱れると同時に泥棒に狙われやすくなるということですしね。

②、③に関しては「こまめに掃除をしていただく」しかありません。

④に関しては解決策が土地選びにあります。
「近隣にある程度の家がある」「自宅周辺に充分な街灯がある」ことが大事だと思われるので、土地選びの際は、昼間だけじゃなく夜も土地を見に行くことを忘れないようにしてください。

⑤に関しては設計が鍵を握ります。
家の中が外から丸見えになるオープンな間取りにしてしまうと、塀を高くする、植栽や目隠しを設けるなどでカバーしようとし、結果、死角となる場所が出来やすくなりますからね。

⑥と⑨に関しては、
こまめに鍵を閉めるという意識を持っていただくしかないので、②③同様に割愛させていただきます。

⑦に関しては、共働きが当たり前となった現在は「あるある」話だと思うので、生活習慣上、置き配が多いのであれば宅配ボックスを設置するとか置き配がオープンにならないように玄関ポーチ周りを設計するなどの工夫は欠かせません。

最後に⑧に関してですが、室内干し中心の方や乾燥機を使用される方にはほとんど関係のない話かもしれませんが、外干しを中心に考えられている方は
けっこう注意しておきたい重要なポイントとなります。

見える場所に干すことによって家にいる時間帯が分かってしまう上、洗濯物の中身を見れば家族構成や仕事まで分かってしまう可能性が高いからです。

設計をする上では洗濯物をどこに干すのかも考慮しつつ、間取りを考えることが根本的な解決策につながります。

干場をどうするのかは、外干しだけに限らず中干しをする場合でも非常に重要なポイントになってきます。
なんせ中干しの場合、日光が当たらない場所だと生乾き臭が発生しやすくなってしまいますからね。

いかがでしたか?
かなりサラッとした簡単な説明でしたが、言いたかったことは防犯対策の多くは土地選びや設計を心がけることが大切だということです。

なので、家づくりでは動線・耐震・温熱など大切なことはたくさんありますが、より安心・安全で快適な暮らしをしていただくために防犯やプライバシーにも配慮しながら家づくりをしていただければと思います。

それでは、また次回。

vol.253 流行と構造と使い勝手と

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「流行と構造と使い勝手と」です。

---------
行き止まりがなく家の中をスムーズに行動出来る動線を
「回遊動線」と呼びますが、
室内の移動をスムーズにすることで家事の効率化が図れるため
時間短縮とストレス圧縮という2つのメリットが享受出来ます。

vol.253simplenoteblog1.png

しかし一方で回誘動線には
「収納スペースが減る」「コストが高くなる」「構造が弱くなる」
という欠点も存在しています。

収納スペースが減る理由は、
部屋の入り口が2箇所になるためその分壁面が減ってしまうこと、
かつ、ドアとドアを結ぶ直線は通路として確保しないといけないため
さらに使える壁面が減ってしまうからです。

コストが高くなる理由は、
入り口が2箇所になればその分ドアの数が増えるから、
かつスイッチの場所も増えるため配線工事の手間も増えるからですが、
これに加えて収納を通り抜けにしたことで
収納スペースが減ってしまう分
余分に収納を設けないといけなくなることも
コストアップの原因になります。

構造が弱くなる理由は言わずもがな、ですね。
ドアが増えるということは窓が増えるのと同じように
その分壁が減ってしまうからですね。

そんなわけで回遊動線を取り入れるか否かは
この両面を知っていただいた上で決めていただければと考えています。

これまでの内容を分かりやすくまとめると

1.回遊動線を取り入れると時間とストレスの圧縮にはなるが
その分、収納力が減るし構造も弱くなるしコストも高くなる。

2. 回遊動線を取り入れないと時間とストレスの圧縮は出来ないが、
その分、収納力が増えるし構造も強くなりコストも下がる。

ということになるのですが、
あなたならどちらを選択されるでしょうか。

✔️収納における勘違い

「収納は出来るだけたくさんつくりたい」
よほど片付けや物の整理が得意な人じゃない限り
家を建てる誰もがこうお考えになると思いますが、
先程申し上げた通り
収納は壁面を減らしてしまうとその力を半減させてしまいます。

