vol.178 土地・建物の予算の出し方5

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「土地・建物の予算の出し方5」です。

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前回までで
平屋を建てるにあたり必要な面積の出し方と、
その平屋を建てるために必要な土地面積の出し方について
お伝えしきましたが、
「家を建てるなら平屋にしたいなー」とお考えの方は
ある程度具体的な数字を算出することが出来たでしょうか?

出来た!という方は、
この数字を持って住宅会社に足を運んでいただければ
きっとそれに基づいた予算を出してくれるはずなので、
(土地・建物・外構全ての予算)
ぜひ活用してみてください!

というわけで今回からは、
2階建てバージョンについてお伝えしていきたいと思います。

2階建ては平屋にはなかった階段も算入しないといけないし、
2階につくる部屋が多くなればなるほど
2階に出来る廊下も広くなりやすいので、
この辺も含めて計算していきましょう。

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では、まずは玄関から。
玄関と玄関収納に関しては
以前お伝えした平屋と変わることはないので、
広さにこだわりがなければ
玄関は2帖、少し広めがいい方は3帖、
そして、玄関収納に関しては
置くものが基本靴だけなら1帖、
それ以外にキャンプ道具や趣味ものを置きたいという方は
2〜3帖とってみてください。

続いてリビングダイニングキッチンです。
ここに関しては平屋の時にお伝えした
ダイニングテーブルをキッチンの前に置くか横に置くか
によって違ってくるのに加え、
階段をこのスペースにつくるかつくらないかによっても
必要となる広さが違ってきます。

例えば、リビング階段にしつつ
キッチン横ダイニングにこだわるのであれば、
16帖では確実に狭いため18帖は確保した方がいいでしょうし、
少し大きめのソファを希望されるなら20帖は欲しいところだし、
ゆったり感が欲しいなら22帖取ったほうがいいかもしれません。
約2帖のスペースを消費する階段も含めて。

そして、キッチン前ダイニングなら
ここから2帖マイナスした広さで充分でしょうし、
あるいは、キッチン横ダイニングでもリビング階段でなくせば、
先程の数字からマイナス2帖で大丈夫だと思います。

まとめると、
・リビング階段×キッチン前ダイニング
→18帖でOK(ゆったりなら20帖)
・リビング階段×キッチン横ダイニング
→20帖でOK(ゆったりなら22帖)
・リビング外階段×キッチン前ダイニング
→16帖でOK(ゆったりなら18帖)
・リビング階段×キッチン横ダイニング
→18帖でOK(ゆったりなら20帖)
といったところですかね。

ただ、リビング外階段を希望される方は、
階段が別で必要となるので階段スペースとして2帖、
別でカウントしていただきつつ、
そうなると間違いなく廊下が余分に必要となるので、
別途廊下を1帖カウントしていただくといいかと思います。

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続いて水回りですが、
1階は以下の質問に答えていっていただければと思います。

・トイレは最低限の広さでいいでしょうか。
それとも少し広めがいいでしょうか。
・洗面台の広さにこだわりがあるでしょうか。
・洗濯物は基本外干し派でしょうか、それとも室内干し派でしょうか、
それとも乾燥機で乾かす派でしょうか。
・お風呂の広さにこだわりがあるでしょうか。

ちなみにトイレは最低限なら1帖。
少し広めなら1.25帖〜1.5帖。
洗面台は普通サイズなら1帖。
2ボウルが良い、あるいは広めがいいという方は2帖。
脱衣室に関しては室内干し派の方なら3帖。
外干し派と乾燥派の方なら2帖。
お風呂はこだわりがない方は1帖。
広さにこだわりがある方は1.25帖。
といった感じですね。

2階に関しては、
2階にトイレや洗面をつくるとしたら
これらを算入しないといけません。

この場合、トイレだけなら1帖、
2階に洗面化粧台も置きたい場合は、
追加で1帖みていただくといいかと思います。

では、今回はここまでにして、
次回は部屋の数と広さ、
そして収納の広さについて考えていきたいと思います。

それでは、また次回。

vol.177 土地・建物の予算の出し方4

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「土地・建物の予算の出し方4」です。

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平屋を建てるにあたり、
どれくらい土地の広さが必要となるのかは、
「中庭」をつくるか否かで大きく違ってきます。

「中庭」をつくらない場合、
リビングの位置が南になると思いますが、
リビングの窓から直射光をたっぷりと採り込むには
リビングから敷地境界まで
それなりに距離を取らなくてはいけなくなるのに対し、
「中庭」をつくればそうする必要がなくなるからです。

「中庭」があれば、
自然と隣に建つお家から充分な距離が取れる場所に
窓を設置出来るようになるし、
直射光が入ってきにくい部屋には
「中庭」に入ってくる直射光を壁に反射させた光と
天空光を届けてあげればそれだけで充分明るくなるから、
ですね。

プライバシーが担保された「中庭」の窓には、
視線と共に光までも遮ってしまう
カーテンを設置する必要がありません。

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結果「中庭」をつくるか否かで
平屋を建てるにあたり必要となる
土地面積がざっと15〜20坪ほど違ってくることになります。

仮に、延床面積28坪の平屋を建てるとしたら、
「中庭」がある場合
60坪前後もあれば充分なのに対し、
「中庭」がない場合それよりも15〜20坪程度広い
75〜80坪ぐらい広さがないといけない
といった感じですね。

土地価格に換算すると
坪単価が20万円のエリアだとしたら
それだけで300〜400万円前後
違ってくるというわけですね。
かつ、生涯払い続ける
固定資産税の金額も違ってきますし。


✔️外構費も大きな差が生じる

また「中庭」の有無は
土地代に影響を及ぼすだけじゃなく、
外構費にも大きな影響を及ぼします。

「中庭」がないお家は
プライバシーを担保しにくい上
防犯性も担保しにくいため、
心理的に敷地に入ってきにくい工夫を
外構工事で施さないといけないし、
ウッドデッキを使うにせよ
部屋でリラックスして過ごしにせよ、
なんらかの手段によって
目隠ししないといけないからです。

「中庭」があるお家は
採光を中庭から確保出来ることから
外周部に大きな窓を設置する必要がなく、
結果、外壁そのものが境界壁の役割を果たすし、
ウッドデッキを使うにせよリビングで過ごすにせよ、
全く人目を気にする必要がないのに対し。

そんなわけで、
土地代と外構代を合計すると
ざっと400〜600万円ぐらいは
差が生じるのではないでしょうか。
もちろん、住みたいエリアによって
この差は違ってくるわけですけどね。

✔️必要な土地面積の算出方法

平屋を建てるために必要となる土地の広さは、
「中庭」がある場合、
前回までに算出した面積
+「中庭」として確保した面積
+余白10坪(家の周囲の通路)
+駐車場面積(1台4.5坪×台数)
で求めていただけます。

仮に前回までで求めた面積が25坪で、
中庭で必要な面積が3坪(=6帖)で、
置きたい車の台数が4台だとしたら、
25+3+10+18=56坪という感じですね。

他方、中庭がない平屋にする場合、
中庭分を足す必要はありませんが、
日当たりを確保するための余白が
20坪程度余分に必要となるため、
25+10+18+20=73坪は
土地面積が必要だということになります。

いかがでしたか?

これはあくまで目安なので、
常にこの計算通りになるかと言われると
決してそうではないのですが、
とはいえ、こうやってどんな家を建てたいかから
必要な土地の広さを出しておくと
かなり土地探しがやりやすくなるのは間違いありません。

なので、土地探しをしなければいけない方は、
まずは自分がどれくらいの広さの家を求めているのか?
そしてその家を建てるためには
どれくらいの広さの土地が必要なのか?
あらかじめこの2つを算出してから
土地探しに動き出していただければと思います。

それでは、また次回。

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vol.176 土地・建物の予算の出し方3

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「土地・建物の予算の出し方3」です。

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「収納」はたくさんあるに
越したことはないと考えがちですが、
これもまた部屋同様に
増やせば増やす程コストに直結するため、
収納に対する正しい知識をつけた上で
どこにどれだけつくるかを考えていただきたい場所です。

正しい知識とは、収納の分量を左右する要素は
「床面積」ではなく「壁面積」だということですね。

つまり、単純に床の広さだけを見るのではなく
そこに一体どれだけ壁があるのかを
見る力をつけておくことが大切だということですね。

例えば、1帖という収納を
玄関の土間部分につくるとしたら、
平面図だけを見ていたのでは
たいして物が置けなさそうにしか見えないのですが、
仮にここの天井高が2.6mだとして
1枚あたり約3cmの棚板を合計で7枚つけるとしたら、
ここには幅1m69cm、
高さ約30cmの置き場が8段分出来るということになり、
これを靴がどれくらい置けるのかに換算してみると
合計で50足前後置けるということになります。

おそらく思っていたよりたくさん靴が置けるなと
感じていただけたのではないでしょうか。

というわけで、このような考え方をしていただきつつ
どこにどれだけ収納をつくっていくか
考えていきたいと思います。

まずは玄関土間収納です。
ここには基本靴しか置かないというのであれば、
先ほど申し上げた通り1帖あれば充分だと思います。
そして、それ以外にも衣類やキャンプ用品をはじめとした
趣味のものなどを置くとしたら
2帖もしくは3帖ほど取っていただくといいかと思います。

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続いて、衣類や生活用品などをしまっておく収納です。
衣類に関しては、みんなの分を一括で収納しておきたい派と
それぞれ個別で収納しておきたい派の
2つに分かれるのではないでしょうか。

一括で収納しておきたい派の方は
いわゆる「ファミクロ」と呼ばれている大型収納を、
リビングもしくは脱衣室の近くに
ドンとつくりたいとお考えでしょうし、
個別収納派の方は、寝室にはウォークインクローゼットを
そして子供たちの部屋にそれぞれクローゼットをつくりたい
とお考えだと思います。

というわけで、
一括収納派の方はファミクロとして3〜4帖を、
個別収納派の方はウォークインクロークを2〜3帖、
そして個別収納として0.5〜1帖を子供部屋の数だけ
カウントしてみてください。

続いて生活用品の収納について考えていきましょう。
扇風機や除湿機、加湿器といった季節物の他、
掃除機や未開封の貰い物など諸々存在する
小道具たちを片付けておく場所ですね。
これに関しては、これ専用の納戸を設ける場合
1〜2帖もあれば充分かと思います。

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続いてはパントリーです。
パントリーに関しては、
キッチンの背面収納をつくるかどうかによって
大きさがずいぶんと違ってくるかなと思っています。

背面収納をつくる場合、
そこにかなり収納が出来ることと、
キッチンそのものにもずいぶんと収納出来ることから、
パントリーは1帖もあれば充分だし
広めにつくりたいとお考えだとしても
最大2帖で充分かと思います。

背面収納がない場合に関しては2〜3帖ほどみていただき、
先程の納戸とパントリーを兼ねてもいいかなとお考えだとしたら
3〜4帖ほどみていただき
納戸をなくしていただくといいかと思います。

いかがでしたか?
おそらくこれで充分な収納を
つくることが出来たのではないでしょうか。

✔️どれくらいになりましたか?

ここまで3回に渡って
色々な場所の広さをそれぞれ考えていただきましたが、
これらを全て合わせていただくと
おおよその家の面積が算出出来ます。

そして、この他に書斎や家事室など別の部屋が必要なら
その数字を合わせていただくと、
自分たちにとって必要な最低限の広さが
お分かりいただけると思いますが、
さて、一体どれくらいの広さになったでしょうか?
50帖ぐらいでしょうか?
それとも60帖ぐらいでしょうか?

仮に50帖だったとしたら
これを2で割った25坪が
あなたにとって必要な広さということですね。
そして、60帖なら30坪ですが、
おそらくここまでになった方は、
お子さんの数が4人とか二世帯住宅じゃない限りは
ほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか。

では「平屋の広さ」はここまでにして
次回は、その家を建てるために必要な
土地の広さを把握していただくために、
弊社の最大の特徴でもある
「中庭」の有無について考えていきたいと思います。

これがあるかないかによって
土地に広さが大きく違ってくるので、
その理由を知っていただくために
次回もぜひお付き合いください!

それでは、また次回。

vol.175 土地・建物の予算の出し方2

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「土地・建物の予算の出し方2」です。

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部屋の数と広さをどうするかによって
建てたいと思っている家の面積は大きく違ってきます。

そして平屋を建てるとなれば、
それは、2階建てに比べて家の価格に直接的に影響するため、
平屋をお考えの方は部屋の数や広さについて
自分なりの考え方を持っておいていただくことをオススメしています。

というわけで、
今回は部屋の数と広さについて
お聞きしていきたいと思います。

まず、これをお聞きしていくにあたり大前提となるのが、
平屋にするということは
全ての部屋と収納が上下に分裂することなく
同じ階に存在するということです。

つまり、2階建てに比べて
部屋も収納も持て余すことなく使えるということですね。

なんせ2階建ての場合だと、
小さな子供たちは自分の部屋を使うこともなければ、
わざわざ自分の部屋に使ったものを片付けに行かないため、
そのための部屋(や収納)が1階に必要になりますからね。

小さな子供たちが遊ぶため、
子供たちのおもちゃを置いておくため、
そして親御さんが泊まりにきた時のため、
やがて迎える老後の寝室用のため、
これらを兼ね備えた部屋ですね。

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では、これを前提として
部屋の数と広さを考えていきましょう。

まずは「客間」。
これに関しては先程申し上げた通り、
平屋の場合なくても問題がない部屋ですが、
どうしても畳の部屋がリビングとは別で欲しい、
あるいはどうしてももう1つ部屋が欲しいとお考えであれば
4.5帖〜6帖を計上いただければいいかと思います。

続いて寝室。
寝室の広さを算出するにあたり必要な情報は、
ここに何をどのように置くのか、です。
ベッドを置くのか置かないのか?
置く場合どのサイズのベッドを何台置くのか?
ベッド以外に置くものがあるのか?
といったことですね。

仮に、寝室は「寝るだけの部屋」だから
最低限の広さでいいとお考えであれば、
シングルベッド2台もしくは
クイーンベッド1台であれば4.5帖〜6帖、
セミダブル2台であれば6帖、
ダブルベッド2台であれば6帖〜7.5帖もあれば充分だし、
ゆったりした寝室がいいのであれば、
それらに3帖程度プラスして考えていただければ
いいんじゃないかと思います。

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続いて、子供部屋。
子供部屋に関しては子供の人数と年齢によって
柔軟に考えていただいた方がいいかなと思っています。

例えば、お子さんが2人で
もうこれ以上は考えてないのであれば、
人数分だけ部屋をつくり
あとは部屋の広さをどうするか、なので
「どうせいつか出て行くんだから最低限の広さでいいや」
とお考えなのであれば4.5帖あれば充分だと思うし、
「いや、もっと広めにしてやりたい」とお考えなのであれば、
6帖とっていただくといいかと思います。

他方、難しいのは
お子さんが3人以上いらっしゃる場合です。
人数分だけ部屋をつくればコスト増になってしまうし、
やがて子供たちが出ていくとしたら、
持て余す部屋だらけになる可能性が高いからです。

ゆえ、たくさんお子さんがいらっしゃる方は
部屋の数と広さをコストとの兼ね合いを考えながら
柔軟に考えていただきたいと思っています。

仮に、お子さんが3人で、
一番上と一番下が6歳以上離れているとしたら
一番上が家から出ていくタイミングが
一番下が自分の部屋を欲しがるタイミングだと思うので、
あえて子供の人数分部屋をつくらずに2つだけにしておくとか、
あるいはお子さんが3人で年齢が近く
確実にそれぞれが部屋を欲しがりそうだとしたら、
小さめでもいいので人数分部屋をつくっておいてあげる
といった感じですね。

イメージとしては、
前者の場合4.5帖もしくは6帖の部屋を2つ、
後者の場合3.75帖もしくは4.5帖の部屋を3つ、
といった感じでしょうか。

いかがでしたか?
部屋に必要な広さをある程度把握していただけたでしょうか。

では次回は、
「収納」の広さについてからお伝えしていきたいと思いますので、
「どこにどんな収納がいるか?」ある程度考えてみてくださいね。

それでは、また次回。

vol.174 土地・建物の予算の出し方1

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「土地・建物の予算の出し方1」です。

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家を建てるにあたり、
誰もが不安になることが予算のことではないでしょうか。

とりわけ、現在はインフレと円安によって
建築費はもちろん土地代や外構代までも値上がりしており
全部でどれくらいかかりそうなのかが
より分かりにくくなっていますしね。

そんなわけで今回は、
建築費や土地代がどれくらいになりそうなのかを
ある程度把握していただくために
いくつか質問をさせていただきたいと考えています。

最初の質問は「平屋」と「2階建て」なら
どちらにしたいのかということです。
どちらにするかによって
目安となる土地の広さが変わってくるからです。

そして、それに続いてお聞きしていきたいことが
どれくらいの面積になりそうなのかを
把握するための質問です。

仮に平屋にするにしても
建築面積が30坪ぐらいでいい方と
40坪ぐらいになりそうな方とでは、
単純に必要な土地の広さが
10坪違ってくるわけですからね。

また、2階建ての場合でも
1階に持ってくる部屋の数によって
1階部分の面積が違ってくるため、
それに伴って必要な土地の広さも違ってきますしね。

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✔️「平屋」にしたいとお考えの方

では、ここからは一つ一つの場所に
それぞれどれくらいの広さが必要なのかについて
お聞きしていきたいと思います。

これが分かれば家の広さが分かると同時に
必要な土地の広さも必然的に分かるようになるので、
なんとなくのイメージでいいのでお答えいただければと思います。

まず玄関。
家の顔となるこの場所は最小限でいいとお考えなのか、
少し広めがいいとお考えなのかで少し広さが違ってきます。
最小限なら2帖。少し広めなら3帖。
といったところでしょうか。

続いて玄関土間収納。
いわゆるシューズクローゼットですね。
ここの広さは何を置くのかで違ってきます。

例えば、ここには基本靴しか置かないというのであれば
1帖もあれば充分だと思います。
しかし、靴に加えてキャンプ用品や
冬物の服や仕事着などを置きたいとお考えであれば
2帖もしくは3帖必要となってきます。

では、続いてLDK(リビングダイニングキッチン)です。
この広さを算出するにあたって最初にお聞きしたいことが
食卓テーブルとキッチンの関係性です。

というのも、
キッチンの正面に食卓テーブルを並べるのと
キッチンの横に食卓テーブルを並べるのでは、
後者の方がより広いLDKが必要だからです。

また、食卓テーブルのサイズをどうするのかと
どんなタイプのソファーを置くのかなども
LDKの広さに大きな影響を及ぼします。

4人掛けのテーブルと6人掛けのテーブルでは
テーブルの奥行きが全く違うし、
ソファーなんかも形やサイズによって
占領するスペースが全く違ってきますしね。
ゆえ、これらを考慮しながらLDK の広さの目安を算出します。

食卓テーブルがキッチンの正面
かつ4〜6人掛け食卓テーブル、
かつI型の3人掛けソファーなら16帖あれば充分で、
食卓テーブルがキッチン横並び
かつ4〜6人掛け食卓テーブル、
かつI型のソファーなら18帖、
L型の大型ソファーなら20帖欲しいかな?
といったところでしょうか。

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続いて、水回りについて。
・トイレは1つでいいでしょうか、それとも2つ必要でしょうか。
・洗面台の広さにこだわりがあるでしょうか。
・洗濯物は基本外干し派でしょうか、それとも室内干し派でしょうか、
それとも乾燥機で乾かす派でしょうか。
・お風呂の広さにこだわりがあるでしょうか。

これらが水回りに対する質問です。
ちなみにトイレは1箇所につき1帖。
洗面台は普通サイズなら1帖。
2ボウルが良い、あるいは広めがいいという方は2帖。
脱衣室に関しては、室内干し派の方なら3帖。
外干し派と乾燥派の方なら2帖。
お風呂はこだわりがない方は1帖。
広さにこだわりがある方は1.25帖。
といった感じですね。

ここまでなんとなくお答えいただけました?
ホントはこのまま最後までお聞きしていきたいところですが、
だいぶと記事が長くなりそうなので、
続きは次回に持ち越したいと思います。

というわけで次回は、
・部屋の数と広さについて
次々回以降に、
・収納について・中庭の有無について
ご質問させていただこうと思っています。

それでは、また次回。


vol.173 設計で大事な2つの視点

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「設計で大事な2つの視点」です。

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建てられている家のほとんどが、
「お客さんが持つ要望」を中心に
「耐震」「直射光」「動線」を
考慮した間取りになっていますが、
ここには間取りを考える上で
非常に大切な視点が抜け落ちています。

「周りからどう見えるか?」と、
「周りのことがどう見えるか?」です。

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例えば「南向きの土地」は
南からの直射光を最も長い時間」
最も有効に室内に取り込める土地ですが、
一方でその窓からは必然的に
「光」と「熱」と共に「視線」も
家の中に入ってくることになります。

結果、それを防ぐために
カーテンを設置せざるを得なくなります。
そして、そのせいで光が入ってこなくなり、
いざ住んでみると、
思っていたより家の中が暗いということなります。
南からの光だけに頼りするあまり、
それ以外の方向の窓を全て小さくしていることもあって。

また、それを想定して
高いお金をかけて境界に高い塀を立てたり、
庭に大きな目隠しをしているお家もありますが、
これらの対処療法では丸見え感を十分に防ぐことは出来ません。

結果、更なる浪費を生んだにもかかわらず
結局、カーテンが開けられず
薄暗い中での生活を強いられることになります。

これが「周りからどう見えるか?」まで考慮しないまま
建ててしまった家が迎える結末です。

と言っても、
明るさと開放感はなくなるものの、
カーテンによって熱く、眩しく、
さらに日焼けの原因となる直射光の侵入を
ほぼほぼシャットアウトしてくれるので、
テレビ画面の見にくさや、
暑さや日焼けなどは防ぐことが出来るで、
そのあたりはメリットかもしれませんが。

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✔️周りのことがどう見えるかも大事!?

そして、もう1つ大事な視点が
「周りのことがどう見えるか?」ということです。

こちらは主に「南向き以外の土地」
で考えた方がいいことなんですが、
その理由は南向きの土地以外の場合、
建てる家の南には基本隣の家が建っているからです。

つまり、セオリー通りにリビングを南に配置してしまうと、
今度は直射光が入ってきにくくなるのはもちろんのこと、
それに加えて、その窓から見える景色が
前に建つ家の裏側となるため、
カーテンを開けている状態だと
美しくない裏側の景色が目の前に広がる
ことになってしまうからです。

給湯器や室外機やゴミ箱がずらりと並び、
換気扇からの黒ずんだ汚れや
緑色のコケによって荒んでしまった壁を
ずっと見続けることになりますからね。

南向きの土地のように
向こうから見られることは基本ないと思うので、
カーテンは開けられるものの
今度は汚い景色しか見えないという
状態に苦しむことになるわけです。

なので、全ての土地において
必ず「周りからどう見えるか?」
と「周りのことがどう見えるか?」まで考えた上で
間取りをつくっていただくのが
最良の方法だと考えています。

この2つは快適な暮らしを手に入れるために、
つまり、明るさ・開放感・居心地を
ベストな状態で実現するためには絶対に必要な要素なので
決して忘れないようにしていただければと思います。

それでは、また次回。

vol.172 「平屋は高くなる」は本当なのか?

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「平屋は高くなるは本当なのか?」です。

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現在「平屋」は空前のブームになっており、
SIMPLENOTEの家でも平屋をオススメしています。

しかし「平屋にすると高くなる」というイメージもあり、
敬遠している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

まず高くなりそうなのが「家そのものの価格」。
そして、平屋を建てるとなると
それなりに広い土地がいりそうだから土地の価格も高くなりそう。
かつ敷地が広がる分、外構工事までも高くなりそう。
と、普通は思ってしまいますよね。

では今回は、
そんなイメージから平屋を諦めかけそうになっている方に
「実際のところはどうなのか?」お伝えしていきたいと思います。

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✔️平屋と2階建ての価格比較

同じ材料を使い同じような仕上げで
平屋と2階建てをそれぞれ建てるとしたら、
同じ面積で考えると坪あたり10万円前後価格は違ってきます。
35坪だと350万円ほど平屋が高くなるという感じですね。

しかし、実を言うと
この比較方法自体がそもそも間違っています。
同じ面積で比較するということが...です。

2階建てには階段が必要ですが、
平屋には階段が必要ないからです。
ゆえ、この場合の比較方法は
35坪から2坪(1•2階それぞれ1坪ずつ)を
差し引いた33坪で比較するのが正解です。

とはいえ、そうしたとしても
まだまだ価格は平屋の方が高いのが現実です。

では、ここから
2階建てから平屋にすることによって
必要じゃなくなるものについて考えていきたいと思います。

まず、議論したいのが「トイレ」。
2階建てでは1•2階両方にトイレが必要だと思います。
夜中にわざわざ階段を下りて1階までトイレに行くのは
だいぶ面倒臭いですからね。

それに対し平屋だと
トイレが1箇所でもいいのではないでしょうか。
もちろん、混雑しがちな家庭だと
2つ必要かもしれませんが。

続いて議論したいのが「廊下」。
2階建ての場合、
階段を上り切ってからそれぞれの部屋に行くためには
確実に廊下が必要になるのに対し、
平屋にすれば廊下を無くそうと思えば、
ゼロにすることだって出来ますからね。

そして、この「トイレ」と「廊下」を無くしてもいいとしたら、
先程の面積からさらに2坪ほどマイナスすることが出来ます。
先程の続きで考えると31坪ということですね。

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では、ここで一旦
価格の比較をしてみましょう。

仮に2階建ての坪あたりの価格を70万円、
平屋の坪あたりの価格を80万円としたら、
2階建て:70万円×35坪=2450万円
平屋:80万円×31坪=2480万円となり、
実はそう価格が変わらないということが
お分かりいただけたのではないでしょうか。

部屋の数も収納の数も部屋の広さも収納の広さも
全くさわっていないので、
ホントに無くても問題ないものだけを抽出したという感じですね。

というわけなので、「平屋は建築費が高くなる」は
一旦、頭の中から帳消しにしていただけたらと思います。

✔️土地の価格はどうなのか?

平屋は、2階建に比べて1階の面積が大きくなるため
その分、土地も広く必要となります。

しかし、冷静に考えてみると、
ほどほどの田舎であれば55〜60坪という広さで
販売されている土地の数はとても多く、
実を言うと、これだけの広さがあれば
充分、平屋を建てることが出来ます。
駐車場を3台確保しつつです。

平屋を建てたいからと言って、
とても広い土地を探す必要は
全くと言っていい程ないんですよね。

広げれば広げるほど
土地価格どころか外構工事費用も高くなるだけでし、
もっと言うと固定資産税も高くなるだけですからね。

そんなわけで、結論としては、
「平屋だから高くなる」というのは
必ずしもイコールではないということです。

なので、平屋を建てたいと思っている方は
ぜひぜひ、そのまま平屋で突き進んでいただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.171 一網打尽な提案

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「一網打尽な提案」です。

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物が溢れやすく生活感が出やすい
リビングダイニングキッチンを
美しい状態で保ちやすくするには、
「部屋や収納をどこに配置するか」が大事です。

例えば「子供たちの部屋は2階につくるもの」だと
一般的に考えられていますが、
この当たり前には疑問が残ります。

子どもたちは小さいうち自分の部屋を全く使わないし、
思春期となり使い出したとて
寝る前までリビングで過ごすのが
日常的に当たり前となっていることから、
いつも使うものは基本、
常にリビング付近に置きっぱなしになっていませんか?

もちろん、時々は張り切って掃除をして
一旦、荷物をまとめて自分の部屋に
持っていくのですが、
10日もすれば元通りになっているということを繰り返した結果、
不毛さに気が付いてそのまま放置ということもあり得ます。

そんな理由もあり、
SIMPLENOTEの家では子ども部屋を基本1階につくることを
オススメしているのですが、
これは子ども部屋に限らず
寝室にも同じことが言えるのではないでしょうか。

着ていた服をわざわざ2階まで持っていくのも
明日(今日)着る服を1階に持って下りてくるのも
なかなか面倒ではないでしょうか。

結果、いつも着るものは
基本ダイニングチェアーに引っ掛けているし、
鞄なんかもダイニングチェアーの上に
置きっぱなしになっているという家庭も多いのではないでしょうか。

そんなわけで、
こんな状況を踏まえると、
「だったら絶対平屋がいいよね!」
となりませんか?

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✔️平屋に家事楽なんて関係ない?

家事楽な家にしたいというご要望を
家を建てる誰しもがお持ちだと思いますが、
こと「平屋」に関しては、
そんなことを気にする必要は一切ないのではないでしょうか。

部屋や収納がリビングダイニングキッチンと同じフロアにあるため、
自分たちの荷物や服を自分の部屋に片付けるのが
2階建住宅のように億劫じゃなくなるし、
そうなればリビング付近に物が溢れにくくなるので、
仕事に行っている日中にルンバのタイマーをセットしておけば
勝手に床掃除をしてくれるからです。

また、洗濯の一連の流れに関しても
上下移動がない上、移動距離も短くなることから
2階建てに比べて圧倒的に楽になるのは間違いないと思います。

ましてや平屋の最大の難点である
防犯とプライバシーを担保するために
「中庭」があるお家にしてしまえば、
干すも取り込むも片付けるも全てわずか数歩でこなせますからね。

そんなわけで、日常生活の困った、を一気に解決し
より豊かに暮らしを送っていただくために
SIMPLENOTEの家では平屋を中心とした家づくりをしているというわけです。

それでは、また次回。

vol.170 収納が多いに越したことはない?

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「収納が多いに越したことはない?」です。

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「収納は多いに越したことはない」
収納が足りず部屋に物が溢れている状態を想像すると、
あっさりこういう結論に至ってしまうのですが、
収納を多くつくれば建築コストも上がってしまうため
(家の面積が大きくなるから)
単純にたくさんつくればいいというわけではありません。

また、人は「隙間があればそこを埋めたくなる」
という習性を持っているため、
たとえ収納をたくさんつくったとて
その余白に合わせて物を増やしてしまう可能性が高いことから
収納のつくり過ぎにも注意した方がいいかもしれません。

「物が増える」ということは
「無駄遣いをしている」可能性が高い
ということでもありますしね。

というわけで今回は、
「収納」に対するSIMPLENOTEの家の考え方について
お伝えしていきたいと思います。

これを覚えていただくと
不用意にコストを上げることなく
充分な収納量を備えたお家を建てやすくなると思うので、
知識アップのために最後までお付き合いください。

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✔️床ではなく壁で考える

その収納にどれだけの物を納めることが出来るかは、
床の多さというよりも壁の多さに大きく依存します。

例えば、2帖という収納は
1m69cm×1m69cmという広さですが、
この収納は壁をどう使うかによって収納の分量が違ってきます。

全部で4面ある壁のうち
2面しか使えないように入口をつくった場合、
1.69m×2面=3.38mが棚1段あたりに置ける分量ですが、
これを3面使えるように入口をつくった場合、
1.69m×3面=5.07mにまで棚1枚あたり置ける分量が増えますからね。

ゆえ、収納を考える時は、
単純に広さだけを見るのではなく
その壁をどれだけ有効活用出来そうなのかに
着目していただければと思います。

それさえ出来るようになれば、
ある程度正確に収納の容量が
把握出来るようになるんじゃないかと思います。

✔️回遊動線は落とし穴

そしてこの考え方を知っていただくと
回遊動線(グルグル回れる通り抜け動線)が
いかに収納に悪い影響を及ぼしやすいのかを
ご理解いただけると思います。

通り抜けられるということは、
その通路に面した壁を全く使えなくなる
ということだからです。

先程の2帖の収納の場合で考えると、
4面ある壁のうちたった1面しか使えなくなる
ということになりかねませんからね。

つまり1帖の収納と同じだけの容量しかないということです。
2帖という広さは1帖という広さよりも
30〜40万円も多くコストがかかっているというのにです。

そんなわけで回遊動線に関しても
便利そうだというメリットだけに着目するのではなく
その裏にこんなデメリットがあることも
ご理解いただければと思っています。

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✔️収納に限らず部屋にも壁が必要

さらにこの考え方は
収納だけじゃなく部屋でも同じことが言えます。

4面ある部屋の壁のうち、
1面には入り口のドアがつくとして
もう1面にクローゼットをつくり
残りの2面に窓をつくってしまったら、
その部屋には全体を使える壁がなくなってしまうからです。

結果、物の配置が難しくなるし、
模様替えをする余地もなくなるし、
コンセントの位置もかなり限定されてしまいます。

ゆえ、間取りを考える時、
いかに壁を多くつくるのかを
SIMPLENOTEの家では意識しているというわけです。
壁が増えれば収納が安定するだけじゃなく、
耐震も良くなるし断熱効果も良くなりますしね。

もちろん、そのためには
最小限の窓で採光と風通しを確保出来る
間取りにしないといけませんが。

というわけで、
最後は少し話が脱線しましたが、
とにかく収納は「床」ではなく「壁」が重要であることを
ぜひ知っておいてもらえたらと思います。

それでは、また次回。

vol.169 なぜカーテンがいらない家にこだわるのか?

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「なぜカーテンがいらない家にこだわるのか?」です。

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カーテンの役割は、

①光量を調整する
②窓から侵入する外気を防ぐ
③プライバシーを担保する
④見たくないものを隠す(外)
⑤見られたくないものを隠す(中)

この5つがあると言われていますが、
これら5つを全て満たすために
全窓へのカーテン設置を前提として
間取りや窓を考えてしまうと、
開放感や明るさが犠牲になります。

常に③〜⑤を満たそうとすると
カーテンを開けたままにしておくことが
出来なくなってしまうからです。

また、カーテン費用は
基本建築費用に入っていないため、
数が増えればその分コストへの跳ね返りが大きくなるし、
それに加えて
一つ一つデザインや素材にこだわっていくとなると
なおのことその跳ね返りが大きくなります。

そんなわけでSIMPLENOTEの家では、
出来るだけカーテンが必要のない
間取りや窓づくりをするように常に心がけています。

カーテンが必要なくなれば、
カーテンを洗う手間もなくなるし、
レールの拭き掃除もしなくて済みますね。

基本カーテンが必要ない家にするためには、
周りから自分の家がどのように見えるのかを考えながら
間取りを考えなければいけません。

例えば、南向きの土地で間取りを考える場合、
安易に南向きにリビングをつくり
南向きに窓をつくってしまうと外からの視線が気になり
四六時中カーテンが開けられない家になってしまうので、
基本このようなレイアウトでは間取りをつくりません。
このお家は直射光が眩し過ぎるせいで
きっとテレビの画面も見にくいでしょうしね。

また、北向きの土地の場合、
南向きと違ってリビングが
人の目に触れる可能性はグンと下がるものの、
裏側に家が建っているとしたら、
室外機や給湯器やゴミ箱が陳列され、
換気扇から出てくる黒カビで薄汚れた
家の裏側がリビングから見える景色となり
結局カーテンが開けられなくなるので、
この場合も安易にリビングを南に持ってくるのではなく、
どうすればリビングの窓から
カーテンを取り除くことが出来るのかを考えつつ
間取りをつくりあげていきます。

大半の時間を過ごすリビングの窓に
カーテンがいらなければ、
光もたっぷりと入ってくる上
外や空が見えることで開放感が出て、
最高の空間が出来上がりますからね。

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✔️カーテンがいらない設計にする利点

カーテンがいらないお家をつくることが出来れば、
日中照明をつける必要が一切ありません。
常時入ってくる自然光を防ぐものがなくなるからです。
晴れの日はもちろん曇りや雨の日だとしてもです。

そして、カーテンがいらないお家をつくることが出来れば、
カーテン代が必要なくなります。
おそらく50万円前後のコストが。

また、カーテン代が浮くと共に
窓のコストも減ることになります。
カーテンがいらないことで最小限の窓だけで
採光と換気が確保出来るようになるからです。

さらに、冒頭でもお伝えしたように
カーテンを洗う必要もなくなれば
レールの拭き掃除もいりません。

この他、カーテンがいらなくなり
窓の数を最小限に出来れば、
その分、壁が増えることになるので
耐震性も高くなるし断熱性も高くなります。

窓が少なくなれば、
外壁を汚す窓からの垂れジミも少なくなるし、
戸締りの心配もきっと減るでしょうしね。

というわけなので、
カーテンの数を少しでも減らせるよう、
周りから自分の家がどう見えるのか?
そして、カーテンがいらないようにするには
どうすればいいのか?
こういった視点で間取りを考えてみるといいでしょう。

それでは、また次回。

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vol.168 建築中に必要となる利息の話

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「建築中に必要となる利息の話」です。

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住宅ローン返済は、
家の引き渡しが終わった時点から
始まるのが一般的な流れですが、
この流れで進めた場合綿密に申し上げると、
土地をローンで購入する方は土地の支払いをした時点から、
土地を現金で購入する方や土地を買わなくていい方は
中間金のお支払いをした時点から、
元本は据え置いたまま利息だけ支払うことが一般的です。

ゆえ、住宅ローンを利用するにあたっては
金利や保証料の有無やパーセンテージ、
その他最初にかかる費用などに加え、
この利息がどれくらいかかるのかも
一緒にお聞きしていただくことをオススメしています。

では今回は建築中にかかる利息について
お伝えしていきたいと思います。

「分割融資」と「一括融資」の2つのパターンがあり、
どちらを選ぶかによって利息の額が違ってくるのですが、
それぞれにメリットもあればデメリットもあるし、
どちらも選択できる銀行とそうじゃない銀行があるので、
まずは基本的な知識を身につけていただければと思います。

✔️分割融資と一括融資の違い

土地から買って家を建てる場合、
銀行からの融資が必要となるのは
①土地の支払いをする時
②家の中間金を支払う時
③家が完成し残金を支払う時
この3つですが、
①や②の時点から住宅ローン返済が始まってしまうと、
家賃とローンを二重払いしないといけなくなるため、
基本、銀行は①や②のタイミングで融資を実行しても
元本は据え置いたまま利息だけを返済してください
という形をとっています。

そして「分割融資」とは、
①のタイミングではその際に必要となった
融資金額だけで利息を計算し、
②のタイミングを迎えた時点で、
①に加えて②の利息も発生するという流れを取るのに対し、
「一括融資」とは、
①のタイミングで借入額全額に対して利息を発生させる
という流れを取ります。

具体的な数字を当てはめてみると
仮に借入額が4000万円で金利が1.4%、
土地取得にかかる費用が1000万円で
土地購入から住宅ローン返済までの期間を6ヶ月、
建築費の中間金が2000万円で
中間金支払いから住宅ローン返済までの期間を3ヶ月だとしたら、

「分割融資」の場合は、
1000万円×1.4%÷12ヶ月×6ヶ月=約70,000円(土地利息)
2000万円×1.4%÷12ヶ月×3ヶ月=約70,000円(建物利息)
合計約140,000円

「一括融資」の場合は、
4000万円×1.4%÷12ヶ月×6ヶ月=約280,000円

といった感じですね。
こうやって見比べてみると
「分割融資」の方が利息の負担が小さいのは
お分かりいただけたかと思います。

あくまで「分割融資」を選ぶことが出来れば...
の話ですが。
銀行によっては「一括融資」しか
選択肢がないところもありますのでご注意ください。

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✔️一括融資の利点

では、続いて「利息」ではなく
「保証」という点に目を向けてみます。

住宅ローン金利の中には
「団体信用生命保険」と呼ばれる
生命保険料も含まれているのですが、
もちろん、利息だけの支払いが発生する
この融資にも保険がかかっています。

ゆえ、建築中に万が一のことが起こった場合、
「一括融資」だと借入金全額が
一括繰り上げ返済されるのに対し、
「分割融資」だと融資してもらっている
部分的な金額分しか繰り上げ返済がなされません。

仮に、土地の支払いが終わったと同時に
万が一のことが起こったとしたら
「一括融資」だとローンが0円になるのに対し、
分割融資だと土地取得のために払った費用
1000万円しか繰り上げ返済がなされないため
残った3000万円分は相続人が払っていかないといけなくなる
という感じですね。

このように保証に目を向けてみると
「一括融資」の方がいいかも?
となる方もいらっしゃるかと思います。
万が一とはいえ、
こんなわずかの期間で絶対に起こらない
とは言い切れませんからね。

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✔️で、結局どっちがいいのか?

という話になると思いますが、
「分割」と「一括」の両方を選べる銀行もあれば、
「分割」しか選べない銀行もあるし、
逆に「一括」しか選べない銀行もあります。

また、銀行によったら
元本据え置きの利息を払っている期間、
実行された融資額にも住宅ローンと同じ金利で
利息をつけてくれているところもあります。
(つまり、実質負担が0だということです)

なので、住宅ローンの話を聞きに行った時には、
金利や保証料の有無やパーセンテージ、
その他最初にかかる費用などに加えて
「分割融資」と「一括融資」についても
一緒に聞くようにしてくださいね。

そして、全条件をテーブルに並べ
それらを総合的に判断して
最も自分がしっくりくるローンを
選んでいただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.167 利息の無限ループの予防法

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「利息の無限ループの予防法」です。

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「家賃並みで家が買える」という謳い文句は、
家が欲しいと思っている方にとって
とっても魅力的なフレーズですが、
これをそのまま真に受けて家を建てていいのかと言うと、
もちろんそうではありません。

賃貸住宅だと固定資産税を払わなくいいけど、
家を持てば持ち続けている限り
ずっと払い続けなければいけなくなる。

賃貸住宅だと
家財道具にだけ保険をかけていればいいけど、
家を持てば家そのものにも火災保険をかけなくてはいけなくなる。
と同時に地震保険にも。(これは任意です)

賃貸住宅だと
建物そのものが老朽化しても自分で直す必要はないけど、
家を持てば老朽化の修正費用は全て自己負担となる。
そして、その修繕を怠ってしまうと
家の寿命を縮めることになるし暮らしの質も下がる。

賃貸住宅だと
面積が小さい上に家族の人数も少ないし
子供たちも小さいことから
光熱費(電気・ガス代)はそこまで高くないのに対し、
家を持てば面積が大きくなる上に
家族の人数が増える可能性が高いし、
子供たちが大きくなるに連れて光熱費も高くなりやすい。

といったことが想定されるからです。

こういった維持管理(ランニング)コストを
どう準備していくのかを考え、
その上で毎月の返済金額をはじき出して欲しいと思っています。

家電製品の買い替え費用もですね。
これは賃貸住宅に住んでようがマイホームに住んでいようが
いずれにしても必要となる費用なので
冒頭の説明では割愛していましたがこれも必要になりますね。

しかも、これらはなぜか支出が増えるタイミングで
見事に壊れるものです...。

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✔️準備を怠った結果

冒頭の謳い文句に飛びついて家を建てた方の多くが、
おそらくこれらの費用の捻出に
かなり苦戦しているのではないでしょうか。

例えば、
家電は10年前後で壊れるとよく言われますが、
実は家電が壊れるタイミングは
子供たちにかかるお金が急激に増えるタイミングと
ちょうど被ります。(塾代や進学費用です)

結果、ジリジリと貯金が減っていくし、
そんな中家電を買い換えるとなると、
数十万単位のお金が一気に吹っ飛んでいきます。

(例)
→エコキュートの買い替え:処分費も含めて約50万円
→便器交換:処分費も含めて約15〜30万円
→エアコン交換:(1台あたり)処分費も含めて約10〜20万円

通帳からこれだけのお金が
ジャブジャブなくなっていくとなると、
メンタル的にかなりしんどいですよね。

その上、建って10〜15年ほど経つと
コーキングが切れたりひび割れたり
外壁材の塗料が落ちてきたりするため、
この修繕にも着手しないといけなくなります。

そして、これらには
ざっと150万円ほどかかるのですが、
この状況に備えて修繕費を積み立てていない場合、
これを見送るかあるいはリフォームローンを組むかの
2択を強いられることになります。

見送るとなると
家はどんどん劣化していくことになるし、
リフォームローンを組むとなると、
既存の住宅ローンに上乗せして
さらにローンを払うという感じですね。

そんなわけで、
こんな状況に陥らないために
事前にこういった資金を
どう準備するのかを考えておいて欲しいと
思っている次第であります。

この他、老後に近づくと
キッチンやお風呂なども老朽化し
取り替えないといけなくなるのですが、
これまたリフォームローンを組むとなると、
エンドレスで割高な利息を払い続けることになるので、
甘くて楽観的なフレーズに騙されないよう
気をつけてくださいね!

それでは、また次回。

vol.166 農地に建てるという選択肢

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「農地に建てるという選択肢」です。

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インフレによって建築費はもちろん
外構工事費も土地造成費も値上がりしたことから、
土地から買って家を建てるとなれば
数年前よりも最低でも500万円、
場合によったら1000万円ほど
家づくりの予算が上がってしまいました。

なので、費用を大幅に浮かせるために
実家に土地があるのなら
そこを積極的に活用することをオススメしているのですが、
もちろん、この場合でも何もせずに(お金をかけずに)
そのまま建てることが出来る土地もあれば
そうじゃない土地もあります。
古い家が建っている場合であれば解体工事が必要になるし、
田んぼや畑に建てるのであれば造成工事が必要になるように。

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そんなわけで今回は、
手続き的にも費用的にも若干ややこしい
田んぼや畑などの「農地」に家を建てる場合について
お伝えしていきたいと思います。

実家が所有している農地に家を建てる場合、
「市街化区域」なのか「市街化調整区域」なのかによって
手続きやかかる時間が変わってきます。

「市街化区域」は基本的に宅地を推奨している地域なので、
簡単に宅地にすることが出来るのに対し、
(事後報告の許可で大丈夫です)
「市街化調整区域」は基本的に農地を推奨している地域なので、
市街化区域のように簡単に宅地にすることが出来ないからです。
(事前に届出をして許可をもらわないといけません)

まずはこの地域を確認していただければと思うのですが、
仮に「市街化調整区域」か、
「市街化区域」でも「市街化調整区域」
のどちらでもない地域だったとしたら、
次に確認していただきたいことが
「農業振興地域」に該当しているかどうかということです。

仮に、農業振興地域に該当しているとしたら、
農地を宅地に変える「農地転用」という申請をする前に、
農業振興地域から外してもらう
「除外申請」をしないといけないのですが、
そのタイミングが年に2回しかないからです。

なので、農地に家を建てようと思ったら
ここまでのことを親御さんに確認してみてください。

市街化区域の場合だと、
農業振興地域であることもないし、
農地転用は1ヶ月もあれば出来るのですが、
市街化調整区域やそれ以外の地域の場合は、
農地転用に2ヶ月ほどかかる上に、
農業振興地域にかかっている場合、
申請のタイミングが年に2回しかないため、
早くても8ヶ月、タイミングが悪い場合、
1年以上も農地転用が終わるまで
時間がかかってしまうかもしれませんからね。

要は、地域によって家を建て始めるまでの時間が
かなり違ってくるというわけですね。

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✔️農地を宅地にする費用

続いて費用についてですが、
農地を宅地にする場合、
以下の費用がかかってきます。

・農地転用費用
・開発許可費用(必要な場合)
・測量分筆費用(農地の一部を宅地にする場合)
・境界擁壁工事(田んぼや隣地との境の壁)
・水道引き込み工事
・水道加入金(市役所に払うお金)
・排水負担金(農業用水路に排水をするため)
・土工事(土のすきとりと追い足し)

もちろん、これらは土地の状況によって違ってくるので
一概には言えないのですが、
単純な目安としては「宅地にする坪数×5万円」
くらいは最低でも予算に組み込んでくといいのでは?
といつもお伝えさせていただいています。

宅地にする広さを60坪にするのなら
最低でも300万円ぐらい、
宅地にする広さを70坪にするのなら
最低でも350万円ぐらい、という感じですね。
(ここから大幅に予算が狂うとしたら
水道が前面道路に通ってない場合です。
だとしたら+100万円は必要かもしれません)

思っていたよりも安かったでしょうか?
あるいは、逆に高かったでしょうか?

