予算計上の際に忘れられやすい項目

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「予算計上の際に忘れられやすい項目」です。

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家づくりでは、住宅ローンに関する費用や火災保険、登記費用など、いわゆる諸経費がかかることは広く知られています。
しかし実際にはそれ以外にも見落としやすい支出がいくつもあります。

まず、あらかじめ想定しておきたいのが地盤改良工事費です。

地盤改良が必要かどうかは、地盤調査を実施しなければ分かりません。
しかも、地盤の強さだけでなく建物の大きさや形状、配置計画によっても工法や費用が変わります。
間取りと配置が確定しなければ正確な調査ができないため、着工直前まで費用が読めないケースも珍しくありません。

改良が不要であれば問題ありませんが、必要と判定された場合、工事費は数十万円で済むこともあれば100万円以上かかることもあります。

だからこそ、最初から余裕を持って予算に組み込んでおくことをおすすめします。
もし改良が不要であれば、その分を外構工事や家具購入に充てることもできます。

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次に、新しく購入する家電や家具の費用です。

新居に入居するタイミングで、エアコンを新調する方は非常に多くいます。
リビング用だけなのか、寝室や子ども部屋にも設置するのかによって必要な台数は変わります。
2026年現在は家電価格も以前より上昇傾向にあり、高性能モデルを選べば1台あたり20万円前後になることもあります。
複数台設置する場合は、想像以上の出費になる可能性があります。

また、テレビや冷蔵庫、洗濯機などの大型家電も家づくりに合わせて買い替えを検討する方が多いでしょう。

特に冷蔵庫やエアコンは省エネ性能の進化が大きく、古い機種を使い続けるよりも電気代を抑えられるケースもあります。
ただし、その分初期費用はかかるため、あらかじめ予算に含めておくことが大切です。

さらに、新居に合わせて家具を新調したくなる方も少なくありません。
ダイニングテーブルやチェア、ソファ、テレビボードなど、リビングダイニングに置く家具は空間の印象を大きく左右します。

こだわり始めると予算は膨らみがちですので、「いくらまでなら使ってよいのか」を先に決めておくことが重要です。

引っ越し費用も忘れてはいけません。
すべて自分たちで運ぶのか、一部だけ業者に依頼するのか、すべて任せるのかによって金額は大きく変わります。

また、3月や4月などの繁忙期は費用が高くなる傾向があります。
時期や曜日によっても料金が変動するため、ある程度幅を持たせて見積もっておきましょう。

そのほか、テレビアンテナやインターネット回線の工事費用、カーテン購入費用、外構の追加工事費、地鎮祭や上棟時の費用なども発生します。
ひとつひとつは大きな金額でなくても、積み重なると数十万円規模になることもあります。

これらを予算に含めないまま家づくりを進めてしまうと、土地や建物にお金をかけ過ぎてしまい、結果的に住宅ローンの借入額を増やすことになったり、手元に残しておくべき貯蓄を取り崩すことになったりします。

だからこそ、「建物にいくらかけられるか」を考える前に「別途いくら必要か」を把握することが大切です。
自分たちにはどの項目がどの程度必要になりそうかを整理したうえで、土地探しや設計に進むようにしてください。

順番を間違えると、後から調整が難しくなります。

まずは全体像をつかむこと。
それが、安心して家づくりを進めるための第一歩です。

それでは、また次回。

家を建てる時にかかる必要経費の話

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「家を建てる時にかかる必要経費の話」です。

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住宅ローンの商品を決め、毎月の返済額と返済期間が確定すると、金融機関からの借入額が明確になります。
そして、その借入額に自己資金を加えれば家づくりに充てられる総予算が見えてきます。

しかし、ここで注意しなければならないのは、その総予算をそのまま土地や建物に充ててはいけないということです。
実際には、土地代や建築費とは別にさまざまな諸経費が必要になります。
まずはそれらを差し引いたうえで、本当に使える予算を把握することが重要です。