結果、これを補填するように別で収納を設けない限り、
「収納が全然足りない...」という悲劇を招いてしまいます。

設計に入る前に知っておいていただきたいことは
収納は「床の広さ」ではなく
「壁の広さ」で考えなければいけないということです。

仮に3帖のファミリークロークをつくったとしても、
通り抜けられるようにしなければ
ここには5m20cmも使える壁が存在するのに対し、
通り抜けられるようにした場合は
その半分の2m60cmしか使える壁が存在しなくなりますからね。

収納に関しては「床の広さ」にフォーカスしないように
気を付けてください。

vol.253simplenoteblog2.png


✔️奥行きのことも考慮する

そして収納におけるもう1つの注意点が
「奥行きが深い収納」もまた通り抜け同様に
意味のないスペースを生み出してしまうということです。

無駄に奥行きが深いと
物を収納した手前に必ず余白が出来るのですが、
そのスペースを有効活用しようと
何か置いてしまうと確実に奥の物が取り出しにくくなるため、
物の管理をしやすくするためには手前には何も置かない方が良いよね
となるからです。

現在はそんなに奥行きの深い物がなくなってきています。
以前は場所をとっていた掃除機も
現在はスティックタイプやルンバなど
場所をとらないものになってきているし、
布団にしても以前に比べて断熱性能が格段に向上した現在、
昔みたいにあからさまに夏と冬の布団を分ける必要もなくなったし、
布団そのものも圧縮して収納すれば以前のように場所をとりません。

収納に関しては、
この2点に注意しながら計画を立てるようにしていただけたらと思います。
この2点がコストを圧縮しながらも収納力をアップさせるためのポイントです。

それでは、また次回。

vol.252 全ての鍵を握るのは設計

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「全ての鍵を握るのは設計」です。

---------
土地と外構にかける予算を圧縮しなければいけないとしたら、
そもそも建てる家をどうするかから考えなければいけません。
住む地域を変えることなく土地の予算を圧縮するための唯一の現実的な手段は、
「南向きの土地を避けつつ面積を必要最小限にする」
ということに尽きるのですが、
どんな家でもこれが実現出来るかというとそうではありません。

これを実現するためには、
「土地の日当たりの良し悪しに関係なく
明るく快適な住まいが建てられる設計力」が必要となります。

例えば、南向きじゃない上に
敷地の南側に日光を阻害する2階建ての家が建っている土地は
確実に土地の値段が安く設定されていますが、
この土地の1階に南に配置した部屋を作り
その部屋の南に窓を作っても
そこからは日光が家の中に入ってこないのは
火を見るより明らかな事実です。

ゆえに、この土地の1階には
日光を確保したい部屋を南に配置すべきではありません。

では、どうしたらいいのか?
まず1つ目の解決策は
南に建つ家から充分な距離を確保した場所に
日光を確保したい部屋を配置するということです。

すぐ南に2階建ての家が建っている場合、
その家から6mほど距離を取れば
高度が低い冬場でも家の中に日光が差し込んでくるので
それが一つの目安といった感じです。

これが実現可能なら
この選択をすることによって日光を確保していきます。

これが難しそうであれば
吹抜けを作ることによって家の中に日光を取り込みます。
これが2つ目の解決策です。

すぐ南に家が建っている場合、
1階の南に配置した部屋には冬に日光が入ってきませんが、
2階の南に配置した部屋には問題なく日光が入ってくるからです。

高い位置から日光を取り込めば
太陽高度が低い冬場は奥深くまで日差しが差し込み、
リビングやダイニングだけじゃなくキッチンまでも明るくなる上、
日差しによって暖かくなりますしね。