いずれにせよ、こっちの方が土地を買うよりも
断然予算が抑えられそうなのだとしたら、
この選択肢を現実的に考えていただいても
いいんじゃないかと思っている次第です。

もっとも、安いからといって土地面積を広げ過ぎると、
外構工事に余分なコストがかかるし、
今後払い続けることになる固定資産税も高くなってしまうので、
面積の加減をよく考えないといけないんですけどね。

というわけで、ざっとした説明ですが
家づくりをする上でこの選択肢も考えられるとしたら
今回の記事を参考にしてみてください。

それでは、また次回。

vol.165 子育て世代の強い味方

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「子育て世代の強い味方」です。

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お年寄りになるとフローリングで仕上げた洋室よりも
タタミで仕上げた和室の方が良いんじゃないかと
ついつい考えてしまいますが実際はそうではありません。

年をとると足や腰になんらかの支障が出てきて
屈伸をするのが辛くなるため、
タタミに布団を敷いて寝るよりも
ベッドで寝る方が楽だからです。

そして、この観点から考えると
階段も足腰に負担がかかることから
「歳をとったら絶対に平屋がいいよねー」となり
もちろんその通りなのですが、
では若いうちは平屋より2階建ての方がいいのかと言うと、
それも決してそういうわけではありません。
若い人たちもいずれは歳をとってお年寄りになるわけですしね。

では今回は、
若くても2階建てより平屋の方がいい理由について
お伝えしていきたいと思います。

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✔️リビングが散らかりにくいから

2階建てを基本に考えてしまうと
子ども部屋や寝室を2階につくることになるのですが、
子どもたちは親のそばでずっと居るし、
いちいち自分の部屋まで片付けに行くのが面倒なので、
いつも使うものの定位置がリビング付近になってしまいます。

また、寝室を2階につくるとセットであることが多い
ウォークインクローゼットも2階につくることになるのですが、
いつも着る服をいちいち上まで持ち運ぶのも面倒なので、
これまたリビング付近がそれらの定位置になってしまいます。

結果、コストを抑えるために収納を削ってしまうと、
リビングが常時散らかった状態になるし、
それを防止するために収納や余分な部屋をつくるとなると、
大幅に建築コストが上がってしまいます。

他方、平屋にすれば全ての収納と部屋が
リビングから移動しやすいところに配置されることになるので、
おもちゃや衣類を片付けるのが
2階建てに比べて面倒じゃなくなります。
その上、余分な収納や部屋をつくる必要もなくなるので、
その分コストが抑えられますしね。

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✔️家事の手間が減るから

そして平屋のもう1つの良さが家事の手間が減ることです。
例えば、洗濯動線。
洗濯物を干しに行くにしても洗濯物を片付けに行くにしても
水平移動だけで済むため、
上下を移動するよりもずいぶんと時短になるでしょうし、
毎日のこの負担が減るだけでも
気持ち的にもずいぶんと楽になるのではないでしょうか。

片付けに関しては先程お伝えした通りです。
子どもたちやご主人さまがそれなりにキッチリ片付けてくれれば、
奥さまの負担はきっと大なり小なり減ることでしょう。

掃除に関しても、ワンフロアだけで済むことから
仕事に行っている時間帯に
お掃除ロボットを動かしておくだけで、
床掃除の手間がずいぶん減るのは明らかな事実ではないでしょうか。

そんなわけで平屋は
家事・育児・仕事を同時にこなす超絶忙しい奥さまとって
強力な味方となるわけです。

✔️コストが抑えられるから

「平屋は2階建てよりも建築費が高い」
というイメージがあると思いますが、
これは建て方次第でどうとでもなります。

要は、先程も少し触れたように2階建てに比べて
保険的な意味合いの部屋や収納をつくる必要がなくなるので、
そこさえ理解しておけば
決して建築費そのものも高くなることはないというわけですね。
平屋にすれば階段もなくなるし、
廊下の面積も2階建てに比べて圧縮することが出来ますしね。

また、平屋にすれば耐震性が高くなることから
制震ダンパーの設置が必要なくなること、
平屋にすれば体積が小さくなるし
上下階に温度差が出来なくなることから、
空調システムなどに余分なコストをかける必要がなくなること、
これらも平屋のいいところだと思います。

空調システムは2階建ての家にとって
快適に暮らすための素晴らしいツールではありますが、
電化製品であるが故に
エコキュートや冷蔵庫同様にそのうち壊れる時が訪れて、
メンテコストがかかることもあります。

以上のような理由からSIMPLENOTEの家では、
たとえ年齢が若くとも平屋をオススメしているというわけですね。
間取りのつくり方次第で、
土地のコストや外構もコストだって
2階建てに比べて抑えることも出来ますしね。

というわけで、
これから家を建てる方はぜひこの記事も参考にしながら
家づくりの計画を立てていただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.164 資金計画の第三段階

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「資金計画の第三段階」です。

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総予算を算出しそこからもろもろの経費を引けば、
土地、家、外構にかけられるトータル予算が出るわけですが、
ここからの振り分けに関しては
あなたがどんな家を建てたいのか、
そしてどこに住みたいかによって全く違ってきます。

例えば、土地の価格が500万円の地域と1000万円の地域とでは、
単純に家と外構にかけられる予算が500万円違ってくるし、
家の面積が30坪の方と40坪の方では
家の価格が500万円ほど違ってくるため。
土地にかけられる予算が500万円違ってくることになります。

なので、住みたいとお考えの地域やどんな家にしたいのかなどを考慮しながら、
土地、家、外構それぞれに予算を振り分けていくという作業を行っていきます。

では、仮に総予算が3800万円で
もろもろの経費が300万円だと仮定して、
残りの3500万円を土地、家、外構に
それぞれ振り分けするとなった場合、
SIMPLENOTEの家ではどのようにしているのかについて
お伝えしていきたいと思います。

vol.164simplenoteblog1.png

✔️予算の振り分け方法

予算を振り分けるにあたって最初にお聞きすることが
「どんな家を建てたいのか?」ということです。
平屋にしたいのか?2階建てにしたいのか?
家の広さはどれくらいになりそうなのか?
によって、探すべき土地の広さが違ってくるからです。

例えば、どうしても平屋が建てたいとして
必要なものをお聞きしていく限り
総施工面積が30坪ぐらいでおさまりそうだとしたら、
55坪前後の土地を探していくといった感じです。

あるいは土地価格が高そうな地域であれば
土地面積を少しでも抑えるために
一部を2階部分に持ってくることによって
1階部分の面積を抑えるという感じですね。
仮に1階部分が20坪ぐらいでおさまりそうなのであれば、
45坪前後の土地を探していくといった感じですね。

ここまで分かれば家の予算が大体見えてくるので、
予算の振り分けが出来るようになります。

仮に総施工面積30坪の平屋の価格が
2500万円ぐらいになりそうだとしたら
残り1000万円で土地を買い外構工事をすることになるので、
土地に費やす予算が900万円前後、
外構に費やす予算が100万円前後、といった感じですね。

そして、土地の相場が20万円ほどする地域だと、
55坪で探すと1100万円となり、
200万円ほど予算オーバーしてしまうので、
200万円予算を絞りながら土地探しをするといった感じです。

南向きの土地をあえて外す、とか
日当たりに少々難がありそうな土地に絞って探す、とか
新規分譲地ではない土地を探す、など
近隣に比べて価格が安く設定されていそうな土地を中心に。

外構に関しては、どんな家を建てるのかによって
予算の枠組みが大きく違ってきますが、
SIMPLENOTEの家は基本最低限の費用しか必要ありません。
間りが分かりにくいSIMPLENOTEお家は、
プライバシーや防犯を担保するための余分な工事が一切必要ないし、
外観が美しいことから華美な外構工事をする必要もないからです。

結論を申し上げると、予算の振り分けは
どんな家を建てるのかによって違ってくるということなので、
まずは自分がどんな家に住みたいのかを明確にしていただき、
それに基づいて土地や外構の予算を決めていただければと思います。

といっても
自分自身でここまでやり切るのはかなり至難の技だと思うので、
具体的に動き出す前に知っておきたいなーという方は、
いつでもご相談いただければと思います。

それでは、また次回。
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vol.163 資金計画の第二段階

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「資金計画の第二段階」です。

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資金計画の第1ステップ全体の予算設定が終わったら、
この資金を個別のものに振り分けていくのですが、
この振り分けを行うにあたって知っておいた方がいいことが、
家づくりでは「思いもよらなかった費用が上積みしてかかることがある」
ということです。

例えば、
土地はネット広告に表示されている価格だけを支払えば
手に入れることが出来ると思ってしまいがちですが、
実はそこに表示されていないことがいくつも存在します。

仲介手数料、水道加入金、排水負担金、
登記代(所有権移転&抵当権設定)、境界基礎代金、境界ブロック代金、
そして場合によったら水道引き込み代金といった費用です。
そして、これらには通常100万円前後必要となるし、
水道が引き込まれていない場合
さらに50万円〜100万円ほど追加費用が必要になることがあります。

また、家の金額にしても建てる方からすると
当たり前にように含まれていると思っているものが
当たり前にように含まれていないことが多々あるので、
この点も注意しておく必要があります。

伝えられた価格や出てきた見積もりは安かったものの、
蓋を開けてみると設計費用、照明器具、カーテン費用、
シャッター費用、浄化槽費用、といった工事が含まれていなかったとか、
最低ランクでの設定だったため、
実際の打ち合わせが始まると追加費用がどんどん計上されていき
当初の計画より遥かに高くなったなんてことがあり得るでしょう。
外構工事に関しても同様ですね。

ゆえ、土地、家、外構では
こういった落とし穴があるということまで織り込んだ上で
予算の振り分けをしないといけないし、
決めた予算の中からはみ出ないように土地を探し、
家や外構の設計を住宅会社にしてもらわないといけません。

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✔️もろもろの経費を把握する

では、これらをご理解いただいた上で
予算の振り分けを考えていってもらいたいのですが、
土地、家、外構に予算を振り分ける前に
まずは、家づくりに伴って必要となる
様々な経費を算出しないといけません。

・銀行経費
・火災保険(地震保険)
・登記代(土地と建物の両方)
・地盤改良費用
・新居に必要な家具や家電費用
・引越し費用
・ネット(テレビ)回線工事
・雑費(地鎮祭・近所挨拶など)
これらの費用ですね。

銀行経費に関しては、
利用する銀行によっても違えば変動か固定かによっても違うし、
職業によっても違ってくるので、
利用しようと考えている銀行にご確認いただくのがいいと思います。

火災保険に関しても、
年数や補償の範囲、家の構造などによって違ってくるので、
損保会社に知り合いがいらっしゃるなら聞いてみるといいし、
中立的に保険をたくさん扱う保険会社を
ネットで調べて聞いてみてもいいと思います。

登記代に関しては、
土地から買って家を建てる場合、
通常、土地の所有権移転登記、建物の表題登記&保存登記、
土地、建物それぞれに抵当権設定登記が必要となってくるのですが、
これらに関してもネットで調べれば目安が出てくるので、
動き出す前に調べておくといいと思います。

この他、地盤改良費用は平屋か2階建かによって異なるし、
改良方法によっても異なるのですが、
平屋の場合は100万円ぐらいを
2階建ての場合は80万円ぐらいを
見込んでおくといいのではないでしょうか。

家具や家電に関しては
家庭によって必要なものが違ってくるので、
ご夫婦で話し合いつつ
家具屋さんや家電量販店などに下見に行っていただければ
ある程度予算枠を掴むことが出来るし、
引越し代やネット回線工事に関しては、
それぞれ地域の専門業者に確認いただくと教えていただけると思います。

以上が、いわゆる諸経費と呼ばれる
土地、家、外構以外に必要となるもろもろの経費たちなので、
全体予算が算出出来たら
まずは以上の項目を概算で算出していただければと思います。

では次回は、資金計画の最終段階である
土地、家、外構への予算の振り分けについて
お伝えしていきたいと思います。

それでは、また次回。

vol.162 資金計画の第一段階

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「資金計画の第一段階」です。

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何事もゴール(目標)を設定してから
プロセス(やる事)を決めていくように、
家づくりの資金計画もライフプランを考えた上で
家づくりの予算を決めた方がいいし、
予算決定においても返済計画を元に全体予算を決めてから
個別(土地・家・外構)に振り分けしていくのが
最良の方法ではないでしょうか。

家づくりでは叶えたいと願う理想の形と
暮らしを第一に考えた現実的な予算との間に
大きなギャップが生じる可能性がかなり高いからであり、
この選択を間違えると
先々生活が苦しくなる可能性が相当高くなるし、
最悪、家を手放すという選択を
強いられるリスクすら充分考えられるからです。

なので、モデルハウスを見に行ったり見学会に参加したり、
土地を探したりという風にあれこれと動き出す前に、
まずは資金計画をしていただくことを
オススメしているというわけですね。

そして、もう一歩踏み込んで言うなら、
現在の原材料コストからすると
ほぼ予算オーバーしてしまうと考えられるので
前回お伝えさせていただいたように
資金計画をする前に貯蓄計画の見直しをしていただくことを
オススメしているというわけです。

つまり、家計負担の上振れリスクをヘッジするために、
マネーリテラシーを高めていただき
貯蓄額を上振れさせていくという
作戦を実行していく算段ですね。

では今回は、
資金計画のやり方についてお伝えしていきたいと思います。

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✔️資金計画の手順

資金計画では最初に全体の予算を出します。
全体の予算とは自己資金の額と
銀行から調達する資金(ローン)を合わせた金額のことですね。
仮に、自分たちの貯金から出せる金額が100万円で
親からの援助が200万円あるとしたら
合計300万円が自己資金という感じです。

銀行のローンに関しては、
1.毎月の返済額
2.金利
3.返済期間
この3つが分かれば必然的に決定するので、
この3つを決めていく作業から始めていきます。

まずは毎月の返済金額。
これを現状の家賃との比較だけで
決めようとする方が結構いらっしゃるのですが、
家(資産)を持つと維持管理コストがそれなりにかかるので、
これも織り込んで考えていただくことを忘れないようにしないといけません。

固定資産税(都市計画税)、火災保険(地震保険)、
定期的なメンテ代の積立、設備品の老朽化に伴うリフォーム代の積立、
家電製品の買い替え費用、といった費用ですね。

続いてが金利。
金利に関しては「変動」か「固定」によってけっこう違ってくるのですが、
どちらを選んでいただいても良いと考えています。

現在は、固定金利だけがずいぶんと上がってしまったため
変動金利一択のような流れにはなっていますが、
とはいえ固定の金利も1%代とそこまで高いわけでもありませんし。

最後に返済期間についてですが、
考え方次第ですが、出来るだけ長くしてもいいかもしれません。

住宅ローン金利の中には
掛け捨ての生命保険が含まれているし、
返済期間を長くすれば利息の支払いは増えてしまうものの
毎月の返済負担が減るため、
その浮いた資金を住宅ローン金利より利回りが高いと言われている
長期積立投資に回すことも出来るからです。

※投資に関する考え方は人それぞれなので、
必ずしも全員にオススメしているわけではありません。

以上の点を踏まえて、
まずは全体の予算計画を立ててみていただければと思います。
では、次回は個別予算の考え方について
お伝えしていきたいと思います。

それでは、また次回。

vol.161 家づくりに動き出す前に

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「家づくりに動き出す前に」です。

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家づくりで取り返しがつかない失敗をしないためには、
モデルハウスや見学会に行く前に、
また土地探しを始める前に、
まずは予算を決める資金計画をした方がいいのですが、
資金計画の精度を高めるためには、
その前にライフプランの見直しをすべきではないでしょうか。

理由は、建築資材の値上がりによって建築費はもちろん、
外構工事費や土地取得費もそろって値上がりしていることから、
家計における住居費の割合が高くなり、
結果、きちんと計画しないまま家を建ててしまったら
苦しい生活を送り続ける可能性が
以前に比べて高くなっているからです。

物価上昇によって家計の負担が増える分、
それに連動して所得も上がれば別段問題ないのですが、
現状それは難しそうだし、
今後も期待出来そうにありませんしね。

そんなわけで、これから家を建てようとお考えの方は、
具体的に家づくりに動き出す前に
ライフプラン計画を立てた上で家にかける予算を
決定していただくことをオススメしています。

要は、安心して(不安を感じることなく)
家づくりが出来るようになるために
事前に「貯蓄計画」を整えた上で
家づくりを計画した方がいいということですね。

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例えば、子どもが生まれたら
「生命保険」と「学資保険」に入っておかないといけない
という当たり前が世間にはあり、
実に多くの方がこれらに貯蓄資金を投入してしまっていますが、
「お金を増やす」という観点で考えると、
これらは最良の選択ではないかもしれません。

学資保険は結局
銀行の預金と同程度に増えるくらいですし、
死亡保証と同時に貯蓄性もある「終身保険」にしても
国が推奨する「NISA」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」
と比べると増えない可能性が高いです。

なので、保険はあくまで保険の役割として考えて
貯蓄性というものを求めなくてもいいと思います。。

保険に入るなら
子どもたちが自立するまでの間、
もしものことがあった時のための
死亡保証だけでもいいのではないでしょうか。
(掛け捨ての安い定期保険です)

死亡保証に関しても、
家を建てるにあたり住宅ローンを利用するのであれば、
住宅ローン金利の中には「団体信用生命保険」が含まれており、
もしものことがあった時には一括繰上げ返済してくれ
ローン返済はなくなるわけだし、
それと同時に遺族年金も支給されることになるので、
過剰に入り過ぎる必要もないですね。

さらに、医療保険に関しても
若い時から加入すると保険料が安いからと
ついつい保険会社に言われるがまま入ってしまいがちですが、
そもそも「国民健康保険」という
高額な保険を給料天引きで支払っており、
医療費は30%負担でいいし
高額療養費制度も利用出来ることから
もしかしたら入る必要はないのかもしれません。

おそらく払った保険料以上に保険金を受け取ることはないでしょうし、
医療費の半分以上が必要となる65歳以上の方でも
多い方で月平均7,000円ぐらいしか医療費がかかっていない
というデータが厚生労働省にもあります。

そんなわけで、保険は最低限の加入にとどめ、
それらの費用を「NISA」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」などの
制度に回すという選択肢もありですね。

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このように家づくりをする前には
ライフプランや貯蓄の見直しをしていただくといいでしょう。

現在は、ネットやYouTubeなどで
簡単に情報を手に入れることが出来るし、
その実行が難しければライフプランの見直しから貯蓄計画にまで
寄り添ってくれるファイナンシャルプランナーもいらっしゃるので、
まずはこの段階を踏んでから家づくりに取り組むという
意識を持っていただければと思います。

手堅く計画すると
家づくりの予算が低くなってしまうかもしれませんが、
それが現実の予算であり、
家づくりの予算を間違えないことは
家族を守るために大切な要素なので、
ぜひ、これからの常識に加えていただければと思います。

それでは、また次回。

vol.160 土地探しをする前に

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「土地探しをする前に」です。

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いわゆる「固定概念」と言われる
なんとなく当たり前のように受け入れている常識的なものは、
家づくりの予算を押し上げる原因となるものが多かったりします。

例えば「土地は南向きがいい」ということ。
一般的に日当たりがいい土地が最も良いとされているからです。
結果、需要が供給を上回り割高な価格がつけられ、
かつ値引きの余地もなくなります。

そして、南向きの土地の利点を活かすように
部屋を南向きでつくることになれば、
これもまた家の予算を押し上げる隠れた要因となります。

理由はオプション品が割増で必要となるからです。
まず割増で必要となるのが「シャッター」です。
なんせ、南向きの土地は台風の風がモロに直撃するので、
ガラスに何かが飛んできたら大変なことになってしまいます。
その上、南向きの土地は窓を見れば間取りが分かってしまうし、
夜になると(電気の点灯で)使っている部屋まで分かってしまうという
防犯面で不安な点を抱えています。

そんなわけで、これらの不安がつきまとう大きな窓には
「シャッター」というオプションが
セットでくっついてくるというわけです。
窓1つあたり5〜10万円単位の。

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そして必要となるもう1つのオプションが「カーテン」です。
南向きの窓は1日中直射日光が差し込んでくるため
カーテンがないと眩し過ぎるし、
光線で液晶画面が見にくくなるし、
家具や雑貨が焼けてしまうし、
なにより、カーテンがないと外から家の中が丸見えになってしまい
落ち着いて過ごせないからです。

家で居る時は寝癖がついたままだし
家着(パジャマ)のままだし
ゴロゴロと過ごしていたりしますが、
流石にそんな姿をご近所さんたちにお披露目出来ないですからね。

そんなわけで、人目が気になる大きな窓には
レースカーテンはもちろんのこと、
中が隠せるドレープカーテンまで一緒に必要となってくるのですが、
これらもシャッター同様に窓1つあたり
5〜10万円単位で追加費用がカウントされていきます。

さらに、南向きの土地は
外構工事も余分なコストがかかりやすいという特徴を持っています。
先程述べたような防犯性の悪さを
外構工事でカバーせざるを得ないからです。
知らない人が心理的に敷地の中に入ってきにくくする工夫ですね。

また、南向きの土地では
ウッドデッキも道路に面してつくることになりますが、
これも目隠しなしではとてもじゃないけど使えません。
こここそ完全に丸見えとなる場所ですからね。

ゆえ、デッキ工事にプラスしてなんらかの形でデッキを隠す
目隠し工事をせざるを得なくなるのですが、
この目隠しに関しても
天然の木でつくれば比較的割安につくることが出来ますが、
絶対に朽ちない木目調のアルミ製がいいということになれば、
それだけで7〜80万円もの費用になってしまいます。

まとめると、
・土地は日当たりがいいほど良い、
・部屋は南向きが良い
・南向きの窓が多いほど良い

家づくりの絶対的な王者として君臨するこの3つの固定概念は、
その裏に最も高い買い物をするという負の側面(欠点)を持っています。

土地代が高くなり家代も高くなり、その上外構代も高くなる。
結果、銀行からの借り入れも増え利息の支払いが多くなり、
家計のゆとりが少なくなる。

裏返すと、需要も高く資産価値が高いため、
将来的に売却の可能性があるなら
南向きの土地はとっても良い土地であるということになるのですが、
ここに永住するつもりで土地を購入されるのであれば、
こういった事実も知っていただいた上で
土地探しや家づくりに取り組んでいただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.159 表と裏を意識する

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「表と裏を意識する」です。

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非日常を感じていただけるような空間づくりにこだわるために、
ホテルがお客様の目に触れない場所にバックヤードをつくるように、
家もまた、美しさにもこだわるなら「表」と「裏」を意識しながら
「間取り」と「外観」をつくりあげていかないといけません。

例えば「水回り」スペース。
洗面脱衣、トイレ、お風呂、キッチンといった水回りスペースは
景観を乱しやすい要素を兼ね備えていることから
絶対に家の「表」に配置すべき空間ではありません。

1つ目の要素が「窓」です。
窓が景観を乱す理由は、
水回りスペースは窓のサイズや高さを統一しにくいからと、
窓の数が増えれば外壁に出来る涙のような
垂れジミの数も多くなってしまうからです。

そして2つ目の要素が「換気扇」です。
これらのスペースには全て「換気扇」が設置されることになるのですが、
それらは生活感を醸し出すと同時に、
ここから発生するカビを原因とする黒い汚れを
確実に外壁に付着させていきます。

ゆえ、これら水回りスペースは
どんな土地であっても基本家の「裏」に配置することを
設計の基本にした方がいいというわけですね。

これらのスペースの近くには
エコキュートやガス給湯器なども確実に置かれることになりますね。

また、もう1つ「表」には出さないほうがいいものが
「エアコンの室外機と配管カバー」です。
これらが家の正面に出てこようものなら
カッコ悪くなってしまいますからね。

そんなわけで間取りを考える時は、
水回りに出来る窓や換気扇はもちろん、
給湯器や室外機が「表」に出てこないかというところまで
意識しながら配置を考えていかないといけないというわけですね。
「動線」はもちろんのこと近隣の環境も織り込みつつ
「採光」をどう取るかまで並行して考えながらです。

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✔️固定概念が邪魔をする

これらが「住みやすさ」と「美しい外観」を実現するために
考慮していることなんですが、
美しい外観の実現を邪魔する最たるものが「固定概念」です。
固定概念とは「家はこうあるべきだ」というなんとなくのイメージですね。

例えば、部屋は南向きでつくらないといけないという固定概念は
万人の頭の中に知らない間に溶け込んでいることですが、
このルールを北向きの土地で頑なに守ろうとすると、
必然的に「表」となる北側に水回りが配置されることになります。

そして、その固定概念が不細工な外観をつくりあげてしまう可能性があります。
同時に、日当たりが悪いリビングも実現しながら。
(南側の家との間に充分な距離が取れないからです)

あるいは、このルールを大人気の南向きの土地で適用しようものなら、
水回りは「裏」につくられるものの
部屋が「表」につくられることから
エアコンの配管カバーや室外機が「表」に登場しやすくになります。

そして丸見えの部屋を覆い隠すためにカーテンとシャッターを設置し、
光が入ってこない薄暗い家を
100万円以上の追加費用を支払って
つくりあげることになってしまいます。

ゆえ、美しい外観も同時に実現したいとお考えなのであれば、
こういった「家はこうあるべきだ」というなんとなくのイメージを
一旦リセットしていただかないといけません。

一つ例を挙げるとしたら、南向きのこだわる理由は
光は「直射光」しかないと思いこんでしまっているからですが、
光には「天空光」という空気中の塵や水蒸気に反射して拡散する光もあり
安定した採光を実現するのは
実は「天空光」だということを知ることさえ出来れば、
南向きの部屋に固執することもなくなるという感じでしょうか。

とにかく、家づくりには
こういった根拠の薄い固定概念がいくつも存在しているので、
これらに縛られないように
根拠ある正しい知識をつけていただければと思います。

それでは、また次回。


vol.158 限りなくシンプルに仕上げる理由

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「限りなくシンプルに仕上げる理由」です。

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弊社では室内にせよ室外にせよ
限りなくシンプルに仕上げることを常に心がけています。
室内をシンプルに仕上げるということは、
出来るだけ凹凸をつくらず直線的な空間に仕上げること。
かつ白をベースにし、それ以外は2〜3色でおさめることです。

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直線的な空間にこだわる理由は、
凹凸が多くなれば目に飛び込んでくる情報が多くなり、
それが空間を狭く感じさせたり
疲れを感じさせる原因となるからです。

そして、白をベースとし色を多く用いない理由は、
光の反射・拡散効果を最大化するためと
家具や生活雑貨を置いた時ゴチャゴチャしないようにするためですね。

色がたくさんあることも
凹凸がたくさんあることと同じように、
目に飛び込んでくる情報が多くなり、
これが空間を狭く感じさせたり
疲れを感じさせる原因となります。

そんなわけでSIMPLENOTEの家では、
室内を限りなくシンプルに仕上げているというわけです。
家そのものの存在感を薄くした方が
家具や雑貨などのオシャレアイテムがよりいっそう引き立ちますしね。

また、弊社では外観も
限りなくシンプルに仕上げているのですが、
これにもそうすべき理由がしっかりと存在しています。


✔️最重要項目「プライバシーの担保」

快適な暮らしを送る上で、
弊社が最も大事だと思っていることが
「プライバシーが担保されているかどうか」ということです。

外から丸見えの家では、
寝癖やパジャマのまま家の中をウロウロしにくいし、
外から丸見えのウッドデッキでは
バーベキューや日向ぼっこが落ち着いて出来ません。

ゆえ、弊社では「中庭」や「吹抜け」を使うことで
室内に届ける採光を安定させ、
人目に晒されるところから採光を取らなくていいようにしている
というわけです。

結果、外観がスッキリすると同時にカーテンもいらなくなり
家の中が劇的に明るくなります。
圧巻の開放感を感じられると思います。

そして外観をスッキリさせた結果、
家の見た目が限りなく美しくなるのですが、
これがもたらす効果は外構工事で
凝った仕上げをする必要が一切なくなるということです。
家そのものを美しく出来れば
それだけで存在感が生まれるからです。

結果、外構工事のコストを最小化することが出来ます。
外構工事に思わぬ費用がかかり
大幅に予算オーバーしてしまったり
貯金が底をつくなんてこともありません。
また、お金が足りなくなり外構工事が出来ないなんていう
最悪の事態を引き起こすこともありません。

さらに、このようなお家は
外から見ただけで家の間取りを読み取ることは不可能なのに加え、
外周部につくる窓が小さくていいことから
防犯のための小細工をする必要もありません。

なんせ弊社のお家は外壁そのものが塀代わりとなるため
塀にこだわる必要どころか
塀を立てる必要すらないかもしれませんからね。
結果、さらに外構工事費用を圧縮出来るというわけですね。

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このようにSIMPLENOTEの家では、
室内・室内ともに限りなくシンプルに仕上げることによって
たくさんのメリットを意識的にもたらしています。

というわけなので、
こういった観点を頭の片隅に置きつつ
SIMPLENOTEの家を再度ご覧いただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.157 解決策は「お金」ではなく「間取り」

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「解決策は"お金"ではなく"間取り"」です。

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お金さえかけることが出来れば
家はいくらでも良くなります。

例えば、全館空調システム。
これを設置すれば平屋だろうと2階建てだろうと
あるいは家が小さかろうと大きかろうと
全ての部屋に冷暖房が行き届く温度差のない
快適な住まいを手に入れることが出来ると思いますが、
その引き換え条件としてそうしない場合よりも
100〜200万円ほど余分な費用を支払わなくてはいけません。

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また、床暖房も足元の冷えを解決してくれる
素晴らしいアイテムではあるものの、
設置するとなれば空調システム同様に
100〜200万円ほど余分な費用を支払わなくてはいけません。

このように家はお金さえかければ
際限なく理想に近づいていくのですが、
「予算」という現実に真摯に向き合うと
その多くを諦めざるを得ないというのが
家づくりをする多くの方がぶち当たる大きな壁ではないでしょうか。

そんなわけでSIMPLENOTEの家では、
こういった「あったらいいなー、でも予算的に無理だなー」
的なことをお金をかけずにカバー出来るように
間取りに工夫を凝らしています。


✔️温度差の少ない空間づくり

温度差の少ない空間をつくるためには、
そもそも温度差が生まれやすい間取りをつくらないことが
最善の方法ではないでしょうか。

例えば、階段をなくす。
2階建てになると必然的に上下階に温度差が生まれます。
そしてリビング階段だと上の階から冷たい空気がおりてきて
暖房をしているのに妙に冷えを感じるという現象を引き起こします。

であれば、建てられるのであれば
平屋にすればそれだけでこの問題は解決出来ます。

また、廊下をなくせば
確実に家の中に温度差が生じにくくなるのではないでしょうか。
廊下があればそこで空気が分断され
全体に空気が循環しにくくなりますからね。

さらに、闇雲に家を大きくしないことも
温度差を少なくするためには非常に大切な要素となります。
単純に面積が大きくなればその分体積も大きくなりますからね。
その上、天井を高くしようものならさらに温度差が生まれやすくなるので、
弊社では天井を高くすることなく開放感を出す工夫をすることによって
無駄に体積を増やさないようにしています。

結果、空調システムや床暖房といった
イニシャルコストもランニングコストも多額にかかる機械に頼ることなく、
温度差の少ない空間づくりが実現しやすくなるというわけですね。

こういった機械類はやがて壊れるものであるため、
メンテコストも馬鹿にならないですしね。
電気代もどんどん上がっていることですし、
なるだけ電力を消費しない家にした方が間違いなくいいでしょうしね。

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✔️高い耐震性と耐久性

耐震に関しても、
2階建てではなく平屋にすればそれだけで一気に問題は解決します。

平屋にすれば、
2階建てのように重い2階部分を支える必要もないし、
2階建てのように家のバランスが悪くなりにくいからです。

なんせ2階建ては、
2階を支えないといけない1階が
2階より柱も壁も少なくなってしまう上、
南と北の壁のバランスも悪くなってしまいますからね。
南向きにこだわって家を建てると
兎にも角にも南に大開口をつくることになり、
必然的に南にほとんど壁がなくなってしまうからです。

そんなわけでSIMPLENOTEの家では「平屋」を基本としている次第です。
重心が低くどっしりとした平屋にしておけば、
耐震性の不安を払拭するために
50万円以上のコストをかけて制震ダンパーを設置する必要もないし、
耐震等級3を取得するにしても、
間取りに制約を受けることが全くと言っていいほどありません。

かつ、重心が低いということは
強風や重量車両の通行による揺れという
日常的な軽い地震のような影響も
受けにくいということでもあるので、
家もより長持ちしやすくなるでしょう。

いかがでしたか?

快適性にせよ安全性にせよ、
そもそも設計によって問題を解決すれば
無駄なお金を払う必要はないというのが
SIMPLENOTEの家の基礎となる考え方です。

以前より建築費が高騰している現在は、
経済的な側面を考えてもコストを抑える工夫が
これまで以上に必要になっているのは間違いありませんし。

なので、単純にお金をかけて問題を解決していくという選択肢だけじゃなく、
お金をかけることなく問題を解決するという選択肢があるということも
ぜひ覚えておいていただければと思います。

それでは、また次回。

vol.156 図面を読み解く力

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「図面を読み解く力」です。

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多くの方が単純に方位と動線だけに着目し
家の間取りを決めてしまいがちですが、
住みやすさと美しさを同時に実現するためには、
他にも着目すべき点があります。

例えば、南向きの土地はとっても日当たりがいいため、
全ての部屋を南に配置し、
かつ南面に大きな窓をたくさんつくりたくなるのですが、
それは結果的に周りから丸見えになってしまうことから
カーテンが開けられない薄暗い家をつくる可能性を高めます。

そして、そんな環境の中では
高いお金を出してつくったウッドデッキもほぼほぼ使えない
なんてことにもなりかねません。

また、南向きの土地では、
玄関も南向きにつくるのが一般的ですが、
リビングのエアコンの抜き位置も考えておかないと、
玄関のすぐ隣にエアコンの室外機がちょこんと置かれている
なんてことにも十分考えられます。

北向きの土地に至っては、
南向きとはまた違った問題が
発生しやすいという特徴を持っています。

まず考えられる問題が、
家の顔となる正面が汚くなりやすいという問題です。
トイレ・脱衣・風呂といった水回りが
北に配置されるのが一般的なため、
換気扇や不均一な高さ&サイズの窓が
正面に並びやすくなるからです。

これに加えて水回りの近くには
給湯器も置かれやすくなるし、
外観を無視したまま間取りを考えると、
家の正面に勝手口が出来てしまうことも
決して少なくないからです。

その上ぐるりと家に囲まれているせいで
光が入ってきにくい土地だとしたら、
それこそ薄暗くジメジメした家になってしまいますしね。

そんなわけで、間取り図を見る時は
単純に方位と動線だけを見るのではなく
以下の点も同時に見ていただきたいと考えています。

vol.156simplenoteblog1.png


✔️周りからどう見えるのか?

誰も来ないような場所にポツンと建てるのなら話は違いますが、
基本、ほとんどの土地が
それなりに家が密集して建っているのではないでしょうか。
であれば、ご近所さんを含め
周りからどう見えるのかまで織り込みつつ
間取りや窓を考えるべきではないでしょうか。

大きな窓をつくっても
カーテンが1分たりとも開けられないのなら
そこから充分な光も入ってこないし、
風なんて全く通せないですからね。

ウッドデッキにしても、
気心が知れたご近所さんならまだしも
見ず知らずの人に見られるような所では
なんだか気恥ずかしくて活用しにくいですしね。


✔️立面図に出てこない部材の位置

そして図面を見るにあたって
もう1つ読み取っていただきたいことが、
立面図には出てこない部材の位置です。

・エアコンの配管と室外機
・給湯器(エコキュートなら本体と室外機)
・樋(軒から地面までのたて樋)
・給排気口(キッチン・水回り・収納・居室)
・電気メーターボックス
・太陽光発電の宅内引き込み線
・太陽光発電のパワコン(外部に設置するなら)
・蓄電池(設置するなら)
といった部材です。

これらを考慮しなければ間取りは自由に変えやすいのですが、
考慮しないまま間取りを考えたり変えてしまうと、
冒頭でお伝えしたように
玄関の横にエアコンの室外機を置かざるを得ない状態になったり、
家の正面にエアコンの配管が出てきたり、
目立つ場所に給湯器を置かざるを得ない状況になってしまい、
結果、家の景観が乱れることになります。

というわけなので、
こういった間取り図の見方も覚えておいていただければと思います。
図面を読み解く力を養えば、
より住みやすく、よりカッコイイ家が
出来上がるのは間違いありません!

それでは、また次回。
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vol.155 間違った当たり前と解決策

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「間違った当たり前と解決策」です。

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窓をたくさんつくれば
それに比例して家の中が明るくなるように思いますが、
現実は決してそうではありません。
窓の向こうに隣家が建っていたり、
窓の向こうが開けている場合、
窓からは光や日差しとともに視線も入ってくるからです。

結果、それらの窓には全てカーテンが必要となり、
そして全くと言っていいほど開けることが出来なくなるため、
思っていたように家の中には光が入ってこなくなるというわけです。

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そんなわけで、
本当に明るい家を手に入れたいとお考えであれば、
単純に方位だけを考えて間取りや部屋の位置、窓を決めるのではなく、
その土地の周辺環境も加味しながら
それらを決めるのが最良の手段であると考えています。

カーテンが閉めっぱなしだと
家の中が暗くなるだけじゃなく、
外が見えず抜け感がなくなり
開放感まで台無しになってしまいますしね。

また、開放感を出すために
「天井を高くする」という方法がありますが、
これも先程の窓同様に、
ただそうすればそれだけで開放感が増すのかと言うと、
これまたそういうわけでもありません。

理由は、先程も申し上げたように
基本全ての窓にカーテンが設置されていて
かつ閉まったままの状態になっているため、
抜け感が感じられないどころか逆に閉塞感を感じてしまうから。

そして、たとえ天井だけを高くしても、
ドアや窓を既製品サイズの2mを使用しているのだとしたら、
天井とドアや窓との間に出来る垂れ壁が
さらに長くなってしまうことから
より天井付近に光が届きにくくなり、
薄暗さが増してしまうからです。
そもそもカーテンによって
入ってくる光の量が大幅に減っているわけですしね。

そんなわけで、
本当に開放感を手に入れたいとお考えだとしたら、
単純に天井を高くするのではなく
天井とドアと窓の高さをそろえることが
最良の手段であると考えています。
かつ、カーテンがいらない窓にすること。
この2つがそろえば文句なしの明るく開放的なお家の完成です。

この方法だと全くコストが上がらないどころか、
カーテンがいらない分むしろコストが下がるわけですしね。

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✔️ハイドア・ハイサッシの利点

天井の高さにドアを合わせる場合、
ハイドアと呼ばれる高さ2m40cmのものを使うことになるのですが、
そうすれば垂れ壁が全く出来なくなるので、
天井がずっと続いているように見えます。

また、外に出られる所に設置する窓を
天井まで高さがあるハイサッシにしつつ
そこにカーテンがいらないようにすれば、
圧倒的な開放感が得られると同時に空を眺めることが出来るし、
入ってくる光量にも圧倒的な差が生じます。

結果、たとえ曇りや雨の日でも
照明なしで過ごせるぐらい圧巻の明るさを
手に入れることが出来ると同時に、
まるでリゾートホテルで居るかのような
圧倒的な開放感を感じながら日々過ごすことが出来ます。

その上ドア枠も窓枠も必要じゃなくなるし、
カーテンやカーテンレールも必要じゃなくなるので、
その分、掃除や洗濯も楽になりますしね。

というわけなので巷で言われている方法では、
充分な明るさと開放感を手に入れにくいということ、
そして、それらを手に入れるためには
間取りのアプローチの仕方や仕上げの方法が大切であるということを
覚えておいていただければと思います。

それでは、また次回。

vol.154 家事の負担を軽減する最良の方法 その2

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「家事の負担を軽減する最良の方法 その2」です。

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毎日しなければいけない洗濯の負担を軽減するためには、
その全ての移動を平面で出来るようにしておくこと
ではないでしょうか。

洗濯機から取り出した洗濯物を干しに行く動線、
乾いた洗濯物を取り込む動線、
そして畳んだ洗濯物を片付ける動線、
この全てが平面移動だけで済むのか?
それとも上下移動しなければいけないのか?
で、その負担は大きく違ってくるからです。

例えば、洗濯機は1階にあるけど
干すのと片付けるのが2階だとしたら、
干すために水に濡れた重い洗濯物を
毎回2階まで持ち運ばなければいけません。

結果、移動が大変であるとともに
干しに行っている間と取り込み畳んで片付けている間
子どもたちから目を離すことになるのですが、
まだ子どもたちが小さいとしたらこれは少し不安になりますよね。

また、足腰が弱ってきたらその移動がなおのこと苦痛となります。
もちろん、これは遠い未来のことですが、
ここに住み続けることが前提であるので
これも想定しておく必要はありますよね。

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では、これを解決するために
干場も片付ける場所も1階につくるとしたらどうでしょうか?

この場合、キッチンか脱衣室に勝手口を設け、
隣家との間にテラスをつくりそこに干す、
そして勝手口近くに家族全員のファミリークローゼットをつくり
そこに片付けるという間取りになり、
平面移動で全てが済むことになるため
移動効率の悪さ問題、子どもたちから目を離す問題、
老後に移動が苦痛になる問題、
これらは解決したかのように見えます。

しかし、これはこれで住んでみてから
初めて気が付く問題点が潜んでいます。


✔️2つの問題点とその解決法

この間取りが抱える問題は2つ。
1つは、洗濯物を干す時、取り込む時、
お隣さんやご近所さんと鉢合わせになる可能性が高いため、
ボサボサの髪やノーメイク、そしてパジャマや家着のままで
その作業がやりにくいこと。

そしてもう1つは、
勝手口を経由しての移動は実はけっこうな距離がある上、
持てる荷物の量に限りがあるため、
干す・取り込む、の作業が思っている以上に大変なこと。
かつ、暑い日は汗だくになりながら、
寒い日はブルブル震えながら、その作業をしないといけないことです。

そんなわけで、あなたが
常に室内干し派やガス乾燥機「乾太くん」派じゃなく
基本スタイルは抜群の日当たりと風通しが期待出来る
外干し派であるとしたら、
勝手口から外に出て干すという動線ではなく、
「中庭」をつくることをオススメしています。

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「中庭」をつくり、
そこにアクセスしやすい場所に脱衣室やクローゼットがあれば、
干す・取り込む・片付けるの全ての距離が圧倒的に短くなります。

また「中庭」は
基本リビングダイニングキッチンに接していることから、
常に子どもたちの近くで全ての作業をこなすことが出来るし、
「中庭」は隣家や近所の人たちの目を一切気にしなくていいので、
時間も気にする必要もなければボサボサの髪やノーメイク、
そしてパジャマや家着のままでもその作業をこなすことが出来ます。
なんなら、旦那さんが半裸や下着のままその作業をしても
なんの問題もありません。

結論としては「中庭がある平屋」にすること、
これが洗濯の負担を軽減出来る最良の方法ではないでしょうか。

それでは、また次回。

vol.153 家事の負担を軽減する最良の方法

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「家事の負担を軽減する最良の方法」です。

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忙しい奥さんにとって「家事の負担軽減」は
家づくりで必ずクリアしたい重要な課題の一つだと思いますが、
この課題をクリアするにあたって大事なことが
「間取りづくり」です。

例えば、子ども部屋を2階につくると
子どもたちのものが自然とリビングに散乱することになるため、
よほどこまめに片付けをしない限り
リビングが散らかった状態になります。

結果、埃も溜まりやすくなり、
かつ掃除機をかけるにしても
まずは散らかった荷物の片付けから始めないといけなくなり、
掃除に余分な時間を取られてしまうことになります。

もちろん、この問題は1階にリビングとは別に部屋を設ければ
その部屋が子どもの荷物の受け皿となり
解決することにはなるのですが、
家の面積が大きくなってしまうため
コストが大幅に跳ね上がってしまう
という別の問題を発生させてしまいます。

ゆえ、2階建ての家を建てるにしても
安易に子ども部屋は2階だと決めつけるのではなく、
1階につくるという選択肢も持っていただきたいと考えている
というわけですね。

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また、子ども部屋だけに限らず、
寝室も1階につくれるのであればそうする方が
掃除・片付けの手間が大幅に削れるのではないでしょうか。

帰ってきて荷物を置くにしても服を着替えるにしても
わざわざ2階まで行くのはけっこう面倒くさいのに対し、
わずか数歩の水平移動だけで済む場所に寝室があれば
そう感じなくなるからです。

結果、リビングダイニングに
服やズボン、そして荷物などを置きっぱなしにすることがなくなり、
生活感が滲み出ることもなければ
片付けや掃除もうんと楽になるのではないでしょうか。

というわけで、片付けや掃除を楽にしたいとお考えであれば、
「平屋」にするのがベストではないかと思っている次第です。
平屋だと仕事に行っている間に
「お掃除ロボット」が家全体の床掃除をしてくれるわけですしね。


✔️埃が溜まりにくい工夫

そして「お掃除ロボット」が
昼の間に床掃除をしてくれることを前提として考えるなら、
出来るだけ床の上に埃が落ちるような工夫をしておけば、
一石二鳥ではないでしょうか。

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例えば「窓枠」。
「窓枠」があれば枠の上に溜まった埃を
床掃除する前に落とすという作業をしないといけませんが、
そもそも「窓枠」をなくせば
その上に溜まるはずだった埃は全て床に落ちてくれます。

そして、同じように言えることが「ドア枠」です。
窓枠同様にドア枠もなくせばその上の埃を落とす必要がありません。

さらに「カーテンレール」も
そもそもカーテンが必要のない窓のつくり方さえ出来れば
ゼロにすることが出来ます。
結果、レールに溜まった埃を床掃除の前に落とす必要もなければ
カーテンを洗う必要もなくなり、
掃除どころか洗濯の手間をも省くことが出来るようになります。

この他、いわゆる「ニッチ」と呼ばれる飾り棚も
つくればつくるほど埃が溜まる場所が増え、
掃除の手間が増えることになるというところまで考慮した上で
つくるようにした方がいいでしょうし、
キッチン前のカウンターなんかも
何も置くことが出来ないぐらいの厚みでつくっておいた方が、
掃除の手間を大幅に軽減出来るのは間違いないと思います。

なんせキッチン前はシンクで使った水や
コンロで使った油などが飛び散ることから、
溜まった埃が固まって強固な汚れになる可能性が高いわけですからね。

そんなわけでSIMPLE NOTEの家では出来るだけスッキリシンプルに
空間を仕上げることをオススメしているというわけです。

では、次回はもう1つの大変な重労働である
「洗濯」の負担軽減についてお伝えしていきたいと思います。

それでは、また次回。

vol.152 「難敵」生活感を打破する工夫 -続編-

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「"難敵"生活感を打破する工夫 -続編-」です。

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共働きが当たり前となった現在、
仕事・家事・育児をバランスよくこなさないといけない
超絶忙しい奥さんが、
キッチン周りを常に綺麗に保つことは
かなり不可能に近いと思います。

ゆえ、SIMPLE NOTEの家では前回お伝えさせていただいたように、
少々横着をしても生活感満載のキッチンにならないような
間取りや仕上げの工夫をしているのですが、
リビングダイニングキッチンを
いつもオシャレな感じで保つためには
もう1つ間取りの工夫が必要となります。

この工夫も前回同様
SIMPLE NOTEの大きな特徴であり、
この工夫がもたらす恩恵は
長い目で見ても大きなものであると考えているので、
今回も最後までお付き合いいただければと思います。

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その工夫とはズバリ
「子ども部屋を1階につくる」ということなのですが、
では、なぜ子ども部屋を1階につくればそれだけで
生活感が出にくくなるのでしょうか?



✔️小さな子どもたちは親の近くに居たい

家を建てるタイミングで最も多いのは
子どもたちが未就学の時だと思いますが、
これを前提として間取りを考えた時、
子供部屋を2階につくってしまうと
建ててから10年前後もの長い間、
子ども部屋はほとんどその役目を
果たさない時期を過ごすことになります。

子どもたちが自分だけで寝ることもなければ、
子どもたちが親から離れた場所で
勝手に遊ぶこともまずないからです。

では、どこで遊ぶのか?
もちろんリビングですよね。
お母さんはキッチンを中心に家事をしているし、
お父さんはリビングで過ごしているからです。

となると、子どもたちがいつも使うおもちゃや絵本などは、
必然的にリビングに置かざるを得ませんよね。
いちいち、それを取りに2階に上がるのも
それを片付けに2階に上がるのもかなり面倒くさいことですからね。

結果、リビングダイニングは子どもたちのものが
常に散乱した状態になりやすくなってしまいます。
また、それらを片付けておくための収納家具が必要となり、
リビングが窮屈になってしまいます。

他方、子ども部屋を1階につくっておけば、
子どもたちに自分の部屋を使ってもらいやすくなります。
自分の部屋におもちゃや絵本を片付けてもらいやすくなります。

結果、リビングが散らかりにくくなり、
またリビングに邪魔な収納家具を置く必要もなくなります。

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もちろん、この工夫も万能かと言われるとそうではなく、
子どもたちが思春期になった時、
2階部屋に比べるとプライバシーを確保してやりにくくなる
という欠点も持っています。

とはいえ、もっと長い期間で考えてみると
子どもたちが家を出て行った後なんかは
部屋が下にあれば別の用途で使いやすいし、
老後を迎え2階に上がるのが億劫になった時、
単純に下に移動すればいいだけで
無駄な増築をする必要もないので、
そこまで考えていただいた方がいいかと思っています。

というわけなので、
「子ども部屋は2階につくるのが普通だ」という固定概念が、
強く頭の中にあるとは思いますが、
せっかくこだわってつくったリビングダイニングキッチンを
オシャレな状態で維持していただくために
今回の記事もぜひ参考にしていただければと思います。

それでは、また次回。

vol.151 「難敵」生活感を打破する工夫

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「"難敵"生活感を打破する工夫」です。

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リビングダイニングキッチンは常に過ごす場所だし
来客をもてなす場所でもあることから
家の中で一番こだわりたいところ。

しかし、一方で常にいる場所であるがゆえに
「生活感」の塊のような空間にも
なってしまいやすいところでもあります。

そんなわけで今回は、
こだわってつくったリビングダイニングキッチンを
常にオシャレでカッコよく保つために、
「生活感」を打破する工夫についてお伝えしていきたいと思います。

この工夫はSIMPLE NOTEの家の大きな特徴でもあり、
大まかに分けると2つあるので、
ぜひ参考にしていただければと思います。

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まず1つ目の工夫は、
「キッチン周りから生活感を消す工夫」です。

対面式キッチンが当たり前の現在、
ダイニングやリビングから見えるところは
キッチンの手元を隠すためにキッチン前につくるカウンターと
キッチンの背面スペースなのですが、
これらのスペースは油断をすると
なんやかんやと置いたり貼ったりしてしまう場所ですからね。

例えば、キッチン前のカウンター。
この高さは床から1m〜1m10cmの間でつくられることが多いのですが、
この高さは何かを置くのに最も丁度いい高さでもあります。

結果、調味料はもちろんいつも使うような生活用品なども
ついついここに「ちょこん」と置いてしまいます。
そしてそれが慢性化し、
リビングやダイニングからの景色は「生活感」の塊と化していきます。

また、冷蔵庫は一般的にキッチンの背面に置くようになっていますが、
冷蔵庫はマグネットボードのように磁石がくっつくことから
ゴミの日程表や学校の連絡網などを
ついつい貼ってしまうのではないでしょうか。

その上、レンジやジャーの周りも
いつも使うようなものは
ついつい出しっぱなしにしてしまいますしね。

そして、これらの合わせ技によって
リビングダイニングキッチンから
急速にオシャレ感が消え去ることになります。

他方、キッチン前カウンターに
ついつい何かを置いてしまうのであれば、
そもそも何も置けないようなカウンターにしてしまえば、
置きたくても置けなくなります。
つまり、カウンターの厚みを思い切って超薄型にし、
ただ手元を隠すだけの役割にしてしまうというわけですね。

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また、冷蔵庫に関しても
思い切ってリビングやダイニングから見えないところに隠してしまえば、
どれだけ色んなものをペタペタと貼ったとしても
一切生活感が出なくなるし、家電製品も同じように
思い切ってリビングやダイニングから見えないところに隠してしまえば、
そんなに毎日キチキチと片付けなくても
生活感丸出しになることもありません。

ゆえ、SIMPLE NOTEではキッチンの背面に大きなサイズのパントリーをつくり、
そこに冷蔵庫や家電を置くというスタイルを推奨しています。

パントリーをつくればキッチン背面がスッキリするだけじゃなく、
リビングやダイニングから見えないところに
死角となる壁が出来ることになるため、
ゴミの日程表や学校の連絡網はもちろん、
子供たちが幼稚園や保育園で描いた絵やつくったものなんかも
ここに貼ったり置いておいたり出来ますしね。

そんなわけでこの2つを間取り提案時に
取り入れさせていただいているというわけですね。

もちろん、パントリーに関しては
家電までの距離が遠くなるという欠点もあるので、
これとて「完璧な提案」というわけではないのですが、
どっちを優先するかで判断していただけたらと思います。

では次回は、
リビングダイニングキッチンの生活感を打破する
もう1つの工夫についてお伝えしていきたいと思います。

それでは、また次回。


vol.150 分離せず一体で考えるべきもの

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「分離せず一体で考えるべきもの」です。

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外構工事は家づくりの予算を最も狂わせる
と言っても過言ではありません。
最初の予算の枠取りが甘過ぎるから。
そして、家が完成していくに連れて
外構にもこだわりたいという欲求が
どんどん芽生えてくるからです。

予算の枠取りが甘くなる理由は、
外構工事に予算を取り過ぎると
その分、必然的に建築予算を
減らさざるを得なくなるのですが、
要は住宅会社側がそれを嫌うからです。

ゆえ、最初に立てた資金計画から
大幅な予算の狂いを生じさせないためにも、
家の見積もりと同じタイミングで
外構工事もリアルな見積もりをとり、
あらかじめ自分たちがどれくらい
外構工事にお金がかかりそうなのかを
把握しておくことをオススメしています。

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例えば、SIMPLE NOTEの家は基本正面に窓がなく
大きな窓を外周部に設けないことから、
プライバシー性と防犯性に優れており、
目隠しや植栽によってそれらを担保する必要がないし、
家の壁そのものが塀の代わりとなるため、
境界に仰々しい塀を立てる必要もありません。

また、外観も美しくなるように設計していることから、
外構工事によって家を引き立てるような
工夫をする必要もありません。

さらに、出来るだけ敷地に無駄な余白を残さないように
家を建てるようにしているため、
そもそも外構工事の施工面積がそれほど大きくありません。

以上のような理由から弊社では、
外構工事には「土地の面積×1〜2万円」という範囲内で
外構の予算枠を取るのですが、
弊社とは全く別の考え方で家の設計をした場合、
同じぐらいの予算で外構工事を考えるべきではありません。



✔️一般的なお家の外構予算

一般的な家とは、
南向きに部屋と大きな窓がある
一見、日当たりが良く明るそうに見える
2階建てのお家のことですが、
このようなお家を建てるとなれば、
敷地に出来る余白が大きくなります。

周囲に建つ家から
部屋や窓までの距離を充分確保しておかないと
家の中に光が充分に届かなくなるからです。
結果、必然的に施工面積が大きくなります。

また、外周部に大きな窓を設ければ
周囲から家の中が丸見えになるし、
リビングから伸びるウッドデッキも目隠しがなければ
せっかく作ったのにほとんど使わない場所になってしまうので、
住みやすさを担保しウッドデッキを使えるようにするためにも
確実に目隠しが必要となります。

そして、このようなお家は
防犯性を担保するための工事も必要となります。
安易に敷地に入ってこられるようでは
なんとなく気持ち悪いですしね。
そんなわけで、塀やゲートを頑丈につくるという
工夫もしなければいけないというわけですね。

その上、現在は以前に比べて材料費も値上がりしており、
工事価格も割高になっているし、
弊社ではウッドデッキは
当たり前のように建築費に入っていますが、
このようなお家では建築費には入っていませんしね。

これらを合計すると、
一般的なお家では最低でも土地の広さ×3〜4万円、
出来れば4〜5万円ぐらいは
予算枠として確保しておくべきだと思います。

というわけなので、外構工事の予算は
建てるお家によって大きく違ってくるということも
覚えておいていただければと思います。

そして、建築費の予算は建物だけじゃなく
外構工事費も含めた上で考えた方がいいということも
重ねて覚えておいていただければと思います。

それでは、また次回。
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vol.149 値上がりしている土地代を抑える方法

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「値上がりしている土地代を抑える方法」です。

------
コロナ以降、材料費の高騰によって
建築費がずいぶんと値上がりしたのですが、
それと同時に土地価格も値上がりしています。

造成工事費用が値上がりしているから。
そして、津波や土砂崩れといった
災害の心配がない場所で土地を買いたい方が増えているため、
そういった地域の土地価格が上がっているからです。

また、材料費が高騰しているということは、
外構工事費用も値上がりしているということでもあるため、
如何にその負担を上ないように家づくりをすることが出来るかが、
これからの家づくりの鍵を握ると言っても過言ではありません。

所得が上がっていない状況の中、
物価はもちろん社会保険料や税金、
そして電気料金までも上昇の一途を辿り続けているため、
今のところ可処分所得は減る一方ですからね。

そんなわけで今回は、
土地取得費用を抑える方法について
お伝えしていきたいと思います。
これは外構工事費用を抑える一つの方法でもあるので、
ぜひ知識を身につけていただければと思います。

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土地の単価が高くなりつつある現在、
住む場所に妥協せずに土地の価格を抑えるためには、
購入する土地の面積を縮めるしか方法がありません。

仮に土地の坪単価が20万円だとしたら、
5坪面積がカット出来れば100万円、
10坪面積がカット出来れば200万円、
家づくりにかかるコストが変わってくるし、
これに外構代やローン金利を合わせると
さらに50万円ほど変わってくるかもしれませんからね。

では、これを実行していくためには
どうすればいいのでしょうか。


✔️先に建てたい家を明確にする

土地にかかるコストを最小限にするためには、
いきなり土地を探し始めるのではなく、
その前にどんな家を建てたいのかを
明確にしておくことをオススメします。

自分がどんな家を建てたいかを明確にし、
それがどれくらいの大きさになるのかを
あらかじめ把握しておけば、
それに合わせた土地選びが出来るからです。

例えば、自分が建てたい家が「平屋」だとして、
先にざっくりヒアリングさせていただくことで
建てたい家の大きさが30坪前後だと明確になり、
かつ、必要な駐車スペースが3台だとした場合、
目安となる土地の広さは55坪前後となります。

平屋を建てるために70〜80坪ぐらい
土地が必要だと思っていたとしたら、
15〜20坪も土地面積を圧縮出来るので、
坪単価が20万円のエリアなら
土地にかかるコストが300〜400万円も
圧縮出来たことになりますよね。

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あるいは、自分が建てたい家が「2階建て」だとして、
先にざっくりヒアリングさせていただくことで、
建てたい家の1階部分の大きさが20坪前後だと明確になり、
かつ、必要な駐車スペースが2台だとした場合、
目安となる土地の広さは40坪前後となります。

少し大きめの家がいいから
土地の広さは60坪ぐらいはいるかな?と思っていたとしたら、
20坪前後土地面積が圧縮出来るので、
坪単価が25万円のエリアだとしたら
500万円前後も圧縮出来たことになりますよね。

これらの計算式は、
「必要な1階部分の面積+土地の余白10坪
+4.5 坪×駐車スペースの数」です。
土地の余白とは、家の周囲に出来る給排水を通したり、
エアコンや給湯器を置いたり、
通路として利用するスペースのことです。

先程の平屋の場合だと、
30坪+10坪+4.5坪×3台=53.5坪
(55坪前後)がちょうどいい広さで、
2階建ての場合だと、
20坪+10坪+4.5坪×2台=39坪
(40坪前後)がちょうどいい広さという感じですね。

このように土地を探す前に
どんな家にしたいのかが明確になっていれば、
自ずと探すべき土地の広さが明確になり、
無駄な出費を防ぐことが出来ます。

なので、いきなり土地を探し始めるのではなく
まずは住宅会社に行ってどんな家にしたいのかと
それがどれくらいの大きさになりそうなのかを明確にしてから
土地探しをしていただければと思います。

もちろん、それに加えて土地の予算も
明確にしておかないといけないんですけどね。

ぜひ、参考にしてみてください。
それでは、また次回。

vol.148 「中庭」があるお家ならでは、の暮らし

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「中庭があるお家ならでは、の暮らし」です。

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「中庭」は土地の日当たり問題を
解消する最高の手段であり、
明るさと開放感を手に入れるために
必要不可欠な要素でもあるということを、
前回、前々回に渡りお伝えさせていただいたのですが、
「中庭」を手に入れると日々の暮らしの中で
数多くの恩恵を受けることが出来ます。

例えば「食事を外で取ることが出来る」ということ。
休日の朝、マックを買ってきて「中庭」で食べる。
昼下がり、「中庭」に出てコーヒーを片手に本を読んだり
日向ぼっこをする。
夜は「中庭」に出て月夜の下
みんなでホットプレートを囲んでお肉を焼いたり。
焼きそばやお好み焼きをつくったり。

このように家に居ながら
ちょっとしたキャンプ気分が味わえるだけで
ずいぶんと暮らしが豊かになるのではないでしょうか。

人目を気にしなくていい「中庭」では、
暑い夏の日には、親も水着になって
子どもたちとプール遊びもできますね!

また「中庭」は家事に育児、
そして仕事に忙しい奥様にとって強い味方となります。

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✔️生活のストレスが軽減出来る

「庭」が家の中にあれば、
子どもたちを外で遊ばせるために
わざわざ家事の手を止めて外に出ずとも、
中庭(外)で遊ぶ子どもたちを横目に
料理や洗濯、お掃除が出来ます。

また、洗濯物を「中庭」で干すことが出来るため、
干すまでの動線が大幅に短縮出来ます。
なんせ「中庭」がないお家で、外で洗濯物を干すとなれば
勝手口ドアを出て隣家との間のスペースまで洗濯物を干しに行くか、
わざわざ階段を上って2階のベランダまで
洗濯物を干しに行かないといけませんからね。

そして「干す」だけじゃなく
「取り込んで片付ける」動線も大幅に短縮出来ます。
「中庭」に洗濯物を干せば、
リビングから数歩で洗濯物に辿りつくことが出来るし、
その近くに収納さえ設けていれば、
取り込んだ洗濯物を片付ける動線も圧倒的に短くなりますからね。

「中庭」がないお家だと勝手口ドアを介して
リビングと外を何度も行ったり来たりしないといけないか、
階段を介して上下を行ったり来たりしないといけないため、
時間のロスも大きくなるし、なによりその作業が大変です。
洗濯は料理同様に毎日のことですからね。

「中庭」があればお布団もそこに干すことが出来るので、
人目に触れることなく
お布団を日光に当てて除菌してあげられます。

その上、家を平屋にして
全ての部屋を「中庭」にアクセスしやすいようにしておけば、
いつでも簡単にお布団を干すことが出来ますしね。

いかがでしたか?
「中庭」がある暮らしがどんなものなのかを
ご想像いただけたのではないでしょうか。

というわけなので、
こんなお家を実際に見てみたいなーと思っていただけたなら、
ぜひ一度弊社の住まいを見に来ていただけたらと思います。
いつでも気軽にご連絡ください!