それでは、具体的にどのような費用がかかるのでしょうか。

まずは、銀行に支払う費用です。

住宅ローンを利用する際には、事務手数料、保証料、印紙代、団体信用生命保険に関する費用などが発生します。
選ぶ商品が変動型か固定型かによっても条件は異なりますし、金融機関によって手数料体系も大きく違います。

さらに、土地の決済と建物の完成時期がずれる場合には、「つなぎ融資」が必要となり、その際の利息や手数料も別途発生します。

2026年現在住宅ローン金利は上昇傾向にあり、金利だけに目が向きがちですが、初期費用を含めた総支払額で比較しなければ本当に有利な商品かどうかは判断できません。
住宅ローンは「金利」だけでなく、「諸費用を含めた総コスト」で選ぶことが大切です。

次に、火災保険と地震保険です。

火災保険は、保険会社や契約内容によって保険料が大きく変わります。
建物の構造、所在地、補償範囲、加入年数によって金額が異なります。
現在は最長で10年契約が可能ですが、5年契約を選ぶ方も増えています。

たとえば、省令準耐火構造(T構造)の住宅は、一般的な木造住宅よりも保険料が大幅に抑えられます。
10年間で比較すると条件によっては20万円以上の差が出ることもあります。

また、水災リスクの高い地域では保険料が高くなりやすく、家財まで補償範囲を広げるとさらに費用は増えます。

地震保険については、どの保険会社で加入しても保険料は同一です。
単独では加入できず必ず火災保険とセットになります。

契約期間は最長5年です。
保険料は建物の構造や耐震等級によって割引率が変わります。

ただし、地震保険で補償される金額は、火災保険の保険金額の最大50%までと決められています。

そのため、万が一建物が全壊しても保険金だけで建て替え費用をまかなえるとは限りません。
さらに、被害の程度によって支払われる保険金額が変わるため、想定より少ない支払いになる可能性もあります。
この点は事前に理解しておく必要があります。

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続いて、登記費用です。

土地を購入すると、まず所有権移転登記が必要になります。
さらに、土地購入資金を借り入れる場合は、金融機関が担保を設定するための抵当権設定登記が行われます。

建物が完成すると建物表題登記を行い、その後に所有権保存登記を行います。
そして、建物にも抵当権が設定されます。
これらの登記には登録免許税や司法書士報酬が必要になります。

また、土地の地目が宅地でない場合には地目変更登記が必要ですし、既存の古い建物を解体する場合には建物滅失登記も必要になります。

状況によって発生する登記が異なるため、事前に確認しておかなければ思わぬ出費につながります。

これらが、いわゆる「諸経費」と呼ばれるものです。
家づくりでは、どうしても建物の仕様や土地の条件に目が向きがちですが、こうした諸経費を正確に見積もっておかないと、予算オーバーの原因になります。
必要経費を甘く見積もらず余裕を持った資金計画を立てることが、後悔しない家づくりにつながります。

それでは、また次回。

全期間固定の住宅ローンは正解なのか?

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「全期間固定の住宅ローンは正解なのか?」です。

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住宅ローンは、金利が低ければ低いほど支払う利息は少なくなります。
したがって、借入金額が大きい人ほど本来はできるだけ低金利の商品を選ぶべきだと考えるのが自然です。

しかし実際には多くの資金を借りなければならない人ほど、自己資金が十分ではなかったり、土地の購入も同時に進めなければならなかったりと、資金計画に余裕がないケースが少なくありません。
そのような状況で目先の金利の低さだけを基準に住宅ローンを選んでしまうと、将来的なリスクを抱えることになります。

借入額が大きい人ほど多少金利が高くなったとしても、返済額が最後まで変わらない全期間固定型の住宅ローンを選ぶという考え方は十分に合理的です。

なぜなら、金利上昇によって返済額が増えるリスクを完全に避けることができるからです。
これまで計画的に貯蓄をしてこなかった人が、家を建てたことをきっかけに急に貯金上手になるとは限りません。

そのような状態で、将来の金利動向によって返済額が変わるローンを選んでしまうと、家計は不安定になります。
返済額が一定であるという安心感は、それだけで大きな価値があるのです。