そんなわけで、
土地にかける予算を大幅に圧縮するためには、
どんな土地でも快適な家が建てられる
設計力が必要になってくるというわけです。

vol.252simplenoteblog1.png

✔️建築費を抑える工夫

ただし、これらの解決策は
建築費が割高になってしまうという弱点を持っているのも
また一つの疑いようのない事実です。

第一の解決策は主に「中庭」と手段を用い、
第二の解決策は「吹抜け」という手段を用いるのですが、
いずれの手段も大なり小なり工事面積が増えるからです。

ゆえに「これはなくてもいいかもしれない」
と思える場所や広さを見直していき
コストを抑える工夫を並行して行うことで帳尻を合わせていきます。

かつ、窓をよく考えて作ることで
当たり前にように必要だとされている「カーテン」の数を最小化しつつ、
ダサいけど安全のために仕方なく設置せざるを得ない
「シャッター」をゼロにすることで、
むしろコストを抑えていくといった感じでしょうか。

これが建築費を圧縮する工夫です。
これが出来れば外構にかかるお金も確実に圧縮出来ます。

カーテンやシャッターがいらない住まいは、
防犯性が高い上、室内のプライバシーも担保されているため
外構によって低い防犯性やプライバシー性をカバーする必要がなくなるからです。

土地面積を抑えることによって敷地に出来る余白も少なくなれば、
その分、外構の施工面積も少なくなりますしね。

このように家づくりのコストを最小限に抑えるためには、
家のコストはもちろん土地や外構にかける予算も
圧縮しないといけないのですが、
その鍵を握るのは「設計」ということになるので
家づくりにおいていかに「設計」が大事なのかということを
覚えておいていただければと思います。

それでは、また次回。

vol.252simplenoteblog2.png

vol.251 大きな買い物の心得 外構編

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「大きな買い物の心得 外構編」です。

---------
例えば家と外構を合わせた合計予算が3000万円だとして、
あなたのご要望を全て叶えようとすると
家に2900万円かかりそうだとしたら
建築会社は外構予算を基本100万円で設定することが多いです。

しかし、建築工事がだいぶ進み
具体的な打ち合わせを外構屋さんと行い
いざ見積もりを出してもらってみると、
予想を遥かに上回るような金額が目の前に提示されたとしたら
どうお感じになるでしょうか?

100万円しか予算を見てなかったのに
やりたいことを伝えてみると
400万円もの見積もりになってしまったとしたら
この差をどのような手段で埋めればいいのでしょうか?

今回も少々極端に見える例えを出してみたのですが、
実を言うと家と外構の予算配分を間違えた結果
このような結末を迎えることは決して珍しいことではありません。

vol.251simplenoteblog2.png


✔️土地・家・外構は三位一体

「土地」は不動産屋さんの領域。
「家」は建築会社の領域。
「外構」は外構屋さんの領域。
(これに加えて「家具」は家具屋さんの領域。)
この業界には昔からこのような暗黙のルールというか
分業的なイメージが存在するため、
家づくりではそれぞれがそれぞれの密接な関係性を
無視した状態で進められがちになるのですが、
このような認識の中家づくりを行うと
土地・家・外構全てに無駄な予算を投じる可能性が高まるため、
これら全てを分けて考えないようにしていただきたいと思っています。

選ぶべき土地の広さや形はどんな家を建てるかによって変わるし、
建てるべき家は土地の広さや形、そして周囲の環境によって変わるし、
外構工事もどんな家を建てるか、そして土地の広さや形、
周囲の環境によって変わります。

ゆえに、土地選びの段階からどのような家を建てたいと思っていて、
その家にはどのような外構工事が必要で、
そして、家と外構それぞれにどれくらいの予算が必要なのかを
あらかじめある程度把握した上で
土地選びを行った方がいいというわけですね。

仮に、あなたが建てたい家が平屋だとして
是非とも「中庭」をつくりたいとお考えだとしたら
選ぶべき土地の広さは60坪もあれば充分でしょう。

そして、「中庭」から採光をとれば
外周面に採光のための大きな窓が基本必要なくなることから、
外構工事の多くをカット出来るでしょう。

外壁が塀代わりになるため塀に予算をかける必要がなくなるし、
目隠しや門などをつくることによって
プライバシーや防犯性を確保する必要もなくなるからです。
また、ウッドデッキも家の中につくるため
その分建築費用は上がるものの逆に外構費用は下がりますしね。