それでは、また次回。

vol.147「中庭」がもたらす暮らしの恩恵

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「中庭がもたらす暮らしの恩恵」です。

------
「中庭」に面した窓には
人目をシャットアウトするためのカーテンが不要になるので
カーテンコストが大幅に削減出来るし、
カーテンがいらない分、
カーテンを洗濯する必要もなくなれば、
カーテンレールの上にたまる埃を
いちいち掃除する必要もなくなります。

また「中庭」につくった窓には
台風の時のような強風が直接当たることもないし、
強風によって何かが飛んできて
ガラスが割れるような心配もないので、
シャッターをつける必要もありません。

結果、カーテン費用だけじゃなく
けっこう馬鹿にならないシャッター費用までも
大幅に削減出来るというわけですね。

大きな窓1箇所にかかるシャッターとカーテン費用が
合計で15万円ぐらいだとしたら、
「中庭」をつくることで75〜90万円ほどの
オプション費用を追加で払う必要がなくなる
という感じでしょうか。

そして、このカーテンが不要であるということは、
コスト的な利点だけじゃなく
日常に大きな恩恵をもたらしてくれます。



✔️家の中が劇的に明るくなる

カーテンが不要になれば、
外部からの光を遮るものがなくなるため、
家の中が劇的に明るくなり、
日中は一切照明に頼る必要がありません。
サンサンと晴れた日はもちろん、
たとえどんより曇っていようとも、
また、たとえ雨が降っていようとも、です。

「中庭」から採光を取るということは、
家の中心部から光を取り込むということなので、
家全体が満遍なく明るくなりやすいですしね。

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✔️常に外が感じられ、空が見える

また、カーテンが不要となれば、
常に外を感じることが出来ます。
「中庭」に射し込んでくる光の動き。
時間の移ろいや四季の移ろい。
雨がデッキを叩く姿や窓を伝う雫。
しんしんとデッキに積もっていく雪。

これらを家の中に居ながら見たり感じることが出来るだけで
とっても豊かな気持ちになれるのではないでしょうか。

中庭のデッキからはもちろん、
リビングやダイニング、そしてキッチンからも
空にプカプカと浮かぶ雲や月の姿も
常に見ることが出来るわけですしね。

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✔️なにより開放感が半端ない

そして、これらの要素は
圧倒的な開放感をもたらしてくれます。

カーテンがいらない家は
カーテンがある家に比べて
圧倒的に奥行きが感じられること。

「中庭」につくったデッキも
リビングの一画のように感じられるため、
さらに空間に奥行きが感じられること。

これらの効果によって、
リビングダイニングキッチンという空間が
よりいっそう価値ある空間になることこそ、
「中庭」をつくる最大の意義ではないか
と感じているぐらいです。

いかがでしたか?
今回は明るさと開放感にのみフォーカスしてみたのですが、
その素晴らしさをなんとなくでも感じていただけたでしょうか?

では、次回も
「中庭」がもたらす暮らしの恩恵の
続きをお伝えしていきたいと思います。
「中庭」がどのように使えるのかについて
詳しくお伝えしていきますので、
次回もぜひご覧いただければと思います。

それでは、また次回。

vol.146 中庭の欠点と利点

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「中庭の欠点と利点」です。

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ホームページやInstagram動画をご覧いただくと
お分かりいただけると思いますが、
SIMPLE NOTEの家の多くが
「中庭」があるという特徴を持っています。

もちろん、この特徴には「コストが高くなる」
という不安点が一般的には存在するのですが、
実はその不安とは裏腹にこの特徴は、
逆にコストを落としてくれるという
嬉しいサプライズをもたらしてくれます。

では、その理由について
今回はお伝えしていきたいと思います。
非常に多くの方が見落としてしまっている
家づくりの大きな落とし穴について言及していくので
どうぞ最後までお付き合いください。

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✔️土地代を大きく抑えられる

今回の記事だけでは紹介しきれないぐらい
「中庭」には多くの利点が存在するのですが、
そのうちの1つが「土地代を抑えられる」ということです。

「中庭」をつくらないお家は、
南からの光を確保するために
障害物が存在しない南向きの土地を選ぶか、
隣家から充分な距離を空けることが出来る
広めの土地を選ばざるを得ないため
その分土地代が割高になってしまうのに対し
「中庭」があるお家はそのいずれも一切気にすることなく
土地を選ぶことが出来るからです。

つまり、土地の日当たりを気にする必要がなくなるため、
価格設定が割高な南向きの土地にこだわる必要もなくなるし、
日当たりを確保するために余分な広さの土地を買うことによって
隣家から充分な距離を開ける必要もなくなるというわけですね。

なんせ「中庭」をつくれば
自ずと隣家から充分な距離が開いた場所に
窓をつくることが出来ますからね。

そして、その結果、
隣家との距離を気にすることなく
家を建てることが出来るようになり、
土地に無駄な余白を残すことなく
敷地をいっぱいまで有効活用することが出来ることになります。
「中庭」というプライバシーに優れた庭があることによって、
人目が気になる外に庭をつくる必要もなくなりますしね。

✔️外構予算を抑えることが出来るから

日当たりを気にしなくてよくなること、
そして庭を外につくらなくてよくなること、
この2つによって敷地に出来る余白を最小限に出来るのが
「中庭」がもたらす大きな利点なのですが、
この結果、外構工事の費用が削減出来ます。
単純に施工面積が小さくなるからです。

また「中庭」からの採光を有効活用出来れば、
外周部に大きな窓を設置する必要もなくなるし、
窓の数を多くする必要もなくなるため、
境界に立てるブロック塀やフェンスなども
設置する必要もなくなります。
家の外壁が塀そのものの役割を兼ねることが出来るからです。

家の中やウッドデッキのプライバシーを担保するためや
防犯性強化のための植栽や目隠しなども
一切つくる必要もなくなるので、
これらのコストだって丸々浮いてきますしね。

そんなわけで「中庭」は、
予算がはみ出しがちな外構工事のコストをも
抑えてくれる役割を果たすというわけですね。

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✔️トータルコストで考えることが重要

「中庭」をつくれば、
「中庭」をつくらない家よりも家の価格は割高になります。
「中庭」をつくる分、外周面積が増えるし、
中庭部分も施工しないといけないからです。

とはいえ、ここまでお伝えしてきたように
土地代を抑えることが出来るし、
外構工事代を抑えることが出来るため、
土地、家、外構のトータルコストで考えると
予算を落とすことが出来ると考えています。

イメージとしては、
家のコストは100万円上がることになるけど、
土地のコストを100万円落とすことが出来、
かつ外構のコストを100万円落とすことが出来る、
という感じでしょうか。

もちろん、家も設計によって
贅肉的な箇所を削ぎ落とすことが出来れば、
コストを上げることなく
「中庭」がある家をつくることが出来るので、
それが実現出来ればさらにトータルコストを
抑えることが出来るようになるんですけどね。

というわけなので、
「中庭=高くなる」という
なんとなくのイメージだけに引っ張られて、
住みやすい家をつくるための手段を
安易に縮めないように気を付けていただければと思います。

それでは、また次回。


vol.145 面積の鍵を握る「収納」

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「面積の鍵を握る"収納"」です。

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「収納はたくさん欲しい」と
家を建てる誰もがお考えになりますが、
かといって床面積を増やせば
それはコストアップに直結するため、
安易に床面積を増やすという手段を
選択すべきではありません。

また、床面積を増やすにしても、
利便性の良さから人気が高い
「回遊動線」をつくってしまうと、
本来の収納力を半減させる可能性があるため
その良し悪しを理解しておくことも
大事な要素となってきます。

そんなわけで、
ここからはコストを上げることなく
よりたくさんの収納をつくる方法について
お伝えしていきたいと思います。

いわば、この知識は図面を読み解く力でもありますので、
間取りを描いてもらうまでに
ぜひ身に付けておいていただくといいと思います。

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まず、収納を考える上で
必ず知っておいた方がいいことが、
収納の分量は「床面積」ではなく
「壁面積」で考えないといけないということです。

例えば、間口91cm×奥行き91cmの収納と
間口182cm×奥行き45.5cmの収納は
床面積は全く同じであるものの、
棚の枚数が同じだとしたら、
単純に物が置ける量が2倍違います。
間口の広さが違うからです。

もちろん、間口が91cmの収納は
間口は半分であるものの奥行きが2倍あることから
奥に詰めて物を置くようにすれば、
間口1m82cmの収納と同じだけ
モノが置けるということになります。

しかし、その収納は確実に使いにくいのではないでしょうか。
奥のものを取り出すために
いちいち手前のモノを取り出さないといけないし、
再び元の位置に戻す時も
一手間作業が増えることになるからです。

かつ、奥には滅多に取り出さないモノを
置くようになると思いますが、
結果、奥にあるモノを忘れてしまい
滅多に使わないモノなのにまた同じモノを買うことになり、
どんどん家の中にモノが蓄積されていく
という悪循環を産む原因となるのではないでしょうか。

ゆえ、単純に床面積を広げるのではなく
いかに壁面を有効活用出来るかまで考えながら
収納はつくるべきだというわけですね。
なんといっても収納で最も大切なことは、
「いかに管理がしやすいのか」ですからね。

とりわけ、リビング周辺は
細々したモノが多くなることから、
管理がしやすい収納をつくっておかないと
それが散らかる原因につながるし、
ストレスの原因にもなります。

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✔️行き過ぎた利便性

家の中をグルグルと回れる
「回遊動線」は利便性がアップすることから
非常に人気があるのですが、
実は「収納量が低下する」という
大きなデメリットを秘めています。
通り抜け動線にするということは
「=収納の壁が減る」ということだからです。

例えば、
3帖のウォークインクローゼットをつくったとして、
この収納を通り抜け出来ないどん詰まりの収納にした場合、
合計約5.5m分の壁を利用することが出来るのですが、
この部屋を通り抜け出来るようにしたら、
使える壁の量が半分以下の2.6mにまで減ってしまいます。
廊下をつくることによって2方向の壁が使えなくなるからです。

そしてその結果、いざ暮らし出してみると
思っていたよりもモノが収まらず困った
という状況に陥ってしまい、
それでは片付かないからと
結局、通り道にモノを置いてしまい
通り抜け出来なくなってしまう
なんてことも決して珍しい話ではないと思います。

そんなわけで、
過度な最短動線を追求する必要もないのでは
と思っている次第です。
ここ徳島では、ほとんどのエリアで平屋を建てることが出来るし、
平屋にすればそれだけで洗濯動線も短くなれば
片付けや掃除だって楽になりますしね。

というわけなので、間取りを見る時には
「いかに壁を有効活用出来ているか?」
を見るようにしていただければと思います。

この図面の見方が出来るようになれば、
「収納が足りないかも?」という不安を払拭しやすくなり、
結果余計なコストを払う必要がなくなるし、
いざ暮らし出してみたら全く収納が足りなかったなんていう
最悪の事態を引き起こすことも間違いなくなくなるはずですから。

それでは、また次回。


vol.144 位置と広さと数量と

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「位置と広さと数量と」です。

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「子どものために」という想いは、
家を建てる大きな原動力の一つだと思いますが、
とはいえ子どもは遅かれ早かれ家から出ていくことから、
子育て期間中のことだけじゃなく、
子どもが巣立った後まで考えた上で
間取りをつくっておいた方がいいでしょう。

内装や設備は比較的簡単に変えられますが、
使い勝手が悪くなったからといって
間取りの変更をしようとしても
そう簡単には出来ないですしね。

そんなわけで、子ども部屋に関しては
それぞれの想いもあると思いますが、
最も合理的に考えた方がいいスペースと言えるでしょう。

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まず考えていただきたいことが、
子ども部屋を2階につくることが
本当に正解なのかどうかということです。

子ども部屋を2階につくった場合、
子どもが小さいうち(中学生になるまで)
自分の部屋を全くと言っていいほど
使うことがないからです。

子どもに限らず家族みんな
1日の大半を過ごすのはリビングダイニングキッチンだし、
子どもたちが小さいうちは
お母さんの近くから離れないでしょうし、
寝るのも親と一緒ですからね。

結果、リビングやダイニングが
子どもたちのオモチャや服で
散乱していくのではないでしょうか。

そして、1階にリビングとは別部屋か
充分な収納が確保出来ていない場合、
子どものものを片付ける収納ボックスを
リビングに置かざるを得なくなり、
生活感があふれてしまう上、
狭苦しく掃除もしにくいリビングに
なってしまうのではないでしょうか。

以上のようなことが想定されることから、
子ども部屋の位置を最初から2階に指定してしまうのは
どうかと考えている次第です。

子ども部屋を1階につくっておけば、
自分の荷物は全て自分の部屋に片付けられるでしょうし、
親御さんが泊まりに来た時なんかもここを使ってもらえるし、
やがて子どもたちが出て行った後も
何かと使い勝手がいいでしょうしね。

要するに、子ども部屋は
2階よりも1階につくっておいた方が
使える幅が大なり小なり広がるだろうし、
ライフスタイルの変化に応じて使い分けがしやすい、
というわけです。


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✔️コストに直結する広さと数量

続いて考えていただきたいことが、
「広さ」と「数」についてです。

広さに関しては、
寝室同様何を置く予定なのか?から
算出するのでいいのではないでしょうか。

仮に部屋とは別でクローゼットがあり、
置くものがシングルベッドと机だけであれば、
内寸で2.6m×2.6mある
4.5帖という広さで充分だと思います。

ハウスメーカーの住宅展示場や
住宅会社のモデルハウスなどは、
6帖でつくっている場合が多いのですが、
たとえ思春期を迎えたとしても
部屋に篭りっきりにならずに
寝る寸前までリビングで
一緒に過ごすことが多いと思うので、
そんなに広くつくる必要はなく
「自分の部屋がある」ということだけで
充分だという認識でいいと思います。

冒頭でも申し上げましたが、
遅かれ早かれ子どもは家を出ていくでしょうし、
その後の利用用途を考えてみても、
4.5帖もあれば充分でしょうしね。

数に関しても、必ずしも子供の人数に合わせて、
つくる(つくっておく)必要はないかもしれません。

子どもが自分の部屋を使い出すのは
中学生になってからの可能性が高いし、
高校卒業と同時に家を出ていくとしたら
1人で部屋を使う期間は最大6年なので、
兄弟姉妹の年齢差によっては
使う時期が被らない可能性もあるからです。

そんなわけで、子ども部屋を
必ずしも人数分つくる必要はないし、
どう考えてもつくらないといけないとしても
4.5帖という広さのまま増やすのではなく、
3.75帖とか3帖という広さにすることを
検討した方がいいのではないかと考えています。
面積を広げれば広げるほど
確実に家のコストは上がっていってしまいますしね。

いかがでしたか?
もちろん、子ども部屋も寝室同様に
予算的にゆとりがあるのであれば、
全然広げていただいても問題ないので、
この意見も参考にしていただきつつ
考えてみていただければと思います。

では、次は「収納」についてお伝えしていきたいと思います。
それでは、また次回。

vol.143 生活をイメージしながら考える

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「生活をイメージしながら考える」です。

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2階建てで、かつそれぞれの部屋を
全て2階につくるとなると、
1階にはリビングダイニングキッチン以外に
もう1つ部屋が必要となります。

子供たちが小さいうちは
子供たちの荷物置場として機能するし、
親御さんが泊まりにきた時には
寝所として機能すると考えられるからです。
また、やがて老後を迎え
階段を上がるのが億劫になった時には
そこを寝室として使えるからです。

他方、平屋を建てるとしたら、
この多目的ルームをつくらなくても
別段問題ないのではないでしょうか。
子供部屋も寝室も収納も
全てリビングダイニングキッチンと
同じフロアに存在するからです。

つまり子供たちの荷物置き場は自分の部屋でいいし、
親御さんが泊まることがあったとしても
子供部屋を使ってもらえばいいし、
(広々つくるリビングに布団を敷いて寝てもらってもいいですしね)
階段が億劫になることもないからです。
収納だって2階建てに比べると
必要な場所に充分あるでしょうしね。

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そんなわけで、平屋にすれば
この「客間」的存在の多目的ルームをカットすることが出来、
その分コストがカット出来ます。
この部屋の広さを6帖だと仮定したら
価格に換算するとざっと200万円ぐらいです。

また、ここ数年「ランドリールーム」と言われる
いわゆる洗濯物のためだけの部屋を
つくっている方も多いですが、
これもコストに直結するため
本当に必要なのかどうかは考えた方がいいと考えています。

というのも、今やリビングダイニングキッチンは
昔の家のように仕切りをつくらず一体となっていて、
かつキッチンが対面式になっていることが多いのですが、
これはこうなっている方が「ながら作業」がしやすいからです。

キッチンで料理や洗い物をしながらダイニングで勉強する子どもを見る。
リビングで遊ぶ子供を見ながらリビングで洗濯物をたたむ。
リビングで遊ぶ子供を見ながら中庭で洗濯物を干す。

共働きが当たり前となっている今は、
この「ながら作業」がどの家庭でも当たり前ではないでしょうか。
忙しく時間が足りない日々の中で
少しでも家族団欒の時間を増やしてくれる役割を果たしてくれるのが
この広々としたリビングダイニングキッチンですからね。

ゆえ、そんなに使用時間が長くない部屋をつくるために
100万円以上のコストをかけるのは勿体無いと考えている次第です。

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✔️寝室の広さの算出方法

ハウスメーカーの展示場や
住宅会社のモデルハウスなどを見学すると、
見栄えを考えてか寝室が無闇矢鱈に広くつくられています。
それどころか、寝室に書斎のようなコーナーすら設けられています。

ですが、正味の話をすると
寝室に広さは必要ないのではないでしょうか。
寝る寸前までリビングで過ごすでしょうし、
起きたらすぐにリビングに行くからです。
要するに、寝室は実質「寝る時」だけしか使わないからです。

また、寝室の近くには
必ずといっていいほど大型収納をつくると思いますが、
こうする理由は寝室に荷物を起きたくないからではないででしょうか。

今は昔のようにタンスもなければ
お母さん専用の化粧ドレッサーを
持ち込む人も皆無でしょう。
かつ、テレビも薄型になったため場所を取らなくなったし、
スマホやタブレットがあれば
そもそも寝室にテレビをつける必要すらありません。

そんなわけで、寝室は必要最低限の広さで
つくるのがベターではないかと考えている次第です。
具体的には、置くベッドのサイズと個数が分かれば
それに見合う広さにするという感じです。

仮にセミダブルベッドを2台並べて置くとしたら、
1.2m×2.0mが2台並ぶので
ベッドに必要な寸法が2.4m×2.0m、
これを置くのにちょうどいい広さは
3.51m×2.6mの内寸がある6帖という感じです。

もちろん、これでは狭いなーと感じられた方は
広げていただくしかないのですが、
広げれば当然コストも上がることになるので、
それも考慮した上でご判断いただければと思います。

では、今回はここまでにして
次回は「子ども部屋」について考えていきたいと思います。
それでは、また次回。

vol.142 合理的に考える力を身につける

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「合理的に考える力を身につける」です。

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家づくりのコストを下げるための一般的な手段は、
総二階建てにすることによって
家をローコスト化することなのですが、
この手法は、家を安く出来たとしても
土地にかかるコストと外構にかかるコストを
ダブルで大幅に上げてしまうため、
家づくり全体のコストを落とすための
ベターな方法ではありません。

他方、前回お伝えしたような
間取りのつくり方を知っていれば、
家のコストは上がってしまうものの、
土地にかかるコストと外構にかかるコストを
ダブルで大幅に下げることが出来るため、
結果的に、家づくり全体のコストを抑えることが出来ます。
住みやすさも格段にアップさせながらです。

ゆえ、後者の選択肢を
これから家を建てる方には
知っておいてもらいたいのですが、
とはいえ、出来れば家のコストも上げないようにしたいと
お考えになるが当たり前だと思うので、
ここからは家のコストを抑える方法について
お伝えしていきたいと思います。

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家のコストは、
使う材料や性能、面積や形など
様々な要素に左右されますが、
使う材料を妥協しても
そう大してコストは落ちないし、
性能に関しては
国が定める基準に従わないといけないため
上げることは出来ても落とすことは出来ません。

これに対し、面積に関しては
削ればそれ相応にコストも削れるし、
冷静に考えていくと
削ることが出来そうなスペースが割とたくさんあるし、
それを削ったとて住みやすさや使いやすさが
劣化する可能性もゼロに等しいため
家のコストを落とすにあたっては、
なくても問題がないスペースを
削ることが最良の手段だと考えています。

✔️合理的に考えていくことが大事

家の面積を削る上で大事なことが
合理的に考えていくことです。
面積を削れば当然家が小さくなるのですが、
ここで邪魔になってくる感情が
「家は◯◯坪はなければ!」という
「なんとなくのイメージ」です。

これがある限りは
面積カットはかなり難しいのですが、
1つ1つ冷静に考えていく
合理的な思考が出来るようになると
案外なくても問題がないものが
けっこうたくさん出てきます。

まずは「廊下」。
ただ通るだけの廊下も
部屋や収納と同じように
コストがかかるわけですが、
そもそもこれが欲しいという方は
限りなく少ないのではないでしょうか。

廊下が出来れば、
廊下が空気の循環を遮断してしまうため
家全体に冷暖房が行き届きにくくなり、
温度差が生まれる原因となります。
そもそも廊下のドアは
閉める習性が人にはありますからね。

「高断熱高気密化」している理由は、
家全体の温度差を限りなく
ゼロに等しくするためでもあるので、
その観点から考えても
現在の家づくりでは
いかに廊下を削ることが出来るが
家づくりの大きな鍵となります。

続いてが「階段」です。
もちろん、都心部のように
土地面積が狭小であれば、
必然的に上に階を重ねていかざるを得ないのですが、
横須賀や仙台ではほとんどの方が
この対象にならないのではないでしょうか。
つまり、ほとんどの方が
「平屋」を建てることが出来るというわけですね。

そして、2階建てではなく
「平屋」にすることが出来れば、
実は「廊下」を限りなくゼロに近づけやすくなるし、
上下階の温度差もなくせることから
家全体に冷暖房が行き届きやすくなり、
家の中の温度差をより小さくすることが出来ます。

2階をなくすことが出来れば、
トイレの数も1つにすることが出来ますしね。

いかがでしたか?
ここまでお伝えしたスペースは
別段なくても支障がないのではないでしょうか。

そして、これらがなくなることによって
平屋が2階建てと変わらない価格で建てられるとしたら
前向きに検討してもいいんじゃないか、
と思っていただけたのではないでしょうか。

では、次回は平屋を2階建てよりも
安く建てられるようにするために、
これ以外のスペースについて考えていきたいと思います。

それでは、また次回。
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vol.141 固定概念から解放された間取りづくり

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「固定概念から解放された間取りづくり」です。

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「部屋は南向きであるべきだ」
という固定概念に縛られていると、
土地がよほど広くない限り
(80坪以上ぐらいの感覚でしょうか)
必然的に2階建ての家を建てざるを得なくなります。

たとえ、その土地が
平屋を建てるに充分な広さがあるとしてもです。
(50坪〜60坪ぐらいの感覚です)

南に家が建っている土地で
1階につくる部屋の中に
安定的に光を届けるためには、
充分な距離を確保する必要があるからです。

結果、余分に出来た土地にも
工事を施さないといけなくなり、
その分、外構工事費用が高くなります。
プライバシーや景観を守るために
目隠しや、植栽、フェンスなどの工事も
確実に必要となるので、
なかなかなコストアップになるでしょう。

他方、直射光だけじゃなく
天空光を使うことを前提として
間取りを考えれば、
これまで平屋なんて絶対に無理だ
と考えていた土地にも、
平屋を建てることが出来るようになります。

直射光だけに頼らず
天空光を活用出来れば、
南に建つお家との間に
採光のために距離を開ける
必要がなくなるからです。

例えば、間口12m×奥行き15mの
北向き約55坪の土地には、
2階建ての家しか建たないと考えられがちですが、
通常採光確保のために必要だと
考えられていたスペースにも家が建てられるとしたら、
実は普通に4人家族が充分ゆったり暮らすことが出来る
平屋のお家を建てることが出来ます。

空が見える明るく広々とした
リビングダイニングキッチンに、
それぞれの部屋と充分過ぎるぐらいの収納があり、
室内干しが出来るほどゆったりとした
自然光がたっぷりと差し込む
脱衣スペースがある平屋をです。

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✔️55坪の土地に建つ平屋とは?

この土地で設計する場合、
リビングダイニングキッチンは
南ではなくあえて北に配置します。
北に配置すれば必然的に南に建つ家との間に
充分な距離が生まれるからです。

そしてリビングダイニングキッチンの
南側に外スペースをつくります。
過ごす時間が圧倒的に長い
リビングダイニングキッチンに
直射光をふんだんに取り入れるためです。

これがいわゆる「中庭」と呼ばれる
スペースなのですが、
「中庭」をつくることによって
家の中心から光を採ることが出来、
家全体に満遍なく光が届けやすくなります。

「中庭」をつくれば、
南に建つ家からだけじゃなく、
東に建つ家からも、
そして西に建つ家からも、
充分な距離を保つことが出来るからです。

また、敷地の南に配置した部屋には
南から光は入らないものの、
「中庭」に面する北に窓をつくれば
天空光と南の壁に反射した光が
家の中に入ってくるため、
直射光に比べて安定した採光が確保出来るし、
天空光は眩しくないことから
とっても過ごしやすい空間をつくることが出来ます。

以上のような理由から、
外周面に採光のための
大きな窓をつくる必要がなくなるというわけですね。
言い換えると外周面は
風を通すだけの小窓だけで充分だ
ということになります。

結果、周りから
家の中を見られる心配がいらなくなり、
そのためのカーテンがいらなくなるし、
家族のプライバシーがしっかりと確保出来ます。

かつ、「中庭」には台風時に
直風が当たらないことから、
何かが飛んできた時に備えて
シャッターをつける必要もなくなります。

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✔️得られる数々のメリット

このように固定概念に縛られず、
土地に合わせて間取りをつくることが出来れば、
今も今後もずっと住みやすい平屋を
手に入れやすくなると同時に、
平屋の懸念点であるプライバシー性と防犯性の低さを
スッキリ解消することも出来ます。

また、耐震面でも重心が低い平屋を建てれば、
地震や台風の強風の影響も受けにくくなり、
今後ずっと安心して暮らしやすくなります。

さらに、土地の日当たりを
気にする必要もなくなることから、
土地の予算を落とすことが出来ると同時に
日当たりで諦めていた土地なども
候補地として名乗りを挙げやすくなります。

無駄に広い土地を買う必要もなくなることから
さらに土地代を抑えることも出来るし、
土地面積が小さくなれば外構工事費用も抑えられます。
プライバシーを担保し防犯性を高めるための
塀や植栽、目隠しといった工事も
全くと言っていい程いらなくなりますね。

そんなわけで、
土地の周辺環境を加味した上で
要望をしっかりと精査すべきだし、
その上で間取りをつくるべきである
と考えている次第です。

ただ、平屋を建てるとなると、
少しばかりコストアップしてしまうし、
土地が持つ問題の解決手段が
「中庭」であるとしたら、
施工面積が増えることから
さらにコストアップしてしまうので、
次はコストを上げずに平屋を建てるために
知っておいていただきたいことについて
お伝えしていきたいと思います。

それでは、また次回。


vol.140 2種類の光

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「2種類の光」です。

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光には「直射光」と「天空光」があり、
多くの方が基本「直射光」だけで
採光計画を考えようとしてしまうのですが、
どんな天気の日でも
安定した明るさを室内に届けるためには、
「天空光」をふんだんに取り入れる必要があります。

理由は、大気層を通過して直接地上に届く「直射光」は、
熱が高く、明るく眩しい上、
天候に大きく左右されるからです。

明るく眩し過ぎるとなると、
また家の中に熱が入り過ぎるとなると、
それを遮るためにカーテンが必要になり、
それによって光が遮断されてしまい
採光計画が大きく崩れることになるし、
直射光を主な採光手段にすれば、
周囲から家の中が丸見えになることから、
曇りや雨の日でもカーテンが開けられなくなり、
よりいっそう暗い家になってしまいますしね。

そんなわけで、
空気中の塵や水蒸気などで
乱反射した光である「天空光」の
存在を知っていただいた上で
間取りの計画を立てることをオススメしています。

では、ここからは
「直射光」だけに頼らない
間取りづくりを実行していただくために
必要な知識についてお伝えしていきたいと思います。

ちなみに「直射光」だけが大切という意識から脱却し、
天空光をふんだんに取り入れた
住まいづくりさえ出来れば、
付けるのが当たり前だと思われている
カーテンが必要なくなり、
曇りの日はおろか、
たとえ雨が降っているとしても、
照明なしで過ごすことが出来るようになります。

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✔️間違った採光計画

建売住宅の広告を見ると、
「全室南向き日当たり良好」
という文言がよく入っているし、
建売住宅に限らず
注文住宅でもそのようなお家が
たくさん建っていますが、
まず考えていただきたいことが、
「そもそも全ての居室を
南向きでつくる必要があるのか?」
ということです。

例えば、寝室。
この部屋は陽が沈んでから
陽が上り始めるまでの間に
使う部屋ではないでしょうか。
ゆえ、日当たりをそんなに
重視する部屋ではないはずです。

続いて子供部屋はいかがでしょうか。
デスクワークをする時を
想像してみてください。
朝から夕方まで
厳しい日差しが差し込んでくる所で
集中して仕事が出来るでしょうか?

難しいですよね。
ということは、子どもたちだって
そんな環境で
集中して勉強なんて出来ませんよね。

そして、集中するために
きっと遮光カーテンを閉め切り、
眩しい光線と熱い熱が
入ってこないようにしつつ、
照明で光の調整をすることになるでしょう。

この他、玄関や玄関ホール、
そして廊下や階段スペースなども
明るくはしたいものの、
かといってそれが「直射光」である
必要は全くありませんよね。

一方で「脱衣室」や「キッチン」などは、
居住スペースを南向きでつくることで
直射光が入ってきにくい場所に
追いやられがちになっているのですが、
本当にそれでいいのでしょうか?

光が差し込まない薄暗いキッチンで、
天気の日なのに照明をつけながら
料理をつくり、後片付けをする。

熱も入ってこなければ風通しも全然良くない
寒くてジメジメとした脱衣室で
着替えをし、洗濯物を干す。

こんな暮らしが一番とは
全く思いませんよね?

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程よく日差しが差し込む
明るく清々しいキッチンで
料理をつくり、後片付けをしたいし、
程よく日差しが差し込み、風通しも良い
明るくカラッとした脱衣室で
着替えをし、洗濯物を干したいですよね。

こうやって考えてみると
「なるほど。確かにそうかも。」
と思っていただけたと思いますが、
残念なことに多くの住まいが
このような設計にはなっていません。

もちろん、その理由は
「直射光」だけで採光計画を
立ててしまったからです。

では、どうすればいいのか?
というわけで、
次からは「直射光」だけに頼らず、
「天空光」をふんだんに利用した
間取りの考え方について
お伝えしていきたいと思います。

それでは、また次回。

vol.139 設計の大原則

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「設計の大原則」です。

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一般的に、家の間取りは
建てる人の要望によって全てが決まると考えられていますが、
どれだけ多くの情報をお客様から引き出せたとしても、
それだけで住みやすい家をつくることは出来ません。

理由は要望を引き出せば引き出すほど
その要望を叶えることだけに必死にならざるを得なくなり、
その土地に合わせた間取りをつくりづらくなってしまうから。

つまり本当に住みやすい家をつくるためには、
本来周辺環境の状況を加味した上で
(周りの家との兼ね合いを考えながら)要望をお聞きし、
その要望の1つ1つがその土地にマッチしているかを
確認しながら間取りをつくるべきなのに、
要望を聞き過ぎてしまうと、
要望を実現するだけでいっぱいいっぱいになり
そこまで考えられなくなってしまうというわけですね。

要望を聞き過ぎると予算が跳ね上がりやすく、
予算とのバランスが取りにくくなる
という困った悩みも発生しますしね。
要望には「プラス」の要素はあれど
「マイナス」の要素は基本ありませんから...

というわけで今回は
住みやすい家を予算を抑えながら建てる方法について
お伝えしていきたいと思います。

ヒアリングでお客様から
要望を引き出し過ぎてしまって
図面と予算の収集がつかなくなっているという事態に加え、
家づくりにはなんとなく受け入れてしまっている
「固定概念」というものがたくさんあり、
それがさらにいい間取りづくりの邪魔をするので、
その固定概念を打破すべく
正しい設計の知識をつけていただければと思います。

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✔️間取りは土地に合わせて考える

間取りを考える上で
最も大事な要素であると言っても
過言ではないことがこれです。

例えば、
日当たりが良い南向きの土地に家を建てるとしたら、
南向きに部屋をつくり南向きに大きな窓をつくるのが
設計では当たり前とされていることですが、
間取りを見る際に気を付けなければいけないことが
「周りから自分の家がどのように見えるのか?」
ということです。

南向きの土地ということは、
南に道路があるということであり、
それは中から外の様子がよく見えるということであり、
道行く人や車からも家の中の様子がよく見えるということ
でもありますからね。
リビングからの続きでつくったウッドデッキも然りですね。

これが想像出来ていないと、
間違いなく思っていたものとは
違う家が仕上がってしまいます。

レースカーテンだけでは
あまりに丸見えが気になるとしたら、
遮光カーテンまで閉めることになり、
家の中に光が入ってこなくなるし、
以降ずっとカーテンが開けられない。
丸見えなのが気恥ずかしくてウッドデッキを全く使わない...

「言われてみると確かに」と
思っていただけたかもしれませんが、
実際にそんな家に住んだことがなければ
こんなこと想像もつかなかったのではないでしょうか。

大人気の「南向きの土地」にも
こんな想定外のデメリットがあるなんて
思ってもみないですよね。

vol.139simplenoteblog2.jpg

✔️土地にマッチしない固定概念

また「部屋は南向きでつくるべきだ」
という代表的な固定概念は
南向きの土地に限らず、
その他の土地でも設計士の頭を悩ます
困った要望となります。

日当たりが悪そうな土地で
1階の一番南にリビングを配置すれば、
冬場ほとんど光が入ってこないため
「暗い」「寒い」という家になりやすいからです。

別の場所で採光を確保しようにも、
大きな窓をつくればつくるほど隣との距離が近いと
カーテンを開けることが出来なくなりますしね。

南にリビングを配置したことによって
水回りが北に配置されることになれば、
脱衣室が寒くジメジメしやすくなるし、
室内干しで洗濯物を干しても
なかなか乾かないでしょう。

そんなわけで家づくりをする時は、
なんとなく当たり前だと受け入れてしまっている
固定概念というものを
あらかじめ打破していただくことが
初めの一歩だと考えている次第です。

固定概念がなくなれば、
劇的に色んなことが柔軟に考えられるようになりますよ。

それでは、また次回。


vol.138 ローコスト住宅が結果的に割高になる理由

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「ローコスト住宅が結果的に割高になる理由」です。

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資材価格の高騰によって
コロナ前に比べてずいぶんと
建築費が上がってしまったのですが、
それに加えて住宅性能の更なる強化や太陽光発電の設置、
さらにインスタグラムの影響による
商品のグレードアップなどによって
銀行からの借入額がどんどん増えていっているのが現実です。

もちろん、住宅性能の強化と太陽光発電の設置は、
長期的に見ると上がった建築費を打ち消すどころか
お釣りが帰ってくるぐらい
電気料金というランニングコストを削減してくれるのですが、
とはいえ、目先だけで考えると返済負担は増えてしまうので
少しでも家づくりにかかるイニシャルコスト(初期費用)を
抑えるための工夫をしなければいけません。

ゆえ、今回は家づくりにかかる
コストを落とすための方法について
お伝えしていきたいと思います。

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これを実現するためには、
建築費を削減するだけでは難しく
土地と外構(庭の工事)にかかる
コストをも削減する必要があるのですが、
ここで難しいのがローコスト住宅の考え方に寄ってしまうと
建築費は幾分抑えられるものの、
その分土地や外構に莫大なコストが必要となり
総額で考えるとかえって
高い買い物をする結果になってしまうということです。


✔️ローコスト住宅の盲点

ローコスト住宅とは、
家のコストを最小限にするために
施工面積が抑えられるような
間取りの工夫をしているお家です。

家を真四角にするとか、
総二階建てにするとか(1階と2階の面積が同じ家)、
凸凹にならないよう間取りをつくるといった工夫ですね。
この結果、確かに家のコストは
大なり小なり抑えることが出来ます。

しかし、こういった要素を
取り入れたお家に共通していることが、
「家の外周面だけにしか窓がつけられない」
ということなのですが、
これが土地や外構にかかるコストを
大幅に跳ね上げてしまう原因となります。

土地代が高くなる理由は、
基本、日当たりがいい土地じゃないと
家の中が真っ暗になってしまうため、
価格が最も割高に設定されている南向きの土地を
買わないといけなくなるか、
あるいは南向き以外の土地である場合、
隣家との間に充分なスペースを確保しないといけないので
その分、余分に土地を買わないといけなくなるからです。

そしてこの結果、外構工事までも高くなってしまいます。
南向きの土地に南向きに大きな窓をつくってしまうと、
外から家の中が丸見えになるため、
目隠しや塀や植栽によって防がないといけなくなるからです。

また、丸見えの位置につくったウッドデッキを
有効活用出来るようにするためには、
ウッドデッキにまでも目隠しを
設置しないといけなくなるからです。

その上、家の窓には
目隠しのためのカーテンが必要になるし、
防犯のことや、台風の時に備えてシャッターも必要になるので、
相当なオプション追加工事がかかってしまいますしね。

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つまり、南向きの土地は
土地代が割高になるだけじゃなく、
同時に外構工事代も割高になり、
かつ、割安に抑えられたはずの
建築代までも結果的に割高になる。
結果、家づくりのコストが
最も上がってしまうというわけです。

これが案外知られていない家づくりの盲点なのですが、
みんなそろって日当たりがいい
南向きの土地を探そうとする結果、
南向きの土地に人気が集中し
なかなか土地が見つからなくなるし、
見つかったとしても値引きなんてしてもらえないし、
すぐに売れてしまうことから即決を迫られることになり、
家づくりのペースが乱されてしまうという
更なるデメリットを引き起こしかねません。

そんなわけで、
こういった悪い循環から抜け出していただくために
正しい間取りのつくり方について
知っていただきたいと思っている次第です。

というわけで次回は設計の考え方について
詳しくお伝えしていきたいと思います。
それでは、また次回。

vol.137 電気料金の嘘と真実

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「電気料金の嘘と真実」です。

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2022年の10月をもって
様々な電力会社が燃料調整費の上限を撤廃したことにより、
11月からオール電化住宅の電気料金が
大きく跳ね上がりました。

これを受けてこれまで無頓着だった電気料金を
意識するようになった方も多いのではないかと思いますが、
電気料金は今後もさらに高くなっていくと噂されているため、
これから家を建てる方は、
値上がり傾向である電気料金を
抑える対策をしなければいけません。

いつか終わりがある住宅ローンとは違って
電気料金は生きている限り
ずっとかかり続ける費用ですからね。

どれだけ住宅ローンの利息を抑えることが出来たとしても、
電気料金に対する知識が乏しいままでは
抑えた利息を上回る出費を強いられかねませんしね。

というわけで今回は
電気料金についてお伝えしていきたいと思います。

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✔️「高断熱高気密」だけでは解決策にはならない

まず理解しておいていただきたいことが、
家の断熱や気密を強化することは
「快適な暮らし」には大きく寄与するものの、
新築の家同士で比較する場合
電気料金の節約にはそれほど関係ないということです。

国が発表しているデータによると、
家庭の消費電力の割合の中で
冷暖房が締める割合はわずか28%しかないからです。
割合としては給湯器と同じ比率です。

1年中休みなく使用する給湯器に対し、
冷暖房は使用する期間が1年のうち半分ぐらいなので、
そう考えると信憑性の高い数字ではないでしょうか。

仮に毎月の平均電気代が
毎月15,000円だとしたら、
冷暖房が締める費用は
月平均4,200円ぐらいだということですね。

そして、たとえ超高性能住宅にしたとしても
冬の暖房の使用をなくすことは不可能なので、
ずいぶんとお金をかけて高性能化したとしても
節約出来る電気代は
せいぜい20%〜30%ぐらいのものではないでしょうか。

つまり、毎月平均1000円前後ぐらいが
高断熱高気密化によって
節約出来る電気料金だということですね。

今後50年生きるとしたら、
節約出来る合計金額が約60万円なので、
性能アップによって高くなるコストが
それ以下ならコストを上げることなく
より快適な住まいを手に入れることが出来るので
そうした方がいいという感じですね。

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✔️電気料金を抑える手段

家の性能を強化すれば、
多少の電気料金の節約をしつつ
より快適な暮らしを手に入れることが出来ますが、
とはいえ、そうしたからと言って
給湯器や冷蔵庫、そして照明器具や
その他全ての家電製品の電気料金を
節約出来るわけではありません。

ゆえ、電気料金の解決策として
「太陽光発電の設置」があります。
太陽光発電を設置すれば、
発電している間は電力会社から
電気を買わなくてよくなるからです。

電気そのものの買う量が減れば、
燃料調整費や再エネ賦課金といった
使った電気料金に付加してかかる
余分な費用を削減出来ますからね。

かつ、夜の使用電力量によっては
「蓄電池」の設置も検討してもいいでしょう。
蓄電池を設置すれば、
昼間の使いきれなかった電気を
貯めておくことが出来るため、
発電しない夜も電力会社から
電気を買う必要がなくなるからです。

つまり、発電は天候にも左右されるため
完全というわけにはいきませんが、
基本的に電気は「自給自足」するといいということですね。

現在の電気料金は基本料金が高く
それが、電気料金が落ちにくい原因なのですが、
昼も夜も電気を買わずによくなることによって、
電力会社の料金プランを使った分だけ
請求が来るプランに変更出来、
これが更なる電気料金の節約につながります。

それでは、また次回。

vol.136 家を建てると必要じゃなくなるもの

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「家を建てると必要じゃなくなるもの」です。

------
家づくりに取り掛かると決めたら
現在入っている生命保険を
見直すことをオススメしています。

というのも、
家を建てるにあたりほとんどの方が
住宅ローンを利用すると思いますが、
実は住宅ローン金利の中には、
もしものことが起こった時のために
生命保険料が含まれているからです。

つまり、住宅ローンの名義人に
もしものことが起こった場合、
生命保険会社から銀行に
全額繰り上げ返済が実行されることで
ローンの残債がゼロになり
経済的な負担が大きく減る
というわけですね。

もちろん、もしものことが起こった場合、
収入が激減してしまうのも事実なので、
「そうは言っても...」と
思ってしまうかもしれません。

しかし少々辛辣なことを申し上げると、
保険料や車の維持費、
食費や生活費などの負担も大幅に減るし、
それに加えて遺族年金も支給されるため、
もしものことが起こっても、
これまで通り配偶者などが仕事を続けることさえ出来れば、
実は生活は苦しくならないどころか
むしろ楽になるかもしれないのが良くも悪くも現実です。

ゆえ、家を建てると決めたら
すぐさま生命保険の見直しに
取り掛かって欲しいと思っている次第です。

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✔️生命保険は全て解約しても問題ないのか?

とはいえ、
いきなり全ての生命保険を全て解約するとなると、
保険会社の方から猛反対を受けるでしょうし、
全力で繋ぎ止めようとされるでしょう。
また、自分自身も不安を感じると思います。

しかし、冷静に考えてみると、
「保険」が持つ最大のメリットである
「死亡保証」が必要である期間というのは、
子どもたちが親から巣立っていくまでの期間だけではないでしょうか。
子どもたちが自分で働きお金を稼ぎ出した途端、
保証は必要なくなるのではないでしょうか。
あなたのパートナーだって自分が生活していく分ぐらいなら
おそらく稼ぐことが出来るでしょうしね。

そんなわけで、
全てを解約するのが不安だという方には、
子供たちが巣立っていくまでの期間だけ、
最も保険料が安い掛け捨ての
「定期保険」に入っておくことを
オススメさせていただいています。

考えようによれば、
その期間何も起こらなければ、
掛け金を捨てるようなものとも捉えられますが、
毎月1,500円を20年入ったとしても
合計支払額は36万円なので、
その金額でもしもの時に充分に備えられると考えれば、
悪くないのではないでしょうか。

というわけなので、
家を建てる時には以上のような要素を踏まえつつ
現在入っている生命保険に
積極的にメスを入れていただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.135 これからの家づくり新常識

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「これからの家づくり新常識」です。

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2020年に発生したコロナウイルスによる
経済的な大混乱を防ぐべく、
世界中の中央銀行が市場にたくさんのお金を放出したこと、
そして流通にも多大なる支障が出たことで
2021年以降驚異的なインフレが起こり、
原材料の多くを輸入に頼る建築業界もその影響を大きく受け、
コロナ前と比較すると25%ほど建築費が高騰しました。

金額に換算すると
500〜600万円ほどの値上がりであり、
これを35年ローンに換算すると
毎月1.5万円〜2万円ほどの負担増です。

そして一旦上がった原材料価格や人件費は
そう簡単には安くならないと思うので、
これから家を建てる方は、
建築費はこのまま高止まりした状態が
続くことを前提として
家づくりの計画を立てざるを得ない
というのが現実だと思います。

そんなわけで、こんな状況下でも
これから先ずっとお金の不安なく暮らし続けるためには
どのように家づくりをすべきなのかについて
順を追ってお伝えしていきたいと思います。

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1.マイホームがあることで
暮らしが格段に豊かになること。

2.マイホームがあることで
もしものことが起こったとしても
家族を守ってあげられること。

3.マイホームがあることで
今後さらに高騰する電気料金の
心配をしなくてよくなること。

この3つの理由から
マイホームを持った方がいいと思っているのですが、
その持ち方次第でこれからの人生が大きく変わる
と言っても過言ではないので、
より良い方向に進んでいただくために
知識を身につけていただきたいと考えています。


✔まずは資金計画をかっちりとやること!

本格的に家づくりを進めるにあたり、
真っ先にやることが「資金計画」です。

資金計画とはどのように資金調達を行い、
その調達した資金を土地、家、外構、その他諸々の経費に
それぞれいくらずつ振り分けていくのか
を決めていく作業です。

例えば、あなたが家づくりのために
貯めたお金が200万円あり、
家を建てるにあたり親御さんが
300万円贈与してくれるとしたら
あなたが準備出来る自己資金は
500万円ということになり、
あなたが払っていけそうな額から
逆算した借入額が3500万円だとしたら、
あなたの総予算は4000万円
ということになります。

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そして、まずはここから
家を建てるにあたり必要になるであろう
諸々の経費を差し引いていきます。
銀行に支払う費用、火災保険や地震保険料、
土地や建物に必要となる登記代、地盤改良費用、
新居に必要となる家電製品や家具代、
地鎮祭や引越し、ネット回線工事といった費用ですね。

仮にこれらに合計350万円必要だとしたら
先程の4000万円から350万円を差し引いた
3650万円が土地、家、庭にかけられる予算ということですね。

ゆえ、この3650万円を
住む地域やどんな家を建てたいのか
といったことをお聞きしながら
土地、家、庭にそれぞれいくらずつ
振り分けるべきなのかを決めていくのが
資金計画の大まかな流れになります。

分かりやすく1つ例に出してみると、
住む地域の土地の平均価格が坪あたり15万円だとして、
平屋を建てたいのでそれに必要な土地が60坪だとしたら
土地代に900万円ぐらいの予算を割き、
土地取得のための経費に土地価格の約10%の90万円を割き、
その広さで必要な庭の予算が坪2万円だとしたら
庭に必要な予算は120万円ということになるので、
3650万円から土地代900万円と土地取得経費90万円と
庭の予算120万円を差し引いた2540万円が
家にかけられる予算ということになる感じでしょうか。

これから家を建てる方は
家づくりを経験したことがないので、
いきなり資金計画と言われても
いまいちピンとこないかもしれませんが、
具体的な数字を出したことで
ざっくりとイメージしていただけたでしょうか?

これが資金計画というやつであり、
この計画をどのような手順で立てるのかで
今後の暮らしが大きく変わる可能性があるため、
個人的には資金計画は家づくりの最重要項目だと考えています。

まずはしっかりと資金計画の手順を
頭に入れておいていただければと思います。
この手順を間違えてしまうと
大幅に予算オーバーする可能性が高まり、
後から大変なことになってしまいますからね。

それでは、また次回。

vol.134 合理的な収納設計

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「合理的な収納設計」です。

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前回、家のコストを抑えるためには
なるべく広くつくりたいと思っている
LDK(リビングダイニングキッチン)を
むやみやたらと広げようとせず
適切な広さにすべきだというお話を
させていただいたのですが、
なるべくたくさんつくりたいという
声をよくお聞きする「収納」とて
つくればつくるほどコストに跳ね返ってくるため、
適切なつくり方を知る必要があります。

人は余白があればそこを埋めたくなる
という性質を持っているので、
収納をつくればつくるほどさらにモノが増えて
余計に片付けにくくなるかもしれませんしね。

そんなわけで今回は
コストと機能性のバランスが取れた収納をつくるために
知っておいていただきたい2つのコトについて
お伝えしていきたいと思います。

いずれもコストを上げずに
収納力をアップさせるための基礎知識なので
ぜひ最後までお付き合いください。

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コストをアップさせずに
収納力だけをアップさせるためには、
「床面積」を増やさず
「壁面積」だけを増やすように
しなければいけません。

例えば、一般的に収納の奥行きは
91cmでつくられることが多いのですが、
生活の中心となるLDK付近には
こんなに奥行きが深い収納は必要ありません。

リビングにせよ、ダイニングにせよ、
キッチンにせよ、細々としたものが多いし、
昔に比べて全てのものが薄型化しているからです。

ゆえ、本来LDK付近には、
持ち物をより管理しやすくするために
奥行きの浅い収納をつくるべきなのですが、
では、そんなのお構いなしで
昔ながらの奥行きが深い収納ばかり
つくってしまった場合、
一体どうなるのでしょうか?

間違いなく手前に出来る余白に
何かを置いてしまうことになり、
奥にあるものが取り出しにくくなるか、
あるいは奥に置いてあるものが何なのかも
スッカリ忘れてしまうのではないでしょうか。

そんなわけでSIMPLENOTEの家では、
床面積を増やすよりも
壁面積を増やすよう意識しているというわけです。

先程の例で言うと、奥行きを半分にし
その代わりに横幅を2倍にすれば、
床面積は同じのまま使える壁の量が2倍になる
という感じです。

いわばコストをアップさせずに
収納力(機能性)だけをアップさせている
という理屈です。
手前にモノが置けなくなるコトによって
持ち物も圧倒的に管理しやすくなりますしね。
まずこれが1つ目の基礎知識です。

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✔️行き過ぎた最短動線

そして、収納で知っておいてもらいたい
もう1つの重要なことが、
「通り抜け動線は収納力を低下させる」
ということです。

理由は簡単で、
「通り抜ける=廊下が出来る」
「廊下が出来る=モノが置けなくなる」からです。

例えば、
3帖のウォークインクローゼットをつくったとして、
この収納を通り抜けにせず、どん詰まりの収納にした場合、
合計約5.2m分の壁を利用することが出来るのですが、
この部屋を通り抜け出来るようにしたら
使える壁の量が半分の2.6mまで減ってしまうことになります。
廊下をつくることによって
2方向の壁が使えなくなってしまうからです。

そしてその結果、いざ暮らし出してみると
思っていたよりもモノが収まらず困った
という状況に陥ってしまいます。

そして、それでは片付かないからと
結局、通り道にモノを置いてしまい
通り抜け出来なくなってしまうなんてことも
決して珍しい話ではないと思います。

そんなわけで、
そこまで最短動線を追求する必要もないのではないか
と思っている次第です。

これまでお伝えしてきたように
なくてもいい場所を削るコトによって
家がコンパクトになれば、
それだけで動線が短くなるわけだし、
基本、平屋を建てるようにすれば、
それだけでかなり動線が良くなるわけですしね。

いかがでしたか?

収納は単純に床面積を増やせば
それだけでいいわけでもないということを
ご理解いただけたのではないでしょうか。

というわけで「収納」に関しては、
今回の記事を参考にしながら
図面をみていただけたらと思います。

これが理解出来れば、
きっとコストを上げることなく
充分な分量の使いやすい収納を
つくることが出来るはずですから。

それでは、また次回。

vol.133 適切な広さとその理由

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「適切な広さとその理由」です。

------
コロナ前と比べると
建築費が25%ほど上がってしまった現在、
その負担を少しでも軽減するためには、
家の面積を圧縮する他ありません。

そして、そのためには前回お伝えしたように
「なくてもいい場所」を削ると同時に、
部屋の広さはもちろん、収納の広さまでも
「一体どれくらいが適切なのか」
を知らなければいけません。

というわけで今回は、
「適切な広さ」について
お伝えしていきたいと思います。

寝室や子ども部屋はもちろん、
みんなが広くつくりたいと思っている
LDK(リビングダイニングキッチン)に関しても、
必要以上に広くつくれば
その分コストに直結してしまうので、
LDKに関しても言及していきますね。

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✔️寝室に広さは必要なのか?

寝室は、文字通り「寝るだけの部屋」であり、
実際、家で過ごす時間の大部分を
リビングに費やしていると思います。

また、現在の家は昔の家に比べて収納も充実しており、
実家にあるようなタンスやドレッサーを
寝室に置く必要もないし、
テレビも薄型&壁掛けになってことで
テレビを置く場所も必要ありません。
それどころか、そもそもテレビ自体が
必要なくなってきているぐらいですしね。

ゆえ、基本寝室にはベッドだけしか置かない
という前提で広さを算出するので十分ではないでしょうか。

そして、そう考えると
置くベッドの数とサイズによるものの、
セミダブルを2台並べて置いたり
シングルとダブルを並べて置くのであれば、
実は6帖もあれば十分だったりします。


✔️子ども部屋は狭くて十分?

子ども部屋に関しても、
全くもって広くつくる必要は
ないのではないでしょうか。

その最大の理由は、
子どもたちはやがて家を出ていき、
その部屋は基本「空き部屋」となるからです。

ゆえ、そのうち訪れる思春期に備えて
部屋はつくってあげた方がいいものの、
そこに多大なコストを割く必要は
全くないのではないでしょうか。

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✔️LDKを広くつくるとどうなる?

最後にLDKについて。
今や絶対的主役であるこのLDKでさえも、
闇雲に広くつくれば不用意にコストを
押し上げてしまうだけじゃなく、
別の問題の引き金になりかねないので、
適切な広さにすることをオススメしています。

では、その別の問題とは?