2026年2月時点の住宅ローン金利を見ると、変動型はおおよそ0.5%〜0.7%前後、全期間固定型は1.8%〜2.1%前後が一つの目安になっています。
両者の差は1%台前半程度ありますが、この差をどう捉えるかが判断の分かれ目になります。

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とはいえ、全期間固定型にも注意すべき点があります。

まず一つ目は、初期費用が比較的高くなることです。
代表的な全期間固定型である住宅金融支援機構が提供するフラット35では、融資手数料が借入額の約2%前後かかるケースが一般的です。
仮に3,000万円を借りる場合、約60万円程度の手数料が必要になります。
この費用は自己資金から支払うことが多いため、その分だけ建物や土地に充てられる予算が減ることになります。
資金計画を立てる段階であらかじめ織り込んでおく必要があります。

二つ目は、金融機関ごとに条件が大きく異なることです。
ある銀行では全期間固定金利が2.2%程度に設定されている一方で、フラット35が1.9%前後で利用できる場合もあります。
また、住宅性能によって一定期間金利が引き下げられる制度が適用されるケースもあります。
同じ「固定金利」という言葉でも、内容や総支払額は大きく変わります。
必ず複数の商品を比較し、総額で判断することが重要です。

三つ目は、借り過ぎてしまうリスクです。
フラット35は銀行融資と比べて借入可能額が大きく出る傾向があります。
例えば年収400万円の場合、銀行では2,300万円から2,600万円程度が目安となることが多いのに対し、フラット35では3,000万円台半ばまで借りられる可能性があります。

夫婦合算で年収600万円の場合も、銀行では3,500万円前後が目安となる一方で、フラット35では5,000万円前後まで借入可能と判断されるケースもあります。

しかし、借りられる金額と無理なく返せる金額は別物です。
固定金利で安心できたとしても、借入額そのものが大きければ家計への負担は重くなります。

教育費や老後資金、将来の修繕費などを考慮したうえで、本当に無理のない返済額かどうかを見極めなければなりません。

全期間固定型は、将来の金利上昇に左右されないという大きな安心感があります。
一方で、初期費用や金利水準、借入可能額の大きさなど、見落としてはいけないポイントも存在します。

住宅ローン選びは、単に金利の高い低いだけで決めるものではありません。
借入額、毎月の返済額、そして将来のライフプランまで含めて総合的に判断することが大切です。

家や土地の魅力に目を奪われる前に、まずは現実的な資金計画をしっかりと固めることが後悔しない家づくりにつながります。

それでは、また次回。

銀行が推奨する住宅ローンは本当にいい商品なのか?

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「銀行が推奨する住宅ローンは本当にいい商品なのか?」です。

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銀行のパンフレットに記載されている「10年固定」という文字を見ると、この商品を"固定金利"商品だと誤解してしまう方も多いのではないでしょうか?

また、あなたが銀行の窓口に一見客として行った場合、基本的に銀行側が勧めてくる住宅ローンは「3年固定」や「10年固定」といった当初期間固定型のローンが多いです。

しかしまず理解しておかなければならないのは、これらが実は変動型のカテゴリーに属する商品であるということです。

この商品は名前の中に「固定」という言葉があっても、借入期間中ずっと金利が固定されるわけではなく、固定期間満了後にはその時点の金利をもとに同じ商品を選ぶか、あるいは変動型に切り替えるかを選択しなければなりません。

つまり、いずれにしても固定期間終了後に金利を再設定する必要があり、返済額が変わる可能性が高いということです。

だからこそ銀行がすすめてくれたからといって安易に選ぶのではなく、将来的な金利上昇のリスクを理解したうえで商品を選ぶべきなのです。

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そして、当初期間固定型を選ぶうえで特に理解しておくべきことが、「将来の返済額アップに上限がない」という点です。