他方、平屋にはしたいが「中庭」に抵抗があるとしたら
選ぶべき土地に広さを15〜20坪ほど
広げていただいた方がいいかと思います。
採光を確保するための余白が南に必要になるからです。

また、外周面に大きな窓をたくさんつくることになるため、
敷地境界全面にしっかりとした塀をつくると同時に、
プライバシーや防犯性を担保するために
目隠しや門、アプローチなどの工夫が確実に必要となります。

ゆえに、同じ平屋でも建てる家の特徴によって
土地にかけるべき予算も外構にかけるべき予算も
大きく違ってくるというわけですね。
もちろん、家にかける予算も。

これらが全て曖昧なまま家づくりを進めてしまうと、
家づくりの予算計画は当初から大きくはみ出すことになりかねません。
そしてギリギリの苦しい生活を招き、
場合によっては家を手放すことになりかねません。

変動金利を選ぶ予定であるなら、
もしもの時のための繰上げ返済資金すら貯める余裕がなくなったとしたら、
心の余裕もないまま日々過ごしていかないといけなくなりますしね。

というわけなので、
大きな買い物である家づくりで後悔しないためにも
決して勢いだけで突っ走らず、
土地・家・外構は三位一体であることを理解していただき、
冷静な判断力を身につけてから家づくりを進めていただければと思います。

それでは、また次回。

vol.251simplenoteblog1.png

vol.250 大きな買い物の心得 家編

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「大きな買い物の心得 家編」です。

---------
土地の坪単価は
同じ価値がある場所であれば広さ云々で変わらないし、
そもそも土地ごとに単価が設定されているため、
その単価に広さを乗じれば自分で簡単に価格が算出出来ますが、
家は同じ価値のものをつくったとしても
坪単価が家の大きさによって変化するという属性を持っているため、
土地のように自分で簡単に価格を算出することが出来ません。

また、それに加えて
家を建てるためには非常に多くの工事を要するのですが、
その工事のどこまでを価格に反映させるのかという決まりが
業界で統一されていないことから、
なおのこと正確な価格を把握するのが難しくなっています。

かつ、外構工事に関しても購入する土地の広さや現況、
そしてどんな家を建てるかによって大きく違ってきますしね。
数百万円単位で。

そんなわけで初めて家を建てる方が、
家づくりにかかる価格を正確に把握するのは難しいと思うのですが、
とはいえ、価格について曖昧なまま進めていってしまうと
後から皺寄せがやってくるのは間違いないと思うので、
家を建てる前に最低限知っておいた方がいいことについて
お伝えしていきたいと思います。

ちなみに皺寄せとは
予定していた資金では足りないことが発覚し、
追加ローンによってそれをカバーするか、
あるいは残していた自己資金を出すことによってカバーするか、
あるいは親御さんに頭を下げて
資金援助をしてもらうことによって不足分をカバーするか、
最悪なのは外構工事に手をつけられなくなり
ガタガタの状態で放置するかのいずれかを選択することですね。

では、ここからは
「家の価格」と「外構の価格」に分けてお伝えしていきます。

vol.250simplenoteblog1.png


✔️「家の価格」

家の価格は「本体工事」と「付帯工事」に分かれますが、
この境界線は非常に曖昧であり
それぞれを正確に把握するのは難しいので
「結局まとめていくらかかるのか?」で把握していただく
癖をつけるのが一番いいと思います。

普通に考えると
「家の価格の中に当たり前のように入っているでしょ」
と大抵の人が思いそうなものの、
実は別で表示されがちな項目が
「浄化槽費用」「照明器具費用」
「設計費用及び申請費用」(長期優良住宅・ZEH・耐震等級3など)
「給湯器費用」「カーテン及びカーテンレール費用」
「屋外給排水工事費用」「仮設工事費用」(仮設トイレ・仮設電気・仮設水道など)
「造作家具工事費用」「地盤改良費用」「外構工事費用」
「太陽光発電費用及び蓄電池費用」などです。