LDKは広くすればするほど
圧倒的な開放感を感じることが出来ます。
が、反面広くなればなるほど
空間に余白が生まれることになるのですが、
その余白の大部分は、
ダイニングスペースとリビングスペースの間に生じます。

そして、その生まれた余白スペースには
必ずと言っていいほど
人は何か物を置きたくなります。
その代表的なものが毎日使う物です。
おもちゃ、絵本、ランドセル、教科書、
習い事道具、なんなら制服やパジャマも。

これと同じ現象が起こりやすいのが
LDKに隣接してつくられる和室とキッチン前カウンターです。
和室に関しては、客間としての機能を果たすことが
年に1回あるかないかであることが多いため、
いつの間にか物置部屋になりやすいし、
キッチン前カウンターに関しては、
料理の受け渡しなんて一日わずか数分だけである上、
丁度いい高さの物置スペースとなるため、
いつの間にか所狭しと
生活雑貨が並べられてしまうかもしれません。

というわけで
無駄な余白はただただモノが増える原因となるため、
たとえ絶対的主役であるLDKでさえも
無駄に広くつくらない方がいいと思っている次第であります。

もちろん、この考え方には
反対の方もいらっしゃるでしょうし、
予算的に問題がないのであれば、
わざわざ小さくする必要はありません。

というわけで、これから家を建てる方は、
予算面も踏まえた上で
自分にとっての適切な広さについて
今一度ご家族で話し合っていただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.132 「足る」を知るということ

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「足るを知るということ」です。

------
自分の気に入った家を持つことが出来ると、
日々の暮らしが豊かに感じられるので、
私たち住宅会社は出来る限りお客様の理想を叶えたい
と思っているのですが、
家づくりで常に私たちの前に立ちはだかるのが、
理想と現実との間に生じるギャップです。

つまり、気持ちを考えると
全てを叶えてあげたいと思う反面、
ローン返済や家計のことを考えると
そういうわけにもいかないため、
その落とし所をどうするのかに
常に頭を抱えているというわけです。

ネットを開けば夢が膨らむ情報が氾濫しているし、
建てる家の基準はどんどん高くなっていくし、
それに追い討ちをかけるように
インフレの影響もモロに受けている中、
それに逆行するように減っていっているのが
手取り金額というのが社会の現実ですからね。

というわけで今回は、
こんな時代の中
家のコストを増やさないようにする
たった1つの方法について
お伝えしていきたいと思います。

これは間違いなく
家のコストが落ちる最善の手段なんですが、
今回の記事をご理解いただいていないと
実行するのが難しいので、
なんとなく受け入れてしまっている
常識をリセットする意味でも
ぜひ最後まで読んでいただけると幸いです。

vol.132simplenoteblog2.jpg

✔️必要最小限を心がける

家のコストを抑えるために
最も必要なことは「建てる家のサイズを抑える」
ということです。

家のコストは使う材料や品質よりも
面積によって左右されやすいからです。
また、仕上げはSNSの普及によって、
品質は国が定める基準の向上によって、
抑えることが難しくなっているからです。

ゆえ、家を建てる時には、
面積を数字だけで判断しない
ということを心がけていただきたい
というのが私たち住宅会社の本音です。

かつ、家の面積が小さくなれば、
1坪あたりの建築コスト(坪単価)も
必然的に割高になるため、
その辺も同時にご理解いただけると助かります。

では、家のサイズを抑えるためには
具体的にどのように考えていけばいいのでしょうか。
もちろん、サイズを抑えたことで
暮らしやすさや使いやすさが
劣化したのでは全く意味がないので、
それらを一切失わないようにしつつ
実現することが大前提となります。


✔️なくてもいいものを考える

まず初めに考えるべきは、
「これってなくてもいいのでは?」
と思う場所を考えるということです。

例えば「廊下」。
ただ通るだけの場所であるだけじゃなく、
廊下があれば空気の循環も遮ってしまいますからね。
せっかく断熱と気密を強化して
家全体に温度差が出ないようにしているのに。
また、廊下が増えれば面積が増えるだけじゃなく、
ドアやスイッチの数も増える可能性が高くなりますからね。

続いて考えていただきたいところが
いわゆる「客間」と呼ばれている部屋。
年に数回しか使わない部屋のために
数百万円もお金をかけると考えると、
ちょっと勿体無い気がするからです。

SIMPLENOTEの家では基本的に子供部屋を1階につくり、
子ども部屋に客間機能も備えてもらうことをオススメしています。
親御さんが泊まりに来るとしたら
子どもたちが小さいうちだけだろうし、
子どもたちは小さいうちは親と一緒に
寝室のベッドで寝ていますからね。

いわゆる「ランドリールーム」と呼ばれる部屋も
本当に必要かどうかを考えていただきたい
と思っている部屋です。
というのも、現在のお家は
「ながら作業」がしやすいようになっているからです。

なんといっても
料理の支度をしながら...
子どもたちの勉強の様子を見ながら...
洗濯物をたたみながら...
子どもたちと一緒に遊びながら...
を実現出来る素晴らしい空間が
今やお茶の間の定番と化した広々としたLDKですからね。

ゆえ、わざわざわずか数分間の作業のためだけに
100万円以上のコストをかけるのは勿体無いではないかと
思います。

いかがでしたか?
取り急ぎ、カット出来そうなポイントを
いくつかご紹介させていただいたのですが、
「確かにそうかもなー」と思っていただけたでしょうか。

というわけで、
次回はこの続きをお伝えしていきたいと思います。
次回は「それぞれの部屋の広さ」についてです。

それでは、また次回。
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vol.131 「貯金」が出来る家づくり

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「貯金が出来る家づくり」です。

------
毎月、確実に貯金をしていくためには、
住宅ローンの負担をなるべく軽減出来るような
予算計画を立てなければいけません。

というのも、家という資産を持つと
賃貸生活ではなかった固定資産税の支払いもあれば、
火災保険費用もグンとアップするからです。

また、将来的なメンテや改装コストを
折り込んだ上で予算を立てないと、
そういった局面に立った時、
住宅ローンに上乗せして
金利が高いリフォームローンを組まざるを得なくなり、
ますます貯金が遠のいていきます。

ゆえ、自分の身の丈に合った適正な予算を算出し、
その中で実現可能な家づくりをすることが
とっても大事なんですよね。

では今回は家づくりで最も大事なことだ
といっても過言ではない
「自分の予算と建てる家のギャップを埋める方法」
についてお伝えしていきたいと思います。

ただ、これを理解したとしても、
これだけ情報に満ち溢れた中で
これを実行することは並々ならぬ忍耐強さが必要であり
相当難しいことだと思いますが、
知らないことには実行することすら出来ないので、
ぜひ最後までお付き合いただければと思います。

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✔️毎月の返済額は手取りの◯%までに

建築費が高騰してしまった現在でも、
収入が上がっているわけではないので、
本音を言うと、毎月の返済負担を
上げるべきではありません。

そして家を建てつつ貯金をしていくためには、
手取りの25%以内がベターで、
限界点が手取りの30%じゃないかなと考えています。

仮に税込年収が400万円の方なら、
手取りが月26万円ぐらいなので
ベターなのが6.5万円で限界点が7.8万円、
税込年収が500万円の方なら、
手取りが33万円ぐらいなので
ベターなのが8.25万円で
限界点が9.9万円といったところでしょうか。

なので、出来ればベターな額から
逆算した金額を銀行から資金調達し、
それに出せる範囲の自己資金を足すというのが
理想的な家づくりの予算だと思っています。

年収500万円の方なら
銀行から借りてもいい額は
2900万円前後という感じですね。
(金利1%・期間35年で試算)で
そして、これに出せる自己資金を
合わせた額で家づくりをするのが
ベターという感じでしょうか。

ただ、建築費が高騰してしまった現在、
この予算で土地を買って家を建てるのは
かなり難しい状況となっています。

ゆえ、これから家を建てる方に至っては、
住む場所を柔軟に考えることが
とっても大事なことだと考えています。

例えば、実家に土地があるのなら、
そこに建てるという選択肢も検討する。
あるいはもっと土地が安く手に入るエリアも検討する。
といったところです。
まずは土地価格を抑えることを
考えていただければと思います。

そしてその上で建築費を抑える努力も必要となってきます。
情報が氾濫している今の環境では、
設備や仕様などでコストを抑えるのが
限りなく難しくなってきているので、
住みやすさを損なうことなくコストを抑えようと思うと、
ただただ面積を抑える工夫をするしかないわけですが。

というわけで次回は、
家の面積を抑えるために必要なことについて
お伝えしていきたいと思います。

これは建てる方の理解なしでは
実現不可能なことなので、
ぜひ次回もご覧いただければ幸いです。

それでは、また次回。
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vol.130 美しいが故のシナジー効果

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「美しいが故のシナジー効果」です。

------
美しい外観は周辺環境に配慮しながら
合理的に間取りをつくることによって
必然的に得られるものですが、
家の正面は人目に晒され、
また自分たちも必ず毎日見る方向であることから
とりわけそのデザインに配慮すべき場所ではないでしょうか。

ゆえ、SIMPLENOTEの家ではどの方位が家の正面になろうとも
家の顔となる正面が美しく、
かつその美しさがなるだけ持続するように
外観を考えているわけですが、
では具体的にそのためにはどのようにし
それにどのような効果を期待しているのかについて
今回はお伝えしていきたいと思います。

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美しい正面をつくるためには
そもそも景観を損なう恐れがあるものを
正面につくらないことが大前提となるのは
もはや言うまでもないと思います。

・不均一な窓(勝手口含む)
・換気扇の外部フード
・エアコンの室外機と配管カバー
・給湯器
・樋(とい)
などが景観を損なう恐れとなるものですね。

ゆえ、正面に窓をつくらずとも
風が通るような住まいにすること、
水回りを家の正面に配置しないこと、
エアコンの位置まで考えながら間取りを考えること、
給湯器の位置も踏まえた上で水回りの位置を考えること、
太陽光発電を設置することや
樋の落ち口まで考えながら屋根の形状を考えること、
これら全てを動線や要望と並行して
考えていく必要があるんですよね。


✔️見た目が美しくなることによる利点

家の見た目が美しくなれば、
間違いなくその家で住むことが
よりいっそう楽しくなると思います。
遊びに来た友達からは褒められるどころか
きっと羨ましがられるでしょうし、
見ず知らずの人にまで褒められるでしょう。

建てられている家の多くが
デザイン的な観点が抜け落ちているので、
これが最大の利点だと思っています。

続いての利点が、
外構工事のコストを大幅に削減出来ることです。
理由は、外部に窓が少ないことで
防犯やプライバシーの担保のために
塀、目隠し、植栽などに
コストをかける必要がないからが1つ。

とりわけ塀に至っては、
家の外壁そのものが塀のような存在となるので、
立地条件によったらそもそも塀を立てる必要すら
ない場合もありますからね。

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そしてもう1つは、
家のデザインが美しければ外構工事によって
家を美しく見せようとする必要がなくなるからです。

つまり、家そのものが美しくなれば
そもそも装飾のための工事を
する必要がないということですね。

最後の利点は、
メンテナンスコストが抑えやすい
ということでしょうか。

外壁が汚れる原因となる部材を
家の正面から全て排除しているため、
美しい状態がより持続しやすくなるからです。

もちろん、これは立地条件や
使用する外壁材によっても違ってくるので
一概にそうとは言えないのですが、
とはいえ、正面から汚れの原因となる
部材の一切を取り除いておけば、
正面が汚れにくくなるのは
理屈的には正しいのではないでしょうか。

そんなわけで弊社では
「正面を美しくつくる」ことを推奨させていただいているので、
これから家を建てようとお考えの方は
こういった目線も持っていただきつつ、
ぜひSIMPLENOTEの家の施工実例をご覧いただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.129 美しさは結果論

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「美しさは結果論」です。

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採光の手段を外周面だけに限定すると、
家のコストは下がりやすいものの、
逆に土地のコストと外構のコストが上がりやすくなります。

土地のコストが上がる理由は、
充分な採光を確保するためには
隣に建つ家から適度な距離が必要なため、
その分広めに土地を買わないといけなくなるからであり、
外構が高くなる理由は、
土地が広くなる分施工面積が増えると同時に、
防犯性の強化のために塀や目隠しなどに
余分なコストを投じざるを得なくなるからです。

つまり、採光の手段を
外周面だけに限定した家の建て方は、
家の施工面積が抑えられる分
家のコストは安くなるものの、
その見返りとして土地代と外構代が高くつき、
逆に家づくり全体のコストが
高くつきやすいというわけですね。

また、外周面だけで採光を確保するという手段は、
外観が窓だらけになってしまうことから、
「外観を美しくつくりにくい」
という副作用も発症します。

結果、それを補うために
さらに外構工事に予算を注ぎ込むことになり、
更なる負担増を招きかねないという
建てる前には気付きにくい
落とし穴に直面しやすくなります。

そんなわけで、
これから家を建てようとお考えの方には、
もっと間取りづくりを柔軟に考えていただきたい
と思っている次第です。

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✔️結果的に美しくなる

「中庭」をつくると家が高くなる。
この意見は事実であり、
実際、中庭をつくることによって
施工面積が増えることから、
家のコストは確実に高くなります。

しかし、一方で下がるコストがあることも
また一つの事実です。

例えば、土地のコスト。
土地のコストが下がる理由は、
中庭から採光をとるという手段を取ることによって
隣に建つ家を気にせず家を建てることが出来るからです。

つまり、敷地に無駄な余白をつくることなく
家を建てることが出来るため
その分土地面積を圧縮出来るから、
また土地の日当たりを気にせず
土地を買うことが出来るため
その分土地の坪単価を抑えられるから、
というわけですね。

そして、そうなれば
必然的に外構工事の施工面積も少なくなるので、
外構工事のコストも削減出来ます。

また、採光を家の真ん中から取ることが出来れば、
家の外周面から採光を取る必要がなくなるため、
外周面には風を抜くための小窓しか必要なくなります。

この結果、
プライバシーの担保のためや防犯性の担保のため、
そして外観を美しくするために、
外構工事に余分なコストをかける必要がなくなることから、
後から判明する外構工事の追加コストに頭を悩ますことも
全くと言っていいほどなくなります。

つまり、家のコストは高くなってしまうものの、
土地と外構工事コストが下がるので、
結果的には、冒頭でお伝えしたような家と
そう変わらないコストか
あるいはよりコストを抑えながら
家づくりをすることが出来るというわけですね。
同時に美しい外観を確実に手に入れながら。

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いかがでしたか?
家づくりは全体コストで
考えるべきなんだなということを
知っていただけたのではないでしょうか。

そして、美しい家は
合理的な家づくりをすることによって
結果的に手に入れられるものであるという事実も
知っていただけたのではないでしょうか。

そんなわけで
これから家を建てようとお考えの方は、
今回の内容を頭に入れた上で、
家づくりに望んでいただけたらと思います。

「知っているか知らないか」
たったこれだけでこれからの暮らしが
きっと大きく変わりますから。

それでは、また次回。

vol.128 住宅ローン金利の仕組みと今後の動向

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「住宅ローン金利の仕組みと今後の動向」です。

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今年、ついに日銀が17年ぶりに
マイナス金利を解除する運びとなりました。

これを受けて
住宅ローン金利が上がることになるため
返済に苦しむ人が増えるだろうという
ニュースをチラホラ目にするのですが、
果たして住宅ローン金利は
今後どのようになっていくのでしょうか。

というわけで今回は、
これから家を建てたいなーとお考えの方が
最も気になっていることであろう
「住宅ローン金利」について
お伝えしていきたいと思います。

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✔️住宅ローン金利は上がってしまうのか?

住宅ローンには変動金利と固定金利があるのですが、
今回の日銀のマイナス金利解除によって
全ての住宅ローン商品の金利が上がるのかというと
決してそんなことはありません。

というのも、変動金利と固定金利では
基準となる金利が違っていて
今回のマイナス金利解除の影響を受けるのは
固定金利だけだからです。

具体的な商品としては、
フラット35をはじめとして
各銀行が取り扱っている
全期間固定型の住宅ローンが1つ。
そしてもう1つが
当初10年間だけ金利が固定される
いわゆる「10年固定」と呼ばれている
住宅ローンです。

もちろん固定金利が上がれば、
少なからず変動金利も影響を受けて
上がりやすくなるのも
また一つの事実ではあるものの、
今後、変動金利が上がるとしても
まだまだ時間がかかることが予想されるので
(本当に景気が良くなるまで
変動金利は上がらないと思われます)
すでに住宅ローンを変動金利で組んでいる人が
返済が苦しくなるという報道は
まずあり得ないと思っている次第です。

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✔️これから家を建てる人はどうするべきか?

今回のマイナス金利解除を受けて、
全期間固定の住宅ローン金利は上がり
変動金利との差が1〜1.5%ほど生じるため、
全期間固定の住宅ローンは選択肢にくくなります。

全期間固定の商品は、
返済負担が上がるだけじゃなく
余分に初期費用としてお支払いする手数料が必要になるため
その分家にかけられる費用も減ってしまいますしね。

とはいえ、じゃあ変動金利がいいのかというと、
それはそれで「そうですね」とも
言いにくいのが正直なところです。

これから先の金利動向が
どうなるかは誰にも分からないし、
仮に変動金利の金利が
上がるような状況になった場合、
それから固定金利に借り換えしようとしても
商品の性質上、変動金利が上がる頃には
固定金利はずいぶん上がっているからです。

借り換えは、たとえ金利が下がり
返済負担が下がるとしても
都度、手数料や登記代といった
余分な手数料がかかることになるし、
団体信用生命保険への加入が必須となるので、
健康状態にも左右されますしね。

そんなわけで
全期間固定もオススメできないわけではありません。

もちろん、金利が高くなれば返済負担は上がるため、
それに合わせた予算設定も必要になってくるので、
これから家を建てようとお考えの方はそれも考慮した上で
資金計画を立てるようにしていただければと思います。

それでは、また次回。

vol.127 周辺環境を無視して間取りを考えていませんか?

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「周辺環境を無視して間取りを考えていませんか?」です。

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この分譲地のE〜Hは最も競争率が高い
南道路の日当たりがいい土地ですが、
仮にあなたがFの土地に家を建てるとしたら、
どのような要望をお伝えになるでしょうか。

この場合、一般的には出来るだけ多くの部屋を
南向きでつくりたいとお考えになると思います。
ゆえ、住宅会社はそれを実現すべく
そもそも2階建てありきで
間取りを組み立てようとします。

そして、その意図の通り
出来るだけ多くの部屋を南向きでつくり、
その部屋の南に大きな窓を
つくることになると思います。

しかし一見ベストな提案のように思える
この王道的な間取りも、
蓋を開けてみると大きな落とし穴が潜んでいます。

例えば、日当たり。
この土地で南向きに窓をつくるということは
イコール(=)家の中が丸見えになる
ということでもあります。

つまり、この間取りの弱点は、
プライバシーが担保されていない
ということなのですが、
これが様々な支障をもたらします。

まず、南向きの窓全てに
カーテンが必要となります。
視線を遮断するためにです。
そしてカーテンによって
光が遮断されてしまい
家の中が常に薄暗くなります。

それどころか、家の奥の方、
つまり北になればなるほど
もっと光が届かなくなり、
昼夜問わず照明をつけ続けて
おかないといけません。

つまり、明るいはずのお家が
暗くなってしまうという思いも寄らない現実を
突きつけられてしまうわけですが、
カーテンというアイテムは
明るさと同時に「開放感」をも奪ってしまいます。

カーテンが開けられない
ということは、
窓があることによって
感じられるはずだった
「抜け感」が感じられなくなる
ということでもありますからね。

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また、南向きの土地は
庭を道路に面してつくらないといけないため
庭も家の中同様に丸見えになってしまう
という弱点も持ち合わせています。

ゆえ、南にウッドデッキをつくっても
思っていたようには使うことが出来ない
という悲しい現実に直面します。

あるいは、どうしてもデッキを使いたい
とお考えなのであれば、
「目隠し」をつくるという手段を
百万円近いコストを捻出して行うか
の選択を強いられることになります。

そんなわけで、
間取りプランを考える時は、
周りの環境まで考慮した上で
考えなければいけないというわけですね。
本当に住み心地がいい家を建てるためには。

✔️一番の解決策とは?

では、この問題を解決するためには
一体どうすればいいのか?
それは、そもそも南向きの土地を買わないことが
実は一番の解決策だと考えています。

南向きの土地を買ったのに南に部屋を配置せず、
南に大きな窓をつけないというのは
きっと多くの方にとってハードルが高いからです。

プライバシーの担保と安定採光の
両方を実現するためには、
たとえどれだけ日当たりがいい
南向きの土地だとしても、
単純に南に部屋を配置し、
南に大きな窓をつくるという
単純なプランにはしませんからね。

そういう間取りは、
カーテンやシャッターといった
オプションもたくさん必要になるし、
確実といっていいほど外構工事にも
多額のコストが必要になるため、
土地だけじゃなく、家や庭代までも
高いものにしてしまいますからね。

そんなわけで、
これから土地選びをしようとお考えの方は、
この記事を参考にしていただき
出来れば南向きの土地は
避けていただければと思います。

南向きの土地にこだわらなければ
土地代も含めて家づくりのコストを抑えることが出来、
その分、ローンの負担を減らすとか、
より家具やインテリアにこだわっていただけますから!

それでは、また次回。

vol.126 プラン作成で最も大切な要素

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「プラン作成で最も大切な要素」です。

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プランをつくるにあたり
お施主様の要望が大切なことは
もはや言うまでもありませんが、
それと肩を並べて大切なことが
土地の周辺環境がどうなっているかということです。

周辺環境も踏まえた上で要望をお聞きし
プランをつくるようにしないと、
プライバシーや採光に問題が発生し
外構工事代がグンと高くなるとか
カーテンが開けられなくなり
明るさや開放感を殺してしまうからです。

例えば、以下の図面は
全区画50坪に分割された新規分譲地ですが、

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この中で仮にBの土地に家を建てるとしたら
どのような間取りにされるでしょうか。

この場合、
道路から5〜6mぐらい距離を開け
駐車スペースを確保し、
少しでも光が入ってくるようにと
南から3〜4mぐらい距離を開けつつ
南向きにリビングを配置しながら
家を建てるのが一般的ですが、
正味の話、南に建つ家が2階建てだった場合
1階のリビングには
「冬」ほとんど光が入ってきません。

前に建つ家との間に
充分な距離が確保出来ていないため、
太陽高度が低い時期は
前に建つ家によって
光が阻害されてしまうからです。

また、このような建て方をした場合、
1階に寝室や子供部屋などの
個室をつくるのが難しいため、
それらは必然的に
2階に配置されることになるのですが、
そうなれば部屋の南面に突き出して
ベランダが設置されやすくなり、
そのベランダによってさらに光が阻害され
リビングの薄暗さに拍車をかけてしまいます。

西も東も家に囲まれているため
西や東から補助的に光を入れようとしても
建物によって光が阻害されるし、
窓のサイズを大きくしたとしても
隣家との距離が近いと
カーテンを開けることが出来ないため
結局、大して光が入ってきませんしね。

そんなわけで
周りが家に囲まれている土地で家を建てる場合は、
こういったことも考慮した上でヒアリングを行い、
懸念される事項の解決策とのバランスをとりながら
プランを作成していかないといけない
というわけですね。

一例としては、
どうしてもリビングを南に配置したいのであれば、
採光問題を解決するために
リビングに「吹抜け」をつくる
という手段が考えられます。

吹抜けをつくり、
より高い位置から光を採るようにすれば
1年中、前に建つ家によって
光を阻害されることがなくなるからです。

かつ、太陽高度が低くなる冬は
奥深くまで光が射し込んでくれるため、
北に配置されやすく暗くなりがちなキッチンも
明るくなりやすいし、
吹き抜けがあることによって抜け感が出るため
開放感も感じやすくなりますしね。

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また、「中庭」という手段も「吹抜け」同様に
1年中光を確保し続けることが出来る
とっても有効な手段となります。

「中庭」をつくるとなれば、
リビングは一番南ではなく
一番北に配置することになるため、
必然的に前に建つ家との間に
充分な距離が生まれるからです。

かつ、西や東に建つ家との間にも
充分な距離が確保出来るため
1日中安定的に光が入ってくるし、
家の真ん中から採光を確保出来れば
家全体に満遍なく光を届けられるので、
隣家との距離が近い外周面に
採光のための窓をつくる必要もないし、
間取りの自由度も高まりますしね。

いかがでしたか?
土地に合わせて間取りを考えることの
大切さについて「なるほど!」と
思っていただけたのではないでしょうか。

では、次回は、
この分譲地内のEの土地について
解説していきたいと思いますので、
ぜひ次回もご覧いただけたらと思います。

それでは、また次回。


vol.125 平屋の現実 その5

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「平屋の現実 その5」です。

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共働きが多くなってきた今、
家事の負担を下げたいとお考えになる方も
多くなってきていると思います。

そして、その実現の手段として
「平屋」を推奨するのですが、
今回はその理由について
お伝えしていきたいと思います。

今回の内容も、
言われてみるとごく当たり前のことですが、
言われるまで案外気がつかないことなので、
ぜひ最後までお付き合いください。

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まず平屋にすることで
圧倒的に負担が減ることが
洗濯の一連の動きです。

干すにせよ、取り込むにせよ、
たたむにせよ、片付けるにせよ、
全て平面移動だけで事足るからです。

2階建ての場合は、
上と下を行ったり来たりしないといけない
可能性がグンと高くなりますからね。

ただ、平屋の場合でも
注意しておかないといけないことが、
「干場をどこにするのか?」ということです。

家の正面に干すとなると、
他人から洗濯物が丸見えになるし、
隣家との間のスペースに干すにしても、
勝手口から外に出るとなると、
その往復だけでもけっこうな手間になりますからね。

人と会う可能性も考えると、
ノーメイクやパジャマのまま
外に出ていきにくいですしね。

また、室内干しにする場合でも、
それなりにスペースを確保しないと
ギュウギュウで洗濯物を干すことになり、
これがなかなか乾きにくくなる原因となり、
半乾きの臭いが発生しやすくなってしまいますしね。

そんなわけで、平屋にする場合
洗濯物をどこに干すのかを熟慮することが
大切かと思っている次第です。

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✔️片付け・掃除も楽になる

そして「平屋」にすることで
圧倒的に負担が減るのが片付けと掃除です。

片付けの負担が減る理由は、
全ての部屋と収納が同じ階にあるから。
つまり、子どもたちのおもちゃや学校道具を
自分の部屋に片付けておけるようになるし、
家族みんなの衣類なども各々の収納に
片付けておけるようになるからですね。

2階建ての場合だと、
子どもたちのおもちゃや学校道具を
毎日2階にある自分の部屋に
持ち運びするのはほぼ不可能だし、
衣類にしても
いちいち上に持っていくのが面倒になり
そのうちリビングやダイニングに
置きっ放しになってしまいます。

掃除に関しては、
片付けがしやすいことから
掃除をする前の一手間が減るから、
そしてワンフロアなので、
お掃除ロボットに昼間働いてもらうことができます。

そして、これに加えて
もっと掃除の手間が省ける方法が一つ。
それは、埃が貯まる場所を
最小限にする工夫をするということです。

例えば、幅木。
床と壁の取り合いのところに
つける部材のことです。
これに関しては、
従来のものよりも薄型のものが
製品として出ているので、
これを使うことを推奨しています。

また、ドアを天井の高さに合わせると、
ドア枠の上にたまる埃がなくなるし、
窓枠もなくしてしまえば、
窓枠の上にたまる埃もなくなります。
かつ、カーテンがいらないように
間取りを設計すれば、
カーテンレールにたまる埃もなくなるし、
カーテンの掃除をする必要もなくなります。

カーテンをなくすことが出来れば、
窓の数を最小限にすることが出来るし、
そうなれば窓掃除もずいぶんと楽になりますしね。

そんなわけでSIMPLENOTEの家は、
「間取りに一工夫を加えた平屋」を
オススメさせていただいているというわけですね。

いかがでしたか?

平屋は老後に良いとよく言われますが、
それは当たり前として、
実は子育て期間中こそ
「平屋が最強」なんじゃないかとよく思います。

間取りさえ間違えなければ、
便利なのはもちろんのこと、
超快適にも暮らせますしね。

というわけなので、
これから家を建てる方は、
平屋という選択肢も持ちながら、
家づくりに臨んでいただければと思います。

それでは、また次回。


vol.124 平屋の現実 その4

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「平屋の現実 その4」です。

------
「家の中の温度環境」という点でとらえると、
昔の家に比べて今のお家は
はるかに「快適」になりました。
「ガラス」も「壁」も
断熱性能が格段にアップしたからです。

その上、脱炭素の流れもあって
更に断熱性能の強化が進んでおり、
これから家を手に入れる方は、
暑さ・寒さに関しては
極上のものを手に入れることが出来るわけですが、
なおのこと「平屋」はその恩恵を多く受けられるんですよね。

では今回は平屋の快適性について
お伝えしていきたいと思います。

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まず冒頭でお伝えした恩恵を
平屋の方が多く受けられる理由についてですが、
これは極めて単純で部屋が上下階に分かれないからです。
つまり、2階建てに比べて空気が循環しやすいからです。

ゆえ、2階建てのお家で
上下階で生じる温度差をなくすために
よく設置している数百万もする
空調システムを設置する必要もなくなり、
その分コストも浮くことになるという
恩恵も享受出来ることになります。

そんなわけで平屋は、
「快適性」という点においても、
またコスト的な面においても
2階建てを凌駕するわけですが
とはいえ、ただ家の中の温度環境が優れているだけでは
充分に快適であるとは言えません。

✔️快適性の鍵は「プライバシーの担保」

巷では、いわゆる高性能住宅さえ建てれば
快適性が担保されたように言われていますが、
実際はそうではなく、快適性を語る上では
プライバシーの担保を外すことが出来ません。

例えば、南からの光さえたくさん入れられれば、
明るく快適な家になると
なぜが自然と思い込んでしまいがちですが、
そのために南向きの土地を買い、
南向きに部屋をたくさんつくり、
南にたくさん大きな窓をつくってしまうと、
一体どのような状況になるのでしょうか。

想像してみてください...
部屋の中に入ってき過ぎる直射日光が眩しすぎて
かえって居心地が悪くなりそうだと思いませんか?
テレビは見にくいわ、家具やインテリアが焼けるわ、
やたらと暑いわ、という状況になりますからね。

また、このような間取りは
他人から家の中が丸見えになるため、
カーテンなしでは
とてもじゃないけど家の中で落ち着いて過ごせません。

結果、当たり前のようにカーテンをつけ、
それを開けることは
窓を開けて換気をするわずかの時間しかありません。
また、眩し過ぎる直射日光が
カーテンだけで防ぎきれない場合、
シャッターまで下ろすことになります。

そして、家の中は当初の計画とは裏腹に
薄暗くなってしまいます。
それどころかキッチンや脱衣といった
明るくあって欲しい場所が照明なしでは使えないほど
暗い場所になってしまいます。

果たしてこのようなお家を快適だと言えるのでしょうか。
ゆえ、平屋で快適性を高めるためには、
プライバシーが担保された間取りを
つくることが必要不可欠なんですよね。
もちろんこれは2階建てのお家においても
同じことが言えますけどね。

この大切さは、
残念ながら多くの方が建てる前には気づかず、
建ててから気がつくことだと思います。

なので、これから家を建てる方は
すでにお家を建てた方の家に一度お邪魔させていただき、
実際暮らしてみてどうなのかと
実際家の中は明るいのかなどを
その目で確かめてから間取りについて
考えていただくことをオススメします。

快適性の鍵は確実にここにあるはずですから。
それでは、次回。

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vol.123 平屋の現実 その3

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「平屋の現実 その3」です。

------
前回、前々回と建築コストはもちろん
土地コストも外構コストも上げずに
平屋を建てる方法についてお伝えさせていただきましたが、
SIMPLENOTEの家が平屋を推す理由は
製品の良さを語る上で欠かせない
「安全・快適・便利」の3要素全てに
非の打ち所がないからです。

というわけで、
ここからはこの3つの要素についての
具体的な説明をしていきたいと思います。

言われてみると
ごく当たり前なことばかりなのですが、
言われるまで案外気づかないことでもあるので、
引き続きお付き合いいただけると幸いです。

まず「安全」ということから
お伝えしていこうと思うのですが、
これは大きく分けると
「耐震」と「防犯」という2つの要素があります。

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✔️最も大切な構造の安定

「耐震」に関しては、
2階建てに比べて平屋が強いのは
「言わずもがな」ではないでしょうか。

地震が起こった時も
2階建てより揺れを感じにくいし、
トラックやバスといった
大型車が家の前を通った時も
2階建てのように揺れを感じないし、
台風時に強烈な風を受けたとしても
2階建てのように揺れを感じませんからね。

理由は、平屋は重心が低く構造が安定しているから。
2階建てのように上からの荷重が大きくないから。
かつ、2階建てのように
壁のバランスが「ちぐはぐ」になりにくいからです。

なんせ2階建てのお家は
2階に細かく部屋をつくるのに対し、
2階を支える1階には大空間のLDKをつくるため、
上下階の壁量バランスが悪くなりやすい上、
充分な採光を確保したいLDKには大きな窓を設置するため、
さらに2階を支える壁が減ってしまうわけですからね。

かつ、採光を確保した南面に大きな窓をたくさんつくる反面、
冷気の侵入を防ぎたい北面には窓をほとんどつけないため、
壁のバランスもより「ちぐはぐ」になりやすいですしね。

そんなわけで
こういった耐震を悪くしてしまう要素が少ない平屋は、
そもそも構造的に優れているわけですが、
これは大きな地震の時に
家族や自分の命を守るだけじゃなく、
他にもメリットをもたらしてくれます。

例えば、天然で構造が安定していれば
2階建てのように「制震ダンパー」を設置することによって
頼りない耐震性を補強する必要がありません。
結果、40〜50万円ほどかかる
余分なコストを払う必要がありません。

また、大型車両の通行や強風を原因とする
日常的な振動をほぼ感じることがなく、
耐震性が劣化しにくいというのも
平屋ならでは、の特徴ではないでしょうか。
つまり、高い耐震性が継続してくれるため
必然的に耐久性も高くなるというわけですね。

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✔️安全性に欠かせない防犯の高さ

そして安全性を語る上で
もう1つ大切な要素が「防犯の高さ」だし、
とりわけ平屋となると
2階建て以上に神経質になるべきところが
この防犯性だと思うのですが、
これを実現するためには
自分たち以外の人に間取りを判別されない家にすることが
最良の手段ではないでしょうか。

窓の形を見ただけで間取りが分かってしまうとか、
電気がついているかいないかで
どこにいるかが分かってしまうとなると、
決して防犯性が高いとは言えないし、
その対策としてセコムやアルソックといった
警備会社のシステムをつけるという選択もありますが、
これも余分なコストが必要になってくるし、
塀や目隠しなどによって防犯性を高めるという方法も
その効果に見合わないぐらい
莫大なコストだけがかかるだけですからね。

ゆえ、SIMPLENOTEの家は
窓の形を見ただけで間取りが分からない家を
提案させていただくようにしているし、
どの部屋の電気がついているのかも
全く分からないようになっています。

結果、セコムやアルソックといった
警備会社のシステムを設置する必要もなければ、
塀や目隠しといった無駄にコストが上がる工事も
全く必要ありません。
かつ、家の外観もスッキリしお洒落なお家になります。

これが高い安全性を実現するために
設計で配慮しているポイントですね。

では「安全」についての説明はここまでにして、
次回は「快適」についてお伝えしていきたいと思います。
快適性の関しても「言われてみると確かに」
というところがあるので
次回もまた読んでいただけると幸いです。

それでは、次回。


vol.122 平屋の現実 その2

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「平屋の現実 その2」です。

------
平屋は2階建てに比べて
面積を小さくしやすいことから、
実質2階建てと同じぐらいか
あるいは安く建てることも出来るので、
「平屋の建築が可能な土地である場合
前向きに平屋を考えてください」
というお話を前回させていただきました。

しかし、平屋には平屋なりの懸念点がいくつかあり、
当然それらをクリアしないと
かえってあまり良くない家に
なりやすかったりするのも事実です。

というわけで今回は
「平屋の懸念点とその解決方法」
についてお伝えしていきたいと思います。

平屋を建てるにあたり懸念されることの一つが、
「家の中に光が届かない暗いスペースが出来やすい」
ということです。

平屋の場合、家の大きさによっては
採光が確保出来る外周面に
接しないスペースが出来やすいからです。

ゆえ、暗いスペースをつくらないようにするために、
外周面からの採光量を増やそうと窓の数を増やしたり、
サイズを大きくしたりするのですが、
この作戦は新たな問題を引き起こします。

プライバシーと防犯の問題です。
窓を大きくすれば外から家の中が丸見えになるからです。

結果、今度はそれを防御するために
カーテンやシャッターを全ての大きな窓に
設置することになるのですが、
これがまた家の中に暗いスペースをつくってしまう
という問題を再び引き起こします。

カーテンをしていても
窓の近くは光が入ってくるのでそれなりに明るいものの、
その光が奥の方まで拡散していきにくいからです。

また、採光を確保するためには
隣に建つ建物から充分な距離が必要となるのですが、
単純に2階建ての倍近い建坪が必要な平屋だと
それなりに土地を広くしないとそれもなかなか実現出来ません。

ゆえ、20〜30坪ほど土地を広く購入せざるを得なくなり、
土地代に数百万円余分にお金がかかり、
さらに外構工事費までも数百万円余分にかかることになります。

外構工事費が余分にかかるのは、
単純に工事面積が増えてしまうだけじゃなく、
プライバシーと防犯問題を解決するための
工事もそれなりに必要となるからです。

要するに平屋は家の価格は上がらずとも、
土地と外構の価格が上がってしまうため
結局、予算が高くつきやすいというわけですね。

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✔️土地も外構も予算を上げない方法

この問題を解決するためには、
光の採り方を工夫するしかありません。

例えば、家の真ん中から光を採り、
真ん中から隅々まで拡散するように間取りを設計すれば、
家の中に暗いスペースが生まれることはありません。

外周から光を採れば、
それに伴って他人の視線まで入ってきてしまうのに対し、
家の中に外をつくりそこから光を採るようにすれば、
他人の視線は完全にシャットアウト出来るため、
カーテンをする必要がなくなるからです。

そして、採光が安定すれば
外周部からは光を採る必要がなくなるので、
風を抜く程度の小さな窓だけ設置すれば
それだけで機能的にも事足ります。

結果、プライバシーや
防犯の問題も完全に解決出来ます。

また、家の真ん中から光を採るということは
「=全ての方位で隣の建物から充分な距離が確保出来る」
ということでもあるので、
敷地いっぱいに家を建てても
家の中が暗くなる心配もありません。

結果、土地を無駄に広く買う必要もなくなるというわけです。
かつ、外構工事にも余分なコストをかける必要もなくなる
というわけです。

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いかがですか?
口頭だけの説明では少し分かりにくいかもしれませんが、
なんとなくはご理解いただけたでしょうか。

もしこんなお家をご覧になりたいと思っていただけたなら、
いつでもお家を見ていただけるので、
お気軽にご連絡いただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.121 平屋の現実 その1

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「平屋の現実 その1」です。

------
「平屋は高い」というイメージがあることから、
ホントは平屋にしたいのに
最初から諦めている方も決して少なくないと思います。

実際、2階建てのお家に比べて
価格に割高感があるのは確かだし、
原材料費の値上がりによって
なおその肌感覚が強くなっているような気もします。

しかし、感覚的ではなく論理的に考えてみると、
実のところ平屋と2階建てとの間には、
そう大きな価格差が生まれるわけではないので、
その理由について今回はお伝えしていきたいと思います。

これをご理解いただき、
平屋の建築が可能な土地であれば、
平屋を前向きに考えてみてください。

結論から申し上げると、
平屋が高くなり過ぎないのは
「2階建てに比べて面積を圧縮出来るから」ですが、
ではなぜ平屋は2階建てに比べて
面積が圧縮出来るのでしょうか?

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✔️2階建てにあって平屋にないもの

まず考えていただくところがこれです。
例えば「階段」。
2階建てには100%必要で、
平屋には100%不必要なスペースです。
実は階段は上下階合わせると2坪(=4帖)必要なので、
これがなくなればその分家はコンパクトになりますよね。

続いてが「トイレ」。
これも2階建ての場合は、
上下階ともに必要となりがちですが、
平屋になれば基本1つでいけますよね?
(2つ欲しいという方もありますが)
となると、1帖(=0.5坪)分、
さらに家をコンパクトにすることが出来ます。

まずはこれが、面積が圧縮出来る要素ですね。
このほか平屋は2階建てに比べて
「廊下」を少なくしやすいので、
設計によってはさらに面積を圧縮出来たりします。

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✔️2階建てと平屋の決定的な違い

平屋と2階建てには違いがいくつも存在しますが、
その中でも僕自身が決定的に違うなと感じるところが
「家の使いやすさ」です。

2階建ては、
掃除にせよ、片付けにせよ、洗濯にせよ、
上と下とを行ったり来たりしないといけないのに対し、
平屋の場合はすべて平面移動だけで事が足りるからです。

また、当たり前のことですが
平屋は子ども部屋も1階にあるため、
2階建てに比べて圧倒的に
子ども達が自分の部屋を使いやすくなります。

結果、リビングに散乱しがちな
子ども達の勉強道具や遊具などを
自分達の部屋に片付けやすくなるし、
衣類なども同様ではないでしょうか。

そんなわけで何が言いたいのかというと、
子ども部屋と寝室以外の
余分な部屋をつくる必要がないということです。
2階建ての場合にかなり高い確率でつくる
「客間」的な意味合いが強い部屋のことですね。

2階建ての場合は、
子ども達が小さいうちの「収納的」な意味合いと、
親御さんが泊まりに来た時の「寝所的」な意味合いと、
やがて迎える老後の「寝室的」な意味合いを兼ねて
つくらざるを得ませんからね。

そんなわけで、平屋にすると決めた時点で
この部屋代は丸々浮くと考えていただいて支障はないと
思っている次第であります。
4.5帖〜6帖(2.25坪〜3坪)といったところでしょうか。

いかがでしたか?

こうやって冷静に考えてみると
実は、平屋は2階建てに比べて
ずいぶんと面積を圧縮することが出来るため、
2階建てとそう変わらないか、
あるいは安く建てることが出来たりするんですよね。

ただ、平屋の場合は間取りのつくり方が
2階建て以上に難しいのもまた一つの事実なので、
次回は「平屋の懸念点」について
お伝えしていきたいと思います。

それでは、次回。

vol.120 適切な土地面積を知る方法 2階建て編

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「適切な土地面積を知る方法 2階建て編」です。

------
過去3回に渡り「平屋」を建てることを前提として、
自分がどれくらいの広さを求めているかを
具体的に数字にしていただいたのですが、
家の広さをご理解いただくと共に、
必要な土地の広さもご理解いただけたのではないかと思います。

ただ、たとえ空前の平屋ブームが訪れているとはいえ、
みんながみんな平屋を求めているわけじゃないし、
全ての地域で平屋を建てることが出来るわけではないので、
今回は「2階建てバージョン」でお伝えしていきたいと思います。

イメージとしては、
土地面積が45坪未満だと
2階建てになってしまうかなと考えているので、
前回までとはちょっと角度を変えて、
45坪の土地ー(余白10坪+駐車場スペース13.5坪(4.5坪×3台)
+デッキスペース3坪)=18.5坪が1階部分となる
2階建てのお家がどんな感じになるのかについて
お伝えしていきますね。

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✔️18.5 坪=37帖の1階部分

それでは、玄関から一つ一つ考えていってみましょう!
まず外玄関に1帖、内玄関と玄関ポーチにそれぞれ1帖ずつ、
そして土間収納に1帖の合計4帖必要だとすると、
残りは33帖になりますよね。

続いて、水回りです。
トイレは1つで1帖、お風呂は1坪タイプで2帖、
洗面スペースに1帖、
脱衣スペースに2帖必要だとしたら
水回りの合計は6帖になりますよね。
そして、残りは27帖ということになります。

では続いてLDKです。
対面式のキッチンに4人掛け(90cm×150cm)の食卓を置き、
3人掛けのソファー(80cm×200cm)を置く場合、
ちょうどいい広さは16帖なのですが、
このLDK内に階段をつくるとしたら
階段スペースを加算しないといけないので、
2帖をプラスした18帖が
LDKスペースとして必要な広さとなります。

というわけで、
27帖から18帖を差し引くので残りは9帖となります。

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✔️2通りの考え方

では残り9帖では
どのようなスペースをつくることが出来るのか?

考え方の1つは、
寝室と収納を1階につくるということです。
仮にセミダブルベッドを2台置くとか、
シングルとダブルを組み合わせるとか、
あるいは布団を敷いて寝るのであれば、
寝室は6帖あれば充分なので、
残りの3帖は収納スペースとして確保することが出来ます。
そして、子ども部屋+@を2階に持っていくという感じですね。

もう1つの考え方は、
寝室と収納を2階につくり、
子ども部屋を1階につくるということです。
9帖ということは4.5帖を2室つくるイメージですね。

この場合、
1階に充分な収納をつくることが出来ませんが、
子ども部屋が1階にあるため、
子ども達のものや常時着用する衣類などは
この部屋に置いておくことが出来ます。

ゆえ、この部屋さえ有効活用出来れば、
LDKがそう散らかることもないのではないでしょうか。

子ども達だって親の気配が感じられない2階より
親の気配どころか姿まで見ることが出来る1階の部屋の方が、
自分の部屋を使いやすいでしょうしね。

ただこの考え方の中には
廊下が含まれていないので、
プライバシーも考えて廊下が欲しいと思っている方なんかは
また違った考え方をすることになります。

いかがでしたか?
なんとなくイメージしていただけたでしょうか。

今回は、分かりやすく
説明させていただくために
土地の広さから逆算して考えてみたのですが、
土地を探す時は、どんな家にしたいかを
ある程度明確にした上で必要な土地の広さを算出する
という流れになるかと思います。

なので、土地を探す前に
まずは自分が建てたい家や広さを
ある程度明確にしていただくために
ぜひこの考え方を覚えておいていただけたらと思います。

それでは、次回。

vol.119 適切な土地面積を知る方法 続々編

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「適切な土地面積を知る方法 続々編」です。

------
前回、前々回と
適切な家の広さを把握していただくために、
玄関回り・LDK・水回り・収納
について考えていただきましたが、
ある程度明確な数字は出てきたでしょうか?

そして今回は締めくくりとして
寝室や子供部屋などの「個室」について
考えていくつもりなのですが、
今回が終わった時点で
必要な家の広さが明確に分かることになるので、
ぜひ最後までお付き合いいただければと思います。

「個室」の広さを知るにあたっては、
そこに何を置くのかが重要な点となるので、
何を置くつもりなのかをぼんやりと想像しながら
考えてみてください。

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✔️寝室=寝るだけの部屋?

寝室の広さを知る上でまずお聞きしたいことが
ベッドで寝るのか?それとも布団を敷いて寝るのか?
ということ、
そしてベッドで寝る場合
どのサイズのベッドをどう配置するのか?
ということです。

ベッドの選択肢としては
シングル・セミダブル・ダブル・クイーン
の4種類が考えられますが、
長さは全て2mが標準的なものの、
標準的な横幅はシングルが90cm、セミダブルが120cm、
ダブルが140cm、クイーンが180cmとまちまちなので、
ベッドで寝ようとお考えの方は
どのベッドをどのように置くかを考えてみてください。

また、寝室にベッド以外のものを置く予定があるのかも
広さを考える上で必要な情報となります。
ドレッサー、チェスト、テレビなどを
置く予定があるかどうかですね。

では、寝室にはベッド以外なにも置かない、
そしてベッドはセミダブルを2台並べて置くという場合、
どれくらいの広さが必要なのでしょうか。

この場合、120cm×2台となるので
ベッドが占領するスペースは
240cm×200cmということになりますが、
これが入る広さは一体どれくらいでしょうか。

4.5帖=260cm×260cm
6帖=351cm×260cm
7.5帖=442cm×260cm
8帖=351cm×351cm
9帖=533cm×260cm
10帖=442cm×351cm

さて、あなたなら
どのサイズをお選びになるでしょうか。
この場合、4.5帖では流石に厳しいので、
6帖以上ということになりますよね。

というわけで、
以上の内容やサイズなどを考慮しながら
寝室の広さを算出してみてください。

基本的には寝室はただ寝るだけの部屋なので、
必要最小限でいいとは思っています。
家の広さはコストに直結するからです。

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✔️子ども達はいつか出ていくもの

続いて、子ども部屋について考えてみましょう。
子ども達は遅かれ早かれ出ていくものなので、
この部屋もまた必要最小限でいいと思っています。

また、親の気持ちとしては、
子ども部屋は人数分つくってあげたいと思うのですが、
部屋を増やせばその分コストがアップするので、
部屋を増やしたいなら一つ一つの部屋を小さくするか、
部屋を小さくするのに抵抗があるなら
部屋数を最大2つにするのがいいと思っております。

というわけなので、
先程の寝室同様にどんな家具を置くのかを想像しつつ、
先程記載させていただいた部屋の広さを参考にして、
また前回の収納のことも考慮しつつ
広さを考えてみていただければと思います。

いかがでしたか?

この他「書斎」が欲しいというご主人や
「ランドリールーム」が欲しいという奥さま
もいらっしゃると思うので、
その場合はここまでで出てきた数字に
2帖もしくは3帖を足していただけたらと思います。

また間取りのご要望や立地条件によっては、
1帖もしくは2帖程度の廊下が
出来てしまうこともあるかもしれないので、
この段階ではその数字も加算しておいてください。

そして、ここまでの内容を網羅していただくと
最低限必要な広さがお分かりいただけると思うので、
ぜひ出てきた数字を前々回の冒頭の式に当てはめてみてください↓
「家の周囲(10坪)+車1台(4.5坪)×台数
+家の1階部分の面積+デッキの広さ」

これで導き出された数字が
あなたが選ぶべき土地の広さということです。
それでは、また次回。

vol.118 適切な土地面積を知る方法 続編

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「適切な土地面積を知る方法 続編」です。

------
自分が建てたい家の1階の面積を
ある程度把握しておくと、
適切な土地面積を導き出しやすいので、
前回からそれを算出するための
質問をさせていただいているのですが、
前回の「玄関周り」と「LDK」に続き、
今回は「水回り」と「収納」、そして「客間」についての
ご質問をしていきたいと思います。


✔️洗面・脱衣・風呂・トイレ

洗面と脱衣については
分けてつくるか?それとも分けずにつくるか?
お子さんに女の子がいるか?と女の子の数、
主に室内干しで考えているか?
それとも室内干しはせず外に干すのか?
あるいは「カンタくん」などの
乾燥機を主に使用するつもりなのか?
これらによって必要な面積が違ってきます。

例えば、女の子が複数いるとしたら割と小さいうちから
小さな洗面台ではものが溢れ出してしまうし、
洗面台を使用する時間も長いため、
朝の混雑した時間帯とっても邪魔だったりします。

ゆえ、通常洗面スペースは1帖なのですが、
女の子が複数いらっしゃる方には、
2帖をオススメさせていただく場合があります。
2帖あれば、棚にも色々と陳列出来るし、
隣に並んで身支度出来ますからね。

洗濯機を置く脱衣室に関しては、
室内干しされる場合は干すスペースのことを考えると
最低でも2帖はあった方がいいし、
全て室内干しという方に至っては
出来れば3帖あった方がいいと思います。

逆に、室内干しの比率が低い方や、
「カンタくん」などの乾燥機を主に使う方なんかは、
2帖もあれば充分だし、
場合によったら洗面も含めて
2帖〜2.5帖あれば充分かもしれません。

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続いてはお風呂です。
お風呂に関してはズバリ2択ですね。
1坪タイプにするか?
それとも1.25坪タイプにするか?です。
1坪=2帖なので、要は2帖でいいのか
それとも2.5帖必要なのかってことですね。

この広さの違いは浴槽ではなく洗い場の広さなので、
洗い場が広い方が良いという方は、
2.5帖タイプを選ばれるといいかもしれませんね。

トイレに関しては
1ヶ所でいいのか?それとも2ヶ所必要なのか?
そして手洗いをどうするのか?で面積が変わってきます。

便器と一体になったタンクについた手洗いでいいという方や、
タンクレスだけどトイレから出たところに洗面をつくる方や、
小さな手洗いがあればいいという方は1帖あれば充分なのに対し、
ホテルやお店のように洒落た手洗いスペースを
トイレ内につくりたい方なんかは1帖では心許ないので、
1.5帖ほど必要かもしれません。

というわけで、以上の内容を参考にしながら
水回りスペースの面積を考えてみてください。



✔️集中型か個別型か

では続いて「収納」について考えていきたいと思います。
収納に関しては集中型がお好みなのか?
それとも個別型がお好みなのか?
でつくり方が違ってきます。

集中型とはいわゆるファミリークローゼットのことで、
要は、全員の衣類や持ち物を
同じ場所で管理するってことですね。
一方で個別型とは
個人個人でそれぞれ衣類や持ち物を管理するために
部屋ごとに収納をつくるということですね。

個別の場合、
4人家族がそれぞれに1帖ずつ収納をつくるとしたら
合計で4帖分収納が必要ということですね。
あるいは、夫婦の収納を
ウォークインクローゼットにしたい場合は、
「子ども達の人数×1帖+W.I.Cの広さ」が
収納に必要な場所ですね。

また、収納に関しては
季節ものや日用品などをどこに置いておくのかも
考えておかないといけないので、
前回の広々としたパントリー収納を
つくっていない方なんかは、
衣類や持ち物収納とは別に
納戸的な収納が必要かもしれません。

なので、自分の家の荷物量と
どうやって管理していくのかを考えつつ、
必要な広さを導き出していただけたらと思います。

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✔️「客間」という保険は必要なのか?