変動型住宅ローンでは、返済額の増加率は一定期間ごとに見直されますが、日本の一般的な仕組みでは返済額アップは上限125%などある程度制限されたルールがあります。

しかし、 当初期間固定型にはこのような制限がありません。
そのため未払い利息がない反面、返済額が大きく増える可能性もあります。

例えば、当初固定期間中の返済額が80,000円だったときに、見直し後に返済額が40%上がるとしたら、80,000円×1.4=112,000円となり返済額が一気に増えてしまう可能性があります。

また、当初期間固定型は当初の固定期間中だけ金利の優遇幅が大きく、その後は優遇幅が縮まるパターンが一般的です。

例えばこんなケースです。
店頭表示金利:約2.8%
当初3年間の優遇幅:約2.0%引き下げ
→ 当初3年間の適用金利:約0.8%

↓(3年後)

店頭表示金利:約2.8%
優遇幅:約1.3%引き下げ
→4年目以降の適用金利:約1.5%

このように、市場金利が上がっていなくても優遇幅が縮まることで金利が0.6%前後上がる例は実際に起こり得ます。

さらに、市場全体の金利が上昇すればたとえば店頭金利が2.8%→3.8%に上がれば、3年後の適用金利は約2.5%となり、4.8%に上昇すれば**約3.5%**程度になる可能性もあります。

では、これを実際の数字に当てはめてみましょう。
借入3,000万円、35年・元利均等払い、ボーナス返済なし、当初3年間の金利0.8%で試算してみます。

この場合、当初3年間の毎月返済額は約78,000円になります。
そして3年後、もし市場金利が上昇せず当初優遇幅が縮小した結果、適用金利が1.5%になったとすると返済額は約86,500円 となります。

これは返済額の上昇率が約11%です。
ではもし市場金利が1%上昇した場合は?

3年後の適用金利は約2.5%になり、返済額は約99,000円となります。
返済額の上昇率は約27%です。

さらに市場金利が2%上昇した場合は適用金利は約3.5%となり、返済額は約113,000円にまで上昇し、上昇率は約45%に達する可能性もあります。

いかがでしょうか?

「そんなに金利が上がることはないでしょ?」と思われるかもしれません。
しかし、金利が将来必ず動かないという保証はありません。
それゆえ、変動型も含め住宅ローンを選ぶ際は、商品のメリットだけでなく、こうしたリスクも理解したうえで選ぶ必要があります。
後になって気づき取り返しのつかない状況にならないよう、住宅ローン選びの前にこうしたリスクまで把握しておくことを強くおすすめします。

それでは、また次回。

大切な住宅ローンを正しく理解しよう!

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「大切な住宅ローンを正しく理解しよう!」です。

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資金計画では、自己資金と住宅ローンの借入額を決めることで、家づくり全体の予算をいくらに設定するのかを算出していきます。
そして、この自己資金がどれくらい用意できるのかによって、選ぶべき住宅ローンの考え方も大きく変わってきます。

例えば、準備できる自己資金がそれほど多くない場合、家づくりに必要な費用の大半を住宅ローンで賄うことになります。
そうなると、返済期間を長く設定せざるを得ず、金利上昇による返済額増加のリスクを避けるために、金利がずっと変わらない固定金利型の住宅ローンを選ぶ必要が出てきます。
たとえ、変動金利型に比べて金利が高く、毎月の返済額が大きくなってしまうとしても、です。

一方で、十分な自己資金を用意できる場合は、返済期間を短く設定することが可能になり、金利上昇によるリスクをある程度抑えることができます。
その結果、固定型より金利が低い変動型の住宅ローンを選択することもできるようになります。

このように、自己資金の状況によって適した住宅ローンは異なりますし、
収入や年齢、土地をすでに所有しているかどうかなど、さまざまな条件によっても選ぶべき住宅ローンは変わってきます。

資金計画では、こうしたあなたの状況を踏まえた上で最適な住宅ローン選びを行っていきます。


✔ 住宅ローンの種類を知っていますか?