これらは本体工事とは別に表示されることが多く、
建築会社が出してくれる資金計画書などでは、
家具や家電費用、銀行での諸経費、登記費用や火災(地震)保険費用
といったいわゆる諸経費コーナーに並べられていることが多いのですが、
これらを見落としてしまうとずいぶんと建築費が安く感じると同時に
価格についての認識がずいぶんと曖昧になってしまいます。

実質、建築工事は全体で3300万円必要なのに、
こうやって分けられたことで
建築工事が2500万円で済むような気にさせられるという感じですね。

そして、正直にこれらの費用も含めて
3100万円で見積もりを出してくれている会社よりも
実質は200万円高いのに見た目的には600万円安いと思い
そのまま商談が進んでいくことになるという結末を迎えてしまいます。

少々極端な例かもしれませんが、
これが価格をあえて分解し分かりにくくすることによる効果というわけですね。

勉強した上で慎重に進めていく人は
この単純なテクニックに気付くことが出来るのですが、
直感的に勢いよく突っ走る方なんかは、
このテクニックにいとも簡単に騙されてしまいます。
そして、ものすごく高い買い物をさせられることになります。

というわけなので、
家の価格に関しては「結局全部でいくらなの?」を
的確に把握出来るようなっていただければと思います。

それでは、また次回。

vol.249 大きな買い物の心得 土地編

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「大きな買い物の心得 土地編」です。

---------
例えば、Aというスーパーでは200円で売っているCという商品が
Bというスーパーでは250円で売っていて、
逆にAというスーパーでは300円で売っているDという商品が
Bというスーパーでは250円で売っているとした場合、
Cの商品はAのスーパーで買いDの商品はBのスーパーで買う
という買い物の仕方が最も安く買い物が出来ますが、
(200円+250円=450円)
仮にAのスーパーとBのスーパーを移動するために
ガソリン代が60円かかるとしたら、
「その選択は合理的である」とは言えなくなります。

大きな決断を要する買い物は
感情や直感だけに身を任せて突っ走るのは非常に危険なので、
勉強し知識をつけ表面的には見えにくいところまで
目を通せるようになった上で
論理的に購入の可否を決めていただいた方がいいのですが、
こと家づくりに関しても同じことが言えるかと思います。

vol.249simplenoteblog1.png


✔️土地価格の見方

土地を買う時は土地代だけを支払えばいいかと言うと
決してそういうわけではありません。

その土地の所有者が不動産屋さんじゃなければ
仲介してくれる不動産屋さんに仲介手数料を払わないといけないし、
水道が敷地内に引き込まれていなければ
水道を引き込む工事が必要になると同時に
市町村に払う水道加入金が必要になるなど、
見えない経費がたくさんかかるからです。

ゆえ、単純に土地の値段だけに気を取られるのではなく、
こういった隠れた経費を全て含めた上で
総額いくらかかるのかで判断する癖を
身につけていただいた方がいいかと思います。

仮に、同じ地域で気になるAとBという土地があり、
Aという新規分譲地の土地は1000万円するが、
Bという土地は900万円と100万円も安いとしたら、
土地代だけに目を向けるとBを選んだ方が割安感がありますが、
蓋を開けてみるとBの方が高くつくこともあるという感じですね。

仲介手数料がいらないAに対しBは仲介手数料が必要になる。
かつ、水道や境界が整っているAに対し、
Bは水道引き込みや境界工事に多額の費用を要する。など
表面的には見えていないいくつかの理由によって、です。

土地が坪あたり5万円以下で売られているような地域では、
土地の広さによっては
身内が所有している農地(田や畑)を転用の許可申請を行い、
境界壁をつくり、土を入れ替え、水道を引っ張ってくるという
造成工事をするよりも、
近くで売られている土地を買った方が安くつくということも
決して珍しくありませんしね。