では、最後に客間について考えていきたいと思います。
ズバリ客間に関しては、
平屋の場合は不必要ではないでしょうか。

仮に親御さんが泊まっていく場合でも、
わざわざそのために一つ部屋を用意しなくても
子ども部屋を使ってもらえばそれで済むからです。

それか、そんなシチュエーションになった場合、
親御さんはお互い気を遣わなくていいように
近くのホテルを取る可能性もあります。

そんなわけで、
基本的には必要ないと思っているのですが、
コストがかかったとしても
やっぱり欲しいとお考えの方は、
4.5帖か6帖という広さで
客間をカウントしていただければと思います。

いかがでしたか?
今回もある程度具体的に数字を導き出せたでしょうか?
では、次回は寝室・子ども部屋・書斎などの
個室について考えていきたいと思います。

それでは、また次回。

vol.117 適切な土地面積を知る方法

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「適切な土地面積を知る方法」です。

------
土地探しをする時、
自分に必要な土地の広さを理解していないと、
かなり高い確率で無駄に広く
土地を買ってしまいます。

結果、土地取得費用も高くつくし、
後々ずっと必要となる固定資産税も
高く払い続けることになるし、
余白が増える分、
外構工事費用も高くつくことになります。

ゆえ、そうならないために
土地探しをする前に土地予算を算出すると同時に、
探していただく土地の広さも
算出することをオススメしています。

というわけで今回は、
探すべき土地面積の計算方法について
お伝えしていきたいと思います。

計算方法は
「①家の周囲(10坪)+②車1台(4.5坪)×台数
+③家の1階部分の面積+④デッキの広さ」
と極めて単純なものなのですが、
③だけは1人で算出するのが難しいと思うので、
今回から数回に渡ってその方法について
「平屋」を建てると仮定してお伝えしていきますね。

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✔️玄関周りの広さ

まず考えていただきたいのが
「外玄関、内玄関、玄関ホール、土間収納」の広さです。
外玄関とは玄関ポーチのことで、
濡れないように屋根を設ける部分ですね。
ここは最小限で良いという方は、
1帖で考えていただくといいと思いますが、
もっと広くしたいなーという方は、
2帖もしくは3帖で考えていただくといいかと思います。

内玄関についても、
最小限で良いかなという方は、
外玄関同様に1帖でいいかなと思うのですが、
もっと広めが良いとお考えの方は
1.5帖もしくは2帖になるかと思います。

玄関ホールについても内・外玄関同様ですね。
ここも1帖でいいと思っているのですが、
これまた広い方がいいという方は、
1.5帖もしくは2帖で考えていただくといいかと思います。

土間収納(シューズクローゼットも兼ねる)については、
何をどれくらい置くかで広さが違ってきます。

例えば、釣りやキャンプといった
荷物が少々嵩張るような趣味がなく、
そこには靴とベビーカーぐらいしか置かない
という方に至っては1帖もあれば充分かと思います。

なんせ1帖あれば、
仮に棚を6枚設けたら
大人の靴で50足近く置けますからね。
2帖になればさらに靴が
35足置けるようになりますが、
流石にそこまで必要な方は
そういらっしゃらないと思うので、
その余ったスペースに釣り道具やキャンプ用品を
置くことが出来ると思います。

ゆえ、土間収納は
1帖もしくは2帖あれば充分かと思っているし、
最大でも3帖あればいいのではないでしょうか。

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✔️LDKの広さ

では、玄関周りが分かったところで、
LDK(リビングダイニングキッチン)
の広さについて考えていきましょう。

ここに至っては、
誰もが広ければ広いほど良いとお考えだと思いますが、
広くし過ぎてしまうと、どこかで調整しなければ
その分家のコストが上がってしまうし、
広くしたことで余白が生まれればそこに物を置いてしまい
かえってゴチャゴチャした空間になりやすいので、
ここもまた適切な広さを知ることが大切だと考えています。

ここで考えていただきたいことは、
キッチンは対面型がいいのか?そうじゃなくていいのか?
パントリー収納は必要なのか?
ダイニングテーブルを置くのか?
置く場合、4人掛けなのか6人掛けなのか?
ソファーは置くのか?
置く場合3人掛け程度の大きさにするのか?
L型の大きなものにするのか?
1人掛けのソファーチェアーも置くのか?などです。

対面型のキッチンにしつつ、
4人掛けもしくは6人掛けのダイニングテーブルを置きつつ、
3人掛け程度のソファーを置くとしたら
16帖が適切な広さだと思っているし、
L型の大きなソファーを置いたり、
3人掛けのソファーとは別に
1人掛けのソファーチェアーを置くとしたら
18帖が適切ではないかなと思っています。

そして、パントリー収納が必要なのであれば、
その求める広さを足してみてください。
弊社がよくしている冷蔵庫も家電も隠せるぐらいの
バックヤード的収納にするなら
3帖もしくは4帖必要となるし、
そうじゃなく冷蔵庫や家電は隠さず、
単純に食品ストックや食器類だけを置くパントリー収納なら、
1帖もしくは2帖もあれば充分だと思います。

いかがでしたか?
ざっくりでいいので、とりあえずここまでで
どれくらいの広さが必要そうなのか算出出来たでしょうか?

では今回はここまでで、
次回は洗面や脱衣などの水回りから
はじめていこうと思っているので、
どんな感じにしたいのか頭を整理しておいてくださいね。

それでは、また次回。


vol.116 家づくりの幅を広げるための提案

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「家づくりの幅を広げるための提案」です。

------
「南向きの土地」は
一般的に最も人気がありますが、
SIMPLENOTEのお家では、特に南向きをオススメはしません。

理由は4つ。
1つ目は、土地の価格が高いから。
2つ目は、外構費が高くなるから。
3つ目は、外観がかっこよくなりにくいから。
4つ目は、設計が難しいから。
です。

というわけで今回は、
この4つの理由について
もう少し詳しくお伝えしていきたいと思います。

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まず1つ目の
「土地の価格が高いから」ですが、
これは単純に「日当たりがいい土地=いい土地」
という価値観が浸透していることに尽きると思います。

つまり、みんながこぞって
「日当たりがいい南向きの土地」を
買おうとするからこそ
必然的に価格が高く設定される
というわけですね。
かつ、欲しい人が多いこの土地は
値引きをする必要もありませんしね。

そんなわけで、南向きの土地は
そのエリアで最も割高に価格が設定され、
ほぼ100%と言っても過言ではないぐらい
不動産屋さんの言い値で取引されているんですよね。

2つ目の「外構費が高くなるから」については、
南向きの土地はプライバシー性を担保するための工事が
必要となる可能性が高くなることが予想されるからです。

南向きでつくった部屋の丸見えを防ぐ。
南向きでつくったデッキの丸見えを防ぐ。
南向きでつくった庭の丸見えを防ぐ。
などの一手間をかけなければ、
カーテンを閉めたままの薄暗い家で暮らさないといけないし、
せっかくデッキを作ってもほぼ使うこともないでしょうからね。

そんなわけで、南向きの土地は
必然的に外構工事費も高くつきやすいというわけです。

3つ目の「外観がかっこよくなりにくいから。」については、
なぜ外観がかっこよくなりにくいかと言うと、
南向きの土地は生活感が前面に出やすいからです。

洗濯物を干すのも家の正面になりやすいし、
庭も家の裏ではなく正面につくりますしね。
また、南向きの土地だと部屋を南につくり
南に大きな窓をつくるところまでが
設計のワンセットとなっていますが、
それらの窓には全てほぼ確実にシャッターが設置されるため、
これもまた外観がかっこよくなりにくい一つの要因となります。

では最後に「設計が難しいから」について
お伝えしていきたいと思います。
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✔️強力な南向きバイアス!

南向きの土地の設計が難しい理由は、
まさにこのバイアスが超強力だからです。

つまり抜群に日当たりがいい
南向きの土地を買ったんだから、
その恩恵を最大に受けるために
部屋も窓も南向きでつくることが
当たり前となっているがために、
それを崩した設計をすることも難しいし、
また出来たとしても理解してもらうことが難しい
というわけですね。

そんなわけで、先程お伝えしたように
外観がかっこよくなりにくいし、
外観のかっこ悪さと丸見えをカバーするために
外構工事に巨額の費用をかけざるを得なくなるんですよね。

そして、土地代も含めて
全て割高な買い物をすることになり、
結果、予算が最も膨らむという
結末を迎えることになります。

端的にまとめさせていただいたのですが、
SIMPLENOTEの家が「南向き」の土地を
オススメしない理由について
ご理解いただけたでしょうか?

もちろんこの考え方に反論がある方も
たくさんいらっしゃると思うし、
決して既成概念通りの家の建て方が
ダメだというわけでもありません。

ですが、こういった考え方もある
ということを知っておいていただくと
確実に家づくりの幅は広がると思うので、
安易に否定するのではなく、
一度頭の中で咀嚼いただければ幸いです。

それでは、また次回。

vol.115 バイアス解除のススメ

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「バイアス解除のススメ」です。

------
周りを見渡してみると
ほとんどの家がそうなっているように、
家を建てるとなれば、
日当たりがいいところに部屋を配置し、
そうじゃないところに
部屋以外を配置するものだという
当たり前が存在します。

そして土地の方位や環境などは
どこ吹く風と言わんばかりに、
どんな土地であっても
このもっともらしい論理になぞって
設計プランがつくられていくのですが、
もちろん、この結末がいいものになることは
必ずしもそうでありません。

vol.115simplenoteblog1.jpg

例えばこの論理が最もしっくりきそうな
南向きの土地の場合、
日当たりがいい場所に全ての部屋を配置すると
部屋には直射光がたっぷりと
入ってくるのは間違いありません。

しかし、光が眩し過ぎること、
熱も入ってき過ぎること、
台風の直風がモロに当たること、
そして、なにより家の中が丸見えなり過ぎること、
などの困った理由から
大きな窓には全て基本的に
カーテンとシャッターがセットで必要になってきます。

そしてカーテンはおろか、
立地によったらシャッターまでも
ずっと閉めた状態にしているという光景も
よくお見かけするのではないでしょうか。
つまり、何のために大きな窓をつくったのやら・・
という状態になっているというわけです。

庭につくったウッドデッキだって
丸見え過ぎることから
全くと言っていいほど使っていない、
というか使いたくても使えない
状況になるかもしれません。

vol.115simplenoteblog2.jpg

次に北向きの土地で考えてみます。
この場合、南に部屋をつくったとしても
よほど土地に奥行きがない限り
南からの光が充分に入ってきません。
北向きの土地では基本すぐ南に家が建っているからです。

また、南に部屋を配置すれば
必然的に水回りが北に配置されるのですが、
この結果、正面である北面に
窓や換気扇や給湯器といった部材が
設置されることになります。
つまり、家の顔となる正面が不細工になりやすいというわけです。

では、東や西向きの土地はどうでしょう。
これらの土地に共通して言えるのは、
家の正面に丸見えになる
大きな窓を設置する可能性も低いし、
景観を乱す水回りも正面になりにくいということですが、
北向きの土地と同じように
日当たり面で支障が出やすいのが特徴です。
基本すぐ南に家が建っているからです。

ゆえ、この場合も単純にこの論理になぞって
間取りを決めるのは懸命な選択だとは言えません。

また、すぐ南に家が建っているということは、
「=家の裏側がよく見える」ということでもあるので、
南に大きな窓をつくった場合、
いい景色を窓から臨むことは皆目出来ないことも
もはや言うまでもありません。

そして、この問題を解決するために
外構工事により多くのお金を
かけざるを得ないということになります。
南向きの土地以外は庭の景観をよくするために。
南向きの土地はプライバシーを担保するために。


✔️根本的な解決策を知っておく

冒頭でお伝えした論理は、
それを適用して問題がない土地なら
そうしていただいても何の問題もありませんが、
ここまでお伝えしてきたように、
よほど広い土地じゃない限り、
必ず何らかの支障が出るのは間違いありません。

つまり、最適なプランというのは
セオリーだけで成り立つのではなく、
「土地」そのものが持つ個別の条件によって
大きく左右されるということですね。

ゆえ、家を建てる時には
こういった当たり前のように認識されている
様々なバイアスを一旦解除することをオススメしています。

そして、家を建てる土地の前に立ち、
周囲の環境をよく観察してみてください。

これらがバランスよく考えられれば、
きっと本当に住みやすい家を
建てることが出来るようになるはずです。
もちろん、美しいデザインも両立しながら。

それでは、また次回。

vol.114 多面的に捉えることの大切さ

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「多面的に捉えることの大切さ」です。

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例えば、東向きの土地に家を建てるとしたら、
光を遮る建物がない東に部屋を配置し、
採光と風通しのための窓をつくるのが一般的です。

しかし、この場合、
何点か注意しておかないといけないポイントがあり、
それらを知らないまま建ててしまうと
思っていたのとは違う家が出来上がってしまいます。

まず注意すべき点は、
エアコンの室外機を置く場所が
どこになるのかということです。

東向きの土地で
東にしか室外機が置けないとなると、
家の正面に室外機が置かれると同時に、
エアコンの配管カバーまで見えてしまうからです。

ゆえ、図面を見る時には
エアコンをどこにつけるのかということも
一緒にチェックするようにしてください。

続いて、注意すべき点が
換気扇がどこにつくのかということです。
換気扇はトイレや脱衣などにつける
排気のためのものだけじゃなく、
各部屋につける給気もあるからです。

ゆえ、エアコンのチェックと共に
換気扇の種類と製品がどこにつくのかも
チェックするようにしてください。

細かいようですが、
外部につく換気扇のカバーも
景観を乱す原因となるものだし、
壁から突起した部材は全て外壁を汚す原因となり、
それが正面だとただただ汚れが
目立つことになりますからね。

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最後に注意していただきたいことが、
そこにつける窓が充分な採光と風通しを
もたらしてくれるのかということです。

闇雲に窓のサイズを大きくしても
透明ガラスだとカーテンが必ず必要になるし、
かつカーテンを開けることが出来なくなります。

また、カーテンが開けられないということは
イコール窓も開けられないということでもあるので、
基本、風を取り込むことも出来ません。

ゆえ、窓に関してもその場所ごとに
どのような形状がベターなのかと
どのようなサイズがベターなのかも
しっかり考えていかないといけないということも
覚えておいていただいた方がいいかと思います。

窓もカーテンも開けられないでは、
そこに窓をつくった意味は
「皆無に等しい」わけですからね。

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✔️設計図の見方を知っておくことが大事

ここまでお伝えしたようなことは
こうやって言われてみると
ごく当たり前なことのように
お感じになると思いますが、
現実は決してそうではありません。

例えば、間取り提案の時に
お見せする立面図(外観図)や立体パースなどには、
エアコンの室外機まで記載しないし、
もちろん換気扇の外部カバーなんかも
記載されることはありません。
かつ、雨樋も記載されていません。

つまり、実際建ってみたら
結構ゴチャゴチャしそうなのに、
プラン上は割とスッキリ見えてしまう
ということですね。

ゆえ、この問題を解決するには
ご自身でしっかり想像していただくか、
あるいは、そういった細かい部材まで
図面に反映して出してもらうか
のいずれかを選択するしかありません。

また、窓に関しても
平面図だけを見ていたのでは
99.99%設置すべき窓を間違えてしまうと思います。

窓はただサイズを大きくしたから
その分光量が増えるわけではありません。
たとえ計算上は増えるとしても、です。
また、数を増やしたから
その分光量が増えるわけでもありません。
たとえ計算上は増えるとしても、です。

風通しに関しても、
同じ部屋に2ヶ所窓をつけたから
単純に風が通るわけではないし、
開口を大きくしたから
その分取り込める風量が増えるわけでもありません。

これらに関しても、
家の中や外からどのように見えるのかを
想像していただくことが
なにより大事なのは
もはや言うまでもないと思います。

そして、そこまで考えつつ
窓の形やサイズ、そしてガラスの種類などを
一つ一つ考えていかないといけません。

というわけなので、
本当に暮らしやすい住まいや
本当に景観が美しい家をつくるためには、
平面図(間取り図)だけを
見ていてはいけないということ、
そして間取りや動線だけじゃなく
外観との兼ね合いなども
一緒に見なければいけないということを
ぜひ覚えておいていただければと思います。

それでは、また次回。

vol.113 適切な部屋の広さの導き出し方

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「適切な部屋の広さの導き出し方」です。

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せっかく家を建てるんだから、
これからの暮らしに困らないように
収納もたっぷりと欲しいし
なるだけ家も広くしておきたい...
誰もがそうお考えになると思います。

もちろん予算的に問題ないのであれば
広さも含めてやりたいことを
詰め込んだ方がいいと思うのですが、
なかなかそういうわけにはいかない
という厳しい現実に直面している方も
決して少なくないのではないでしょうか。

ましてや現在は資材高騰の影響を受け
20%ほど建築費が上がっているので、
広さに関してはグンと削らないといけなくなっている
というのが率直な感想です。

そんなわけで今回は、
「適切な広さ」というテーマで
お伝えしていきたいと思います。

おそらく、ほとんどの方に
「確かにそうだよね」と
共感いただける内容であるとともに、
この内容をご理解いただくと
自然と家のコストを縮めることが出来ると思うので、
ぜひ最後までお付き合いいただければと思います。

では、早速1つ1つ広さや必要性について
検証していってみましょう!

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✔️寝室の適切な広さ

今は、寝室に隣接してか、
あるいは寝室からそう遠くない場所に
ウォークインクローゼットをつくるのが
スタンダードになっているし、
かつ、テレビ離れが加速していることから、
わざわざ寝室にまでテレビを置かないか、
あるいは、置くとしても場所を取らない
壁掛けにされる方が多いため、
寝室には基本ベッドしか置かない
という方が圧倒的多数だと思います。

となると置くベッド寸法と台数さえ
あらかじめ分かっていれば、
自ずと寝室の広さをどれくらいに
すればいいのかが分かります。

例えば、置くベッドが
セミダブルが2台だとしたら、
ベッドが締める面積は
横2m40cm(1m20cm×2台)、
縦2mということになりますが、
実は6帖あればこれらを置くことが出来ます。

6帖という広さは、
3m51cm×2m60cmだからです。
つまり、3m51cmに対して2m40cmを置けば
1m11cmも余白が出来るし、
2m60cmに対して2mを置けば
60cm余白が出来、
通るだけならそれだけで
充分なスペースが出来るからです。

そんなわけで
寝室の広さを決める時は、
このように考えていただければと思うし、
子供部屋に関しても同じように考えていただければ、
闇雲に大きくすることもなくなるかと思います。

子供部屋に関しては、
シングルベッド(90cm×2m)と勉強机を
置くか置かないかという感じでしょうかね。
子供たちはいつかは家を出ていくので、
その点も加味しつつ考えてみていただけたらと思います。


✔️客間の必要性

仮にあなたが建てる家を
2階建てだと決めていて、
かつ寝室と子供部屋を2階につくる
と決めているのであれば、
1階にはLDKの他に
もう1つ部屋をつくっておいた方が
いいと思います。

1階にLDKしかないと
子供たちが小さいうち
LDKが荷物でごった返すことになるし、
足腰が悪くなった時、
生活そのものに困ることになるからです。

他方、平屋を中心に間取りを考えると
全ての部屋と収納が1階に集結するので、
寝室と子供部屋以外に部屋を
つくる必要がなくなります。

そしてそれだけで、
200万円ぐらい家のコストを
カットすることが出来ます。
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✔️LDKの適切な広さ

LDKは過ごす時間がダントツで長く、
一番重要な場所であることから
出来ればここだけはやりたいようにしてもらいたい
と思っているのですが、
とはいえ、こことて広くなれば
その分コストは上がってしまうため、
あらかじめ適切な広さを知っておいていただくことが
大切かと思います。

もちろん、ここもどんな家具を置くかによって
適切な広さは変わってくるのですが、
仮にあなたが望むキッチンが対面型で、
家族そろって食卓で食事をし、
大きなソファーでくつろぎたいとお考えであれば
16帖という広さが適切だと思います。

なぜ18帖や20帖ではなく14帖でもないのか?
理由は14帖だと食卓とソファーの間に
全くゆとりがなくなるし、
18帖より大きくすると、
食卓とソファーの間にゆとりが出来過ぎ、
そこが荷物置き場と化しやすいからです。

また、人は隙間があると
そこを埋めたくなるという習性を持っており、
これが意味することは
どれだけゆとりをつくったとしても
全力でそこを埋めようとしてしまうということです。

つまり、リビングを広くつくると、
そこにチェストなどの家具を置きたくなり、
置いたが最後、
今度はチェストの中を埋めたくなり、
次から次へと物を買って
出費が増えると同時に、
どんどん物も増えていき管理出来なくなる。

その上、チェストをはじめ家具の上は
ちょこっと物が置きやすいため、
書類やら物が溢れる原因にもなりますしね。
リビングやダイニングの辺りには
細々した物が多いわけですしね。

というわけなので、
これから家を建てようとお考えの方は、
前回の収納と共に今回の内容も
ぜひ参考にしていただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.112 収納と建築コストの関係性

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「収納と建築コストの関係性」です。

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建築コストが高止まりしている現在、
少しでもコストを抑えながら家を建てるためには、
家の面積を抑えることが欠かせない要素ですが、
そのためには図面の見方を知っておく必要があります。

というのも、平面図(間取図)を
上からずっと眺めていると
部屋は狭いような気がしてくるし、
収納に至っては少ないような気しかしないからです。

つまり、その不安から
本来縮めないといけないのに、
逆に広げてしまう可能性が
高くなってしまいます。
そして、限界ギリギリまで
ローンを組まざるを得なくなります。

ゆえ、今回は図面の見方について
お伝えしていきたいと思います。

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例えば、収納のポテンシャルは
「床面積」というよりは、
「壁面積」によって違ってくるのですが、
これを知らないまま家を建ててしまうと
単純に「床面積」だけを
増やそうとしてしまいます。

そして床面積を増やした代償として
建築コスト上昇のダメージを
モロに食うことになります。
2帖の収納を追加でつくれば、
単純に70〜80万円ほど
コストアップするという感じですね。

2帖もの収納を追加でつくると
入り口をどこにつくるかでも
分量は変わってくるものの、
一般的には1段あたり2.93m
物が置けるようになるので、
仮に棚板を4枚設置したとしたら
5段トータルで14.65mも
物が置ける場所が増えるので
かなりな収納アップにはなるんですけどね。

これが「床面積」増加による
収納力アップという方法ですね。

一方で「壁面積」を上手く使えば
コストを増やすことなく
先程の床面積アップと同等か
あるいはそれ以上に収納力を
アップさせることが出来ます。

例えば、6帖のお部屋は
長手方向が有効寸法で3m51cm、
短手方向で2m60cmの部屋ですが、
この短手方向に窓をつくらず
一面を壁にした場合、
この壁面全てを収納として
使うことが出来るようになります。

つまり、1段あたり2m60cm
物が置けるようになるので、
先程の2帖の収納より少し劣るものの
ほぼ同等近く物が置けるということですね。

あるいは、
長手方向に棚を設置するとなると、
1段あたり3m51cm
物が置けるようになるので、
先程の2帖の収納以上に
物が置けるということですね。

もちろん、床面積は
全く増やしていないので、
コストアップも必要ありません。

とはいえ、この場合
部屋の中に棚を設置するため
部屋の有効寸法がその分小さくなるので、
それが嫌だという方もいらっしゃるかもしれないし、
収納が丸見えになるので、
隠すために「扉をつけたい」となり、
そうなれば扉1枚あたり4万円ぐらいの
コストが必要になるので、
計12〜16万円はコストが
アップしてしまいますが。

それでも
わざわざ別で収納をつくるのに比べたら
ずいぶんと割安です。

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✔️利便性VSコスト

そして収納を考える上で
知っておいていただきたいことがもう1つ。
それは、通り抜け動線や回遊動線は
「壁が有効に使えなくなる」ということです。

つまり、床面積の割に
収納のポテンシャルが低くなる
というわけですね。

例えば4帖のウォークインクローゼットは、
壁面積を有効に活用すれば
1段あたり7mもの棚を設置することが出来るのですが、
仮にこの収納を通り抜け出来るようにしてしまうと、
その分量が一気に半減してしまいます。
片側の壁しか使えなくなるからです。

要するに、通り抜け動線にすると、
名目上は4帖収納があるんだけど、
実質は2帖分の収納しかないのと
同じになってしまうというわけなんですよね。

ゆえ、確かに利便性は上がるものの
本当に通り抜け動線にする必要があるのか?
を考えていただきたいと思っています。

わずか数歩でも毎日のこととなれば大きい
という気持ちもよく分かります。
より使い勝手がいい家にしたい
という気持ちもよく分かります。

ですが、現在の建築費を考えると、
通り抜け動線にした場合ぐらいの
収納力でなんとかなるなら、
通り抜け動線をやめて
収納を2帖にしてもいいのではないでしょうか。

単純にそれだけで
コストを70〜80万円も
縮めることが出来るからです。

というわけなので、
これから家を建てようとお考えの方は、
こういった知識もお持ちになった上で
間取りを決めていって
いただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.111 一戸建てしか果たせない役割

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「一戸建てしか果たせない役割」です。

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いくつかの原発が再稼働することになると
電気料金の値上がりは若干緩和されるかもしれませんが、
とはいえ、今後も電気料金は値上がりの方向で進むと
考えておいた方がいいと思います。

というのも、脱炭素と電力供給の安定のために
今後もさらに太陽光発電をはじめとした
再生可能エネルギーが普及していくため、
電気料金に上乗せされている
再エネ賦課金はますます高くなっていくし、
自動車のEV化が本格的に進んでいけば、
さらに電気の消費量が上がることが予想されるからです。

ゆえ、私たちは
高騰が予想される電気料金への対策を
早いうちから講じなければいけないのですが、
では、そのためには一体どうすればいいのでしょうか。


✔️太陽光発電の設置

まずやるべきことがこれです。
太陽光発電の普及が始まった10年ほど前は
電気料金がまだ安かったため、
発電した電気を売るために
太陽光発電を設置していたのですが、
現在は、当時に比べて電気料金が
ずいぶんと高くなっているため、
売るよりも買わないという選択を取ることで
負担を減らすという理屈です。

そんなわけで、これから家を建てる人みんなに
太陽光発電をつけることをオススメしています。
太陽光パネルの発電は25年という
電化製品の中では異例の長さの保証がついているし、
その年数が経過した後も、発電効率は若干落ちるものの、
それなりに働き続けてくれる可能性が高そうですしね。


✔️蓄電池の設置

まずは太陽が出ている間の
電気料金を買わないという選択を
取っていただくわけですが、
可能であれば太陽が出ていない間も
電気を買わないという選択を取っていただく方が
なお良いと考えています。
そして、そのために必要なツールが「蓄電池」です。

蓄電池を設置しておけば、電力会社から
ほぼ電気を買う必要がなくなります。
なので、巷の電気料金が上がろうが
全く気にする必要がありません。

また、自然災害を原因とする
停電が起こった場合も、
全く不自由を感じることもありません。

さらに、これから購入する車を
電気自動車にした場合、
その車の燃料代だって必要なくなります。

ゆえ、会社が遠い方なんかは、
蓄電池を設置すると同時に、
電気自走車に買い替える方が
圧倒的に家計が楽になるんじゃないかと
思っている次第です。

電気自動車は少し価格が高いものの、
かなり多額の補助金も出るし、
税金だってかなり割安ですしね。

というわけで、
高騰していくことが予想される
電気料金をヘッジするためには、
太陽光発電はもちろん、蓄電池の設置と
場合によったら電気自走車に
チェンジしていただくのが
良いんじゃないかと思っている次第です。

電気料金は住宅ローンと違って
生涯払い続けないといけない費用なので、
対策を講じたか講じていないかで
とてつもなく家計のゆとりに
差が生まれてくるでしょうしね。

とはいえ、蓄電池はまだ価格が高いため
あくまで設置した方がいいかどうかは、
太陽光発電同様にシュミレーションした上で
決めた方がいいです。
(あくまで採算が合うかどうかで決めるということです)

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✔️一戸建ての所有が唯一の手段

このセットを実現するためには
住むところが自ら所有する一戸建て
であることが絶対条件となってきます。

分譲マンションはおろか、
賃貸マンションや賃貸アパートも
自分のために太陽光発電も設置出来ないし、
蓄電池や電気自走車の充電器も設置出来ないからです。

住むところを考える時は、
一戸建てを持つことを前向きに考えたほうがいいと思っています。

ただし、その場合注意すべきことは予算です。
というのも、現在は建築費が高騰しており、
かつ、そのコストも高止まりした状態が続きそうだからです。
また、土地に至っても災害が予想される地域での建築が
今後どんどん厳しくなっていきそうで、
そうなれば建築代に加えて土地代まで高くなりそうだからです。

かつ、太陽光発電のパワコンや蓄電池なども
寿命とともに買い換えないといけないので、
それらのメンテコストも含めた長期的な目線を持って
家づくりの予算計画を立てていただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.110 住宅ローン金利の仕組みと今後の金利動向

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「住宅ローン金利の仕組みと今後の金利動向」です。

------
昨年12月、日銀が誰もが予想してなかったタイミングで
「長期金利」の利上げをし、
その後も「長期金利」はジワジワと上昇し続けています。

これを受けて、
長期金利に連動する住宅ローン金利が上昇傾向にあるのですが、
果たして住宅ローン金利は今後どのようになっていくのでしょうか。

というわけで今回は、
これから家を建てたいなーとお考えの方が
最も気になっていることであろう
「住宅ローン金利」について
お伝えしていきたいと思います。

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✔️住宅ローン金利はどうなるのか?

今回の日銀の利上げによって
全ての住宅ローン商品の金利が上がるのかというと
決してそんなことはありません。
変動金利と固定金利では
金利を決定する要素が違うからです。

変動金利は、
銀行が融資に問題がないと判断した
信用力の高い優良な企業に融資をする際に
適用される返済期間1年以内の金利を
参考にして決定するのに対し、
固定金利は「長期金利」を参考にして決定するからです。

つまり、現在金利が上がっているのは
長期金利を参考にして決定される
固定金利だけというわけですね。

具体的な商品としては、
フラット35をはじめとして
各銀行が取り扱っている全期間固定型の住宅ローンが1つ。
そしてもう1つが、当初の10年間だけ金利が固定される
いわゆる「10年固定」と呼ばれている住宅ローンです。

もちろん固定金利が上がれば、
少なからず変動金利も影響を受けて上がりやすくなるのも
また一つの事実ではあるものの、
まー、今の状況だと変動金利が上がることは
しばらくの間ないと思うので、
すでに住宅ローンを変動金利で組んでいる人が
返済が苦しくなるということはまずあり得ません。


✔️これから家を建てる人はどうするべきか?
長期金利の利上げに伴って
全期間固定型の住宅ローンと10年固定の住宅ローンは
すでに上昇してしまいましたが、
全期間固定型を選んだ方が安心できると考えています。

これから先、インフレや金利の動向が
どうなるかは誰にも分からないし、
仮に変動金利の金利が上がるような状況になった場合、
それから固定金利に借り換えしようとしても
商品の性質上、変動金利が上がる頃には
固定金利はずいぶん上がっている可能性が高いからです。

借り換えは、たとえ金利が下がり返済負担が下がるとしても
都度、手数料や登記代といった余分な手数料がかかることになるし、
団体信用生命保険への加入が必須となるので、
健康状態にも左右されますしね。

そんなわけで、
そんな心配や煩わしい手間がかからない全期間固定型の商品を
選んでおいた方が安心と思っている次第です。

もちろん、金利が高くなれば
多少なりとも返済負担は上がるし、
全期間固定金利を選んだ場合は
借入時に余分な手数料がかかってくるので、
これから家を建てようとお考えの方はそれらも考慮した上で
変動金利と比べて、予算計画を立てるようにしていただければと思います。

それでは、また次回。
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vol.109 家づくりに潜むリスクとヘッジ対策

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「家づくりに潜むリスクとヘッジ対策」です。

------
2024年以降に新築した家に入居することになる方は、
少なくとも省エネ基準を満たした家にしていないと
住宅ローン控除が適用されなくなります。

住宅ローン控除とは、新築してから13年の間
借入金額の年末残高の0.7%を上限に
税金を還付してくれる制度で、
仮に銀行から借りたお金が3500万円で
1年目の年末残高が3400万円だとしたら
3400万円×0.7%=23.8万円を上限に
税金を返してくれるということですね。

年収が500万円で
払った所得税が15万円だとしたら
年末調整の時に全額国が返してくれて、
控除しきれていない分(8.8万円)は
住民税から控除されるというイメージです。

そして13年間を合計すると
もちろん所得や借入によっても違うのですが、
260万円から±40万円ぐらいの
税金が返ってくるという感じですね。

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ゆえ、これから家を建てる方は、
最低でも省エネ基準を満たし、
出来ればZEH水準もしくは長期優良住宅・低炭素住宅を満たした
住まいにしなければいけないのですが、
もちろん、そうなれば申請費用とグレードアップ費用で
家の価格は高くなってしまいます。

現在の資材高騰によるコストアップと合わせると
コロナ前と比べるとざっと500万円〜600万円アップ
といったところでしょうか。

結果、コロナ前までは
1500万円で建てることが出来ていた家は
2000万円〜2100万円となり、
2000万円で建てることが出来ていた家は、
2500万円〜2600万円となり、
2500万円で建てることが出来ていた家は、
3000万円〜3100万円になってしまったという感じです。

要するに、これから家を建てる方は、
もはや1000万円代で家を持つことが
出来なくなってしまったというわけですね。

これを受けて家を建てる方と私たち住宅会社が
共に知恵を絞って考えなければいけないことが、
これだけのレベルの負担増を
どうやってヘッジしていくのかということです。

500万円予算が上がったのは仕方ないからと、
単純に借入を増やすという選択を取れば
15,000円も負担が増えてしまうだけですからね。


✔️負担軽減策その1

まず検討すべきことが、
土地を買わないという選択です。
つまり、どこか使える土地があるのなら、
そこを使うことを前向きに考えるということですね。

土地を買わなくていいとして、
かつ土地にかかるコストも一切負担しなくていいとなれば、
かなり大幅に負担が減るからです。

ゆえ、この選択肢がある方は、
最優先で考えて欲しいと思っている次第です。

今後は電気自動車が急速に普及する可能性が高いので、
それに備えて、家を建てると同時に
太陽光発電と蓄電池さえ設置しておけば、
すぐさま電気自動車に乗り換え出来、
そうなれば通勤距離が遠くなったとしても
むしろ燃料代の負担は減ることになるので、
多少、不便な地域に住んだとしても
金銭的な負担は上がることもありませんしね。


✔️負担軽減策その2

どうしても土地を買わないといけない場合、
負担を増やさないためには、
土地の価格を抑えつつ家の価格も抑えなければいけません。
このどちらかだけでは賄いきれないからです。

ゆえ、住む地域を変えるとか、
買う土地の面積を小さくするとか、
部屋の広さや数を見直すことで
家の面積を出来るだけ小さくするとか、
やりたいことを絞ることで
出来るだけグレードアップを防ぐなどを並列で検討しながら
家づくりを進めていくことをオススメしています。

かつ、馬鹿にならない外構工事のコストも
出来るだけ抑えられるような
土地の選び方と間取りを考えることも
忘れてはいけない大切な要素ですね。


✔️負担軽減策その3

最後にご紹介するのは、
ローンの返済期間を最大に延ばしつつ、
生命保険、学資保険、医療保険を見直し、
積立投資に可能な限りお金を入れていただく
という戦略です。

負担軽減策1はもちろん
負担軽減策2も出来ないという方は、
この状況を難なく乗り越えていくには
この策を講じることも考えてください。

ローンの期間を延ばす理由は、
積立投資に回す資金余力を高めるために
毎月の返済負担を少しでも抑えるため。
3つの保険を見直す(解約・減額)理由も、
積立投資に回す資金余力を高めるため。

積立投資を考える理由は、
銀行や保険にお金を預けていても
全くお金が増えないため。
いや、それどころかインフレが進めば、
お金の価値が目減りしてしまうかもしれません。

たとえ家を持つことが出来ても、
その後の暮らしが苦しくなったのでは、
家を持ったことを後悔すると同時に、
家族の関係まで悪化してしまいます。
これでは本末転倒です。

なので、これから
家を建てようとお考えの方は、
かつてない厳しい状況の中、
建てなければいけないということを
ご理解いただくと共に、
少しでも負担が軽減出来るよう
よく考えて、慎重に家づくりを
進めていっていただければと思います。

それでは、また次回。
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vol.108 光と色の特性を活かす

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「光と色の特性を活かす」です。

------
安定的に家の中を明るく保ち続けるためには、
直射光と天空光を上手に使い分けた方がいいということを
前回お伝えさせていただいたのですが、
入ってきた光を効率よく家全体に拡散していくための工夫も
同時に必要なことです。

例えば、SIMPLENOTEの家では室内の壁のほぼ全てを
「白」で仕上げるようにしているのですが、
この理由は「白」が最も光を反射し拡散してくれる色だからです。

また、壁同様に天井も
基本「白」で仕上げるようにしています。
もちろん、光の拡散効果を狙ってです。

さらに、室内に使用するドアも
壁同様に「白」を基本としているのですが、
これに加えて、室内のドアは全て
凹凸のないフラットなデザインにしつつ、
天井と高さをそろえるようにしています。

理由は、壁とドアを一体化させた方が、
空間がよりスッキリと見えること、
そして、天井と高さをそろえれば
ドアの上に出来る垂れ壁がなくなり、
抜け感が出ると同時に、
反射光をより遠くまで運んでくれるからです。

こうして天空光を中心に採り込んだ優しい光を
家全体に拡散させていくという感じですね。

このように安定した状態で
明るさを保ち続けるためには
間取りだけじゃなく仕上げにも工夫を施すのですが、
弊社の家の特徴である中庭の
壁を白で仕上げていることが多いのも、
もちろん光の反射効果を狙ってです。

直射光を反射させた光を
中庭を通して室内に届けることが出来れば、
たとえ日当たりが悪い場所に部屋を配置しても、
安定した明るさを保ち続けることが出来るからです。

ゆえ、中庭につくる窓は
基本、大きいサイズを採用しているし、
かつ、窓の高さもドア同様に
天井と合わせるようにしています。
こうすれば、より多くの光を
室内に届けることが出来るからですね。
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✔️明るさの最大の秘訣

以上のような手法を使い
どんな土地でも安定した状態で
明るさを保ち続けられるような
住まいづくりを提案しているのですが、
言わずもがな、
これを実現するために最も心がけていることが、
「カーテンありきの窓」をつくらないことです。

外からの丸見えを防ぐために
カーテンをしなければいけないとしたら、
99.99%カーテンが開けられる日が
訪れることはないからです。

つまり、大なり小なり
侵入してくる光を殺してしまい、
自然光だけで日中過ごすのが
難しくなってしまうというわけですね。
そして、四六時中照明が必要な暮らしを強いられます。

また、カーテンありきで窓を考えると、
採光に不安が残ることから、
不用意にたくさん窓をつくってしまいます。
そして、窓のコストが上がると同時に、
カーテンのコストまでもさらに余分に必要になります。

かつ、窓が増えることによって
耐震性が悪くなり、断熱性が悪くなり、
窓掃除の手間が増えることになり、
戸締りの不安が増えることになり、
外壁の汚れが増えることになり、
家具や家電の配置がやりにくくなり、
設計段階では分からない様々な支障が
暮らしの中で生じることになります。

ゆえ、SIMPLENOTEの家では、
可能な限りカーテンがいらない窓をつくるようにしています。
カーテンが必要になる時は、視線を遮るためではなく、
入ってき過ぎる直射光を遮るため程度という感じでしょうか。

世間一般とは違った考え方かもしれませんが、
これを知っているかどうかで
家づくりの幅が大きく変わってくるので、
これから家を建てられる方は、
ぜひこの考え方も頭に入れておいていただけたらと思います。

それでは、また次回。
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vol.107 直射光の呪縛から脱出する

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「直射光の呪縛から脱出する」です。

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家を建てる方の多くが、
直射光だけに頼って採光計画を立てようとしますが、
実のところ「直射光」だけで採光計画を立てると
かえって住みにくい家が出来上がってしまう上、
家づくりにかかる総コストも割高になってしまいます。

というのも、
「直射光だけに頼る=南向きにこだわる」
ということだからです。

南向きにこだわれば
土地代は確実に一番高くなります。
かつ、値引きもしてもらえません。

南向きにこだわれば、
明る過ぎるのと、眩し過ぎるのと、丸見えなのが被さり
カーテンやシャッターなどが必須となり、
建築コストも上がってしまいます。

また、ウッドデッキや庭をつくるにしても
あまりに丸見え過ぎることから
目隠しや植栽、塀などが必要となり、
さらにコストを押し上げることになります。

つまり、南向きにこだわると
土地・家・庭の全てがコストアップ
してしまうというわけですね。
で、ローンにその皺寄せがくる
という結果を招くことになります。

さらに、南向きにこだわれば
自然と2階建ての家になる可能性が高くなります。
全ての部屋を南向きにしなければ
家が暗くなると思っているとしたら、
陰になる場所に部屋を配置することに
抵抗が生まれるからです。

そして、望んでもいないのに
出来てしまった庭(余白)の維持管理に
四苦八苦しながら暮らし続けることになります。

かつ、使い慣れていないし住み慣れてもいない
2階建ての家を上手く使いこなせず、
片付けや掃除、洗濯に余分な手間を取られることになります。
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そんなわけで今回は、
もう1つの光である「天空光」について
お伝えしようと思っている次第です。

「天空光」とは、
太陽光が大気中の水蒸気や塵などで乱反射した光のことで、
直射光ほどの熱の高さや明るさ・眩しさがない一方で、
方向性がないため均一した採光を得ることが出来るという
特徴を持っている光のことですね。

つまり「天空光」の存在さえ
あらかじめ知っておくことが出来れば、
直射光だけに頼らなくても
安定した採光を確保することが出来るというわけです。
もちろん、たとえ日当たりが悪そうな土地だとしても、です。


✔️直射光じゃなきゃダメなところと直射光じゃなくても良いところ

家を建てる前に知っておいてもらいたいことが、
自分にとって直射光じゃなきゃダメなところと
直射光じゃなくても良いところが
どこなのかということです。

例えば、リビング。
ほとんどの家がリビングに直射光が
ガンガン差し込むように設計しますが、
ここに日光が入り過ぎるとかえって快適じゃなくなってしまいます。
テレビの画面も見にくくなりますしね。

一方で、洗面や脱衣。
これらも含めて水回りは南以外に配置されることが多く、
かつ窓も小さめに設計されることが多いのですが、
そうなれば薄暗くジメッとした空間が生まれやすくなります。
明るくカラッとした場所にしたいと思っているにもかかわらずです。
基本、室内干しをする方なんかはなおのことそうではないでしょうか。

続いて、寝室。
ここは文字通り寝るだけの部屋であり、
太陽が沈んでいる時間しか使っていない部屋ですが、
ではこの部屋を南向きでつくる意味はありません。

子供部屋も然りですよね。
南向きにすれば日中ずっと太陽の光が入り続けるため
かえって勉強に集中しにくくなってしまいそうです。

このように、家を形成する1つ1つの部屋が
一体どちらの光が必要なのかを自分なりに考えてみると、
案外直射光にこだわる必要ってないんだなと気付けるため、
結果的に、ずいぶんと間取りに自由度が生まれることになります。

ヒアリングの際に、
丁寧に部屋の位置まで指定しなくてよくなるからです。

そして、土地に合わせた
より暮らしやすくてより快適な住まいを
つくりやすくなります。

日陰でも部屋を配置しても問題ないと知っていれば、
敷地をフル活用出来るようになるため
「2階建てだけしか無理!」と思っていた土地でも
平屋を建てることが出来ますしね。

というわけなので、
光には「直射光」と「天空光」の
2つがあるということを
覚えておいてもらえたらと思います。

それでは、また次回。
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vol.106 資金計画の真意 その2

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「資金計画の真意 その2」です。

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前回お伝えさせていただいたように、
家づくりではほぼ確実と言っていいほど
理想の家づくりと理想の返済の間に
大きなギャップが生まれます。

そして、そのギャップを埋めるために
まずは土地や家にかける予算を
再考していただいているのですが、
多くの場合、それだけではこのギャップを
完全に埋めることが出来ないため、
このタイミングで
預金・投資・保険の見直しをすることをオススメします。

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例えば、銀行から3500万円を
金利1.4%(全期間固定金利)で
借り入れしなければいけない場合、
35年ローンだと
毎月105,458円の返済になりますが、
例えばこれを40年ローンにしてみただけで
95,270円まで返済額がダウンします。

つまり、毎月の負担が約1万円減るため
その分、家計にゆとりが生まれるということですね。

考え方によっては
可能な限り返済を長くし、その約1万円の浮いたお金で
長期積立投資を行っていただくこともいいと思います。

とはいえ、
返済期間を長くするということは、
ローンに縛られる期間が長くなるだけだし、
利息の支払いが増えるだけなので、
ダメじゃないかと思ってしまう方も
決して少なくないかと思います。

ですが、住宅ローンの金利の中には
団体信用生命保険という
掛け捨ての生命保険料が含まれていて、
債務者にもしものことが起こった場合、
住宅ローン返済の義務から解放されるという
大きなメリットが存在しています。

ゆえ、繰上げ返済することによって
返済期間を圧縮していく必要もないという考え方もできます。

かつ、この死亡保証があることを考えると、
現在入っている生命保険を
全て見直してもいいでしょう。

もしものことが起こった場合、
住宅ローン返済という大きな固定費がなくなると共に、
債務者の生活費や車の維持費などもなくなり、
逆に遺族年金が入ってくるため、
たちどころに生活が苦しくなる可能性はほぼゼロに近いからです。

そんなわけで、
借入期間は出来るだけ長くしてもいいし、
かつ、この保証があることから
必要なさそうな生命保険を全て解約し、
これらの余剰資金を全て長期積立投資に回し、
ローンの金利よりも上回る利益を出していくという考え方もあるということを
知ってもらえればと思います。

それでは、また次回。

vol.105 資金計画の真意 その1

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「資金計画の真意 その1」です。

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「家づくり」は誰もが初めての経験であるもの。
ゆえ、住宅会社側から
予算や希望する家の大きさについて
質問を投げかけられても
「どう答えていいのか分からないから困る」
というのが本音ではないでしょうか。

実際、人から聞いた情報や
ネットやSNSなどから仕入れる情報で
なんとなくこれくらいなんだろうなー
という指標を知ることは出来るものの、
あくまでそれは平均的な指標であって
必ずしもそれが自分にとってベストだとは限らないわけですし。

そんなわけで予算を導き出していくという作業を
最初のステップとして行ったほうがいいです。
いわゆる「資金計画」という作業ですね。

では、資金計画とは
一体どのようなものなのか。
何をどのように決めていくのか。
これについて今回はお伝えしていきたいと思います。

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✔️理想と現実のギャップを埋める作業

どんな場所に住みたいかやどんな家を建てたいかを
先に考えてから予算を組んでいくのではなく、
まず総予算を算出してから
どんな場所に住みたいかやどんな家を建てたいかを
考えたほうがいいと思います。

理由は、自分たちの理想と現実(理想の家づくりと理想の返済)
との間に生じるギャップがどれくらいあるのかを
知っていただきたいからです。

これを知らないまま家づくりを進めてしまうと、
今後とんでもない状況が
待ち受けることになるかもしません。

例えば、自分が住みたい場所で
自分が建てたい家を建てるとなると
諸経費なども含めると4500万円かかるとしたら、
一方で、固定金利で毎月の返済を
9万円以下に抑えたいとしたら、
借入を3000万円にしないといけないため、
理想の家づくりと理想の返済を両立するためには、
1500万円前後もの自己資金を
準備していただかなくてはいけないのですが、
身内から多額の資金援助でもない限り
これだけの自己資金を準備出来る方は
そうそういらっしゃらないと思います。

ゆえ、こういう状況に陥った場合、
単純にローンの負担を増やすしか手段がなくなってしまいます。

仮に準備出来る金額が500万円なら
借入が1000万円増えるため
毎月の負担を3万円アップさせるか、
あるいはそのアップは流石にキツいので
返済金額を抑えたいとなれば、
金利が安い変動金利を選ぶことで
そのアップを1.5万円までに抑えるか、
という感じですね。

ただし、変動金利を選ぶ場合は、
金利が上がることによって
下手をしたら3万円以上負担が上がってしまうかもしれない
というリスクは今後ずっと抱えていくことになります。

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一方で、準備出来る自己資金と
毎月の返済金額を先に算出した上で、
家づくりを進めるようにすれば、
自己資金500万円と借入3000万円を合計した3500万円の中で
どのような土地を買い、どのような家を建てればいいかを
あらかじめ理解した上で土地選びと設計が出来るようになります。

つまり、今後の暮らしに
大きな負担や不安を背負うことなく
家づくりをすることが出来るというわけですね。

とはいえ、口で言うのは簡単ですが、
実際のところ、理想と現実の間に生じる
1000万円ものギャップを埋めるのは
そう簡単なことではありません。

つまり、家づくりの予算を抑えるために
選ぶ土地や建てる家を見直したとしても
1000万円もコストを落とすのは流石に難しいというわけですね。

ゆえ、弊社では住宅ローン選びや各種保険の見直し、
そして貯蓄の手段の見直しなどをアドバイスしたり
提案させていただくことによって、
家づくりを見直すだけではカバーしきれない部分を
完全にカバーするようにしております。

というわけで次回は、
家づくり以外の部分である
お金のことについての見直しや提案を
どのような考えをもってさせていただいているのかについて
お伝えしていきたいと思います。

建築資材の高騰によって
建築代が上がっている現在では、
この作業はとっても大事なことであり、
これから家を建てるのであれば
例外なく誰もが真剣に考えるべきところだと思うので、
次回もぜひご覧いただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.104 最もバランスがいい土地

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「最もバランスがいい土地」です。

------
土地を買うとしたら
東向きか西向きの土地がベターなのかなと思っています。
というのも、南向きの土地よりも安く購入出来るし、
防犯対策やプライバシー確保のために
建築費や外構費に余分なコストをかける必要もないからです。
(詳細は前々回のブログを参照)

また、北向きの土地のように
外観が不細工になりやすかったり
外壁の汚れが目立つこともないからです。
(詳細は前回のブログを参照)

そんなわけで
防犯対策やプライバシーの確保が比較的しやすく、
外観を美しくつくりつつ保ちやすい東・西向きの土地が
コスト面で考えてもベターだと思っているわけですが、
とはいえ、これらの土地にも「ならでは」のデメリットもあるので、
それを設計によって解消出来るかどうかが
いい家になるかどうかの大きな分かれ目になります。

では、東向きや西向きの土地が抱え持つデメリットとは
一体何でしょうか?


✔️採光問題

東向きや西向きの土地は、
北向きの土地同様に
基本、南にお家が建っているか、
今後建つことになる可能性が高いため
採光の確保が難しいという特徴があります。

ゆえ、設計によって
その問題を解決しなければならないのですが、
これを解決するためには、

A:南の建物から充分な距離をとった場所に
直射日光を入れたい部屋を配置する

B:南の建物から充分な距離がとれない場合は
吹き抜けをつくり高い位置から光を取り込む

この2つの手段のいずれかを採用します。

しかし、Aの手段を選択する場合、
敷地の南にたっぷり余白をつくりつつ
全ての部屋が南向きの2階建てを建てようとすると、
「リビングからの眺めが悪い」という問題と
「外構工事のコストが高くなる」という
問題が発生してしまいます。

リビングからの眺めが悪くなるのは、
南に建つ建物の裏側が景色になるから。
つまり、勝手口や換気扇、エアコンの室外機や給湯器などを
見ながら暮らすことになるからですね。

外構工事のコストが高くなるのは、
単純に土地の余白が増えるから。
そして、景色の悪さをカバーするためにお洒落な塀を立てたり
手の込んだ外構をしなければいけなくなるからです。

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ゆえ、東向きや西向きの土地に家を建てる場合は、
北向きの土地に家を建てる時同様に
「中庭」という手段がベターじゃないかなと思っている次第です。

直射日光が当たらなくても
天空光や反射光を上手く利用すれば
まるで直射日光が差し込んでいるかの如く
部屋を明るくすることが出来るので、
玄関やホールや水回りはもちろん
寝室や子供部屋などの直射光が必要じゃない部屋は
日陰となる場所に配置しても別段問題ないと思います。

敷地を有効活用することで
無駄な余白をなくすことが出来れば、
外構工事のコストも大幅に削減出来るし、
効率よく採光さえ確保出来れば、
家の正面に採光確保のための窓を設ける必要がなくなり、
外観が美しくなると同時に
防犯性がグンとアップすることから
さらに外構工事のコストが削減出来ますし。

ただし、こういった家の建て方は、
建築コストが割高になるというデメリットがあるため、
建築コストを抑えるための工夫が必要にはなります。

その工夫をしなければ、
外構工事のコストは削減出来たけど、
それ以上のコストが建築費にかかってしまった
なんてことになりかねませんからね。

というわけなので、
こんな建て方をしているお家に興味を思ってくださったなら、
一度SIMPLE NOTEの家を見に来ていただけたらと思います。
きっと今回のご説明の答え合わせが出来るはずです。

それでは、また次回。

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vol.103 北向きの土地はダメなのか?

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「北向きの土地はダメなのか?」です。

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一般的に考えて
北向きの土地を積極的に買おうとする人はそういません。
北向きの土地は日当たりが悪いことが多いからです。

なんせ、すぐ南に隣接して家が建っているのは当たり前で、
その上、東や西まで家に囲まれていたら
まさに四面楚歌状態ですからね。

そんなわけで北向きは
そうじゃない土地に比べて価格が安く設定されているし、
かつ価格交渉にも応じてもらいやすい
というメリットがあるのですが、
とはいえ、そうは言っても光が入ってこないというのは
家を建てる上で致命的なデメリットとなりそうなので、
たとえ安く土地が買えるとしても
なかなか手が出ないのが普通だと思います。

また、北向きの土地には
先程申し上げた顕在化されたデメリットの他、
家が完成するまで気が付きにくい潜在的なデメリットもあり、
これが北向きの土地を買ったことを
さらに後悔させる原因となりかねません。


✔️家が汚くなりやすい

北向きの土地は2つの意味合いで
家が汚くなりやすいというデメリットを備え持っています。

1つ目が外観がカッコ悪くなりやすいことです。
なぜなら、北向きの場合、
洗面、トイレ、お風呂といった水回りや階段スペースなどが
正面となる北面に配置されやすいからです。

つまり、正面に窓がたくさん出来やすい上、
その形や高さなども不均一になりやすいから。
かつ水回りに必須である換気扇なども正面につけられやすいため、
どうしてもスッキリとしない外観になりやすいというわけですね。

場合によったら、
勝手口が正面につけられることもあるし、
給湯器やエアコンの室外機などが
正面に置かれることもあり得ますしね。

2つ目は1つ目を原因とする二次的な被害ですが、
窓から垂れ流れる雨水によって出来る「垂れじみ」や、
換気扇の下に出来る黒い汚れなどが
家の正面に出来てしまうということです。

直射日光が全く当たらない北面は
なおのことこの汚れが出来やすいので、
住んで数年後には見るも無惨な姿になっていることだって
充分あり得ると思われます。

ゆえ、北向きの土地で家を建てる時は、
日照問題と外観問題が同時にクリア出来るように
間取りを設計していかないといけません。


✔️設計とは土地の問題解決手段

例えば、日当たりが悪い土地で
リビングに充分な光を届けるためには、
土地がそれなりに広い場合は、
直射日光を入れたいリビングを
南に建つ家から充分な距離をとった場所に配置し、
中庭をつくりつつ
リビングの南につくる建物を平屋にするという手段があります。

こうすることによって
光を阻害する障害物がなくなるので、
安定的に光が入ってきます。

また、土地がそれほど広くない場合、
つまり中庭をつくる余裕がない場合は、
リビングに吹き抜けをつくるという手段があります。
1階に充分な光が差し込まないのであれば、
より高い位置から光を取り込めばいいからです。

階段や水回り至っては、
思い切って南に配置すると良かったりします。
階段は吹き抜けとなっているため階段を南につくれば
それだけで自然と光をたっぷりと家の中に取り込んでくれるから。

水回りは南に配置すれば
統一性のない窓や換気扇などを全て家の裏に隠すことが出来るから。
また、中庭がある場合などは
中庭から光を入れれば採光問題もあっさり解決しつつ、
洗濯動線までも抜群に出来るからです。

そんなわけで今回の話の結論としては、
北向きの土地は一般的に最も敬遠されがちですが、
こういった解決策を知っている住宅会社からすると、
実はそう悪くない土地だということです。
いやむしろ価格をグンと抑えられることから
前向きに選んでいただいてもいいと思っています。

というわけで、これから土地をお探しの方は、
ぜひこの記事を参考にしつつ土地探しにのぞんでみてください。

それでは、また次回。
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vol.102 表だけではなく裏も見る

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「表だけではなく裏も見る」です。

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土地探しをしている誰もが
「土地を買うなら南向きがいい」
とお考えになると思います。

間違いなく日当たりが良いし、
全ての部屋を南向きに出来そうだし、
洗濯物もよく乾きそうだし、
お布団も干しやすそうだというイメージが
頭の中に膨らむからです。

そんなわけで南向きの土地は、
土地探しをしている方たちから
絶大なる支持を得ているわけですが、
そんな多くの方の心を魅了する
全く非の打ちどころのなさそうな
この南向きの土地でさえ
実は大きなデメリットが存在します。

というわけで今回は、
南向きの土地が持つ大きなデメリットについて
お伝えしていきたいと思います。

もちろん南向きに限らず全ての土地が
メリットとデメリットの両面を持ち合わせていて、
そのデメリットの多くは設計によって
解決することが出来るのですが、
この南向きの土地に関しては、
南向きのメリットが設計による
デメリットの解決を阻みやすいという
なかなか厄介な問題を抱えており、
これをスッパリと解決するためには、
建てる方の理解が必要となってくるので、
ご理解いただく意味も込めてお伝えしていきたいと思います。

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✔️予算が大幅にアップする!?