住宅ローンは大きく分けると、「変動型」と「固定型」の2種類に分類されます。
さらに「変動型」は、純粋な変動型と「当初期間固定型」の2つに分かれます。
当初期間固定型とは、3年固定・5年固定・10年固定など、地方銀行が主力として扱っている住宅ローン商品ですね。

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✔ 変動金利型住宅ローン

変動金利型は、金利が低く設定されている反面、市場金利の動きに応じて金利が上下します。
そのため、金利が上昇すれば、返済額も連動して増えていくことになります。
ただし、変動型には金利が上がっても5年間は返済額が変わらない仕組みがあり、さらに5年後に返済額が増える場合でも、上昇幅は最大25%までに抑えられています。

では、具体的にシミュレーションしてみましょう。
借入金額3,000万円、金利1%、35年返済、元利均等返済、ボーナス返済なし、という条件で計算してみます。
この場合、毎月の返済額は84,765円です。

この金利のまま2年間返済を続けたとすると、2年後の利息は、28,553,730円(残高)×1%÷12か月=23,794円となります。
つまり、金利が上がらなければ、25回目の返済では84,765円から23,794円を差し引いた60,891円が元金返済に充てられます。

では、もし金利が上がってしまったらどうなるでしょうか?
極端な例ですが、2年後に金利が3%になった場合、利息は、28,553,730円×3%÷12か月=71,384円となります。
返済額は84,765円のままですから、元金に回せるのは84,765円−71,384円=13,381円しかありません。
つまり、返済しているにもかかわらず、金利上昇によって元金がほとんど減らない、という状況になってしまうのです。

さらに、金利が4%に上がった場合は、28,553,730円×4%÷12か月=95,179円となり、利息が返済額を上回ってしまいます。
そうなると、元金は減らないどころか、84,765円−95,179円=10,414円分の未払い利息が毎月積み重なっていくことになります。

現状では、住宅ローン金利が短期間で2〜3%も上昇する可能性は高くないと考えられています。
しかし、過去を振り返ると、1年で2%、2年で3%上昇したケースもあり、可能性がゼロとは言い切れません。
だからこそ、メリットだけでなくデメリットもしっかり理解した上で、住宅ローンを選んでいただきたいのです。
次回は、変動金利の一種である「当初期間固定型」について、詳しくお伝えしていきます。

それでは、また次回。

固定概念にとらわれないことが、家づくり成功のカギ

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「固定概念にとらわれないことが、家づくり成功のカギ」です。

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家づくりは、多くの方にとって一生に一度の大きな出来事です。
だからこそ、
「絶対に後悔したくない」
「できる限り妥協したくない」
そんな強い想いをお持ちではないでしょうか。

しかし後悔したくない一心で家づくりにお金をかけ過ぎてしまい、その負担が住宅ローンとして重くのしかかり、結果的に家を手放すことになってしまっては、取り返しがつきません。
たとえ何とか暮らしていけたとしても、家計に余裕がなく、貯蓄がまったくできない状態が続けば、お子さまの進学時や老後に、大きなツケが回ってくる可能性もあります。

だからこそ、「今」だけを見るのではなく、ずっと先の将来まで見据えたうえで、家づくりの予算計画を立てることが、成功への欠かせない条件となります。

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まずは、避けるべき家づくりの進め方からお話ししていきましょう。
その代表例が、具体的な資金計画を立てないまま、いきなり土地探しから始めてしまうケースです。
土地や建物にかけられる予算がはっきりしない状態で土地探しを始めると、ほぼ確実に予算を大きく超えた高額な土地を選んでしまいます。
同じ条件の立地であっても、最も価格が高い土地を選んでしまったり、必要以上に広い土地を購入してしまったりするからです。

その結果、借入額に限りがある場合は、建物に回せる予算が大きく削られます。
一方で、融資に余裕がある場合は、今度は家にもお金をかけ過ぎてしまい、毎月の返済が重くなってしまいます。

たとえば、現在の家賃が7万円だとすると、家づくり後の住宅ローン返済額は、できれば同額、もしくはそれ以下に抑えるのが理想です。
なぜなら、家を所有すると、固定資産税が毎年かかり、火災保険や地震保険にも加入し、将来的にはメンテナンス費用も必要になるからです。