というわけなので、
大きな買い物をする時は
目に見えた費用だけじゃなく見えていない費用に何があるか?
そして、それらにはどれくらいの費用がかかるのかにまで
目を配ることを忘れないようにしていただければと思います。

それでは、また次回。

vol.248 平屋の欠点の解決法

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「平屋の欠点の解決法」です。

---------
平屋の良さは
「自然と耐震性が高まること」
「家全体に空気が循環しやすいこと」
「使い勝手が良く生活しやすいこと」
この3つにあると思いますが、
その裏にはもちろん欠点も潜んでいます。

1つ目は「土地が広く必要となること」
1階部分が大きくなる上、南向き以外の土地の場合、
日照を確保するための余白も必要となるからです。

2つ目は「家の価格が高くなること」
コスト上昇が著しいコンクリートをたくさん使用する
基礎の面積が大きくなる上、屋根の面積も大きくなるからです。

3つ目は「防犯性が悪くなること」
全ての部屋が1階に配置される上、
ほとんどのお家が窓の形を見ればおおよそ間取りが分かってしまう
という弱点を抱えているからです。

そして、それを担保するために
心理的に敷地に入ってきにくくなるように塀や目隠し、門やアプローチなど
外構工事に一手間を要することになるのですが、
この結果、外構コストがグンと跳ね上がることになります。
土地面積が広いことも重なって、です。

このように、
何事にもプラスの面とマイナスの面が必ず存在するように、
巷で人気が上がってきている「平屋」もまた
いずれの側面も持ち合わせているのですが、
今回はこのマイナス面をプラスに転じさせるアイデアについて
お伝えしていきたいと思います。

vol.248simplenoteblog1.png


✔️3つの欠点を一気に解決!

実はこの3つの欠点は「中庭」をつくるという
たった1つのアイデアで解決することが出来ます。

「中庭」をつくると
まず土地の面積を広げる必要がなくなります。
家の中心から採光を取るようにすれば
周囲が家に囲まれていても
それらの建物によって光を遮られることがなくなるからです。

結果、日当たりのための余白を全て削ることが出来るようになり、
その分土地を取得するための費用を大幅にカットすることが出来ます。

また、家の中心から採光を取ることによって
安定した光を家全体に届けることが出来るため、
外周部に採光のための大きな窓が基本必要なくなります。
(脱出用の窓が必要だと思う人は大きな窓が必要かもしれませんが)

結果、外壁そのものが境界などに立てる塀のような役割になり
塀や門、目隠しなど、心理的に
敷地内に入ってきにくくなる工夫が全く必要なくなり、
その分のコストが丸々浮くと同時に、
防犯性とプライバシ性が高くなり安心して暮らしていただけます。

最後に2つ目の問題点である
「家の価格が高くなる」についてお伝えしていきますが、
これに関してはこれまでのような簡単は話ではありません。

「中庭」をつくれば目隠しのためのカーテンや
強風や強風による飛散物を回避するためのシャッターが基本いらなくなるため、
その分の価格は落とすことが出来るものの
一方で、施工面積は確実に増えるため
トータルで考えると価格そのものは上がってしまうからです。

ゆえに、これを解決するためには、
家の中の「なくてもいいもの」をなくすという項目を
追加していただく必要があります。

例えば「廊下」。
これはただ通るだけのスペースなので基本必要ありません。

また、部屋の数に関しても不必要に増やすこともありません。
全ての部屋と収納が同じフロアにあるし、
やがて子供たちは家を出ていくでしょうしね。

部屋の広さに関しても無駄に広げる必要はありません。
寝る時間以外はずっとリビングで過ごすことになるでしょうし、
プライバシーが担保され自然光が注ぎ込まれる「中庭」があれば
なおのことそこで過ごしたくなるでしょうしね。

そんなわけで、
この合わせ技を使うことによって家の価格も安くしていくというわけですね。

いかがでしたか?
これらが「平屋」ならでは、の欠点をカバーするためのアイデアなので
これから家を建てるにあたり「平屋にしたいな」とお考えの方は、
参考にしていただければと思います。