ズバリ南向きが持つ最大のデメリットがこれです。
なぜなら、土地代はもちろん、
建築代や外構代までも割高になってしまうからです。

土地代が高くなる理由は、
"みんなが欲しがる=「供給<需要」"
という図式が出来上がりやすいからです。

つまり、人気がある南向きの土地は
労力をかけなくても売れやすいため
そもそも価格が割高に設定されているし、
値引き交渉にも応じてもらいにくいことから
高く買わざるを得ないというわけですね。

では、土地が高い理由は分かるにしても
なぜ建築代までも上がってしまいやすいのでしょうか?

その理由は、南向きの土地が
最もプライバシー性と防犯性が悪くなりやすいからです。
せっかく日当たりが良い南向きの土地を買った理由は、
出来るだけ全ての部屋を南向きでつくり、
南向きの窓からたくさんの光を入れたいからだと思いますが、
そうすれば居住スペースが四六時中丸見えになってしまいます。

ゆえ、外からの視線をシャットアウトするために
それらの窓には全て遮光カーテンをつけなくてはいけなくなります。
レースカーテンだけでは丸見えを防ぐことが出来ないからです。

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また、南向きの土地で
南向きに窓をたくさんつくるということは、
向かって正面にガラスが多くなるということでもあるので、
台風の時や強風の時に何かが飛んできても大丈夫なように、
シャッターもつけざるを得なくなります。
旅行などで数日間家を空ける時は、
防犯のためにシャッターを閉めておきたいでしょうしね。

そんなわけで、大きな窓の数だけ
高価な遮光カーテンとシャッターという
オプション工事が必要になるというわけです。

外構に関しても、
防犯とプライバシー強化のための工事が必要になるのが
コストアップの大きな要因です。

ウッドデッキをつくるにしても、
丸見えの場所にオープンでつくると
使いたくても恥ずかしくて使えなかったり、
家族でバーベキューをするにしても、
プールをするにしても、日向ぼっこをするにしても、
あまりに丸見えだと気が引けちゃいますね。

そんなわけで、
家の中をカーテンで隠すのと同様に、
目隠しのために塀をつくることによって
ウッドデッキスペースを見えないようにせざるを得ない
というわけです。

かつ、家のカーテンや窓を少しでも開けられるように、
目隠しのための植栽やフェンスを
つくってもらわざるを得なくなるというわけです。

要は、日当たりが良い土地を買ってしまったがために
日当たりがいい間取りをつくらないといけない
という作用が働き、それが結果的に
防犯性とプライバシー性の悪さを招き、
それを解決するために
先程申し上げたような解決策を講じなければいけなくなり、
土地だけじゃなく家も外構も
コストアップさせてしまうというわけですね。

そして、必然的に借入額が増加するというわけです。
図式としては、不動産屋もより儲かり、
建築会社もより儲かり、外構屋もより儲かり、
銀行もより儲かるのに対し、
建てた方だけが負担が上がるという感じです。

なので、
巷では無敵のように扱われている南向きの土地と言え、
経済的なデメリットが存在すること、そしてそのデメリットは
ともすれば最も厄介なものかもしれないことを
ぜひ知っておいてもらえたらと思います。

それでは、また次回。


vol.101 おうち時間を豊かにするために最も大切なこと

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「おうち時間を豊かにするために最も大切なこと」です。

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例えば、リビングやダイニングに設けた大きな窓から
いつも外が感じられるとしたら、
そして空に浮かぶ雲や太陽の光線、
光り輝く星空を当たり前のように見ることが出来るとしたら、
暮らしがより心豊かなものになるのではないでしょうか。

想像してみてください。
晴れた日の朝、
サンサンと朝日が射し込む明るいダイニングテーブルで
外を感じながら朝食をとる姿を。

また、気候がいい時期の休日に
外であるにもかかわらず人目を気にすることのない
デッキテラスでまったりと朝食をとる姿を。

想像してみてください。
照度を抑えた落ち着いたリビングで
デッキテラスに飾られている
ライトアップされた植栽と星空を眺めながら
まったりとソファーで過ごしている姿を。

また、デッキテラスに出て
キラキラと輝く星空の元、ランタンに火を灯し
まるでキャンプ気分で、家族みんなで夕食を食べている姿を。

想像してみてください。
しんしんと雪が舞う中、
うっすらと雪化粧されたデッキと外用のクリスマスツリーを
暖かいリビングから眺めている姿を。

いかがですか?
これらは全てSIMPLE NOTEのお家で体験出来ることばかりなのですが、
きっと、とっても素敵な暮らしだと
感じていただけたのではないでしょうか。

さて、今回はおうち時間をより豊かにするために
最も大切な要素となる「窓」について
お伝えしていきたいと思います。

内容としては、窓が担う3つの役割と
その役割をまっとうしてもらうために
必要なたった1つのことについてです。

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✔️窓が担う3つの役割

窓が担う役割は、
「光を家の中に届けること」
「風が通る家にすること」
「外との一体感を出すこと」
この3つなのですが、
実際に建っているお家を見渡してみると、
およそ90%以上のお家が、
この3つ全てを実現出来ていないのではないでしょうか。

理由は、全ての窓が
カーテンありきの設計になっているからです。
つまり、カーテンによって
光や風はもちろん、外とのつながりまでも
シャットアウトされてしまっているからというわけですね。

ゆえ、この3つを全て実現するためには、
カーテンありきで窓を考えないようにしなければいけません。
カーテンありきで窓を考えてしまうと、
どれだけたくさん窓をつくったとしても
それに比例して家が明るくならない上に、
窓が増えたことによって窓にかかるコストも増えるし、
カーテンにかかるコストも増えるし、
シャッターにかかるコストも増えるし、
窓掃除の手間も増えるし、
家の壁が減ってしまう分、
家の耐震性も悪くなるし、
家の断熱性能も悪くなるし、
家具のレイアウトもしにくくなるし、
収納もつくりにくくなるし、
なにより窓が増え過ぎると
戸締りの心配や防犯面の心配が増えてしまいますからね。
窓が多くなればなるほど、
外壁の汚れも目立ちやすくなりますしね。

そんなわけで、
SIMPLE NOTEの家ではカーテンありきの窓を
全くつくらないようにしているというわけです。

そしてその結果、
窓の数を減らすことが出来、
窓のコストも削減出来るし、
カーテンコストも限りなくゼロに近くなるし、
シャッターも全く必要ないし、
窓掃除の手間もグンと減るし、
耐震性も断熱性も高くなるし、
家具のレイアウトに困らないし、
収納も少なくならないし、
戸締りの心配もしなくていいし、
なによりプライバシーが担保されるため、
冒頭でお伝えしたような
開放的で贅沢で豊かな暮らしを
日々送ることが出来るというわけですね。

窓をたくさんつくれば
家が明るくなるわけではないということ。
また、窓をたくさんつくれば、
風通しが良くなるわけでもないということ。
そして、窓をたくさんつくれば、
開放感が出るわけでもないということ。

この3つの事実は
思っていた事実とは真逆のことかもしれませんが、
悲しいかなこれが現実なので、
このような考え方があるということも
ぜひ知っておいていただけたらと思います。

きっと、より豊かな住まいづくりが
出来るようになるはずです。
それでは、また次回。
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vol.100 明暗をくっきり分ける小さなお家

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「明暗をくっきり分ける小さなお家」です。

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コロナ前に比べて現在は
同じ大きさで家を建てようとしたら
4~500万円ほど値上がりしてしまったため、
予算を大幅に上げることなく家づくりを行うためには
家のサイズを小さくせざるを得ません。

とはいえ、家のサイズダウンは
やり方を間違えてしまうと使いにくくなると同時に、
やがて老後を迎えた時、大きな出費を招く恐れがあるので、
間取りづくりを間違えないようにしなければいけません。

例えば、割安に家を建てようと思ったら、
1階と2階の大きさが同じいわゆる「総二階建て」
にするのが一番手っ取り早いのですが、
建売住宅やハウスメーカーの企画住宅などに多いこの建て方は、
お子様が小さい家庭にとって最も使い勝手が悪く、
家が散らかりやすくなります。

この建て方にする場合、
寝室と子供部屋が99.99%、2階につくられることになる上、
リビングダイニングの広さによっては
1階に部屋をつくることはもちろん、
いつも使うものや衣類をしまっておく収納すら
つくることが出来ないからです。

想像してみてください。
子供たちがいつも遊ぶ場所は一体どこでしょうか?

お母さんやお父さんの姿が見えない
2階にある自分の部屋ではなく親の姿が見えるリビングですよね。

では、そこに出したおもちゃを遊び終わったらいつも片付けて
2階にある自分の部屋まで持っていくでしょうか。
間違いなくそんなことしませんよね。

想像してみてください。
ご主人や子供たちは、パジャマやいつも着る服を
いちいち自分の部屋まで片付けに行ってくれるでしょうか。
これもそれほど期待出来ませんよね。
だって、どうせ毎日着るのなら
リビングのソファーやダイニングの椅子にでも
引っ掛けておく方が絶対に使い勝手いいですもんね。

以上のような理由から、小さな総二階建ての家は、
リビングやダイニングが散らかりやすくなるというわけです。
それどころか散らかった状態が
常態化してしまうというわけですね。

洗濯の動線にしても
上下を行ったり来たりしないといけない複雑な流れになるため、
これを原因とする片付けのやりにくさから
家が散らかりやすくなってしまいますしね。

また、1階に部屋も収納もないこのような住まいは、
足腰が丈夫な若いうちは使い勝手が悪いぐらいで済むものの、
歳をとり足腰が弱ってしまったとしたら
とっても暮らしにくい家になります。

そして、その問題を解決するために
1階に部屋と収納を増築せざるを得なくなり、
再び数百万円という出費を余儀なくされてしまいます。

大切な老後資金から捻出するか、
あるいはその資金が貯まっていない場合は、
リフォームローンを組むことによって。
おそらくまだ住宅ローン返済が終わっていない状態でです。

そんなわけで、家を小さくする場合は、
こういった問題にも配慮しながら
あらかじめ間取りを考えるといいです。
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✔️コストと使いやすさの両立

では、コストを抑えるために
家の面積をカットしながら使いやすく無駄な出費が防げる
家を建てるためには一体どのようにすればいいのか?

まず優先して考えるべきは「平屋」にすることです。
平屋にすれば階段も省けるため
より面積を抑えることが出来るし、
全ての部屋と収納が1階に集約されれば、
多少、部屋や収納が小さくなっても別段支障がないからです。

ただし、平屋にすれば面積を小さく出来るものの、
土地面積はそれなりに必要になってしまいます。
かなり家をコンパクトに出来るのであれば
50坪あればいけますが、
出来れば55坪は欲しいところですからね。

ゆえ、家のコストも抑えつつ
土地や外構にかける費用も抑えるとなれば、
「平屋」という選択肢ではなく、
使いやすさと経済性を両立した
2階建てにするのがベターかもしれません。

つまり、1階に子供部屋か寝室と
いつも使うものや衣類をしまう収納をつくっておくのが
いいのではないかというわけですね。

こうすれば、
子供たちが小さいうちもリビングが散らかりにくくなるし、
老後に増築をする必要もありませんしね。

2階に部屋を持っていった分だけ
土地面積を小さく出来るので、
土地代も削減出来るわけですしね。

というわけなので、
これから土地を買って家を建てようとお考えの方は、
こんな考え方もあるということを
ぜひ覚えておいていただけたらと思います。

それでは、また次回。
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vol.99 物価上昇と家づくり

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「物価上昇と家づくり」です。

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20年前は20%台だった日本のエネルギー自給率は
今や約10%に減っているし、
約50%あった食料自給率も約40%まで減っているため、
現在、日本が招いている円安は家計に大きなダメージを与えます。

実際、すでに大幅に値上がりした食料品もたくさんあるし、
肥料の価格も大幅に値上がりするため、
近い将来、野菜やお肉などにも
その値上がりが反映されることでしょう。

また、電気料金にしても
この1年で3割上がったとか、
12ヶ月連続値上げだとか、
「えっ?そこまで?」という
劇的な値上がりを見せている状態であり、
これらの値上がりが
きっとボディブローのように
ジワジワと効いてくるのは
間違いないのではないでしょうか。

とまあ、景気の良し悪しに関係なく、
また給料が増える見込みも少ない中、
ガンガン物価上昇だけが進んでいる日本ですが、
御多分に洩れず、こと住宅価格においても
高止まりした状態で
落ち着くんじゃないかと言われています。

そんなわけで、
こんな状況の中で家を建てるとしたら
どうすればいいのかについて
今回はお伝えしていきたいと思います。

おそらく平均すると
1年前に比べて4〜500万円ぐらい
値上がりしていると思うので、
そんな値上がりの中でも、
負担を増やさないようにするための
具体的な手段についてです。

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✔️返済年数を5年延ばす

500万円値段が上がれば、
そのまま借入が500万円増えることになると思いますが、
返済年数を35年のままでこれを試算すると
返済負担が1.5万円ほど上がります。

ゆえ、個人的には返済年数を5年延ばす
という選択をとっていただいてもいいと思っています。

そうすれば
毎月の返済負担が上がらないからです。
かつ、住宅ローンには
債務者にもしものことがあった時、
住宅ローンの残債がゼロになるように
掛け捨ての生命保険料が含まれているので、
家を建てるタイミングで
必要以上に加入している生命保険を
見直してもいいと思っています。

というわけで、
この2つを実行することで
まずは負担を上げないようにしてください。

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✔️太陽光発電を設置する

そして、もう1つやって欲しいことが
太陽光発電の設置です。
理由は単純明快で、
電気料金は確実に今後も上がり続けていくからです。

政府は電気料金の安定のために
原発の再稼働に前向きですが、
おそらく再稼働はそんなに簡単じゃなさそうです。

ゆえ、買取金額が低いから
設置すべきではないという意見は
鵜呑みにしないでください。

現在は、儲けるために
太陽光発電パネルを設置するのではなく、
高騰していく電気を電力会社から
買い続けなくてもいいようにするために
設置するという考え方になっています。

かつ、次に購入する車を
電気自動車にするつもりだとしたら、
そのタイミングで蓄電池を設置することも
視野に入れておいてもいいかと思います。

蓄電池を設置すれば、
夜の電気も電力会社から買わなくて済むので
さらに電気料金が格安になるし、
車1台分の燃料代もいらなくなりますしね。

もちろん、
蓄電池の設置に費用はかかるので、
これに関してはきちんと
採算が合うかどうかを計算した上で
設置すべきではありますが...。

以上が、これから家を建てる方に
知っておいていただきたいことであり、
ぜひ実行してもらいたいことです。

厳しい物価上昇の中、家を持つことは
これまで以上に金銭的な不安を感じると思いますが、
この2つを実行すれば、
きっと大丈夫だと思っているので、
ぜひ参考にしていただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.98 白をベースにする理由とその合わせ技

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「白をベースにする理由とその合わせ技」です。

------
「白」という色は、
「熱を吸収しにくい」ことと
「光を反射しやすい」という
特徴を持っていることから、
SIMPLE NOTEの家では「白」を外壁と内装の
メインカラーとして使用しています。

熱を吸収しにくい「白」を外壁に使えば、
家の中が暑くなりにくいし、
光を反射しやすい「白」を室内の壁と天井に使えば、
光が家全体に拡散しやすく家が明るくなりやすいからです。

とはいえ、ただ単に「白」を外壁に使えば
それだけで快適性が増すわけではなく、
それに加えて良い断熱材を使うという合わせ技が大事なように、
室内とて、ただ単に「白」をメインに使えばそれだけで
家が明るくなるわけではないので、
今回は、どんな土地でも明るい家を実現するための
合わせ技についてお伝えしつつ、
最後に内装を「白」でまとめている
もう1つの理由についてお伝えしていきたいと思います。

では、まずはどんな土地でも
明るい家を実現するための
合わせ技についてから。

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✔️カーテンがいらない家にする

壁や天井で光を拡散するためには、
そもそも家の中に光を入れないといけません。
ゆえ、窓をつくるわけですが、
設計の時に熟考しないといけないのが
この窓のつくり方です。

というのも、闇雲に窓をたくさんつくっても
カーテンがセットになって
ひっついてくるような窓ばかりでは、
充分な光が家の中に入ってこないからです。

SIMPLE NOTEの家では基本カーテンがいらない窓しか
つくらないようにしているのですが、
この合わせ技をやった結果、
たっぷりと室内に光が入ってくると同時に、
窓の数が減りその分コストが削減出来るし、
さらにカーテンもいらないので、
もっとコストを削減することが出来ます。

また昼間から照明をつける必要もなくなるので、
高騰していく電気代も削減することが出来ます。
(曇りの日でも必要ないレベルです)


✔️ハイサッシを使う

そして、窓に関するもう1つの工夫は、
光をたっぷりと採り込みたい窓は
天井まで高さがあるサイズのものを使うということです。

つまり、一般的に使われている
窓の高さは2mですが、
2mは使わず天井と同じ高さの
2m40cmを使うということですね。

わずかこれだけのことですが、
これだけでも窓から入ってくる
光の量が格段に変わります。

というわけで、
カーテンがいらない窓にしつつ
メインで光を入れる窓をハイサッシにする、
という合わせ技をすることで、
「白」による光の拡散効果を
最大限に高めているというわけですね。

では最後に、
「白」を内装のメインカラーとして使っている理由、
もっと言うと内装をシンプルにしている理由について
お伝えしていきたいと思います。


✔️内装をシンプルにする理由

それは、いざ生活しだすと、
家の中がたくさんの色で氾濫することになるからです。

つまり、ただでさえ
いろんな色で氾濫することになるのに、
その下地となる内装にまで
色をたくさん使い過ぎてしまうと、
家の中がゴチャゴチャし過ぎて
リラックスした状態で
過ごしにくくなってしまうからですね。

ゆえ、SIMPLE NOTEの家では、
基本壁と天井の色を「白」にすると共に、
室内ドアの色も「白」にし、
かつ、そのほかの様々な部材も
「白」にしているというわけですね。

いわば、家具や雑貨、そして生活用品などが
そこに加わることを前提として
家をコーディネイトしているという感じでしょうか。

確かに、白を基調とした
色をほとんど使っていない室内は、
なんだか病院を連想させそうだし、
味気なく物足りない感じがしてしまうかもしれません。

しかし、大切なことは、
全てのアイテムが揃った時、
その空間がどうなるかだと思っています。

なので、これから家を建てようとお考えの方は、
こういった考え方があることも
ぜひ知っておいていただければと思います。

それでは、また次回。

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vol.97 これから土地を買って家を建てる方へ

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「これから土地を買って家を建てる方へ」です。

------
原材料費の値上がりによって
家の価格は約20%値上がりしているのですが、
残念ながらおそらくこの価格は高止まり状態が続くと予想されます。

ゆえ、住宅ローンの負担を軽減するために、
実家に土地があるなら
そこに家を建てるという選択肢を
これまで以上に前向きに検討した方がいいと思っているのですが、
もちろん、みんながみんな
その選択肢があるわけじゃないと思うので、
今回はその選択を取れない方、
つまり土地を買わないといけない方が
住宅ローンの負担を軽減するためには
どうすればいいのかについて
お伝えしていきたいと思います。

結論から申し上げると、
土地を買って家を建てる方が
やるべきことはシンプルにたった2つ。
「土地の面積を少しでも小さくすること」と、
「家の面積を少しでも小さくすること」です。

では、それぞれのやり方を
お伝えしていきたいと思います。

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✔️土地の面積を少しでも小さくする

例えば、
家を建てるにあたって必要な土地の広さは
家+家の周囲スペース+駐車スペースですが、
仮に必要な駐車スペースが3台で
建てたい家が約30坪の平屋だとしたら、
これを実現するためには
最低約55坪の土地が必要となります。

そして、その地域の
土地の価格相場が20万円だとしたら、
単純に土地代に最低1100万円かかることになります。

もちろん、自己資金(貯金・贈与)が多く、
この土地を買ってもローン返済的に全然問題ないのであれば
そのままゴーしていただいても構いませんが、
資金計画の結果、予算を落とすべきだとなったとしたら、
もっと価格が安い地域で土地を探すか、
あるいはそれが嫌だとしたら
土地の面積を削るという選択を取るしかありません。

単純に土地面積を10坪小さくして
45坪の土地を買うようにすれば、
20万円×10坪=200万円も
予算を落とすことが出来るからです。

もちろんこの場合、
土地が10坪小さくなった分、
家に取れる面積も10坪減ることになるので、
家にそのままの広さを求める場合、
平屋は諦めざるを得ず、
どこかの部屋を2階につくらなければいけないのですが、
設計のやり方さえ間違えなければ、
家がコストアップすることもなければ、
住みにくくなることもありません。

理由は、1階部分で20坪取ることが出来るとしたら、
1階には玄関・ホール・土間収納・
LDK(階段)・水回り・中庭に加えて、
寝室とウォークインクローゼットまで
充分取ることが出来るからです。

つまり、子育て期間中にしても、
やがて老後を迎えたとしても、
1階に備わっておいて欲しい
スペースが全て揃ってさえいれば、
建てた後ずっとなんの問題もなく
暮らし続けられるからというわけですね。

そんなわけで、
住む地域を妥協したくないという方には、
こういった柔軟な考え方を持っておいていただくことを
オススメしている次第です。

土地代で200万円削ることが出来れば、
建築コストの上昇を
全て吸収することは出来ずとも、
大幅な負担増は回避出来るわけですからね。

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✔️家の面積を小さくする方法

そして、土地同様に
小さくした方がいいのが家の面積です。
当たり前のことですが、
家が小さくなれば
その分確実に価格も減少するからです。

では、家の面積を小さくするためには、
何をどのようにすればいいのか?

まず削減すべきは、
部屋でもなく収納でもなく「廊下」です。
これに関しては、間取りのつくり方次第で、
1坪〜1.5坪ほど削れるはずなので、
40万円〜60万円ほどコストを削減出来ると思います。

次に考えるべきが「部屋の数」です。
単刀直入に申し上げると「客間」のことですね。
というのも、仮に時折親御さんが泊まりに来るとしても、
わざわざそのために部屋をつくらずとも、
自分の部屋で寝ていない
小さな子供たちの部屋で寝てもらえばいいからです。

そして、この部屋をつくらなければ
3坪ぐらい面積を削減出来るので、
ざっと考えても150万円ぐらいは
コストを削減出来ると思います。

最後に考えるべきは
寝室や子供部屋などの広さですね。
今の家は昔の家に比べて
ずいぶんと収納が充実しているため、
昔のように家具を持ち込む必要がないからです。
家族みんながリビングで大半の時間を過ごすため、
ただ寝るだけの部屋になっていますしね。

そんなわけで、これらの部屋もミニマムサイズにしても
別段問題ないと思っている次第です。
そして、これを実行すれば3坪〜4坪ほど面積がカット出来、
結果、コストも120万円〜150万円ほど
カット出来るのではないかと思っています。

いかがでしたか?

少しでも家を小さく出来れば、
自然と土地も小さくすることが出来ます。
そして、いずれのコストも削減出来た結果、
住宅ローンの負担を上げることなく
家を持つことが出来るようになります。

なので、これから家を建てる方で、
どうしても土地から買わないといけない方は、
このシンプルな方法をぜひ実行していただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.96 外構コストをミニマムにするいくつかのステップ

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「外構コストをミニマムにするいくつかのステップ」です。

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外構工事に予算を取り過ぎてしまうと
建築工事に充分な予算が取れなる可能性が高くなることから、
建築会社が行う資金計画では
最後の工事となる外構工事の予算を
少なめに設定することが多い傾向があります。

もちろん、たとえ少なめに予算を設定されようとも、
その予算で工事が完結出来ればなんの問題もないのですが、
現実は、当初の予算では到底思っているような工事が出来ず、
後から泣く泣く貯金の中から
追い金を出している方も少なくないでしょうし、
あるいはそれが出来ない方は、
工事を後回しにせざるを得なくなり、
未完成な状態のまま暮らしているのではないでしょうか。

そんなわけで今回は、
その予算ギャップをなくすために
知っておいていただきたい知識について
お伝えしていきたいと思います。

まず知っておいてもらいたいことが、
「そもそも論」的なことです。
これを知っておいていただければ、
間違った土地選びや間違った家のプランを
しなくて済む可能性がグンと高くなると思います。

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✔️土地の広さは家に合わせて!

最初にお伝えしたいことが、
土地は自分が建てたい家に合わせて
探した方がいいということです。

つまり、土地を探し始める前に、
土地に費やすことが出来る予算を具体的に試算すると共に、
どんな家を建てたいのかを明確にしておくことが大切だ
ということですね。

例えば、
あなたが建てたい家に必要な土地の面積は
本当は50坪もあれば充分なのに、
なんとなく広い方がいいからと
70坪の土地を契約してしまったら、
単純に20坪分工事面積が増えてしまう
ということになりますよね。

そして、草が生えるのが嫌だからと
そこを全面コンクリートにするとしたら
それだけで55万円〜60万円ほど
出費が増えてしまいます。

ゆえ、まずはそもそも買う土地の広さを間違えない
ようにしてもらえたらと思います。

とはいえ、地域によったら
そんな都合がいい広さで土地が売られてない場合もあるので、
そんな場合は次の方法を講じるしかありません。


✔️土地の余白はミニマムに!

例えば、あなたが建てる家に
ちょうどいい土地の広さは50坪だけど、
探してみると70坪以上の土地しか売っていないなんてことも
地域によればあり得ます。

となると、
そのままの計画で建ててしまうと
単純に20坪以上余分に
工事をしなくてはいけなくなります。

ゆえ、出来るだけその余白を小さくする
工夫をした方がいいと思っています。
つまり、2階建てで計画していたなら、
計画を変更して平屋にした方がいいというわけですね。

これによって外構工事面積が15〜20坪ほど減れば、
無駄な余白が出来なくなり、
当初の計画通りの予算で工事を完遂しやすくなりますしね。

そんなわけで、
当初の予算を大幅に狂わさないためには、
家そのものも土地に合わせて
柔軟な対応をした方がいいということも
覚えておいていただけたらと思います。

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✔️工事項目を削減する!

そして、以上の2つの基本を踏まえた上で
SIMPLE NOTEの家で行っていることが、
外構工事の項目を削減するということです。

例えば、多くのお家が
家の中が周囲から丸見えであり、
かつ間取りも一目瞭然で分かることから、
防犯性やプライバシー性を担保するための
工事を施さなければいけません。

これらに合計100万円以上は
予算を費やすことになると思います。

SIMPLE NOTEの家は、
防犯性とプライバシー性を考慮してつくっており
これらの工事に一切予算を注ぎ込む必要がなくなります。
また外観のデザインがおしゃれなので、
外構を簡素に仕上げたとしても、
家が引き立ちます。

また、外部に向かって大きな窓が多いお家は、
外部からの不法侵入者に備えて
塀にも気配りをする必要がありますが、
防犯性とプライバシー性に優れたお家は、
家の壁そのものが塀代わりになるため、
境界塀を立てないという選択を
取ることが出来るようになります。
そして、この費用だけでも50万円〜100万円ほど
予算を削減することが出来たりします。

いかがでしたか?

SIMPLE NOTEの家では、資金計画の時、
必要な土地面積×1〜1.5万円で外構予算を確保しているのですが、
以上の全てを実行出来れば、
当初の予算からはみ出ることはほとんどありません。

他方、土地の広さや、家の建て方を間違え、
かつ、防犯やプライバシーの担保のための工事を
しないといけないとなると、
必要な土地面積×4〜5万円は
予算をみておかないといけません。

というわけで、
外構と家は別々の工事ですが、
それぞれが依存し合う密接な関係なので、
資金計画時点で外構の予算設定を間違えないように
していただければと思います。

それでは、また次回。

vol.95 40年返済という選択はダメなのか?

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「40年返済という選択はダメなのか?」です。

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人生100年時代に突入したと
巷で言われているからなのか?
長寿化に伴って退職年齢が延びていくからなのか?
はたまた、家の価格が上がっていっているからなのか?
住宅ローン返済の最長年数が
35年から40年へと移行しつつあります。

もちろん、住宅ローンは借金なので、
期間を延ばすよりも、
早く返したほうがいいという意見の方が
圧倒的に多いかと思いますが、
考え方によっては返済年数が延びたのをいい事に
借入金額さえ上げなければ
最長の40年を選択しても良いのではないかと思っています。

では、その理由について
今回はお伝えしていきたいと思います。
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✔️理由1:保険期間が延びるから

住宅ローン金利の中には、
団体信用生命保険という掛け捨ての
生命保険料が含まれているのですが、
この保険があることによって
債務者にもしものことがあった時に
残債がゼロになるというメリットがあります。

ゆえ、住宅ローンを借りた時点で、
これまで掛けていた掛け捨ての定期保険があるとしたら、
解約してもいいと思うし、
住宅ローンにはせっかく死亡保証がついているのだから
そんなに焦って返済をして
無理にその保証をなくす必要もないかもしれません。

というわけで、最長の40年で借りて、
繰上げ返済をせずに保証を継続していってもいいのではないでしょうか?


✔️理由2:金利圧縮<資産運用

そして、もう1つの理由がこれです。
返済年数を短くしたり
繰上げ返済をすることによって、
1%前後の金利を圧縮するよりも、
返済期間を延ばすことで浮いたお金を
積立投資などに回す方が
はるかに手元にお金が残る可能性が高いと思われるからです。

もちろん、投資に抵抗があるとしたら、
少しでも返済を短くし、
少しでも借入金を減らし、
繰上げ返済した方がいいと思います。

ただ、過去は1%より
はるかにお金が増えていっているというデータがあるので、
資産運用も考えてみてはいいかもしれません。

というわけで、
これから家づくりを検討されている方は、
こんな考え方があるということも
ぜひ知っておいていただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.94 メンテ費用も織り込んで考える

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「メンテ費用も織り込んで考える」です。

------
品質が良いものを
良い状態で長く使い続けるためには、
定期的にメンテナンスを
しなければいけないのですが、
もちろんそのためにはその費用を
積み立てていかないといけません。

良いものの維持管理には、
それなりにコストがかかるからです。


✔️毎月4万円の積立

家を良い状態で維持していくためには
出来れば働いてお金を稼いでいる間
毎月4万円維持管理費用として
積立していくことをオススメしています。

では、その根拠を
あなたの年齢が現在35歳で
70歳まで働き90歳までその家に住み続けると仮定して
試算してみましょう。

35年×12ヶ月×4万円=1680万円
まずはこれが維持管理のために
積み立てていって欲しい費用なのですが、
では、リアルに必要となるであろう工事とその費用を
ここから出していってみますね。

・15年ごとに必要となる外壁の塗り替え
→これには足場費用も含めると、
150万円〜200万円ほどのコストが都度必要となります。
ゆえ、生涯で3回必要だとしたら、
450万円〜600万円必要だということになります。

・20年ごとに必要となる水回りの入れ替えに伴う簡単なリフォーム
→これには都度250万円〜300万円必要になると思われます。
ゆえ、2回この工事が必要だとしたら
500万円〜600万円必要だということになります。

いかがですか?
この2つを合わせると、
この時点で950万円〜1200万円もの費用が
必要だということになるのですが、
実はもう1つ必要となる費用があるのを
ご存知でしょうか?

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それは、家電の買い替えコストです。
冷蔵庫や洗濯機といったハイコストなものだけでなく、
オール電化住宅なら給湯器というハイコストなものまで
10年ごとに壊れるかもしれません。

では、これらには
一体どれくらいの費用を準備していくべきなのでしょうか?

冷蔵庫を30万円、
洗濯機を20万円、
給湯器を40万円、
その他諸々の家電を10万円だとして、
これらを10年ごとに買い換えるとしたら、
5回は回転することになるので、
500万円ほど必要になりますよね。

ゆえ、これも先程の費用に
プラスして考えてもらえたらと思います。
つまり、1450万円〜1700万円は
家を維持管理していくためには
かかると思っていただいた方がいいというわけですね。

この話は、
これから家を建てる方は知っておきたいものの、
あまり目を向けたくない嫌な現実だと思います。

しかし、価値ある資産を持つということは
その維持管理のために
多額の費用がかかるということでもあるので、
この現実をご理解いただいた上で
家づくりに進んでいただけたらと思います。

というわけで、資金計画時には
ランニングコストの積み立て費用も
忘れず組み込むようにしてくださいね。

それでは、また次回。


vol.93 インフレが進む中での家の持ち方

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「インフレが進む中での家の持ち方」です。

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最低時給は確実に上がっていっているものの、
それ以上に進むインフレによって
確実に私たちの生活は逼迫しているのですが、
そんな中でもマイホームを持ちたいという気持ちは
誰もがお持ちだと思います。

ゆえ、今回は家づくりをするにあたって、
前向きに取り組んでいただきたい2つのことについて
お伝えしていきたいと思います。

まず1つ目が、
「家にお金をかけすぎないこと」です。
要は、単純に毎月の固定費を減らすべきだというわけですね。
そして、そのためには建築代はもちろんのこと、
土地代や外構代なども抑える工夫をしなければいけません。

といっても、建築代に関しては
原油と材木価格の上昇によって
20%〜25%ほどコストが上がっているので、
コストを抑えるのはかなり難しい状況になっているのですが。

なのでもし実家に家を建てることが出来る土地があるのならば、
新たにどこかで土地を買うという選択は
取らないようにした方がいいと考えています。

土地を買うか買わないかによって
場所によっては1000万円以上コストが変わってくるし、
実家の近くに家を建てるとなれば、
親御さんが土地の造成をしてくれたり、
外構費用を負担してくれたりするかもしれませんしね。

親御さんとの距離が近くなると
お互い何かとストレスを感じることが増えるかもしれませんが、
これからの厳しい時代を生きて抜いていくためには、
共働きはマストになるだろうし、
そうなれば相互協力が出来る環境に
身をおいた方がいいでしょうしね。

子どもたちの面倒を見てもらえたり、送り迎えに行ってもらえたり、
食材をもらえたり、食事をつくってもらえたり、
畑や田んぼがあるなら、それらを一緒にすれば
お米や野菜などを買わなくてよくなりますしね。
電気料金とともに食料品も
今後まだまだ値上がりしていくかもしれませんからね。

そんなわけで、感情的な理由で反論はあるかと思いますが、
最も家づくりの予算を抑えられる方法がまさにこれなので、
そういった土地があるのなら一つの意見として
前向きに検討していただけたらと思っている次第であります。
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✔️太陽光発電をマストとする

2つ目がこれです。
理由は、電気料金がまだまだ上がっていく可能性が高いからです。
つまり、電気料金という生涯払い続けないといけない
固定費を抑える工夫をすべきだというわけですね。

かつ、同時に「蓄電池」も
設置する方向で考えておいた方がいいと思っています。
昼間に余った電気を蓄電池に貯めておくことが出来れば、
昼間以上に価格が高騰していっている
夜(23時〜7時)の電気も電力会社から買わなくてよくなるからです。

とりわけ、職場までの通勤距離が長い方に至っては、
蓄電池を設置すると同時に、車を電気自動車に変えたら、
車の燃料代も大幅に安く出来ますしね。

かつ、自然災害によって電気が止まったとしても、
電気を自給自足していればその影響を受けることもないです。
(これに加えてエコキュートを設置していれば、
水が止まってもタンクに溜まった水をトイレに使うことが出来ます)

この他、あなたの大切な資産を守っていくためには、
家を建てるタイミングで
「積立投資」を始めることもありかもしれません。

それでは、素敵な住まいと豊かな暮らしを手に入れていただくために、
今回の記事もお役立ていただければ幸いです。

それでは、また次回。
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vol.92 お母さんの負担が少なくなる工夫

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「お母さんの負担が少なくなる工夫」です。

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子どもたちはやがて出ていくので、
子ども部屋は子どもたちが出て行った後のことまで
考えてつくった方がいいと考えているのですが、
とはいえ、子どもたちは
そこで15年〜20年という長い月日を過ごすので、
もちろんその期間中の使いやすさが
なにより大事なのは言うまでもありません。

子どもたちにとっても、
そして家事の多くを担う奥さまにとっても。

では、家事の多くを担う奥さまにとって
ストレスや手間を軽減するためには、
子ども部屋は実際どのようにつくるのがベターなのでしょうか。
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子ども部屋を考える際、
最も考慮すべきポイントは「位置」ではないでしょうか。
つまり、一般的に子ども部屋は
「2階」につくるのが当たり前になっていますが、
それが自分たちにとって正解なのかどうかを考えるべきだ
ということですね。

例えば、あなたのお子さまがまだ未就学の年齢だとしたら、
きっとお子さまは何をするにも
いつもお母さんの近くでやるのではないでしょうか。

おもちゃを広げて遊ぶにしても
スマホやタブレットでYoutubeを観るにしても、
本を読んだり塗り絵をするにしてもです。

だとしたら、家を建てて部屋をつくってあげたからと言っても
お母さんの姿も見えない、気配も感じられない部屋で
遊ぶことなんてまずありえないと推測出来ますよね。

ゆえ、子ども部屋を2階につくる場合には、
必ずと言っていいほど1階にはリビングとは別に部屋を1つ
つくっておかなくてはいけなくなります。
200万円ほど建築費を加算することによって。

仮にその200万円がしんどいからという理由で
この部屋をつくれないとなると、
こまめに片付けられる人じゃない限りは、
リビングは足の踏み場もないほど
子どもたちのものでごった返すことになってしまうだけですからね。

なので、SIMPLENOTEの家ではその解決策として
子ども部屋を「1階」につくるという
提案をよくさせていただいています。

自分たちの部屋が1階に出来たら
お母さんの姿も見やすくなるし、
気配も常に感じられるため、
自分たちの部屋で遊びやすくなり、
それだけでもリビングの散らかり度は
大きく違ってくるのではないでしょうか。

たとえリビングにおもちゃなどを持ってきても、
部屋が使いやすい近い場所にあるなら
おもちゃなどを自分のお部屋に
片付けてもらいやすくなるからです。

また、子ども部屋を2階につくる理由の一つに、
思春期のプライバシー問題がありますが、
これもその手段をわざわざ2階だけに限定しなくても、
間取りのつくり方一つで
1階でも充分確保することが出来ます。

寝室やリビングダイニングから
それなりの距離をとってあげることによって。

そんなわけで、
子ども部屋は「1階」にした方が、
将来的な要素よりも子育て期間中、
より使いやすく合理的なんじゃないかな
と思っている次第であります。

というわけなので、世間一般的に
子ども部屋は2階につくるのが定番化していますが、
それが自分にとってもベターなのかを考え、
「1階」という選択肢も検討した上で、
どうするのがよりいいのかを導き出していただけたらと思います。

それでは、また次回。
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vol.91 掃除の工夫を軽減する3つの工夫

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「掃除の負担を軽減する3つの工夫」です。

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キッチンやお風呂を選ぶ際、
見た目だけじゃなく
使いやすさや掃除のしやすさにこだわるように、
本体である家に関しても
見た目以上に使いやすさや掃除のしやすさに
こだわりたいという方が多いのではないでしょうか。

ゆえ、SIMPLENOTEの家では見た目を美しくするのはもちろん、
それ以上に住まれる方が使いやすく
かつ掃除がしやすい住まいづくりを心がけているわけですが、
では、そのためには一体どのような工夫をしているのかについて
今回はお伝えしていきたいと思います。

では早速お伝えしていきたいと思いますが、
まず1つ目の工夫がこれです。
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✔️平屋にする

理由は、平屋にすれば階段がなくなるし、
廊下も少なくしやすいし、
トイレも1つだけでよくなるので、
そもそも家の面積が小さくなること。

そして、階段がいらないため
階段掃除をしなくてよくなること。

ワンフロアでかつバリアフリーにすれば
昼間仕事に行っている時に、
お掃除ロボットが勝手に掃除をしてくれることです。

また、平屋にすれば
部屋や収納が上下で分離しないため、
そもそも片付けがしやすかったり
モノの管理がしやすくなり、
これも掃除の手間が減る大きな要因
となるのではないでしょうか。

平屋にすれば、窓の掃除だって
2階建ての家より遥かにしやすくなりますしね。
手が届くところにしか窓がないわけですからね。


✔️シンプルな仕上げにする

2つ目の工夫がこれです。
要は、使わなくていい部材を使わないようにすることで
掃除をする場所を減らすというわけですね。

例えば、窓には当たり前のように
「窓枠」という部材がつけられていますが、
この枠の上にも当然埃は溜まります。

また、窓枠と同じように
ドアにも「ドア枠」という部材がつけられていますが、
この枠の上にも当然埃は溜まります。

さらに、窓には当たり前にように
カーテンがつけられていますが、
カーテンを吊り下げるための
カーテンレールにも当然埃は溜まります。

この他、床と壁との取り合いにつける分厚めの巾木は
家全体で200mを超えるのですが、
この巾木の上に溜まった埃の掃除は面倒臭いですよね。

ゆえ、SIMPLENOTEの家では
窓枠、ドア枠、カーテンレールをゼロにし、
巾木に関しても厚みを薄くすることで
掃除の手間を軽減しているというわけです。

この他、対面キッチン前につくる
造作カウンターの天板に関しても、
料理や食器の受け渡しをスムーズにするために、
幅広でつくるのが一般的ですが、
この天板は何かを置くのに
ちょうどいい高さであることから、
「あれよこれよ」という間にいろんなものが陳列されていき、
とてもじゃないけど料理の受け渡しなんて
出来る状態じゃなくなっているご家庭が多いのではないでしょうか。

ゆえ、弊社では
このカウンターの厚みをかなり薄く仕上げることで
モノを置きにくくするという工夫もしていたりします。
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✔️窓を最小限しかつくらない

そして、最後の工夫が「窓」です。
そもそも平屋にすれば、
窓掃除が随分しやすくなるのですが、
それと同時に窓の数を必要最小限に抑えることによって
さらに掃除の手間を減らすというわけですね。

窓掃除は、ガラスやサッシだけじゃなく
網戸もしなければいけないし、
引き違い窓の場合は、掃除しにくいレールがあり、
思った以上に時間を食っちゃいますからね。

そんなわけで、最小限の窓で明るさを確保出来るように
基本カーテンがいらない住まいを
ご提案させていただいているんですよね。

そして、カーテンがいらないことで
カーテンやカーテンレールなどの
掃除もしなくていい家にしているというわけです。
かつ、いつも窓から空が見える心地いい住まいにもなりますしね。

いかがでしたか?
一戸建てのお家は、
アパートやマンションに比べて家も広くなるし窓も多くなるので、
家を維持管理していくための手間がグンと増えます。

なので、毎日少しでも時間にゆとりを持って
暮らし続けていただくためにも、
こういった観点からも家づくりを考えてみてくださいね。

それでは、また次回。

vol.90 頭金も繰上げ返済も必要ない最大の理由

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「頭金も繰上げ返済も必要ない最大の理由」です。

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歯止めが効かない高いインフレを抑えるために
利上げをはじめとした金融引き締めに
本格的に乗り出した欧米とは裏腹に、
長期金利の上限幅を引き上げたものの
依然、金融緩和を維持し
金利が上がらないようにしている日本。

というわけで、我が日本は
世界の情勢なんてどこ吹く風で、
かれこれ30年前から続く流れを引き継ぎ
順調に金利が低空飛行しているわけですが、
家を建てる時には、
この低金利を上手く利用すべきではないでしょうか。

つまり、現在の日本はありえないぐらいの低金利なので、
この金利を圧縮したり
より安くすることに全力を注ぐよりも、
出来るだけ長く固定金利で借りておいて、
手元資金や余剰資金を住宅ローンよりも利率が高い
投資商品にお金を回した方がいいというのが、
頭金をたくさん入れたり、
繰上げ返済をする必要がないと考えている
4つ目の理由であり、最大の理由でもあります。

例えば、家づくりの総予算が3500万円だとして、
自己資金として投入出来る資金が500万円あったとしたら、
それを全額自己資金として入れることによって圧縮出来る利息は
35年でざっと100万円ぐらいなのですが、
この500万円を35年間分散して積立投資していけば、
過去70年のデータをもとに試算すると
1200万円ほどお金が増えることになります。
(年利7%で試算しています)

また、毎月コツコツと貯金していけば
10年後、20年後に貯まったお金で
繰上げ返済をすることが出来ますが、
それによって利息を圧縮するよりも
その余剰資金を先程の手元資金に追加して
積立投資に回した方がいいのは、
先程の数字をご覧いただければ一目瞭然だと思います。

そんなわけで、家を建てるタイミングで
積立投資を始めていただくこともいいのではと思っています。
この増えた資金から子供たちの進学資金も捻出出来るし、
定期的に必要となるメンテ資金も捻出出来るし、
ともすれば、宝くじなんかに期待せずとも
老後を目前にして2回目の家づくりが出来るかもしれませんからね。
(※過去データに基づいてオススメしていますが、
投資については自己責任になりますので、
しっかりご確認の上始めてくださいね。)
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ただし、これを実行するためには
1つだけ気を付けていただかなくてはいけないことがあります。


✔️家づくりの総予算を抑える

それがこれです。
家づくりの予算が増えて
毎月の返済負担が高くなり過ぎれば
頭金を入れざるを得なくなるし、
それでも返済負担が高いのだとしたら
生活していくだけでいっぱいになり、
とてもじゃないけど積立投資なんて
出来る余裕がなくなってしまうからです。

まず抑えるべきは「家」の予算ですが、
そのためには適切な家の大きさを知ることが大切です。
また、必要なもの必要じゃないものを
しっかりと見分けられる力も必要です。

続いて抑えるべきは「土地」の予算ですが、
そのためには適切な土地の広さを知ることはもちろん、
いい家を建てるために土地の向きは
全く重要じゃないことを知ることが大切です。

さらに家づくりの総予算を抑えるためには
「外構予算」も抑えなければいけないのですが、
そのためには適切な土地の広さを知ることはもちろん、
無駄な余白をつくらないように
家を建てることを意識しなければいけません。

これらの知識は全て確実に家づくりのコストを圧縮してくれ、
きっとあなたの懐と心に
大いなるゆとりをもたらしてくれることでしょう。

なので、大きく夢が膨らみ
もっと・・もっと・・と欲が出てしまうし、
他のみんながなんとかなっているから
自分もなんとかなるだろうと
ついつい考えてしまいがちですが、
なんとか踏みとどまり冷静な判断が出来るようになってください。

それでは、また次回。

vol.89 頭金も繰り上げ返済も必要ない4つの理由

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「頭金も繰上げ返済も必要ない4つの理由」です。

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利息の支払いを少しでも減らすため、
あるいは借金を少しでも減らすために、
可能なら出来るだけ頭金を入れた方がいい
と巷では言われています。

また、計画的にコツコツと貯金して
繰上げ返済をすることによって
なるだけ早く返済を終わらせた方がいい
とも巷では言われています。

しかし、これからお伝えする4つの理由から
いずれもする必要はないと考えています。

つまり、頭金をたくさん入れる必要もなければ、
繰上げ返済も無理にする必要もないというわけですね。

というわけで今回は、
住宅ローンを借りる時というか
家づくりをする時に知っておきたい
4つのコトについてお伝えしていきたいと思います。

平たく言うと「借金を上手く利用することで
ネガティブなイメージをポジティブにしましょう!」
ということなので、
金融の知識をつけるためにも最後までお付き合いください。


✔️その1:団体信用生命保険

住宅ローンの金利には「団体信用生命保険」という
掛け捨ての生命保険料が入っています。

つまり、住宅ローンというものは、
名義人にもしものことが起こった場合、
生命保険によって全額繰上返済される
システムになっているというわけですね。

ゆえ、そんなに焦って返済せずに、
出来るだけ長くこの保証をおいておく方がいいと思っています。
人生100年時代に突入したと言われているものの、
いつどこで何が起こるかなんて誰にも分からないですし、
この保証をずっと残しておけば、
他の生命保険に加入する必要だってなくなるわけですしね。

そんなわけで、借入期間は長い方がいいし(保証期間が長くなるから)
頭金の比率を上げて借入金を減らす必要もないし(保証金額が大きくなるから)
繰上げ返済をすることによって無理に返済期間を圧縮する必要もない、
(保証期間も長くなるし保証金額も大きくなるから)
と思っている次第であります。
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✔️その2:定年と年金の変化

これからは間違いなく定年の年齢がどんどん延びていき、
とてもじゃないけど65歳なんかで仕事をやめられないし、
健康であるなら80歳ぐらいまで
働き続けるのが当たり前になってくると思います。

ゆえ、45歳未満の方なら35年ローンを組んでいただいても、
40歳未満の方なら40年ローンを組んでいただいても
いいかもしれません。
(先程の団体信用生命保険の年齢制限があるかもしれませんが・・)

借金がある方が働く原動力にもなるし、
仮に100歳前後まで生きるのが当たり前になるのだとしたら、
あんまり早く仕事をやめても、
何もしていない退屈な時間が長くなるだけだし、
暇な分、お金も使ってしまいやすいでしょうしね。

また、年金は最大75歳まで
支給を遅らせられるようになったのですが、
その方が65歳からもらうより
1.84倍も多くもらえることになるので、
どうせ長く働くのが当たり前になるのなら、
そうした方がいいのではないでしょうか。

そんなわけで75歳ぐらいまで働き続けることを前提に
ローンを組んでいただくこともいいのではないか
と思っている次第です。
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✔️その3:住宅ローン控除

家を建てると13年もの間、
納めた所得税を国が返してくれるし、
所得税で控除しきれなかった場合、
住民税を割引してくれるのですが、
せっかく返してもらえるなら、
なるだけ多く返してもらった方が得だと思いませんか?

ゆえ、自分が納めている所得税と住民税の額を
あらかじめ知った上で、
借入金をいくらにするか決めなければいけません。

例えば、年収が500万円の方は
所得税が約14万円で住民税が約25万円ですが、
住民税は最大で13.65万円まで控除してくれるので、
所得税と住民税を合わせると年間最大で27.65万円
国から税金を還付してくれることになります。

なので、この方は
仮に建築費と土地代の合計が3500万円だとしたら、
自己資金があったとしても
手元に残しておいて全額借りた方がいいと思います。

3500万円×0.7%=24.5万円なので、
3500万円借りたとしても、
上限いっぱい(27.65万円)まで還付の枠を使えていないからです。

そして、どうしても借金が多いのが嫌だという方は、
この13年間のローン控除が終わった後に
入れなかった頭金を繰上げ返済に回していただいても構わないのですが、
出来ればその手段は使わずに、
次回お伝えする別の手段にお金を回してもらいたいと思っています。

その手段こそが、
いわば家を建てる時に頭金を入れる必要もないし、
返済期間を短くする必要もない最大の理由でもあるので、
引き続き次回もお付き合いいただければと思います。

それでは、また次回。

vol.88ウッドデッキに必要なたった一つのルール

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「ウッドデッキに必要なたった一つのルール」です。

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別名「アウトドアリビング」と呼ばれるウッドデッキは、
暮らしの幅を広げ、質を高めてくれる素晴らしいアイテムです。

バーベキューを楽しんでいる姿を想像しただけで、
とってもワクワクするし、
日々の暮らしの中で、朝ごはん、昼ごはん、晩ごはんを
あえて外に出て食べるというのも風情があっていいですしね。
いわば、ちょっとしたピクニック気分って感じですね。

また、ウッドデッキにテントを張って
キャンプ風にそこで一泊するというのも、
子供たちがとってもワクワクしそうで、
親としては嬉しいことですよね。

さらに、ウッドデッキに
ハンモックなんかつけようものなら
最高の休日を過ごせそうだと思いませんか?

ユラユラ揺られながら、
日光を浴びてそよ風を感じつつ一眠りするもよし、
文庫本を持っていって読書するもよし、
スマホやタブレットを持っていって映画を楽しむもよし、
という感じですね。

あとは、夏のプールなんかもホント最高ですよね。
お昼ご飯の後の昼下がりに厳しい日差しを浴びながら
水遊びを楽しんだ後は、
冷房でキンキンに冷えたリビングで軽くお昼寝。
想像しただけで幸せな気分になります。

そんなわけで、家を建てる全ての方に
おうち時間をより豊かにしていただくために
ウッドデッキをご提案させていただいているわけですが、
このウッドデッキのポテンシャルを最大限に引き出すためには、
守るべきルールがたった1つだけ存在します。
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✔️プライバシーの担保

それがこれです。
いわば、他人の視線が気にならないということですね。
なんせ、周りから丸見えだとしたら
ちょっと気恥ずかしいですよね。

友人やご近所さんを招いてのバーベキューならともかく、
家族だけでのバーベキューや食事、
自分たちも水着になってのプール遊び、
ハンモックに寝転がる姿、
優雅に読書をしている姿、
テントを張って模倣キャンプをしている姿。

このどれもがです。
たとえ目隠しを立てたり、植栽を目隠し代わりにするなどして
視線を防ごうとしても。

というわけなので、
ウッドデッキのポテンシャルを最大限に引き出し、
日々の暮らしの質を格段に上げていただくためにも、
このたった1つのルールである「プライバシーの担保」
これを意識しながら家づくりをしていただければと思います。

それでは、また次回。

vol.87 ライフスタイルと間取りづくり

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「ライフスタイルと間取りづくり」です。

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今や家づくりの定番となっている
ダイニングキッチンとリビングに仕切りをつくらず
キッチンを対面式にするスタイルは、
共働きが当たり前となっている現在のライフスタイルに
フィットした合理的な考え方です。

ダイニングで宿題をする子供たちの姿を見ながら、
そしてリビングで遊ぶ子供たちの姿を見ながら
キッチンで食事の準備や後片付けが出来るし、
リビングに取り込んだ洗濯物をたたむことが出来るからです。
また、キッチンで作業をしながら
お風呂に入る子供たちの姿だって見ることが出来るからです。

要するに「ながら作業」がしやすい間取りなのですが、
家事に育児に仕事に忙しい奥さまが
少しでも自分の時間をつくるためには
この合理性は必要不可欠ですよね。

そんなわけで、
このリビングダイニングキッチン(LDK)を
生活の中心とした間取りづくりをしているのですが、
このLDKにまつわることで2つ推奨していないことがあります。


✔️広くし過ぎない

ここでほとんどの時間を過ごすのだから
出来るだけ広くしたいと多くの方がおっしゃるし、
そのお気持ちは凄くよく分かります。

しかし、この空間とて
他のスペース同様に広げれば広げるほど
コストに跳ね返っていきます。

しかも、面積がアップする比率が高いため
その分コストの上がり幅も大きくなり、
他の場所で相殺しようとしても
とてもじゃないけど追いつかない
ということになりかねません。

また、リビングダイニングを広げた場合、
どこに余白が出来るのかというと
ダイニングとリビングの間です。
つまりダイニングテーブルとソファーの間に
スペースが出来るというわけですね。

そしてこの結果、
子供たちがこの余白に色んなものを
置き散らかしていくことになります。

いつも使うものを
いちいち自分の部屋に片付けるのって面倒臭いし、
ましてや自分の部屋が2階だとしたら
なおのこと置きっぱなしにしちゃいますよね。

以上の理由から、闇雲に広げるのではなく
ちょうどいい広さでつくるのが
一番良いと思っている次第であります。
16帖という広さが
最もちょうどいい広さではないでしょうか。

人は余白があると埋めたくなるという
性質を備え持っているため、
仮にLDKを広げ過ぎたせいで
1階に充分な収納が取れなかった場合、
せっかくの広々リビングの周辺に
チェストや収納家具を置いていくことになり、
そのせいで部屋が狭く感じることになってしまうだけですしね。

要するに、更なる出費をすることによって
空間を狭くしようとするという
非合理的な行動をするというわけですね。
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✔️家事室ってホントに必要?