ところが、こうした点を十分に理解しないまま、土地と建物を合わせた総予算が3,500万円になってしまったらどうでしょうか。
仮に、自己資金として200万円を用意できたとしても、銀行からの借入額は3,300万円になります。
この金額を、最長の35年ローンで組んだ場合、毎月の返済額は約9万4,000円にもなります。
つまり、現在の家賃よりも2万4,000円以上高くなってしまうのです。
この負担増は、正直かなり厳しいですよね。

もし、「今の家賃と同じくらいの支払いで家を持ちたい」と考えるのであれば、毎月の返済額を2万4,000円抑えた状態で、家づくりの予算を組む必要があります。
そうなると、借入額は3,300万円ではなく、約2,500万円が目安になります。
つまり、約800万円の予算削減が必要になる、ということです。
この金額を削るためには、土地の予算、建物の予算、さらには庭や外構にかける費用も、見直す必要があります。
「削る」と聞くと、「それは妥協なのでは?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、予算をカットすることは、決して妥協を意味するものではありません。
土地・家・庭に、知らず知らずのうちにかかっている無駄を合理的に見直すことで、住みやすさや使いやすさをむしろ向上させることも可能なのです。

次回からは、その具体的な方法について、詳しくお伝えしていきたいと思います。
ぜひ楽しみにしていてください。

もちろん、まずは資金計画が重要ですので、次回は資金計画の流れや押さえるべきポイントからお話ししていきますね。
それでは、また次回。

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一生払い続ける光熱費を、賢く抑えるための考え方

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「一生払い続ける光熱費を、賢く抑えるための考え方」です。

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住宅ローンには返済期限がありますが、光熱費には終わりがありません。
だからこそ、生涯にわたってかかり続ける光熱費をいかに抑えられるかは、家づくりにおいて非常に重要なポイントの一つです。

ここで、まず一つ質問させてください。
ご家庭で使われるエネルギーのうち、冷暖房が占めている割合はどれくらいだと思われますか?
感覚的には、「半分以上を占めているのでは?」と感じる方も多いかもしれません。
しかし実際のデータを見ると、暖房が全体の約26%、冷房に至ってはわずか約2%に過ぎません。
合わせても約28%という割合です。

一方で、意外と多くのエネルギーを消費しているのが、家電製品や照明などの動力部分で、これらが全体の約35%を占めています。
さらに、給湯に使われるエネルギーも冷暖房と同程度の約28%を消費している、という結果が出ています。
内訳をさらに詳しく見ていくと、最もエネルギー消費量が多いのは冷蔵庫で、次いで照明やテレビ、その次にエアコンが続く、という意外な順番になっています。

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✔ 住宅の「過度な高性能化」は本当に必要か?

こうしたデータを踏まえると、改めて考える必要があるのが、住宅を過剰に高性能化する必要があるのかという点です。
断熱性や気密性を高めることは大切ですが、それだけを強化しても、冷暖房以外のエネルギー消費にはほとんど影響がありません。
もちろん、国が定める断熱基準を満たした住宅を建てることは大前提です。

しかし、その基準を大きく上回る性能を追求した場合、実際にどれほど光熱費が削減できるのかは、冷静に見極める必要があります。
もし、多額の費用をかけて性能を高めたにもかかわらず、住み始めてみると、思ったほど光熱費が下がらなかったとしたら?あるいは、家を必要以上に大きくしてしまった結果、かえって冷暖房費が増えてしまったとしたら?
それでは本末転倒ですよね。


✔ 光熱費を抑えるために取り組むべき2つのこと

住まいの光熱費を抑えるために、ぜひ意識していただきたいポイントが2つあります。

1つ目は、「できるだけ家をコンパクトにする」ということです。
当然のことですが、家の面積が小さくなれば、室内の体積も減り冷暖房に必要なエネルギーも抑えられます。
ただし重要なのは、無理に狭くするのではなく、無駄を省いて小さくする、という考え方です。