それでは、また次回。

vol.247 法改正と耐震と根本論と

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「法改正と耐震と根本論と」です。

---------
2025年4月に建築基準法が改正され、
「地震や風の力に対して必要な耐力壁の量が現行のおよそ1.6倍になる」
と同時に、現在のように
耐力壁の量によって簡易的に耐震の計算をするのではなく、
「建物自体の重さ、人や家財の重さ、雪が降った時の重さ、
地震や台風が来た時どのように力が伝わるのか?
そしてその力に各部材が耐えられるか?」

などを全て調べつつ耐震の計算(構造計算)を行なっていくことになりました。

建物の省エネ化が進んだことで、
断熱材の重さが加わると共にサッシ自体も重くなっているし
屋根にも太陽光パネルを載せるのがごく当たり前になっており、
結果、建物自体の重量がずいぶんと増しているからですね。

そんなわけで現在は、
建築確認申請に要する時間が大幅に増加していると同時に、
(省エネ計算&申請に時間がかかるのに加えて、
耐震計算&申請にも時間がかかるようになるからです)
より耐震に配慮した設計を心がけなければいけません。

では今回は法改正が1年後に迫り
なおのこと基準が厳しくなる
「耐震」についてお伝えしていきたいと思いますが、
耐震をよくするためには
そもそも天然で構造的に強い家にすることが
第一の条件ではないでしょうか?

vol.247simplenoteblog1.jpg

✔️2階建ては構造的に弱くなりやすい

自然と地震に強くなるためには
「平屋」が建てられるなら「平屋」にすることが最良の選択です。

2階建ての場合、
平屋にはない上階からの荷重がかかる上、
細かく部屋を仕切る2階の方が
1階よりも重量が増えてしまうからです。

現在の間取りは、
1階にリビングダイニングキッチンをつくり
その空間も出来るだけ広くつくることがスタンダードであるため、
どうしても1階に2階を支えるだけの
壁量がつくりにくくなっています。

また、家を2階建てにする最大の要因は
「南からの採光への固執」にあると思いますが、
この考え方を基本に間取りをつくると
「南側に壁が少なくなり一方で北側に壁が多くなる」
という家になってしまいます。

要するに「壁量バランスが極めて悪い家になってしまう」
というわけですね。

そんなわけで、
天然で地震に強いに家にするためには
「平屋」にすることが最良の選択だと考えているのですが、
先程の後半で述べた「バランス」に関しては
単純に平屋にしただけでは完全な解決にはならないため、
「バランス」を整えていただくために

✔️「光の採り方」を工夫する

ことが大事であることをご認識いただければと思います。
光には、太陽の光が直接的に入ってくる「直射光」と、
空気中の塵や水蒸気に反射して間接的に入ってくる
「天空光」があるのですが、
家の中を安定的に明るくするためには
「天空光」をうまく利用することが鍵になってきます。

vol.247simplenoteblog2.png

直射光は天候によって大きくされるため
人為的に調整するのが難しいのに対し、
天空光は天候にほとんど左右されないため
こちらで調整しやすいからです。

直射光を中心に明るさを計算すると
厳しい日差しを遮るためにカーテンをせざるを得なくなり
家の中が暗くなってしまうため、
それを補うためにまた別の場所に窓を設置し、
結果、耐力壁となる壁が減ってしまうだけですしね。

そんなわけで家の設計を考える時は、
「光の採り方」に工夫することが
非常に大切なことだと考えています。

より少ない窓で安定した明るさをもたらすことが出来れば、
耐震的にもより安定するし、
かつ、東西南北全てに偏りなく耐力壁を作ることが出来れば、
耐震計算(構造計算)的にもずいぶんと有利に働くのは
間違いのない事実だと思います。

というわけなので、
耐震に関してはもちろん数字も大事なものですが、
「何よりバランスが大事であること」を
知っておいていただければと思います。

それでは、また次回。