そしてもう1つ、
コストを上げる原因となるため
つくらなくていいのではと思っているスペースが
この「家事室」です。

だって、せっかく子供たちの様子が見えるところで
家事をすることが出来る間取りになっているのに、
わざわざ分離した部屋で家事をこなす
必要なんてないと思いませんか?

確かにリビングダイニングを
いつもキレイに保ちたいとか、
出来るだけ生活感を出したくない
という気持ちはよく分かります。
また、家事動線をさらに短縮し、
より合理的に家事をこなしたい
という気持ちもよく分かります。

しかし、仮にこのスペースを3帖でつくったとしたら、
それだけで家の価格が100万円ほど高くなってしまいます。
また、このスペースで快適に家事をするために
この部屋にも冷暖房を設置するとなれば、
さらに出費が増えることになります。

なので、これから家を建てる方は、
「コスト」という観点にも目を向け
不用意に面積が広がらないように意識しながら
家づくりをしていただければと思います。

現在は、以前に比べて家の価格が高くなっているし、
原油次第で今後さらに価格が上がることも充分考えられますしね。

それでは、また次回。

vol.86 家づくりの一丁目一番地

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「家づくりの一丁目一番地」です。

------
家づくりの資金計画では、
土地取得費+建築費+外構費+別途経費=自己資金+借入金、
この計算式の左右のバランスを整えていくわけですが、
左から計算を進めていくのと右から計算を進めていくのでは、
家づくりの進め方や建てた後の暮らしに違いが生じます。

結論から申し上げると、
左から計算を進めていけば
土地にせよ家にせよ理想に近い状況を実現しやすい反面
資金面に皺寄せが来やすいのに対し、
右から計算を進めていけば
資金面を優先することになるため、
土地にせよ家にせよ
厳しい現実を目の当たりにしやすくなるというわけですね。

もちろんこれは自己資金や所得、
土地のあるなしによって異なるため、
一概には言えないのですが、
ほとんど自己資金を入れない状態で
土地から買って家を建てる方には
「家づくりで最も大事なことだ」
と言っても過言ではないと思うので、
どうぞ最後までお付き合いいただければと思います。

では、分かりやすく
リアルに具体的な数字を挙げながら
その違いを説明していきますね。
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✔️左から計算を進めていった場合

例えば、住みたいエリアの
土地相場が1000万円だとして、
建てたい家の大きさが40坪ぐらいだとしたら
家の総額は3000万円ぐらいになるのですが、
これに外構費用として200万円、
地盤改良費として100万円、
それ以外に必要な経費として200万円、
が別途でかかるとしたら
家づくりの総予算は4500万円となります。

そして出せる自己資金が300万円だとしたら
4200万円を銀行から借りることになるのですが、
これをボーナス払いなしで借りる場合、
0.7%の固定金利選択型の場合なら
毎月の返済額が112,778円で、
1.4%の固定金利型の場合なら
毎月の返済額が126,550円となります。

つまり、これから35年という長期間
どんなことがあってもこの金額を
銀行に返し続けないといけないというわけなのですが、
果たしてこれは現実的な話なのでしょうか。

仮に夫の収入が400万円だとしたら
手取りの半分がローン返済で飛んでいくことになるし、
500万円あったとしても
手取りの40%以上がローン返済で飛んでいくことになるし、
600万円もあったとしても
手取りの33%ぐらいがローン返済で飛んでいくことに
なりますからね。

問答無用で奥さんは
働き続けないといけないですよね。

おそらく今後は、
所得が上がるどころか下がる可能性の方が高いし、
倒産やクビになるリスクもゼロではないし、
それ以外にも健康的リスクもあれば、
親の介護問題なども可能性としては
全くないわけではありませんからね。

そんなわけで
左から進めていくやり方ではなく、
資金面を大切にする右から進めていくやり方を
オススメしています。
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✔️右から計算を進めていった場合

右から進めていった場合、
先程お伝えした300万円の自己資金に
無理のない返済額から
逆算した借入金を合わせた額で、
家づくりの計画を立てていきます。

仮に毎月の返済額を
8.5万円までに抑えたくて、
かつ固定金利にしたいのであれば、
借入額は2900万円が上限となるので、
合計3200万円で土地・家・外構の
予算振り分けを行なっていくという感じですね。

となれば、
別途経費と地盤改良を合わせた
300万円は同じようにかかるので、
残りの2900万円で
予算の振り分けを行うのですが、
この場合弊社であれば、
外構工事は「土地の坪数×1万円」で計算するので
土地面積を50坪にするなら50万円にし、
残りの2850万円でどんな家を建て、どこで土地を買うか
を相談していくという流れをとっています。

具体的には、仮に家の予算を2300万円にするなら、
土地予算が550万円となりますが、
この場合2300万円という予算をなるだけ超えないように
間取りのヒアリングをさせていただくし、
550万円という予算の中でまずは土地を探すようにしている
といった感じでしょうか。

もちろん、土地予算も建築予算も
ずいぶんと厳しいものになるので、
やりたいことを厳選していただくことになる可能性は
高くなってしまうかもれません。
いや、おそらくそうなるでしょう。

しかし、今後35年もの間ずっと
毎月の可処分所得が3〜4万円も違うとなれば、
かなり違ってくるのではないでしょうか。

この違いをご理解いただき、
暮らしの豊かさと経済的な豊かさのバランスが取れた
家づくりをしていただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.85 品質とコストのバランスがいい家づくり

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「品質とコストのバランスがいい家づくり」です。

------
品質を落とすことなく
家のコストを圧縮する最良の方法が
面積を小さくすることですが、
とはいえ、家が小さくなれば
生活に何かと支障が出るんじゃないか
という不安が頭の中を襲ってくるため、
ただ単に聞いただけでは
どうしても拒否反応が出てしまうのが
ほとんどの方の本音だと思います。

ゆえ、今回はその誤解を解くべく
その具体的な手段について
お伝えしていきたいと思います。

いくつかの合わせ技によって
面積を縮めていくのですが、
なにも必ず全てを採用してくださいという話ではなく、
あくまでコストカットの手段を
知っておいてもらいたいだけなので、
その点を勘違いせず最後まで
お付き合いいただければ幸いです。

ちなみに巷では
35〜40坪ぐらいの大きさが
一般的な面積だと言われていますが、
この考え方を知ると、
30坪以上の家になることは
ほぼゼロに等しくなるかと思います。

まずお伝えしたいことが、
面積をカットするにあたって
基本中の基本となる考え方です。

おそらく多くの方が
逆のイメージをお持ちであるため
意外だと感じられるかもしれませんが、
これは面積をカットするための
一丁目一番地みたいなものだと
思っていただいて支障ないかと思います。
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✔️平屋にすること

なぜ平屋にすると面積がカット出来るのか?
これにはいくつかの理由があります。

1つ目が「階段」がなくなることです。
これは当たり前のことですが、
2階建ての家では階段が上下階合わせて2坪あるため、
まずはこれが必要なくなるというわけですね。

2つ目は「トイレ」が基本1つだけで良くなることです。
2階建てで部屋が全て2階にある場合は、
夜中にいちいち1階まで下りるのは面倒くさいため、
どうしても2階にも設置したくなりますからね。

3つ目が「廊下」をほぼゼロにしやすいことです。
これは平屋にしたら絶対になくなるのか
というと決してそうではなく、
もちろんなくなるような設計をしないといけないんですけどね。

ただ一つ言えるのは、
高断熱・高気密化している今の家は
冷暖房効果を最大化するためにも
極力廊下をゼロにした方が良いということです。

理由は、廊下はペアガラスの空気層と同じように、
廊下そのものが空気を遮断する
断熱材のような役割を果たしてしまうからですね。

4つ目が「たまにしか使わないような部屋」が
いらなくなることです。

理由は、2階建ての場合、
1階にはリビングとは別にもう1つ部屋がないと
子供が小さいうちは何かと不便だし、
老後のことを考えると
1階に部屋がないと困るような気がするのに対し、
平屋にすると、
寝室も子供部屋も収納も全てが1階にあるため、
そんな心配がなくなるからです。

親御さんが泊まりに来た時も、
まだ完全に使っていない子供部屋で寝てもらえばそれで済むし、
あるいは、たまにならリビングに布団を敷いて
寝てもらえばいいわけですしね。

以上の4点が平屋にすることによって
縮められる要素というわけですね。
もちろん、別段生活になんの支障もなく。

おそらくこれらを合わせると、
7坪前後は家を縮められるのではないでしょうか。
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✔️適度な広さが一番

そして、次なる選択肢としては「部屋の広さ」です。
例えば、寝室。
あなたはここに一体何を置く予定でしょうか?
ダブルベッドを2台?
それともシングルベッドとダブルベッド?
それともベッドは置かずマットレス?

寝室の広さは、
そこに置く予定のものの大きさに依存することになります。
ゆえ、何を置くのかを明確にすれば
自ずと適切な広さが見えてくるんですよね。

今は昔のようにドレッサーやタンスを部屋に置かないし、
テレビも置かないでしょうし(置いても薄型なので場所を取りませんよね)
隣接して巨大なウォークインクローゼットがあるでしょうから、
そもそも部屋に何も置かないでしょうしね。
その上、ただ寝るだけの部屋ですしね。

そして、部屋の広さに関しては子供部屋も然りです。
スマホが普及したこともあってか、
今の子供たちは部屋に篭りっきりにならず
寝る寸前までリビングで過ごすことが多いし、
広くつくればつくるほど部屋に荷物が増えやすい原因となるし、
なにより子供たちは、そのうち家から出ていって
それっきり帰ってこない可能性が高いですからね。

そんなわけで、
部屋の広さも大手ハウスメーカーのモデルハウスのように
余白だらけの贅沢スペースにする必要なんて
一切ないというわけですね。
もちろん、資金的にゆとりがあるなら
縮めていただく必要もない場所でもあるんですけどね。

いかがでしたか?
仮に全てを受け入れていただき
面積を最大限カットしたとしても、
別段支障が起こりそうな感じは
なかったのではないでしょうか?

というわけで、
前回の記事も含めて、
家づくりの大切な知識として
持っておいてもらえたらと思います。

家が小さくなれば、
その分、土地も小さく出来ますしね。
それでは、また次回。

vol.84 これからの住宅ローン選び

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「これからの住宅ローン選び」です。

------
歯止めが効かないインフレを抑えるために、
とんでもないスピードで利上げを実行し
金融引き締めを実行しているアメリカは、
住宅ローン金利が7%超に到達したと
日経ニュースで報じられていました。

他方、物価は着々と上がっている中、
利上げになかなか踏み込めず、
住宅ローン金利もほぼ変わっていない日本は、
今後どのような流れになるのでしょうか。

というわけで今回は、
これから家を建てる方に
住宅ローンの選び方について
お伝えしていきたいと思います。

あくまで現状の世界情勢を踏まえた上での
予測と見解であり、
そうなるかどうかは分からないので、
一つの意見として
頭の片隅に置いていただければと思います。
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✔️世界に逆行する日本

冒頭でもお伝えしたように
急ピッチで利上げを進めつつ
金融引き締めを実行しているアメリカとは裏腹に、
日本は長期金利の上限の引き上げはしたものの、
依然金融緩和政策の継続は変わらず、
金利はほぼ上がっていないのですが、
とはいえ、アメリカが利上げをすれば、
したくなくても新興国は利上げをせざるを得なくなること、
ヨーロッパの中央銀行も、
加速するインフレを止めるためにさらに利上げしそうなこと、
日本同様にマイナス金利を適用してきたスイスも
大幅な利上げをしたことなどを踏まえると、
おそらく今後日本にも利上げの圧力がかかってくる
と考えておいた方がいいんじゃないか、
というのが予測です。
たとえ、利上げという選択が
正しい選択ではなかったとしてもです。

ゆえ、これから家を建てようとお考えの方は、
「全期間固定金利」を選んでおいても
いいんじゃないかと思っています。

理由は、利上げをする可能性が高まれば、
変動金利よりも固定金利の方が
先に金利が上がることになるから。
つまり、金利が上がりだしてから
固定金利に切り替えたのでは「時すでに遅し」だからですね。

また、変動金利は上がり出すと
固定金利を超えた金利まで上がるリスクをも
秘めているからです。
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✔️全期間固定金利の注意点

とはいえ、全期間固定金利は
変動金利に比べて金利が高い分、
同じ返済額で試算する場合、
借り入れ可能額が減ってしまうので、
自ずと家づくりの予算も減ってしまいます。

例えば、
毎月の返済額を8万円に設定した場合、
変動金利だと借り入れ可能額は
3029万円ですが(金利0.6%で試算)、
固定金利を選択すると
借り入れ可能額は
2655万円まで減ってしまうため、
(金利1.4%で試算)
単純に374万円家づくりにかける予算を
減らさなければいけなくなります。

かつ、全期間固定金利を選ぶ場合、
融資手数料という銀行に支払う経費が
余分にかかってしまうため、
さらに26.55万円〜53.1万円
家や土地にかけられる予算が
減ってしまうことになります。

ゆえ、その目減りした分、
家や土地にかける予算を落とすか、
あるいは貯金や親からの資金援助で
まかなわなければいけません。

また、家を建てるにあたって
全く自己資金がない人に至っては、
返済額を上げるという選択肢は
かなりキツイと思うので、
実家に土地があるのであれば、
絶対にそこに家を建てた方がいいと思います。

というわけで、
たとえ景気が良くなってなかったとしても、
近い将来、けっこう高い可能性で
日本も金利が上がるような気がするので、
それも踏まえた上で、
住宅ローン選びと家づくりの計画を
していただけたらと思います。

それでは、また次回。


vol.83 土地探しの順番は3番目がベスト

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「土地探しの順番は3番目がベスト」です。

-------
土地を探す前に知っておくといいことが、
「あなたが具体的に家に使える予算と
その予算の中でどんな家が建てられるか」
ということです。

というのも、自分の予算で
どれくらいの広さの家が建てられるのかを知っていれば、
必然的にそのためにどれくらいの広さの土地にすべきかが分かるからです。

なので、土地はいきなり探さず、
まずは資金計画によって土地の予算と家の予算を出し、
かつ、その予算でどんな家が建てられるのかを
明確にした上で探すものだと覚えておいてもらえたらと思います。

例えば、あなたの予算が2300万円で
あなたが平屋を建てたいとお考えだとしたら、
弊社では総施工面積(中庭含む)が
28坪前後の平屋をプランさせていただくことになりますが、
この場合、弊社では、
車を3台止めたいとお考えであれば、
55坪前後の広さの土地を
オススメするようにしています。

つまり、この場合
建てたい家の面積とは別で
27坪前後必要だということなのですが、
この根拠は以下の通りです。

まず、家の周囲3方向につくる
エアコンの室外機や給湯器を置いたり、
給排水の配管を通したり、
ぐるぐると回るための余白に10坪前後。
そして、車1台あたり4.5坪前後必要。
(2.5m×6m=15㎡=約4.5坪)
4.5坪×3台=13.5坪。
10坪+13.5坪=23.5坪。
土地の形状によっては無駄なスペースもあることから
少しゆとりを持たせて27坪ぐらい、
という感じですね。

そんなわけで、
弊社では資金計画によって
まずは土地と建物の予算を同時に出し、
その予算で建てられる家を
ある程度明確にした上で、
土地の予算と家の大きさに合わせて
土地を探すようにしているというわけです。
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✔️「土地」も「外構」も「家」に依存する?

この考え方で土地を探すと、
土地に無駄な予算を
かけなくて良くなると同時に、
外構工事費用も随分とカット出来ます。

敷地内に余分な余白が
ほとんど出来なくなれば、
外構工事の施工面積が最小化するからです。

ただし、これはあくまで
弊社の家づくりに合わせた考え方であって、
そのまま他社で使えるのかというと、
そうでもなかったります。

例えば、弊社ではどんな土地でも
明るさとプライバシーを両立させるために
「中庭」や「吹き抜け」といった手段を
当たり前のように採用していて、
こういったスペースから
十分な採光が確保出来るからこそ、
敷地いっぱいに家を建てることが出来るのですが、
こういったスペースをつくらないお家は、
十分な日当たりを確保するために、
それなりの余白が余分に必要となります。

となると、先程と同条件の
「平屋」を建てるためには、
おそらく20坪〜30坪余分に
土地を買わなくてはいけなくなるのではないでしょうか。

つまり、仮に土地の坪単価が15万円の地域だとしたら
300万円〜450万円ほど土地代が高くなってしまう
ということですね。

また、それと同時に
土地面積が広くなった分、外構予算も上がってしまいます。

かつ、プライバシーが担保されていないとしたら
植栽や目隠しや塀などを余分につくる必要があるので、
さらにその分予算が上がってしまいますしね。
おそらく最低でも100万円ぐらいは、
妥当なところだと200万円ぐらいは
余分に外構予算を見ておく必要があるかと思います。

まとめると、どんな家を建てるのかによって
家の予算はもちろん、探す土地の広さも違ってくるし、
土地にかけられる予算も違ってくるし、
外構工事にかける予算も違ってくるので、
家を建てようと思った時、
いきなり土地を探し始めるのではなく、
まずはどこの会社で家を建てるのかを決めてから
初めて土地を探すようにしていただけたらと思います。

これが、弊社がオススメしている
土地探しのベストな方法であり、
最後まで予算を狂わさずに家づくりをやり切るために
必要な知識だと思うので、
ぜひ覚えておいてもらえたらと思います。

それでは、また次回。
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vol.82 土地の考え方

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「土地の考え方」です。

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マイホームの資金計画を考え、
頭金を用意しようとしたとき
家計の中の固定費と変動費の見直しを
していただくと共に、
家づくりにかけるコストも
見直すべきではないでしょうか?

原油高に伴う原材料費の高騰によって
現在はコロナ前と同じ家を建てても
500万円以上高くなっているし、
この価格も高止まりする可能性が高く、
これまで通りの考え方で家を建てていたら
ただただ単純に負担が増え続けてしまいます。

欲望のままにプランしていけば
簡単に予算はアップしますが、
予算を下げるのは、
この知識がないと絶対に出来ないと思うので、
大切な家族の未来を守るために
最後までお付き合いください。
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✔️予算カットの具体的手段

まず考えていただきたいことが、
「実家に使える土地が余っていないか」
ということです。
土地を買わなくて良くなれば、
それだけで1000万円近い
予算カットになりますからね。

ただ、これに関しては
感情的な理由もあるので、
無理強いすることも出来ません。

しかし、今後は津波リスクがある場所で
土地開発が出来なくなるかもしれず、
そうなれば安全な場所の土地価格は
確実に高くなることが予想されます。

つまり、家だけじゃなく
土地まで値上がりするかもしれないというわけですね。

ゆえ、土地を買わないという選択肢を
これまで以上に真剣に
考えなければいけないんじゃないかと考えています。

ただ、どうしても
土地を買わなくてはいけない方も
けっこういらっしゃるかと思います。
実家に土地が余っていない方ですね。

この場合
まず心がけていただきたいことが、
特定の地域に拘らないということです。
土地が高い地域なら、なおのことです。

かつ、販売されている土地が
少ない地域の場合も。
割高な土地を買うしかないからです。

そしてその上で
覚えておいていただきたいことが、
「南向き」や「日当たりの良さ」に拘らない
ということです。

いずれも最も割高に
価格が設定されているからですね。
かつ、これらの土地に至っては、
防犯やプライバシー対策のために、
外構工事費用も家の費用も
割高になりやすいからです。

つまり、土地・家・外構の
3つ全てが割高になりやすく、
あなたに降りかかる負担が
最も大きくなってしまいやすい
というわけですね。
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いかがでしたか?

要は、土地が余っているなら
そこを使った方がよくて、
それが無理な場合は、
地域に拘り過ぎないことと
南向き以外の土地を中心に
探した方がいいというのがSIMPLENOTEの家の意見です。

家の明るさや心地よさは、
土地の日当たりの良さと
相関関係がほぼほぼありませんしね。

もちろん
こうやって説明するのは簡単で、
実際のところはこんな単純で
簡単な問題ではないと思いますが、
家づくりの予算をカットするためには、
土地の予算カットが
家の予算カット同様に
欠かすことが出来ない要素なので、
ぜひ柔軟に考えてみていただけたらと思います。

では次回は、
土地予算をカットするための
もう1つの知識について
お伝えしていきたいと思います。
この知識を持っていれば、
外構費用も最小限に抑えやすくなるので、
次回もぜひご覧いただければと思います。

それでは、また次回。

vol.81 損失回避マインドと家づくり

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「損失回避マインドと家づくり」です。

------
人は「得をする」ことよりも
「損をする」ことに対して
過剰に反応する生き物だと言われています。
要は、本能的に損失を回避しようとする
生き物だというわけですね。

例えば、100円玉を投げて、
表が出たら10万円が手に入り
裏が出たら5万円を失うという
賭けがあるとした場合、
確率論的に考えると、
この賭けには本来乗るべきですよね。
表と裏が出る確率は50%だからです。

つまり、この賭けを2回やった場合、
どっちも勝って20万円得をする可能性と、
どっちも負けて10万円損をする可能性もあるものの、
確率論的には半々になって
5万円得をする可能性が一番高いので、
乗るべきだということなんですが、
しかし、頭では理解していながらも、
本能的にそうは出来ないのが人ってものですよね。

だって、もしかしたらどっちも負けて
10万円損しちゃうかもしれませんし。
そんなことになる可能性があるぐらいなら
最初からやらない方がマシだと
思ってしまうのが普通ですよね。

そんなわけで人ってものは、
損をする可能性があるものには、
なかなか思い切って挑戦しにくいように
なってしまっているようです。

実際、貯金に関しても、
全く増えないと分かっていても
絶対に減ることはないので、
とりあえず銀行に預けておけばいい
というのもこの損失回避マインドだし、
保険に至っては、
長くかけておけば損をしないどころか、
もしもの時の補償まで備えているわけですしね。
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✔️家づくりにおける損失回避

そして、こと家づくりにおいても、
この損失回避マインドは必ずあります。
と言っても、金銭的なことではなく
「後悔するぐらいなら」ってやつですが。
後から出来ないことは後悔しなくていいように
今のうちにやっておこうか、的なものです。

仮にそれらによって
家の価格が上がったとしても、
35年ローンに慣らしてしまえば
毎月わずか数千円の負担で
メンタル的な損失が回避出来ちゃうわけですからね。

実際は、
今後この負担増がボディブローのように
地味に効いてくるわけなんですが...

この代表的なものが、
「部屋の数」や「部屋の広さ」ですね。
もし、子供がもう1人出来たら。
もし、誰かが泊まりに来たら。
もし、親と同居になったら。
もし、荷物がもっと増えたら。
もし、収納が足りなかったら。
と考えたら、予算的にいけそうなら
それらに備えておいて損はない
と思ってしまいますからね。
まだまだ、他にもいっぱいありますが...

予算的に問題ないなら、
やりたいことをガンガン詰め込んでいただいてもいいです。

あくまで問題なのは
その損失回避マインドを満たすために、
予算的な無理をしてしまうことなので、
なかなか難しいことではありますが、
そのバランスをとりながら
家づくりをしていただけたらと思います。

個人的には、勢いに任せて一気に進むのではなく、
巷に溢れた様々な情報を
自分たちの中で咀嚼しながら進めるために
ゆっくりと時間を取ることも
大事なのではないかと思います。

それでは、また次回。

vol.80 スペックの基準

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「スペックの基準」です。

------
脱炭素の流れに伴い、
住宅の高性能化が著しく進んできたここ数年ですが、
正味の話、若干行き過ぎた感が否めないなと感じている方も
少なくないのではないでしょうか。

また、どこに行っても性能の話をされるものの、
どこも同じような話ばかりだし、
その違いもイマイチ理解出来ないため
その説明にうんざりしている方も
少なくないのではないでしょうか。

というわけで、
今回は業界の中で加熱し過ぎている
「オーバースペック(過剰性能)」
についてお伝えしていきたいと思います。

要は、お施主さんが最高の形で暮らせるぐらいの
ハイスペック(高性能)を備えておくのは
プロとして当たり前のことですが、
それを超えた「オーバースペック」は、
不要だと言っても過言ではないかと思います。
その理由についてお伝えしていきたいと思います。

✔️オーバースペックとは?

ウィキペディア曰く、
「オーバースペック(過剰性能)」とは、
利用者が求めるよりもさらに高く持っている性能と、
その性能を持つ機械の総称ですが、
過剰という言葉が指し示す通り
利用者にとっては不要なものだし、
多くの場合「宝の持ち腐れ」になってしまっていると思います。

例えばある地域では、
「UA値0.87」という数値さえクリアしていれば
最高クラスの断熱性能を備えているし、
あるいは「0.6」という数値をクリアしていれば、
ZEH基準すらもクリアしていて
超快適に暮らしていけるにも関わらず、
なぜかその遥か上を行く北海道級の数値を標準にするという
謎の快適性の追求だったり...。
なのに、空気の循環を遮る「廊下」を大量につくるという
矛盾だらけの提案をする住宅会社だったり...。

この2つの要素を兼ね備えているだけで、
100万円〜200万円はコストの無駄を
叩き出しているのではないでしょうか。

この他、200万円〜300万円ほどする全館空調システムなんかも
体感したら「これ欲しいー!!」となりやすいアイテムですが、
これだって確実に製品寿命がやってくるので、
後々のメンテナンスコストまで踏まえると
かなり大きな負担増になるのではないでしょうか。

そんなわけで、
住む人のためにというよりは
むしろ他社との差別化のためだけに、
お施主さんが負担するコストを犠牲にしてまで
「自社の強み」を作り出すのは間違った考え方ではないか
と思っている次第であります。

現在は、木材をはじめとした原材料費の高騰によって
かなり負担増になっているので、
本来私たちはコストを抑える工夫や提案をすべきですからね。

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✔️活かすも殺すも間取り次第

私たち住宅会社は、
お施主さんが最高の状態で暮らせるように
ハイスペックを備えておく必要はありますが、
コストを犠牲にして
それ以上の「オーバー(過剰)スペック」を備えるのではなく、
そのハイスペックを活かす間取りを
考えることが大切ではないでしょうか。

「制震ダンパー」については、
平屋にすれば設置する必要すらありません。
また、平屋にしつつ空気を遮断する廊下をなくせば、
体積も小さくなり冷暖房効率が格段に高くなるので、
過剰な数値を追いかける必要もありません。
かつ、平屋にすれば階段による
上下階の温度差が生まれなくなるので、
全館空調システムだって必要なくなります。

つまり、間取りによって
暮らしの中で起こる問題を解決することさえ出来れば、
不用意にコストを上げることなく
最上級に暮らしやすい住まいを提供することが出来るというわけですね。

なので、オーバースペック(過剰性能)は
確かに魅力的に感じるかもしれませんが、
それは確実にコストに跳ね返るということ、
そして、そんなことをしなくてもいい間取りさえ出来れば、
一般的なハイスペック(高性能)住宅で
充分過ぎるぐらいだということを
覚えておいていただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.79 家づくりにも必要な2つの視点

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「家づくりにも必要な2つの視点」です。

------
家づくりをしていく過程では、
予算のこと、土地のこと、家のことで
数多くの意思決定が必要となるのですが、
意思決定で大切なことが
出来るだけ合理的で冷静な判断をすることです。

つまり勢いやその時の感情に任せて
意思決定をするのではなく、
常に自分の感情と一定の距離感を
持つことが大事だということですね。

さて、
今回は家づくりの知識の話ではなく、
マインド的な話をしたいと思います。
ぜひ参考にしてもらえたらと思います。
なんせ家は、人生を左右すると言っても過言ではない
とっても大きな買い物ですからね。

✔️時間の切り替え

まずやっていただきたいことが
「10-10-10分析」です。
その決断について
10分後にどう感じるのか?
10ヶ月後にどう感じるのか?
そして10年後にどう感じるのか?
という3つの時間枠で考えるということですね。

理由は、3つの時間枠で考えることによって
嫌でも自分の意思決定と
一定の距離を置くことが出来るからです。

どうやら人間という生き物は、
現在の感情がどんなに激しく強烈だとしても、
未来はあいまいに感じられることから、
現在と未来に食い違いがあると、
ついつい現在を重視し過ぎる傾向があるようなので、
この視点はそれを補正するために
欠かせないのではないでしょうか。

実際のシーンで考えてみると、
例えば間取りを考える時というのは、
現在の暮らしの問題を解決することに
フォーカスしてしまうのですが、
10年も経てば子供たちも成長し、
もしかしたら暮らし方や使い方が
今とは違っているかもしれませんよね。

また、予算的なことにおいても、
子供たちが小さいうちは、
子供たちにかかるお金が少なくて済むため、
現在にフォーカスし過ぎると、
安易に予算をアップさせてしまいがちになるのですが、
10年後は確実に子供たちにかかるお金も増えるし、
食費や旅費などの負担も大きくなるため、
それでも大丈夫なのかを考えておくことも大切です。
さらにそのすぐ先には大学への進学だって控えているし、
そもそも収入が増えているのかも
現時点では予想がつかないですしね。

そんなわけで、予算、土地、家という
全ての家づくりの意思決定において、
この分析を取り入れた方がいいと思っている次第です。
とりわけ10年後が家づくりでは大事なポイントかと思います。

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✔️視点の切り替え

続いてやっていただきたいことが、
「親友が同じような状況にいるとしたらなんとアドバイスするか?」
という客観的な見方です。

人は自分のことはよく分からなくても、
人のこととなれば細かなところまでよく見えるし、
色々と分かったりするものだからです。

自分のこととなれば、
一時的な感情に振り回されてしまうのが、
こと他人事となれば不思議なくらいにその一時的な感情を
脇に置いておくことが出来るからなんでしょうね。

結果、その決断において
最重要項目だけを自然と優先することが出来、
合理的で冷静な判断が出来るということのようです。
予算面に関しては、
この俯瞰的な見方が特に大切になってきそうですよね。

というわけで、これから家づくりをされる方は、
この2つの視点を持ちつつ
家づくりを進めていっていただければと思います。

途中で変更も修正も出来ない大きな買い物なので、
焦らず、盲目的にならず、俯瞰的な見方によって
合理的で正しい決断を行なってください。

それでは、また次回。
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vol.78 コスト調整の秘策

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「コスト調整の秘策」です。

------
一生に一回の家づくり。
であれば、なるだけ後悔がないように、
予算が許す限りは出来るだけやりたいことを詰め込みたい!
誰もがそうお考えになると思います。

しかし...
そう上手くいかないのが家づくりの困ったところ。

たいていの場合、
予算と要望の間には大きなギャップが生まれ、
予算にその皺寄せがいくというパターンが圧倒的に多い
というのが現実です。

というわけで今回は、
やりたいことの皺寄せをなるだけ予算にいかせないためには
どのように考え、どのように対処していくべきなのかについて
具体的にお伝えしていきたいと思います。

結論としては、
「何か1つだけで解決するのではなく合わせ技によって解決しましょう」
ということであり、
そのためには今回お伝えする知識が役に立つと思いますので、
最後までお付き合いいただければと思います。

✔️小さなことをコツコツと!

例えば、家を建てるにあたって
どうしても床暖房をキッチンとダイニングとリビングの
3箇所に設置したいとなった場合、
無垢の床を使用しているとしたら、
そのグレードアップ費用まで含めると
約80万円コストアップするのですが、
そうは言っても家の予算は上げられないとしたら、
このアップ分をなにかを減らすことによって埋めなければいけません。

この場合、1.5坪(=3帖)ほど
1階の面積を削れば相殺できることになるですが、
いざ、それを実行するとなると
そう簡単に削ることが出来ないのが現実です。

無駄な廊下がたくさんあれば一瞬で解決ですが、
そうじゃない場合、1階の3帖はとっても貴重ですからね。
それによって1階にファミリークローゼットが
作れるか作れないかってことになってくるわけです。

なので、面積だけに集中するのではなく、
家に使われている材料が減らせないかにも同時に着目することが大切です。

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1つは「窓」の数です。
外に出られる大きな窓なら1本あたり12万円〜15万円するし、
小さな窓でも1本あたり4万円〜5万円します。

なので、大きな窓を減らしその分小さな窓に出来ないかとか、
あるいは、そもそも大きな窓の数を減らせないかとか、
かつ、同時に小さな窓の数も減らせないかということを
同時に検討してみることも大事かと思います。

窓を減らすことが出来れば、
カーテンなしでは過ごせない家の場合、
同時にカーテン代までカットすることが出来るわけなので。

続いて着目していただきたいことが家の中のドアの本数です。
ドアも1枚あたり4万円〜5万円するし、
引き違い戸やクローゼットの折戸に至っては、
1箇所だけでドアが2、3枚必要ですからね。

ゆえ、個室ごとにクローゼットが必要なのか、
クローゼットは必要だとしてもドアは必要なのか、
ホントはドアがない方が便利なのに
ドアを設置してしまっていないか、
なども同時に考えていただくといいかと思います。

そして仮に窓で15万円ほど削減出来て、
カーテンで10万円ほど削減出来て、
ドアで15万円ほど削減出来そうだとしたら、
その分、カットしなければいけない面積は
先程の半分で済むということになりますからね。

少ない窓でも採光さえキッチリと取れるのであれば、
窓が減り、壁が増えることによって
耐震性も断熱性もアップするわけですしね。

また、家だけでコストの調整を考えるのではなく、
土地に分散してみてもイイかと思います。
仮に、建てようと思っている家が2階建てだとしたら、
55坪ぐらいの土地を買おうとしているのを
50坪にするといった感じですね。
あるいはもっと削らなければいけないとしたら
45坪ぐらいまで削るといった感じです。

この場合、土地の坪単価が15万円だとしたら
5坪削れただけで75万円安くなります。
となると、家のコストは一切削らなくても
よくなるかもしれません。

あるいは、10坪まで削れたとしたら150万円安くなるので、
床暖房に加えて、いま人気の衣類ガス乾燥機や
海外製の食洗機を設置出来るかもしれません。

...と、口で言うのは簡単ですが、
実際はこんなに上手い具合には
なかなかいかないものですが。。

ただ、こういったコストダウンの方法を頭で理解出来ているのと
理解出来ていないのとでは全く違うと思うので、
本当にやりたいことを実現していただくためにも、
こんな方法もあるんだよということを
ぜひ覚えておいてもらえたらと思います。

それでは、また次回。

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vol.77 家づくりを失敗させる視野の狭窄

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「家づくりを失敗させる視野の狭窄」です。

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ここ最近は、
横須賀市や仙台市内で家を建てるとなると4000万円は当たり前で、
4500万円になることも決して珍しいことではなくなりました。

実際、土地を探してみると実感するのですが、
津波を避けた安全な地域で土地を買うとなると、
少なくとも1000万円以上はするし、
木材をはじめとした原材料費の高騰によって
建築費もずいぶんと高くなっているので、
みんなと同じような選択をしていては、
ほぼ確実にこうなってしまいます。

というわけで今回は、
もう少し予算のことや家づくりについて
冷静に考えていただくための知識を
お伝えしていきたいと思います。

まず、予算を決める時に考えてもらいたいことが、
家だけにそれだけの予算を使っていいのかということです。
つまり、その予算を減らした場合、
他にどんなことに使えるのかを考えてみるということですね。

例えば、住みたい地域で土地を買って家を建てると、
総予算が4000万円になるとした場合、
そのままでゴーするという選択だけじゃなく、
なんとか500万円減らして
それを別のことに使えないかを
真剣に考えてみるということですね。

この場合、
住宅ローン金利も合わせると
600万円ほど予算が削減出来るわけですが、
そうなると35年ローンで考えた場合、
年ベースだと171,428円浮くことになるし、
月ベースだと14,285円返済が低くなるということになります。

となると、そのお金を家族旅行に使えないかとか、
つみたてNISAなどの投資に回せないかといった
選択肢が生まれることになります。
あるいは、自らのスキルアップのためや
健康のための自己投資に回すといった選択肢も出来ますよね。

旅行に至っては、非日常を体験することによって
心に豊かさと新しい価値観を手に入れことが出来るでしょうし、
いつまでも思い出として残ります。

つみたてNISAに関しても、
右肩上がりで経済が成長していく資本主義社会の仕組みに
乗っかることによって効果的にお金を増やしていくということなので、
経済的なゆとりを得るために行ってもいいでしょう。

自己投資に関しても、
老後資金への不安を払拭するためには
働き続けられる年齢を延ばすことが一番と思うので、
健康やスキルアップには
お金や時間を投資してもいいでしょう。

そんなわけで、
みんながそうしているからといって
自分も同じように家づくりをするのではなく、
一旦立ち止まって他の選択肢もテーブルの上に並べた上で、
どうすることがベターなのかを真剣に考えてもらいたい
と思っている次第であります。

なんせ家づくりの魔力は、
それぐらいみんなを「視野の狭窄」に陥れてしまい、
冷静な判断を出来なくさせてしまうことですからね。

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✔️いいお金の使い方をする

そして、家づくりをする時に
前向きの取り入れてみた方がいいかなと
思っていることがもう1つ。

それは、住宅会社だけの話を聞くだけじゃなく、
お金の専門家の話も聞いてみるということです。
住宅会社だけに相談したら、
確実に家にお金をかける方向になってしまうからです。
お越しくださったお客様にお話をお伺いしていると、
借り入れ限度いっぱいまで予算を釣り上げる住宅会社も
決して少なくなさそうですしね。

ゆえ、お金のプロである
ファイナンシャルプランナーさんに相談するという選択肢も
全然とっていいんじゃないかと思っています。

たとえ、その相談料に数万円〜数十万円かかったとしても、
良い提案をしてくれる方であれば、
その100倍以上のリターンを
きっとあなたにもたらしてくれるでしょうからね。

なので、目先の出費は手痛いかもしれませんが、
よく分からないまま家づくりを進めて
後からお金のことで苦労するよりは、
そうすることで未然に失敗を防げた方が絶対にいい
というのが僕の考え方なので、
家づくりをするにあたりお金のことが不安であるなら
一つの選択肢として覚えておいてもらえたらと思います。

それでは、また次回。


vol.76 面倒くさがり屋さんの家づくり

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「面倒くさがり屋さんの家づくり」です。

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仮にあなたが、
散らかっているのを
見て見ぬふりをするタイプだとしたら、
そして、火がつくとトコトン片付けや掃除をするけど、
それまでは相当お尻が重い
筋金入りの面倒臭がり屋さんだとしたら、
これからお伝えする2つのことを
家づくりに取り入れていただくといいかと思います。

まず、こんなタイプの方が間取りで取り入れたいことが、
「リビングのすぐ近くに大きめの収納をつくる」ということです。
この一番の理由が、
服を寝室のクローゼットまで夜持って片付けにいくのと、
朝持って降りてくるのがとにかく面倒くさいからです。

大掃除の後などは部屋がきれいになっているので
しばらくは頑張ってそれもやるものの、
部屋が汚れていくのに比例してそれもどんどんしなくなり、
いつの間にかダイニングの椅子には
上着やらパンツやらがガサッとかけられている状態になっていたりしませんか?

また子ども達についても、
常に制服も普段着もパジャマも全て脱ぎっぱなしの放りっぱなし、
カバンや荷物も何もかも全てリビングに置きっぱなしという状態だったりしませんか?

もはや、この状態を見たら、
片付ける気力なんて一気に失せてしまうでしょう。

というわけで、
それを解決する方法の一つ目が
「リビング横に衣類もしまえる収納をつくること」
ではないかと思っています。

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そしてもう1つのアイデアが
「子供部屋は1階につくる」ということです。

1階に子供部屋をつくれば
そこは子供たちの部屋であると共に
子供用リビングとしても使えます。
莫大な量がある子供たちのものの収納にもなります。

つまり、
子供たちが自分の部屋で遊んでくれやすくなるため
リビングが散らかりにくくなるし、
子供部屋ならどれだけおもちゃを出しっぱなしにされていても
別段問題もないってわけですね。

カバンや衣類だって
わざわざ階段を上がって持っていくのはだいぶ面倒くさいけど、
その向こうまでぐらいなら持っていってくれやすくなりそうですよね。
あるいは、持っていかない場合でも
自分自身が持って行きやすいですしね。

なんなら、冬場の洗濯干場として使ったっていいですね。
子供たちは、小さいうちはそこで寝るわけじゃないと思うので。

そんなわけで、面倒くさがり族は
この2つを取り入れるといいでしょう。

それでは、また次回。
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vol.75 廊下が低下させる2つの機能

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「廊下が低下させる2つの機能」です。

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間取りを考えるとき、
「廊下」をつくらないようにしながら
家を建てるといいと思います。

というのも、
ただ通るだけの機能しか持たない廊下と言えど、
つくるためには部屋や収納と
同じだけのコストがかかるからです。
かつ、廊下はこれからお伝えする
2つの大切な機能を低下させる原因にもつながるからです。

では廊下が低下させる2つの機能とは何か?
まず1つ目が「断熱性と気密性」です。

といっても、
廊下があるからこれらの機能が低下する
という意味合いではなく、
廊下があることによってその本質的な良さを殺してしまう
という意味合いです。

高断熱化する意味は、
外の空気の影響を受けにくくすること。
つまり、昔の家みたいに「外と中の気温が一緒だ!」
みたいな状況をなくすためですね。

そして、高気密化する意味は、
中の空気を外に逃さないようにすること。
つまり、昔の家みたいに「これ本当にエアコン効いてる?」
みたいな状況をなくすためですね。

で、この2つの相乗効果によって
家の中全体に空気が行き届きやすくし、
どこにいてもそれほど温度差がない住まいをつくる上げる
という感じなのですが、
この素晴らしい機能を殺してしまうのが実は廊下です。

廊下へと通じるドアは締め切ってしまいやすいからです。
つまり、そこで空気の流れを断ち切ってしまうというわけですね。
たとえドアの下から多少は空気が
流れるようになっているとはいえです。

また、廊下と同じような役割を果たすのが「階段」です。
リビング階段が主流となった現在は、
冷暖房の効果が及びにくい2階の廊下から
冷やりとした空気が階段を通じて流れてきますからね。

そんなわけで廊下もなくした方がいいし、
階段もなくしたほうがいいと思っている次第であります。
つまり、階段と廊下が必ずといっていいほどセットで出来る
2階建てではなく平屋にした方がいいということですね。

そうすればコストも安くなるし、
体積も小さくなり冷暖房効果がもっと良くなりますしね。

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✔️みんなが大好きなアイデア

そして、廊下によって低下するもう1つの機能が「収納力」です。
つまり、収納を通り抜けたいがために
収納の中に通路をつくってしまうことがよくないということですね。

例えば、3帖のウォークインクローゼットは
縦が2.6mで横が1.69mなので、
ここには棚1段あたり約5.5m分の物を置くことが出来るのですが
このクローゼットを通り抜けるようにした瞬間、
実は置ける物の量が半分まで低下してしまいます。
3帖のうち1.5帖は通路として確保しないといけないからです。

結果、収納をたくさんつくったはずなのに、
いざ荷物を置いてみると、思っていた以上に置けなかった・・
という最悪な状況が待っているというわけですね。

その上、ドアも1つ余分に必要になるし
スイッチも1つ余分に必要になるので、
その分コストが上がっていますしね。

いかがでしたか?
たった廊下1つの考えだけで、
家の機能性もコストもずいぶんと変わるということが
お分かりいただけたのではないでしょうか。

ということで、
「なんとなく2階建てにすること」と
「闇雲に通り抜け動線をつくること」
この2つには注意しながら
家づくりをしていただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.74 本当に大切な要望を打ち消す要望 その2

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「本当に大切な要望を打ち消す要望 その2」です。

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いつ起こるか分からない大地震に備えて
津波のリスクがない土地を選び、
大きな揺れから身を守ることが出来る
耐震構造にしたいというのが、
これから家を建てる方に共通した大切な要望だと思います。

そして、それを実現するために
耐震等級3を取得することや制震ダンパーをつけることが、
現在の家づくりでは当たり前になっているのですが、
それ以上に大切なことが
バランスのいい家を建てることではないでしょうか。

つまり耐震等級3や制震ダンパーによって
高い安全性を担保するのもいいですが、
そもそもバランスのいい構造に設計すべきではないかということです。

というわけで、今回は
バランスがいい家を建てるために
知っておいていただきたいことについて
お伝えしていきたいと思います。

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✔️バランスが悪くなる理由

家のバランスが悪くなる一番の理由は、
「2階建てありきの間取り」だと思います。
なぜそれがダメなのかと言うと、
1つは上下のバランスが悪くなるから、
そしてもう1つは南北のバランスが悪くなるからです。

上下のバランスが悪くなる理由は、
LDKという大空間をつくる1階に対して、
2階は細かく区切って個室をつくるため
1階への負荷が大きくなってしまうからです。

その上、明るくしたいLDKには
より多く窓をつくろうとする傾向があるので
なおのことバランスが悪くなってしまいますしね。

南北のバランスが悪くなる理由は、
採光のために南には窓をたくさんつくる反面、
北には窓をほとんどつくらないからです。
その上、多くの方が南に突き出してベランダをつくりますしね。

これらの結果、2階建ての家はバランスが悪くなってしまうため、
それを補うために耐震等級3の計算をし、
かつ制震ダンパーをつけなくてはいけなくなるというわけですね。


✔️バランスのいい家を建てるためには?

では、バランスのいい家を建てるためには
一体どうしたらいいのか?

それは、単純に先程の2つをなくせばいいだけです。
要は「平屋」にしながら
南北の壁量バランスがいい家にすればいいというわけですね。

平屋にすれば上からの荷重負担がかなり小さくなります。
その上、重心が低くなることによって
強風や重量車両通行による揺れを大幅に緩和出来ます。

なので、平屋にすることが一番高い安全性の確保だと思います。
そして、その上で保険のために耐震等級3を取ったり
制震ダンパーをつければいいのではないかと。

続いて、南北の壁量バランスがいい家を建てるための方法ですが、
これに関しては、そう簡単に実現出来るものではありません。
というのも、これを実現するためには、
そもそもヒアリングのやり方を180度変えなければいけないからです。

具体的には、
一般的なヒアリングが部屋の広さから部屋数や部屋の配置、
動線から収納の位置や分量に至るまで
それだけで間取りが固定されてしまいそうな要望を全て聞き出すのに対し、
これを実現するためのヒアリングとは、
間取りが固定されてしまいそうな要望は
基本的には聞かないというスタンスを貫かないといけないという感じですね。

聞き出せば聞き出すほどその要望を実現せざるを得なくなり、
結果、本当に大切な耐震性よりも
要望の方を優先する形になってしまいますからね。
おまけに聞き出した要望自体が、
その土地に必ずしもマッチしているとも限らないですからね。

そんなわけで、
バランスがよく高い耐震性のお家を
少しでもコストを抑えながら建てるためには、
この2つ目の要素がとっても大事だということを
覚えておいていただければと思います。

部屋の配置や動線などは
土地によってベストな形が全く違ってくるのですが、
その辺は安心してプロに任せていただければと思います。
それが結果的に自然と高い耐震性を持ったお家を建てる方法ですから。

それでは、また次回。
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vol.73 本当に大切な要望を打ち消す要望 その1

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「本当に大切な要望を打ち消す要望」です。

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「こうしたい!」という要望を伝えつつも、
同時にその要望から遠く離れてしまうようなことを
伝えてしまうことが多いのが家づくりの困ったところです。

例えば「温度差の少ない快適な家にしたい」という要望を叶えるためには、
ただ単に断熱材や窓の性能が良いだけではダメで、
それに加えて幾つかの条件を備えておかないといけないのですが、
あまりに性能だけを重視する考え方が浸透し過ぎたせいもあるのか、
実際建っている家の多くは、
その性能の良さを殺してしまっているような気がします。

というわけで今回は、
ハイスペック(高性能)住宅のポテンシャルを最大に引き出せる
3つの基礎的要素についてお伝えしていきたいと思います。

3つ全てを網羅出来れば
より快適な住まいになるのはもちろん、
確実にコストも安くなるはずなので、
必要な知識として吸収していただけたらと思います。

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✔️窓はより少ない方がいい

まず1つ目がこれです。
窓と壁とを比べた時、確実に壁の方が、断熱性能が高いからです。

ゆえ、出来るだけ不要な窓は減らした方がいいのですが、
そうすると暗くなるんじゃないか?という懸念点から
多くの方が窓を増やしてしまっているというのが現実だと思います。

実際たとえ窓を増やしたとて
そのほとんどにカーテンをつけるので
明るくなるかというとそうでもないんですが。

それどころか、むしろ断熱性能を劣化させると同時に、
窓とカーテンに余分なコストがかかり、
経済的な負担だけが上がってしまっているといったところでしょうか。


✔️家はコンパクトな方がいい

2つ目がこれです。
面積が小さくなれば体積も小さくなり
家全体に冷暖房が循環しやすくなるからです。

ゆえ、なくても問題がない場所は
出来るだけ省くようにすべきなのですが、
先入観や見栄からか、部屋数や部屋の広さ、そして家の坪数にこだわるあまり、
むやみやたらと家を大きくしてしまっている方が
かなりたくさんいらっしゃると思います。

また、「廊下」は空気を遮断する
いわば断熱材のような役割を果たしてしまうため、
ハイスペック住宅では基本つくるべきではありません。
ゆえ、出来るだけ廊下をなくすように設計することも
とっても大切なことなんですよね。

実際、廊下がなくなれば、
空気が循環しやすくなると同時に廊下分だけコストが削減出来るし、
それだけじゃなく家の中のドアの本数だって削減出来ますからね。

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✔️家は平屋の方がいい

そして最後の要素がこれです。
2階建ては上下の空気が確実に分断されてしまいますからね。
簡単に申し上げると、
夏は下が涼しいのに上が暑い、冬は下が寒いのに上が暖かい、
という環境が出来上がってしまいやすいというわけです。

ゆえ、2階建ての場合は、
この自然現象を緩和し家の中の温度差を最小限にするために、
冷暖房と換気システムを利用した空調システムを導入することを
オススメする住宅会社がたくさんいらっしゃいます。

もちろん、この空調システムはとっても良いものですし、
あるのとないのとでは快適性がものすごく違うと思うのですが、
しかし、これにも莫大なコストがかかる
ということも決して忘れてはいけません。

安価なものでも100万円ぐらいはするし、
メーカーによっては2~300万円する場合もあります。
しかも、電気製品なのでゆくゆく故障する可能性が高いし、
その場合、また途方もない費用がかかるかもしれませんしね。

そんなわけで、
そんなものが必要なくてもそもそも温度差を生みにくい
平屋にすべきだと思っている次第であります。
それだけでかなりコストが削減出来ますからね。

というわけで、
これから家を建てようと思っている方は、
この3つをぜひ覚えておいて、
建てる時にこの3つと反対のことを
伝えないようにしてもらえたらと思います。

「カーテンがいらないコンパクトな平屋」
これにハイスペックが加われば、
とっても快適に暮らせること間違いなしだと思います。

それでは、また次回。

vol.72 平屋に最適な広さ

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「平屋に最適な広さ」です。

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もちろんこの話は必ずしもそうだとは限らないのですが、
家族3~4人で暮らす平屋を建てるにあたって
最適な土地の広さは「55坪」ではないかと思っています。

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例えば、この土地は
ある分譲地の一画で、
間口約12m×奥行き約15mの約55坪の長方形の土地なのですが、
この土地には基準法的にも建築面積約33坪の平屋を建てることが出来るし、
実際、車を4~5台置けるようにしながらも
建築面積約27.55坪の平屋を建てることが出来るし、
あるいは駐車スペースはもっと少なくて良いのであれば、
もっと面積を広げることも出来ます。

しかし、一般的にはこの広さの土地には
95%以上の確率で2階建てが建てられているし、
おそらく今後もこの確率が減る可能性もかなり低いのではないかと思います。

というわけで今回は、
その理由についてお伝えしていきたいと思います。

では早速。
2つあるので1つずつご説明していきたいと思います。


✔️平屋では日当たりが確保出来ないから

まず1つ目の理由がこれです。
つまり、平屋を建てるには土地が狭すぎると思っている方が
圧倒的に多いということですね。
住宅会社、不動産会社も含めて。

なんせ、この広さに平屋を建てるとなれば、
駐車スペース以外は敷地いっぱい使うことになりますからね。
ましてや、この土地なんかは南側に2階建ての家が建っていて、
いかにも日当たりの悪さを醸し出してくれていますからね。
その上、東と西両隣に2階建ての家なんて建とうものなら
まさに「四面楚歌」状態になってしまいますしね。

そんなこんなで、
南に建つ家との距離を十分に開けるために
2階建ての家にするというわけですね。
そして、リビングだけじゃなく寝室や子供部屋といった
部屋という部屋をなるだけ南向きで設計するというわけです。
日が沈んだ時間に使う寝室や
昼間、眩しすぎて結局カーテンを閉めっぱなしにしている子供部屋までです。

いわば、直射光一本頼みの「南向き信者」になってしまっている人は、
こういった設計しか手段を知らないまま
家を建てざるを得ないというわけですね。
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✔️平屋は高いから

そして、もう1つの理由がこれです。
もちろん、同じ広さで価格を比べた場合、
2階建てより平屋の方が高くなるのは紛れもない事実です。

しかし、平屋には階段がありません。
2階建てのように無駄な廊下も必要ありません。
トイレだって1つで大丈夫です。
2階建てでは1階にリビングとは別で1つ部屋がないと使い勝手が悪いですが、
平屋はそんな部屋をつくる必要がありません。

そして、これらを組み合わせていくと、
2階建てに比べて面積がかなり小さくなるので、
むしろ安い価格で建てられるようになります。
そして、家が小さくなった分、
55坪の土地にも十分収まるようになります。


✔️この土地に建つ平屋とは?

SIMPLENOTEがこの土地で平屋を建てるとしたら以下のように考えます。

・リビングダイニングキッチンには絶対に直射光を入れたい
・直射光を入れるためには、南の家から十分な距離を開けた場所に
リビングダイニングキッチンを配置しなければいけない
・寝室や子供部屋は明るくしたいが、かといって直射光じゃなくても良い
・であれば、天空光や反射光を使って明るく出来る場所に配置すればいい
・洗面や脱衣室にこそ直射光が入るように出来ないか?
・かつ、キッチンかリビングから近い場所に水回りをつくれないか?
・玄関を明るくするためにはどのように光を入れればいいか?