例えば、室内の温度差が少ない快適な家を目指すうえで、最も不要になりやすいスペースの一つが「廊下」ではないでしょうか。
廊下を極力なくすことで、家全体の温度差が生じにくくなり、各部屋ごとに設置するエアコンの使用量を減らすことができます。
また、廊下に限らず、その他の余分な空間を見直すことで家全体の面積を抑えることができれば、建築費そのものを大きく削減することも可能になります。
住宅価格は、面積に大きく左右されるからです。

そして2つ目に注目すべきなのが、「創エネ」、つまり太陽光発電の活用です。
住宅の高性能化が主に冷暖房エネルギーの削減に効果を発揮するのに対し、太陽光発電は冷暖房だけでなく、家全体のエネルギー消費を幅広くカバーすることができます。

ただし、太陽光発電であれば何でも良い、というわけではありません。
誰にでも無条件でおすすめできるものでもなく、返済方法やパネルメーカーの選定など、慎重な検討と試算が欠かせません。
とはいえ、電気料金は今後も上昇していくと考えられるため、太陽光発電を設置するかどうかで、生涯にわたって毎月1万円〜2万円もの差が生じる可能性もあります。
だからこそ、家づくりを考える際には、光熱費という視点にも目を向けることで、将来の老後資金に充てられる余力を生み出していただければと思います。
それでは、また次回。

家づくりの際に見直すべき「3つのコスト」

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「家づくりの際に見直すべき3つのコスト」です。

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家づくりと並行してまず見直していただきたい1つ目の項目が、「生命保険」です。

というのも、住宅ローンを利用して家を建てる場合、ほとんどの方が「団体信用生命保険(団信)」という掛け捨て型の生命保険に加入することになるからです。
この保険は、住宅ローンの契約者に万が一のことがあった際、残っている住宅ローン残高がすべてゼロになる仕組みです。
つまりもしもの事態に備えて、必要以上に生命保険へ加入する必要がなくなるということになります。

その理由を、順を追って説明いたします。

まず、万が一のことが起きた場合、配偶者には「遺族年金」が支給されます。
さらに、お子さまが小さい間は、その金額が上乗せされる仕組みになっています。
加えて、住宅ローンの名義人が亡くなるということは、その方の生活費や車の維持費などが一切かからなくなる、ということでもあります。

例えば、車1台を維持するための費用は、車両代の分割払いだけでなく、ガソリン代、保険料、車検費用、メンテナンス費用などを含めると、毎月およそ7万円かかるとも言われています。
その生活費がまるごとなくなるとすれば、家計の負担は大きく軽減されますよね。

つまり、住宅ローンの残債がゼロになり、生活費が大幅に減り、そこに年金収入が加わることで、仮に給与収入が残っていれば、ゆとりある生活が可能になるのです。
だからこそ、万が一に備えて、必要以上に保険へ入り過ぎる必要はないというわけです。

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また、日本は諸外国と比べても、健康保険をはじめとした公的保障制度が非常に充実しています。
そのため、医療保険に過剰なお金をかける必要も実はあまりありません。

というのも、国民年金をきちんと納めていれば、誰でも「高額療養費制度」を利用することができるからです。

多くの方は、仮に医療費が100万円かかった場合、自己負担割合である30%、つまり30万円が必要になると思われがちです。
しかし、高額療養費制度を使えば、実際の自己負担額は10万円以下に抑えられます。
そう考えると、毎月3,000円や5,000円といった高額な医療保険料を支払うよりも、保険料を抑え、その分を貯蓄に回して現金を手元に残しておく方が、合理的とも言えるでしょう。

病院側としても、ベッド数には限りがありますし、経営面を考えれば、できるだけ入院期間を短くし、通院へ切り替えたいという事情があります。
その結果、保険適用外となる通院費用が別途必要になるケースも考えられます。

以上の理由から、もし現在、万が一に備えて必要以上の保険に加入しているのであれば、家づくりをきっかけに、一度すべて見直してみることをおすすめしています。
場合によっては、保険の見直しだけで、毎月1万円〜1万5,000円ほどの老後資金を捻出できる可能性もあります。

次回は、2つ目の要素である「光熱費」について、詳しくお話ししていく予定です。
それでは、また次回。