こんな感じでしょうか。
そして、これらが全て叶う平屋をこの土地に合わせて提案させていただきます。

とにかく、たとえ少々日当たりが悪かろうと
55坪もあれば平屋を建てるには十分だと思っているので、
平屋を建てたいけど土地の広さや日当たりや家の価格のことで
悩んでいらっしゃる方は一度ご相談にお越しいただければと思います。

きっと何らかの突破口が見つかると思います!
それでは、また次回。


vol.71 現地でチェックすべきお金に関わる2つのこと

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「現地でチェックすべきお金に関わる2つのこと」です。

土地は土地代だけで買えるわけではなく、
付随して様々な費用がかかるし、
その費用も土地の状況によって異なるため、
あらかじめ現地でそのチェックをしておく必要があります。

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例えば、この土地は分譲地ではなく、
昔ながらの家に囲まれた土地なのですが、
このような土地を見に行った時には、
写真に(汚く)書き込まれている5つを現地でチェックした上で、
不動産屋さんに確認するなり自ら調べるなどしなければいけません。
この5つは全て費用に直結することだからです。

そして、それらの費用がどれくらいかかるのかを織り込んだ上で
この土地を買うかどうかを考えるべきなんですよね。

というわけで今回は、
土地のチェックポイントについて
具体例を挙げながらお伝えしていきたいと思います。
簡単なのでぜひ覚えておいてください!


✔️隣地との境界

①〜③は全て隣地との境界ですが、
①・②・③全てそれぞれ若干状況が違うので、
あえて分けてお伝えさせていただきます。

まず①ですが、
奥半分ぐらいには境界の基礎のような構造物が目視出来るのに対し、
手前半分には境界基礎のような構造物がなく
アスファルト舗装された道路のようなものが目視出来ます。

なので、確認すべきことは、
この道が道路として認定されているのか?
それとも、奥の土地の方の所有物なのか?
(私道か?)ということです。

確認すべき理由は、
これが道路として認定されているとしたら、
4mに満ちていない場合は
道路の中心から2mのところが新たな境界となるため、
そこまでは構造物をつくることが出来ないからです。

つまり、仮に境界をつくるとしたら
今の道路との境目ではなく、
道路から2mのラインに合わせて
境界をつくらなければいけなくなるということですね。

もちろん、この場合その費用は
全額自分で負担しなければいけないので、
その費用も計算しておかなくてはいけません。

そして、奥の半分には基礎のようなものがありますが、
これも奥まで道路が続いていて
それが道路として認定されているとしたら、
この基礎は一旦取り壊さなければいけないかもしれません。
道路の中心から2mのところが新しい境界になるからです。

そして、そうだとしたら
その費用は売主の負担なのか?あるいは買主の負担なのか?
これをあらかじめ聞いておかないといけません。
かつ、この境目に境界基礎をつくるのだとしたら、
その費用も計上しておかないといけません。
これが①のラインで確認しておきたい事ですね。

続いてが②の境界なのですが、
この直線には境界の基礎のようなものが目視出来ます。
(黒い線のせいで見えませんが...)

なので、これが境界だとしたら、
この基礎が使えるものなのか?
そのまま使えないとしたら補強をすれば使えるのか?
あるいは一旦壊して新設しないといけないのか?
を確認しておかなくてはいけません。
そして、やり直す場合は、
どれくらい費用がかかるのかも計算しておかないといけません。

続いてが③ですね。
これも①同様に奥には境界壁があり手前には何もないという状態ですね。
この場合、奥のブロックまで積んでいる境界が隣との中心なのか?
自分たち側に入っているのか?あるいは隣側に入っているのか?を
不動産屋さんに確認してください。

これによって手前の何もないところに境界をどうつくるかが違ってくるし、
費用負担も全く違ってくるからです。

もちろん、一旦壊してやり直すのが、一番コストがかかるので、
出来れば使えるものはそのまま使いたいところですが、
これだけ古そうだと強度的な問題も否めませんからね。

なので、まずはとっても大切な境界について
不動産屋さんに必ず聞くようにしてください。
これを見落とすと後からとんでもない費用が必要になるので絶対にお忘れなく。

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✔️水道と排水

そしてもう1つ現地で
チェックしておいて欲しいことが水道と排水です。

④をご覧いただくとお分かりいただけますが、
この土地は水道が入ったままになっています。
コーンが立っているところには水道の立ち上げがあるし、
その横にメーターボックスがあるからです。

ゆえ、もしかしたらこの土地は水道をそのまま使えるかもしれないし、
そのままではダメなので再度引き込まないといけないかもしれないのですが、
もちろん、このどちらなのかでこれにかかる費用が大きく異なってきます。

なので、この水道がそのまま使えるのか?
あるいはやり直さないといけないのかを
必ず不動産屋さんに確認いただけたらと思います。
(不動産屋さんが曖昧なら市役所の水道課に行くと丁寧に教えてくれます)

排水については⑤の矢印をご覧いただくと分かるように、
敷地に接した道路の隅っこに側溝と呼ばれる蓋付きの溝があるかどうかを
チェックしておいてください。

そして仮に、これが敷地に接してない場合は
道路の反対側にないかを、
道路の反対側にもない場合は、どこに排水すれば良いのかを
不動産屋さんに確認しなければいけません。
排水が出来ないとなれば、
かなり高い確率で家を建てることが出来ませんからね。

ちなみにこの土地に関しては、
道路の真ん中あたりにでっかいマンホールがあり、
この蓋に「おすい」と書かれているため下水道地域ということになります。
つまり浄化槽を設置する必要がないということですね。

いかがでしたか?
かなり長くなってしまいましたが、
実例を挙げながらご説明させていただくと、
少し分かりやすかったのではないでしょうか。

というわけで、この2つのチェックポイントを
現地で見逃さないことを意識しながら
土地の下見に行ってもらえたらと思います。

それでは、また次回。

vol.70 設計の考え方と土地を見る視点 その2

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「設計の考え方と土地を見る視点 その2」です。

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この写真の土地は、
間口約16.10m×奥行き約20.30mのきれいな形をした
約98.5坪の南向きの土地(分譲地の一画)ですが、
仮にあなたがこの土地に家を建てるとしたら、
どのような家をご想像されますか?

さて、今回も前回に引き続き実在する土地を例に挙げつつ、
設計や土地の考え方についてお伝えしていきたいと思います。
前回は北向きで50坪をやや切る土地だったのに対し、
今回は南向きで100坪近くある
いわば前回と正反対のような土地についてお伝えしていくので、
「南向きの土地がいい!」とか
「広い土地がいい!」とお考えの方は、
ぜひ最後までご覧いただけたらと思います。


✔️この土地でやらないほうがいい2つのこと

まずこの土地でやらないほうがいいことは
「こんな広い土地なのに2階建てを建てる」
ということです。

平屋を建てたとしても莫大な余白が出来てしまうのに、
2階建てなんて建ててしまった時には、
さらに敷地に余白が出来てしまうからです。

仮に1階が20坪の家を建てるとなれば
余白が78.5坪も出来るのですが、
そのうちどうしても必要なのが、家の周りの通路分として約10坪、
3台分の駐車場として13.5坪だけだとしたら、
(駐車場は1台4.5坪(2.5m×6m))
残りの約55坪はなくても良いと言っても過言じゃありませんからね。

であれば、平屋にすることで敷地の無駄な余白を少なくし、
外構工事にかかる負担を少しでも減らした方が
経済的にもそして維持管理の手間的にもいいと思います。
もっとも、余白を少なくすると言っても、
そもそも土地が広すぎるので限界はありますが。

ゆえ、個人的にはその地域ならではの特別な事情でもない限りは
(その広さの土地しか売っていない)
こんな広すぎる土地は買わない方がいいと思っています。
具体的には、平屋を建てるにしても最大60坪、
2階建てにしたいなら最大45坪もあれば充分といったところでしょうか。

土地が小さくなれば、外構工事面積が小さくなる分、
外構費用は安くなるし、庭の維持管理も楽になるし、
そもそも土地の価格も抑えられるし、固定資産税だって安くなりますしね。


✔️南向きの土地の欠点

2つ目の「やらないほうがいい」ことは南向きならではのことですが、
「日当たりが良いからといって南向きの部屋に拘らない」
ということです。

というのも、写真だけでは読み取りにくいのですが、
この土地は分譲地の一画であり
奥に何軒か家が建つことになるため、
常時、家の前の道を奥の家の方が通ることになるからです。

つまり、南向きの部屋をつくり南向きの窓をつくったとしても、
見られている感が否めないことからカーテンが開けられない家になり、
思っていたような明るさや開放感を感じにくくなってしまう可能性が高い
というわけですね。

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また、敷地も広いことから
大きなウッドデッキを南につくることも出来ますが、
それもプライバシーが担保されていなければリラックスして使いにくいため、
ほとんど使わないただの飾りになってしまう可能性だって充分考えられます。

実際暮らし出した時どうなるのかまで想像しながら
間取りを考えるようにしなければいけないんですよね。

もっともこの土地の場合、敷地が広いことから
部屋やデッキや庭のプライバシーをガッチリ確保出来そうな
要塞みたいな塀をつくることも出来ますが、
そんなのをつくろうものなら、
それだけで200万円以上かかってしまうので、
これはこれで全く現実的な話じゃありませんしね。

そんなわけでこの土地で家を建てる場合、
庭にまでたっぷりと予算がかけられるとしたら、
具体的には外構工事費用に4~500万円ほどかけられるなら
全開南向きプランで考えても良いですが、
出来るだけ予算を抑えながら家を建てたいとお考えだとしたら、
「南向きの部屋に拘らない」ようにしていただけたらと思います。

光には「直射光」と「天空光」の2種類があるのですが、
直射光だけに頼って設計するのではなく
この2つの光を部屋の用途に応じて上手く使い分けることが
明るく開放的な家をつくる上で最も大切なことなので、
これをぜひ覚えておいてくださいね!

それでは、また次回。

vol.69 設計の考え方と土地を見る視点 その1

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「設計の考え方と土地を見る視点 その1」です。

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この写真の土地はとある場所にある売り土地で、
法務局に備え付けられている寸法図によると
間口約9.25m×奥行き約16.75m 、
面積約47坪の北向きの土地なのですが、
さて、あなたがこの土地で家を建てなければいけないとしたら
どんな家を想像するでしょうか?

今回は、
この土地に家を建てるとして、
どんなSIMPLENOTEの家を提案するのかについて
お伝えしていきたいと思います。

あくまで「SIMPLENOTEの家ならでは」の考え方ではありますが、
これから土地選びをする方はもちろん、
すでに土地を買ってしまった方も
多少なりとも参考になる内容だと思うので、
ぜひ最後までお付き合いください!


✔️考えられるデメリットを解決する

まず、家を建てる方みんなにお伝えしていることが、
「間取りは建てる方の要望だけじゃなく
環境を考慮しておかないといけない」ということです。

環境を無視して家を建てると、
いざ住んでみると確実に
「あれっ?こんなはずじゃなかったのに」となってしまうからです。

その代表的なことが、
日当たりも良いし窓もたくさんつくったにもかかわらず
照明なしでは過ごせないという状況です。

この土地は北向きであり、かつ奥行きも深めであるため、
リビングを道路と反対側に配置しやすいし、採光も確保しやすいし、
南向きの土地に比べてプライバシーも担保しやすいものの、
通過する電車やその向こうのにある教習所から見られやすいことから
単純に南に大きな窓をつくりそこからの採光を頼りにし過ぎると
そのような状況になりかねませんからね。

また、今は両隣ともに平屋であるため、
東・西そろって採光が確保しやすいのですが、
この古さを見る限りいつ建て替えが行われてもおかしくないので、
それも考慮しておくべきです。
2階建てが建つとなると、
比較的太陽高度が低い東、西は採光に影響が出るでしょうからね。

さらに、この土地は間口がそれほど広くないため、
居室の日当たりを優先し
水回りを北にまとめて配置しがちになりますが、
これも大きな後悔を引き起こす原因となります。

北に水回りをまとめると、
窓や換気扇や給湯器が全て北に存在することになり、
これらが家を汚す原因となるからです。
北は直射日光が当たらない分、
ただでさえ汚れやすいのに、
それに拍車をかけてしまうわけですからね。

結果、家の正面が汚れやすく、
メンテナンス周期が早くなる可能性が高くなるというわけです。
家の正面だってカッコよく設計しにくいわけですしね。

そんなわけで、
考えられるこういったデメリットを全て解決する方法も考えながら、
どんな家にしたいのかという要望をお聞きしていくという流れになります。
これが、土地が決定した時点で行う「ヒアリング」という作業です。



✔️敷地を有効に使う

そして、どんな土地であっても
SIMPLENOTE家では「平屋」に出来ないかを優先して考えるようにしています。

この土地の場合、車を3台置きつつ駐輪場もつくれて、
かつ最大89.43㎡(約27坪)という(間口8.19m×奥行き10.92mで計算)
建築面積の平屋を建てることが出来ます。

仮に玄関ポーチを0.5坪(1帖)、中庭を3坪(6帖)つくるとしたら、
延床23.5坪の平屋なら建てることが出来るというわけですね。

では、その平屋は一体どれくらいの広さなのでしょうか?
1坪=2帖なので23.5坪×2=47帖だとして、
どれくらいの家になるのか考えていってみますね。

玄関とホールに2帖、玄関収納に1帖、LDKに16帖、
寝室に6帖、子供部屋に4.5帖ずつ、トイレに1帖、洗面に1帖、
脱衣に2帖、風呂に2帖、ウォークインクローゼットに3帖、
子供部屋に合計2帖のクローゼット、パントリーに2帖、
これで合計47帖(=23.5坪)ですが、
仮にあなたが「あれっ?これで全然いけそうじゃない?」
「っていうか、これで充分!」と感じられるのであれば、
実は、この広さの土地でも平屋を建てることが出来てしまうんですよね。

いかがでしたか?
たった47坪しかないのに「平屋」が建つなんて何だかビックリしませんか?
しかも「中庭付き」で。
これに加えて、敷地に無駄な余白を残さなくなる分、
外構面積も小さくなるため外構費用だって抑えられますしね。

というわけで、
今回はSIMPLENOTEの家づくりの考え方を
具体的に土地に落とし込んでお伝えしてみました。

それでは、また次回。
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vol.68 住宅ローンのリスクヘッジ

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「住宅ローンのリスクヘッジ」です。

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家という大きな買い物をする場合、
借金をゼロにすることは不可能ですが、
なるだけ減らすことを意識しつつ、
ローン返済に並行して、お金を生み出すなにかを
同時にすることをオススメします。

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例えば、住みたい地域で土地を買って家を建てようと思えば、
銀行から4000万円お金を借りなければいけないとします。

この場合、おそらく800~1000万円ほど
利息を払わなければいけないのですが、
仮に、何らかの方法によってその予算を1000万円圧縮出来れば、
単純に200~250万円も利息の支払いを圧縮することが出来ます。

実家に土地があってそれを使ってもいいとか、
ご両親が土地を買ってくれたとか、
住むエリアを変更しつつ建てる家を小さくするなどの方法によってです。

そして、次に考えていただきたいことが
利息を帳消しにする方法についてです。

まず考えられることは、自らの収入をアップさせる方法ですが、
それはスキルアップかもしれないし、
転職かもしれないし、副業(複業)をすることかもしれません。

とにかく手段は人それぞれですが、
どのみち子供の成長とともに出費は増えていくばかりなので、
考えてみるといいかもしれません。

今後、消費税や所得税などの増税も十分考えられますし、
社会保険料の負担も上がり続けていくため、
給料がそのままだと実質の手取りは下がっていくばかりですしね。

続いての方法が、節税によってお金を増やすということです。
例えば、個人型確定拠出年金「iDeCo」で積み立てを始めるとかですね

これに加えて、家を建てたら13年間は
住宅ローン控除という節税制度の恩恵を受けられ、
もちろんこれは借入額によるものの、
大抵の場合、所得税は丸々返還で住民税もかなりの額が控除されます。

この他、「ふるさと納税」も所得控除の対象になりながら
住民税を納めた市町村からなんらかの返礼品もいただけるので、
iDeCo同様に前向きにやっていただくといいのではないでしょうか。

政府が進めている、
NISAを使った長期積立投資も活用してみてもいいですね。

そんなわけで、
家を建てるにあたり住宅ローンをたくさん組むのだとしたら、
以上の3つを取り組むことも視野に入れていくといいかしれません。

今後、土地の資産価値はそう大きく変化しないと思いますが、
家は建てた時が、一番評価(価値)が高く、
以降、その価値は徐々に目減りしていき
35年後には価値がほぼゼロになってしまいます。
これに加えて家を維持管理していくための費用だって
生きている限りずっとかかり続けます。

なので、家を建てるにあたっては、
出来るだけ予算を減らす方法がないかを模索してみること、
そして、収入アップ、節税、積立投資などに前向きに取り組むこと、
この2つを意識していただければと思います。

これらの合わせ技をし、
家を建てた後も豊かに暮らし続けていきましょう!
それでは、また次回。

vol.67 資金計画の事前準備のやり方

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「資金計画の事前準備のやり方」です。

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前回、ローンの返済額を決めるに当たって
まずは家計の収支を把握してくださいというお話をしましたが、
では、あなたはどれくらい家計の収支状況を把握されているでしょうか?

どんなものにお金がいっているのかはなんとなくは理解しているけど、
じゃあ具体的にどれくらいなのかまで把握している方は
割と少ないのでないかと思います。

なので、今回は予行練習がてら
一般的だと思われる家庭(子ども2人)をモデルにして
家計の収支を洗い出していってみたいと思います。

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では、まずは収入からですが、
仮にご主人様の年収が400万円で
奥様の年収が300万円だとしたら、
おそらくご主人様の手取りは毎月平均26万円ぐらいで、
奥様の手取りは毎月平均20万円ぐらいだと思います。
つまり毎月46万円ぐらいが世帯収入ということですね。

続いて支出です。
前回お伝えした項目に数字を当てはめていってみますね。
・家賃+駐車場代=月75,000円
・電気代=月平均6,000円、
・ガス代=月平均6,000円、
・水道+下水道代=月平均4,000円、
・家財保険代=月平均1,000円、
・車のローン(2台分)=月50,000円
・ガソリン代(2台分)=月平均30,000円
・車検代(2台分)=月平均10,000円
・車の保険代(2台分)=月平均10,000円
・車の税金(2台分)=月平均5,000円
・車のメンテ代(2台分)=月平均2,000円
(オイル、バッテリー、タイヤ交換など)
・習い事代(2人分)=20,000円
・携帯代=12,000円
・ネット&TV代=7,000円
・美容室代(2人分)=月平均12,000円
・外食代=月平均10,000円
・旅行代=月平均10,000円
・サブスク代=月5,000円(ネットフリックスやアマゾンなど)
・食料品代=月平均100,000円(日用品代・化粧品代・衣料品代なども含む)
・お小遣い(2人分)=40,000円
・生命保険代=月10,000円
・医療保険代=月5,000円
・学資保険代(2人分)=20,000円
ざっとこんな感じでしょうか。

これらを合計すると450,000円となったので、
仮にこれに加えて奨学金があるとしたら、
貯金が出来ないどころか、
これまで貯めた貯金を吐き出すような
状態になっているということになります。

それゆえ、このご家庭に関しては、
返済額をいくらにするかの前に家計を矯正しなければいけません。
現状では家賃並みの返済でも貯金を吐き出し続けてしまうだけですからね。

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✔️見直すべき点は固定費

まず、見直すといいのは車にかけるお金です。
上記項目の中で車に関連した費用を合計すると
1台所有すれば毎月5万円以上かかっています。

なので、車の台数を1台にするとか(これが最も効果があります)
あるいは、買う車を中古にし、車体価格をグンと抑えるとか、
ランニングコストとなる燃費をグンと抑えられる車にする
といった工夫をするといいでしょう。

続いて保険も見直すといいでしょう。

生命保険に関しては、家を建てると必然的に
団体信用生命保険という掛け捨ての定期保険に入ることになるため、
万が一の死亡保証に備える必要がなくなると
考えていただいても問題ないと思います。

というわけで、保険に関しても家を建てると同時に
見直してみていただけたらと思います。

先程リアルに数字をご覧いただきましたが、
よほど突き抜けて収入が高くない限りは、
たとえ共働きだとしても決して生活が楽なわけではないはずです。

なので、これから家を建てようとお考えの方は、
夫婦で未来の計画についてよく話し合っていただいた上で、
より正確な資金計画が立てられるよう
収入と支出について考えていただければと思います。

それでは、また次回。

vol.66 資金計画より大事なこと

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「資金計画より大事なこと」です。

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家づくりを具体的に進める前に「資金計画」をすることは
どこの住宅会社でも当たり前になりつつありますが、
この資金計画をするにあたり、なにより大事なことが
「何を根拠にローンの返済額をその金額に決めたのか?」です。

この根拠がしっかりしていないと、
あれよあれよという間に予算が上がってしまいやすいから、
そして住宅会社の都合が良いように予算を上げられやすいからです。

とりわけ原材料費のインフレによって
建築コストが上がりつつある現在は、
その度合いも大きくなりがちなので、
どこまでなら大丈夫でどこからがダメなのかのラインを
自分自身が把握しておけるように、
資金計画をする前に一手間かけていただくことをオススメしています。

というわけで今回は、
「資金計画の前準備」についてお伝えしていきたいと思います。
要は、資金計画では最初に銀行からの借入額を決定するので、
借入額を決定するにあたり必要な三要素
「返済額」「金利」「年数」の中の「返済額」をいくらにすべきなのかを
決定するための根拠を出すということですね。

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✔️家計の収支と今後を考える

現実と向き合い過ぎるとブルーになるので、
あまり正確に収入や支出を把握したくないのは分かるのですが、
家を建てる時、まずここから始めるべきなのは間違いありません。

どれくらいずつ収入があって、
その中で何にどれくらいお金を使っていて、
どれくらいを貯金や保険に回しているのかを
全て洗い出して把握するということですね。

出費の内訳としては、
家賃、駐車場代、電気代、ガス代、水道代(下水道代)、家の家財保険代、
車のローン、ガソリン代、車検代、車の保険代、車の税金、車のメンテ代、
習い事代(塾代)、携帯代、ネット&TV代、美容室代、外食代、衣料品代、
旅行代、サブスク代(音楽・本・新聞・映画など)、食料品代、日用品代、
小遣い、貯金、生命保険代、医療保険代、学資保険代、
といったところでしょうかね。
あと奨学金がある場合、そのローン返済と。

なので、まずはこれらにどれくらいお金がいっているのか
ある程度正確に把握することから始めていただければと思います。

そして、次に考えていただきたいのが、
今後はもっと出費が増えるということと、
家を持つとさらに出費が増えるということです。

出費が増える理由は、子供の成長と共に
食費・旅費・習い事や塾代・携帯代などが高くなるからです。
その上、大学に行くとなれば、
県外なら学費の上に家賃と生活費が、
県内なら学費の上に車代とガソリン代、車検代と保険代と税金が
それぞれ必要になってくるので、
早い段階からその備えをしていかないと
家計が火の車になるのは必至です。

また、家を持ったからには当然
維持していくためのお金も必要となります。

まず、4月に納税通知が届く固定資産税。
次に、火災保険。(入るなら地震保険も)
そして、定期的な外壁塗り替え費用。
(15年に一度ぐらいにペースです)
さらに、水回りの入れ替えに伴う修繕工事。
(20~25年に一度ぐらいのペースです)
最後に、家電製品の買い替え費用。

これらが家を持っている限り必要となるコストなのですが、
要はこれらの資金のことまで考慮した上で
毎月のローン返済額を決めた方がいいというわけですね。

じゃないと、家のローンに上積みして
子供たちの進学資金や定期的な修繕費用をローンに頼ることになり、
死ぬまでずっと借金地獄から抜け出せなくなってしまいますからね。
家計が厳しくなれば車だってローンで買うしかなくなるでしょうしね。

というわけなので、
単純に家賃と比較していけるかどうかを決めるという
危険な賭けだけは絶対にしないでもらえたらと思います。

家計の収支と今後の必要経費を全てテーブルの上に出し
把握した上で返済額を決める。
面倒臭がらずこのルールに従って
家づくりを一歩一歩進めていただければと思います。

それでは、また次回。

vol.65 土地選びの追加チェック項目

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「土地選びの追加チェック項目」です。

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住む場所を選ぶ時、
立地(利便性)、環境、形状、広さ、向き、価格、災害情報、
小・中学校までの距離などを総合的に捉えながら
土地を購入するか否かを検討されると思いますが、
もう1つ検討材料に加えることをオススメします。

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✔️昼だけじゃなく夜も見に行く

みんなに共通していることは土地を昼間に見に行くということです。
夜に見に行っても土地の形も分からないし、
周辺の状況も分からないし、
暗い夜道をウロウロするのは危ないので当たり前のことなのですが。

しかし、昼間じゃなきゃ分からないことがあるように、
夜じゃなきゃ分からないこともありますよね?

家の周辺に街灯があるのか?
昼間にあることは確認出来ても実際その街灯が充分に明るいのか?
通わせる学校まで街灯が続いてあるのか?
そしてその街灯は充分に明るいのか?
同じく最寄りのJRの駅やバス停までも。

それゆえ、個人的には「おっ!この土地いいかも!」と直感的に感じたら、
必ず夜(日没)にも見に行った方がいいです。
そして、そのついでに小学校や中学校、
そして最寄りの駅やバス停まで車を走らせ環境を見てもらえたらと思います。

かつ、そのタイミングがご近所さんの帰宅と重なった場合、
思いきって話しかけてみてもいいかと思います。
どんな方が住んでいるのか自らの肌感で知っていた方が
今後お互い何かと安心でしょうしね。
自治会のことやゴミ出しのことや集団登校のことなど、
聞くことはたくさんあるのでぜひ思いきって話しかけてみるのもいいかもしれません。

それでは、また次回。

vol.64 日陰は決して悪ではない

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「日陰は決して悪ではない」です。

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設計士の多くは日陰となる場所に家を建てたがりません。
そこには太陽高度が低くなる冬に直射日光が入ってこないからです。
一番、直射日光を入れたい冬に。

それゆえ、彼らは家を建てる敷地が、日当たりが悪そうな場合、
広さ的には充分平屋が建てられる土地であるにもかかわらず、
当たり前にように2階建てを提案します。

あるいは、あなたがこれから土地を探すのだとしたら、
直射日光を阻害されることがない南向きの土地を優先してオススメするか、
直射日光が確保出来そうな広々とした土地をきっとオススメするでしょう。

しかし、これらの提案は決してベストな提案ではないし、
コスト的にも負担がかかりやすくなることから
SIMPLENOTEではこれらと180°反対の提案をさせていただいています。

平屋が建てられるなら
たとえ日当たりが悪い土地でも平屋を提案しているのですが、
これは、その方が圧倒的に暮らしやすいからです。

子ども部屋も、
2階にあるより1階にあった方が小さいうちから使ってもらいやすいし、
自分たちのものを自分の部屋に持っていってもらいやすいですしね。

寝室やクローゼットだって
2階にあるより1階にある方が何かと便利だと思います。
毎日のこととなれば、いちいち上に行くのって面倒くさいので。

家事動線も上下移動がなく水平移動だけとなれば、
ずいぶんと楽になるのは火を見るより明らかですよね。

これらはほんのちょっと想像したら誰でも分かることだと思いますが、
最悪なのは歳をとってからだと思います。
健康な状態の今はこんなこと想像もつかないと思いますが、
誰だっていつどのタイミングで足腰が悪くなってもおかしくないし、
そうなれば2階に上がるのがホント億劫になってしまいます。

で、そのうえ下に部屋が足りないとなれば
改築に加えて増築までしないといけなくなり、
大きな出費を余儀なくされるかもしれませんしね。
空っぽになった子供部屋さえ下にあれば
そんな無駄な出費をしなくて済んだのに...ということです。

以上のような理由から
基本、平屋を提案しているというわけです。

そして、南向きや広い土地を提案しない理由は
コストを出来るだけ抑えながら家づくりをするためです。

南向きの土地は一番人気なので割高に価格が設定されているし、
広くなればなるほど土地の値段は上がってしまうし、
広くなれば土地代だけじゃなく外構費用も高くなるし、
固定資産税も高くなりますからね。

南向きの土地で南に部屋を配置して南に大きな窓をつくると、
部屋の中が丸見え状態になってしまって、
プライバシーもなくなってしまいます。
もちろん防犯的にも良くありません。

で、見られないようにするためや敷地に侵入しにくくするための工事に
多額のお金をかけざるを得なくなり、
終わってみるとずいぶんと余分なお金がかかってしまった...
なんてことになってしまいます。

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✔️「明るい=直射日光」じゃなくてもい

例えば、玄関や廊下などは明るいに越したことはありませんが、
かといって、それが直射日光じゃなきゃダメなわけではありません。
それと同様に、寝室にも必ずしも直射日光が必要なわけではありません。
通常、寝室は日が沈んでから日が昇るまでの間に使う部屋ですし。

また、子ども部屋も同様です。
明るくしてあげないといけませんが、
その手段が直射日光である必要はないと思いませんか?
書斎や仕事部屋も同じですが、
ガンガン直射日光が入ってくると日や時間によって光量にムラが出て
勉強や仕事をするにしてもなかなか集中出来ませんからね。

そんなわけで、各自のお部屋は
直射日光にこだわらずにつくってもいいと思っている次第です。
もちろん暗いのだけは絶対にNGですが。

これらの部屋の配置にこだわらなければ、
土地選びもしやすくなるし間取りの幅もずいぶんと広がるでしょう。
また、土地取得コストも抑えられるし、
より暮らしやすい家をコストを抑えながら建てることが出来るでしょう。

なので、これから家を建てる方は
部屋の向きにまでこだわる必要はないということを覚えておくといいと思います。
家は直射日光が本当に必要な場所だけ
南向きでつくることが出来ればいいわけなので。

それでは、また次回。
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vol.63 外構予算の決め方と減らし方

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「外構予算の決め方と減らし方」です。

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家づくりの予算を大きく狂わせる一番の要因と思われるのが
「外構工事」です。

住宅会社は建築工事の予算を減らして欲しくないがために
外構工事の予算を減らす傾向があるし、
かつ、出来上がっていく家の姿を見ると
外構にもより手を加えたいという欲求が生まれてくるからです。

というわけで今回は、
外構工事の予算の決め方と外構予算の減らし方について
お伝えしていきたいと思います。

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まず外構工事の予算に関しては、
土地の広さや状況、そして建てる家によって違ってくるものの、
ハウスメーカーのような一般的な間取りのお家を建てる場合、
少なく見積もって坪あたり3万円、普通に考えると坪あたり4万円、
それなりにこだわりたいなら坪あたり5万円は
最低見積もっておくべきだと思います。

つまり、50坪の土地だとしたら
150万円では思ったような仕上がりにならない可能性が高いので、
200万円はみておいた方がよくて、出来れば250万円にした方がいい。

60坪の土地だとしたら
180万円では思ったような仕上がりにならない可能性が高いので、
240万円はみておいた方がよくて、出来れば300万円にした方がいい。

といった感じですね。
お施主様の期待に応えてお洒落に仕上げてあげたいのに、
全く予算が合わなくて困っている外構屋さんの気持ちを代弁すると
こんなところではないでしょうか。

なので、資金計画の時、
家と外構の合計予算が2800万円になったとしたら、
土地が50坪の場合は家の予算を2550万円にすべきで、
土地が60坪の場合は家の予算を2500万円にすべきだ
ということになります。

もちろん選んだ土地によって予算が変化することもあるため、
土地が決まった時点でもう1回予算の見直しが必要ですが、
このシンプルな法則に従って予算を確保しておくと
概ね狂わないんじゃないかと思います。

逆に言うとこの知識を持っていれば土地も選びやすくなるし
家のことも考えやすくなるし、
納得のいく外構仕上げにもなりやすいと思うので、
この機会にぜひ覚えておいてもらえたらと思います。

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✔️外構予算を減らす方法

では、ここからは外構予算を減らす方法について
お伝えしていきたいと思いますが、
まず1つ目は「無駄に土地を広く買わない」ということです。
先程の予算振り分けのところをご覧いただくと一目瞭然ですが、
土地が広くなればなるほど外構予算は膨らむわけですからね。

それゆえ、探しているエリアに土地情報がほとんどないとか、
そもそも広い土地しか売っていないといった特殊な状況じゃない限りは、
出来るだけ広く買わないように心がけていただけたらと思います。

そして、それを実現する方法として
土地を探し始める前にどんな家を建てたいのかを
明確にしておくことをオススメしています。
建てる家に合わせて土地を探せば、
ちょうどいい広さで土地を買いやすくなるからです。

広い土地を買うと、
固定資産税だって割高になってしまいますしね。

というわけで、
広すぎないちょうどいい土地を探し、
かつ見つけた土地に出来るだけ余白を残すことなく
家を建てるように設計することで外構工事の施工面積を極限まで減らす
という方法によってコストを抑えるというわけですね。

で、その上で「余分な装飾が必要ない家を建てる」と
さらにコストが抑えられます。
いわば、塀も植栽も目隠しも必要なく、
外観を引き立たせるための一切の工事が必要ない家を建てるというわけですね。

端的に言ってしまうと
砂利とコンクリだけで終わりという感じです。

この3つの要素が全て揃うと、
外構工事の予算は坪あたり1.5万円あれば充分だし、
コンクリの面積によっては坪あたり1万円以内で済むことだってあります。
60坪の土地でも60万円~90万円で済みます。

というわけで、
外構工事にそんなにたくさんお金を使いたくない...
庭の手入れとかめんどくさいから手間がかからないようにしたい...
そうお考えの方は、ぜひこの考え方を参考にしてもらえたらと思います。

それでは、また次回。

vol.62 対面キッチンのデメリットをカバーする秘策

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「対面キッチンのデメリットをカバーする秘策」です。

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リビングやダイニングはもちろん、
中庭や子供部屋などを全て見渡しながら
キッチン作業が行える対面式キッチンは
今の家づくりの定番となっていますが、
大切なのはそのつくり方です。

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例えば、対面式キッチンの場合
キッチンの手元を隠すためにキッチン前に目隠しとなる壁を立て、
その壁の天端に奥行き15cm~20cmの
カウンターを設置することが多いのですが、
あらゆるものがこのカウンターの上に所狭しと,
陳列されている光景を見たことがあるのではないでしょうか。
調味料・鍋・コップ・請求書・書類・鍵・薬・殺虫剤などなどですね。

理由は簡単。
一般的にこの高さは床から1m前後の高さでつくられることが多いのですが、
その高さこそ、ちょこっと物を置いておくのにちょうどいい高さだからです。

そんなわけで、
ここには「ちょっとだけアイテム」が自然と集まってきて、
いつの間にかこのカウンターはただの物置と化していくことが多いです。

本来の任務は、
出来上がった料理を向かいのダイニングテーブルへと最短で届けること、
かつ食べ終わった食器を最短のルートで受け取ることだったのに...です。
その上、ここにあらゆるものが陳列された結果、生活感が一気に滲み出し
ダイニングやリビングからの景色がとてつもなく悪くなってしまいます。

ゆえ、SIMPLENOTEの家ではそのような悲劇を引き起こさないために、
このカウンターの奥行きをスマホしか置けないぐらいにすることが多いです。
そうすることによってこのカウンターを拭く時も
いちいち置いてあるものを除ける必要もないので、
いつも簡単にササっと一拭きでお掃除出来てしまいますしね。

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✔️リビングからの見栄えを考える

使用頻度が高いキッチンを常にキレイに保つことは
相当難しいことだと思いますが、
このキッチンをどれだけキレイに保てるのかによって
家の見栄えがけっこう変わってくるため、
弊社では先程の工夫に加え大型の収納をキッチンの後ろにつくる
という工夫も施しています。

そして、収納(パントリー)の中に
冷蔵庫・家電・ゴミ箱・食料品を全て置いていただくようにしています。

この場合、キッチンのすぐ後ろにレンジやジャーがあるのに比べると、
確かに不便ではあるかもしれません。
しかし、キッチンのすぐ後ろにレンジやジャーがある場合、
いつもキレイに片付けておかないと生活感が滲み出てしまうのに対し、
パントリーの中に隠してしまえば、
少々粗い片付け具合だとしても確実に生活感は滲み出にくくなります。

また、冷蔵庫に関しても
正面に出していると冷蔵庫にペタペタと貼った
学校やゴミの予定表などが全て丸見えになってしまいますが、
パントリーの中に置いてみると丸見えになることがありません。

冷蔵庫に関しては、
背面に置く場合と距離感も変わらないので
使い勝手も全く悪くならないですしね。

さらに、キッチンの後ろに収納をつくることによって、
ダイニングやリビングから死角となる壁が出来るのも、
この工夫の素晴らしい所です。

死角となる壁があることで、
そこに学校やゴミの予定表をはじめとして
いろんなものを貼ることが出来るからです。

そんなこんなで、
リビング側から見た時の見栄えが格段によくなるというわけですね。
見える場所さえいつも散らかっていなければ、
突然誰かがやって来たとしても片付けにあたふたすることもありませんしね。

ってことで、これから家を建てようとお考えの方は、
これらの工夫を知識として頭の中に入れておいてもらえたらと思います。

それでは、また次回。

vol.61 インフレの中の家づくり

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「インフレの中の家づくり」です。

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ウッドショックによる住宅価格の値上がりは
ようやく落ち着いてきつつあるのですが、
木材の派手な値上がりを隠れ蓑にして
様々な資材が地味に着々と値上がりしているため、
建築費は今なお上がり続けています。

コロナショックによる経済のダメージを最小限に食い止めるために
世界の銀行がジャブジャブにお金をばら撒いたので
世界的にインフレが起こってしまい、
この流れが止まるにはもうしばらくかかりそうです。。

日本は原材料とエネルギーの多くを輸入に頼っているので、
この影響をモロにくらうってわけですね。

というわけで今回は、
こんな流れの中家づくりをどのように考えるべきなのかについて
意見を述べていきたいと思います。

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✔️負担を減らす家づくり

結論としては、住宅の価格は上がっても
家づくりの予算は出来るだけ上げるべきではありませんと言うことです。

住宅会社としては、住宅価格の上昇に合わせて
家づくりの予算を上げてもらえると嬉しいというのが本音ですが、
先立って物価ばかりが上がり、
賃金の上昇が追いついていないのが現状ですからね。

では、原材料価格が高騰している中でも、
負担を上げないように家づくりをするためには
どうすればいいのでしょうか。

まず、前向きに考えていただきたいことが、
土地を買わないという選択肢です。
つまり、実家に余っている土地があるなら
そこを使うことを優先して考えてくださいということです。

おじいちゃんやおばあちゃんが住んでいた空き家。
実家の敷地の余っているスペース。
田んぼや畑や、持て余している土地など...。
土地を買わないで済むとなれば
数百万どころか住む場所によったら
1000万円以上予算を軽減することが出来ます。

そんなわけで
親の近くに住むのは感情的に嫌だとか
不便だから嫌だという気持ちは当然あると思いますが、
これまで以上に前向きに検討いただく方がいい
と思っている次第です。

そして、もう1つこれまで以上に考えた方がいいことが、
家の面積を闇雲に増やさないことです。
家の面積は家の価格に一番影響を与えるからです。

なので、これまで家を建てた人がこうしているからとか、
自分の実家がこうだったからということに
縛られないようにしてもらえたらと思っています。

これに関しても、実家の近くに住めば、
実家の余った部屋や収納を利用させてもらうことだって出来るので、
必要以上に部屋数を増やしたり、
必要以上に部屋を広くしたり、
必要以上に多く収納をたくさんつくる必要がなくなり、
家の面積をギュッと圧縮しやすくなります。

そしてその結果、建築費も抑えられるし、
固定資産税も幾分抑えることが出来ます。
また、家がコンパクトになった分
電気代も幾分抑えられるでしょうし、
外壁塗り替えのメンテコストや将来の修繕コストも
きっと抑えられるようになるでしょう。

親の近くに住めば子育てに協力してもらいやすいし、
食費の負担も抑えやすいので、
その分さらに経済的な負担が軽減出来るでしょうしね。

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あくまでこれはメリットばかりに目を向けた理想論であり、
感情的な負の側面に目を向けていない意見なので、
そこをクリア出来ることが大前提となってきますが。

とはいえ、予算的な問題は今後の生活を左右する大きな要因となるので、
ご夫婦でよく話し合って家づくりに取り組んでいただけたらと思います。

プライバシーさえ守れれば、
実家の近くでもストレスをそう感じることなく暮らせるでしょうし、
小さな家でも、間取り次第で最高に快適な暮らしが出来るので、
そんな暮らしを想像してみたいという方は
ぜひ一度ご相談にいらしてください。

最小限の負担であなたにフィットした
最高の暮らしをご提案させていただきます。
それでは、また次回。

vol.60 平屋のススメ(日常生活後編)

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「平屋のススメ(日常生活後編)」です。

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家を建てるなら、
自然の光がたっぷりさし込む明るい家にしたい...
ゆったりとした開放的な家にしたい...
そして、四六時中快適に過ごせるような家にしたい...
誰もがこのようにお考えになるでしょう。

そして、これらが全て実現出来るような土地を選び、
間取りを考え、住宅性能を備えようとします。

いわば、太陽の光を全身で浴びられるような南向きの土地を選びつつ、
部屋を全て南向きでつくりかつ南向きの大きな窓をつくる。
そして、ガッチガチに断熱性能を高めて
夏と冬のストレスを緩和するといった感じですね。

もちろん理論上ではこれを実現した住まいは、
冒頭の3つの要素を全て満たした素晴らしい住まいになります。
が、悲しいかな、実際の生活はと言うと
思い描いていた暮らしとはなんだか違うという方が
多かれ少なかれいらっしゃるのではないでしょうか?

なぜなら、南向きの土地は日当たりがいい反面、
理論通りの間取りにすると、
外から家の中が丸見えになってしまうからです。

つまり視線を避けるために
カーテンを閉めたままにせざるを得なくなるため、
充分に光が届かない場所が出てくるというわけですね。
カーテンのせいで窓から外の景色が見えなくなり
閉塞感も出てしまいますしね。

ゆえ、間取りを考える時は、
外から丸見えにならないようにすることも、
同時に考えておかなければいけません。

ましてや「平屋」ともなればなおのことですよね。
全部の部屋が1階にあるためプライバシーが守られていないと
どこもかしこもカーテンだらけになっちゃって
家中真っ暗になってしまいますからね。

たとえプライバシーや防犯を担保するために
高い塀や植栽や目隠しといった外構工事に多額のお金を使ったとしてもです。
これらの対策だけでは、
周りから見られている感を完全に防ぐことは出来ませんからね。

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✔️大切なプライバシーの担保

これは平屋に限った話ではなく2階建ての場合も同じことですが、
間取りを考える時は明るさと開放感だけに着目するのではなく、
同時にプライバシーが担保されているかどうかにも着目すべきです。
明るさと開放感は、
プライバシーが担保されていないと完全には実現出来ないからです。

想像してみてください。
カーテンがいらない暮らしを。

窓からさし込む自然の光で
家の中はまるで外にいるかのような明るさに包まれることでしょう。
窓から見える外の景色や窓から見える広大な空のおかげで
まるで外で過ごしているかのような
開放感に包まれた暮らしを楽しむことが出来るでしょう。

ゆえにSIMPLENOTEの家では、
視線カットのためのカーテンがいらない家をつくるようにしています。
カーテンがいらない家になれば窓の数を減らすことが出来ます。
効率よく、また満遍なく光を取り込むことが出来るからです。

結果、管理する窓が減り戸締りの心配が減ります。
掃除する窓が減り年末の大掃除の手間が省けます。

また、窓が減れば耐震性がさらに高くなるし、
同時に断熱性も高くなります。
窓がなくなった分断熱材が施工された壁が増えるからです。

さらに、窓が減ればコストも安くなります。
これに加えてカーテンもいらないのだから
なおのことコストは安くなりますよね。

ま、カーテンがなくなるように設計すると
余分にかかるコストもあるので
コスト的にはトントン、あるいは少し安くなるぐらいですが...。

しかし、プライバシーが担保された「平屋」を仮に実現出来るとしたら、
それは間違いなく最強に住みやすい家になるのではないでしょうか。
経済的に優しく、強度にも優れていて、家事への負担をミニマムにしてくれ、
明るく開放的で最高に快適な暮らしを得ることが出来るわけですからね。

というわけで、
平屋のススメシリーズの最後の締めとしては、
「プライバシーの担保」を忘れないようにしてくださいね!
というお話でした。

それでは、また次回。

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vol.59 平屋のススメ(日常生活前編)

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「平屋のススメ(日常生活前編)」です。

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予算のことも大事だし、
もしものことから家族の身を守ることも大事ですが、
それに負けず劣らず大事なことが日常生活のしやすさですよね。

家事に育児に仕事に忙しいうちは、
なるべく家事にかかる時間が短縮出来る家にしておきたいですし、
歳をとった後はもちろん、歳をとってなかったとしても
動く距離が短ければ短いほどなにかと楽です。

そんなこんなで、今も未来もずっとそんな暮らしが出来る
「平屋」をオススメしています。

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まず「2階建て」と「平屋」の明確な違いが「洗濯動線」です。

2階建ての場合、ベランダに洗濯物を干すとしたら
上と下を行ったり来たりしないといけません。
干すために階段を昇ってベランダに洗濯物を干し、
取り込むために再び2階に上がって、
取り込んだ洗濯物をリビングに持って降りてきて、
たたんだ洗濯物の一部を再び2階に持って上がるという感じですね。

最近はこの面倒くささを解消するために
1階に干場をつくり2階に上がる回数を減らしているのですが、
これはこれで、わざわざ靴を履いて外に出て
干したり取り込まないといけないし、
何度も外と中を往復しないといけないので、
楽ちんかと言われると全然そんなことない気もします。。

外に出るとしたら
お隣さんやご近所さんと顔を合わす可能性だってあるので、
いつもそれなりに綺麗にしておかないといけないわけですし。

他方、平屋にすれば上下移動が全くなくなるので、
それだけでずいぶんと動きがスムーズになります。

ただし、平屋の場合でも勝手口から外に出て干したり
取り込まなければいけないとなると、
先程お伝えした状況と全く同じなので、
そうならないように工夫しないといけません。
人目につかない場所で洗濯作業が出来るように、
かつ、干す・取り込む、の動線が短くなるようにという工夫ですね。

これが実現出来れば、
時間に関係なく洗濯作業を行うことが出来るので、
時間的なことも身なり的なことも
隣近所に一切気を使うことなく洗濯が出来るようになりますからね。

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そして、続いての明確な違いが「片付けのしやすさ」です。
2階建ての場合、2階につくった子供部屋を
子供たちは中学生ぐらいになるまでほぼ使わないと思います。
つまり、子供部屋が使えない分、
子供たちの荷物が1階のどこかしらを占領してしまうというわけです。

では、その占領場所がリビングだとしたら?
そして、リビングだけでは事足りずダイニングまで占領するとしたら?

もはや自慢のリビングダイニングは、
足の踏み場もないぐらい子供たちの荷物が溢れ、
生活感が漂う残念な家になってしまうことでしょう。

他方、平屋にすれば子供部屋が1階になるため、
全てとは言わずとも、ある程度のものを自分の部屋に片付けることが出来ます。
ランドセル(バッグ)・制服・普段着・絵本・パジャマ・
あまり使わない2軍のオモチャといったものたちをです。

そして、それだけでずいぶんとリビングやダイニングの
散らかり方や見え方が違ってくるのではないでしょうか。

また、自分たちの服やパジャマや普段着やカバンだって、
寝室とクローゼットが1階にあれば、
ずいぶんと片付けやすくなるのではないでしょうか。

疲れて帰ってきた時もそうだし、
朝、寝ぼけて頭がボーっとしている時に
わざわざ2階まで行くのってホントに面倒くさいですから。

というわけで、
「平屋」にはメリットがたくさんあるため、推しているというわけです。

この他、片付けの手間が省ける家になれば、
掃除機も埃掃除も楽ちんになるので、
これから家を建てようとお考えの方で面倒くさがりの方は、
ぜひ前向きに「平屋」を考えてみていただければと思います。

では、次回は日常生活の続編
「快適さ」についてお伝えしていきたいと思います。
次回の内容も、ストレスの少ない暮らしを手に入れるためには
絶対に欠かせない要素なのでぜひご覧いただければと思います。

それでは、また次回。

vol.58 平屋のススメ(強度編)

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「平屋のススメ(強度編)」です。

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高い耐震性を備えた家を建てることは
今や当たり前のことですが、
そのためにSIMPLENOTEの家では「2階建て」ではなく
「平屋」をオススメすることが多いです。

というのも、2階建ての家は、
平屋に比べて家のバランスが悪くなりやすい傾向があるからです。

まず2階建ての家は、
2階の壁量に対し2階を支える1階の壁量が少なくなりやすいという特徴があります。
2階にはプライベートルームを細かく区切ってつくるのに対し、
1階には大空間のパブリックスペースをつくるのが一般的だからです。

つまり、2階に柱や壁の数が増えることによって
上からの荷重が大きくなるにもかかわらず、
それを支える1階に柱や壁が少なくなってしまうからというわけですね。

圧倒的に過ごす時間が長い
パブリックスペースを明るくしたいという気持ちから
どうしても1階には窓を必要以上につくりやすいですしね。

また、一般的に南には出来るだけたくさん窓をつくり、
逆に北には出来るだけ窓をつくらないようにしていますが、
これも家のバランスが悪くなる原因の一つとなります。
南には壁がほとんどないのに対し北にはたくさん壁が出来るからです。
つまり、南と北の壁のバランスが悪くなってしまうからですね。

その上2階建ての場合、
2階の南にはベランダやバルコニーを張り出してつくることが多く、
支える壁が少ない南により大きな負荷をかけてしまうわけですしね。
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✔️2階建てならではの制約

それゆえ2階建ての場合、
高い耐震性を維持するために
何らかの皺寄せを飲み込まざるを得ません。

例えば、耐震等級3を取りたい場合、
間取りに何らかの制限が発生することがあります。
せっかくの大空間のど真ん中に柱や壁が必要になる、
南の窓のサイズを小さくすることになる...という感じですね。
また、その制限を飲み込んだ上で
さらに「制震装置」も設置しなければいけないかもしれません。

2階建ての場合は、台風の時や爆弾低気圧の時に
強風の影響で家の2階部分がグラグラと揺れやすいし、
トラックや工事車両のような大型車両が通行した時にも
同じように2階部分がグラグラと揺れやすく、
それらを小刻みにくらうことは
地震を小刻みにくらっているのと同じようなものであり、
それはつまり耐震金物を緩めてしまう原因となる可能性が高いからです。

そして、そのために40万円~50万円のオプション費用を
半強制的に払わざるを得なくなってしまうというわけですね。
それで安心を買っていると考えたら、そりゃあ出さざるを得ませんよね。

そんなこんなで、可能であるならば
「平屋」を建てた方がいいと思っている次第です。

平屋にすれば強風や車両振動の影響を受けにくいし、
地震の影響も受けにくいため、
基本、制振装置を設置する必要がないし、
上からの荷重も少ないし、ベランダやバルコニーといった
さらに耐震性を悪くするものをつくる必要もありませんし。

後は、南と北の壁量バランスが
悪くならないようだけ気を配りながら間取りを考えていけば、
天然で耐震性が高い家が完成するというわけですね。
かつ、家が長持ちする耐久性の高さも。
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✔️土地に合わせることが重要!

そして、建てる家を土地に合わせることが
耐震面においてとっても大切なことではないでしょうか。

例えば、交通量が多い幹線道路に面した土地で家を建てる場合、
通行車両の振動の影響を受けやすいため、
出来るだけ家の重心を下げるべきだし、
海に近い場所で家を建てる場合も、
日常的に強風にさらされるため出来るだけ重心を低くといいです。
つまり、可能なら「平屋」ということですね。

また、周囲に家が建っていない場所で家を建てる場合も、
建てられるなら「平屋」するといいと思っています。
台風の時や爆弾低気圧の時、風を遮ってくれる建物がなければ、
モロに強風の影響を受けることになるからです。

そんなこんなで、
立地という点も建てる家に大きな影響を与えるということも
覚えておいていただけたらと思っている次第です。

平屋のススメ(強度編)でした。
では、また次回。

vol.57 平屋のススメ(お金編)

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「平屋のススメ(お金編)」です。

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シンプルノートの家では、
2階建てではなく平屋をオススメすることが多いです。
その理由の1つが「コスト面」です。
コストには家を建てる時にかかる「イニシャルコスト」と
家を持ち続けるためにかかる「ランニングコスト」の2つがあるのですが、
平屋は2階建てよりいずれのコストも抑えやすいからです。

というわけで今回は、
この2つのコストが抑えられる理由について
お伝えしていきたいと思います。

では、まずは一般的には間違いなく高くなると考えられている
イニシャルコストが安くなる理由についてから。

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【イニシャルコストが安くなる理由】

イニシャルコストには、
「土地代金」「建築代金」「外構代金」の3つがありますが、
普通に考えたらこの3つ全てが2階建てより高くなりそうな気がしますよね。

日当たりが良い平屋を建てるためには
広々とした土地にしなきゃダメな気がするし、
そもそも平屋は高そうだし、
土地が広くなった分、庭づくりにもお金がかかりそうですもんね。

しかし、実際は平屋を建てるにしても、
わざわざ土地を広げる必要はありません。
光の確保は間取りの工夫によって解決することが出来るからです。

また、建築代金に関しても、
2階建てよりも安くすることはそう難しいことではありません。
平屋には「階段」もいらないし、
全ての部屋と収納が1階に集結するため
たまにしか使わない部屋もいらなくなるし、
間取りのつくり方次第で廊下をなくすことも出来るし、
トイレだって1つだけでよくなるからです。

つまり、2階建てよりもずいぶんと面積を抑えることが出来るから
というわけですね。

外構工事代に関しても、土地を広げず、
かつ敷地に無駄な余白をつくらないように家を建てるように設計すれば、
工事面積をグンと抑えることが出来、コストを抑えることが出来ます。

そして、このように配置しつつ、
プランバシーと防犯とデザインに優れた外観の設計が出来れば、
これらをカバーするための工事が全て必要なくなるので、
さらに外構費用をカット出来るというわけですね。

そんなわけで、この3つの全てを駆使することによって
一般的に高いと思われている「平屋」を
2階建てよりも安く建てられるようにしているというわけですね。

【ランニングコストが安くなる理由】

ランニングコストには、
・電気代・固定資産税・メンテ費(外壁塗装)・改修費(水回り)・増築費(部屋) 
といったものがありますが、
この中で平屋にしておけば確実に抑えられるものが2つあります。

✔️電気代を抑える

環境問題への取り組みと電気料金の高騰のため、
今後は家を建てる時に
太陽光発電をつけないという選択をすることが出来なくなる
と考えた方がいいと思います。

そして、場合によったら
蓄電池の設置も視野に入れないといけないのですが、
そうなればより多くのパネルを設置することが出来る
平屋は2階だてに比べて圧倒的に優位になります。


✔️増築費をなくす

そしてもう1つ確実に抑えられるコストがこの増築費ではないでしょうか。
平屋は全ての部屋が1階にあるため、
部屋や収納が1階に足りないという状況が起こる可能性がほぼないからです。

仮に、将来足腰が悪くなり2階に上がるのが厳しくなったとして、
1階を増築するとなれば
それだけで300万円~500万円ぐらいかかることになるし、
実際、これを理由として増築せざるを得なくなり、
老後資金からその費用を捻出している方もいらっしゃるし、
それすらない場合は、住宅ローンに上乗せして
リフォームローンを組まざるを得なくなってしまうわけですからね。

この他、メンテコストにしても
2階建てより平屋の方が確実に抑えられるでしょうし、
固定資産税だって土地の買い方や家の建て方さえ間違えなければ
きっと抑えられると思います。

というわけで、
これから先の金銭的な負担を少しでも減らすためにも、
これまで以上に平屋を前向きに検討してみてはいかがでしょうか?

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vol.56 よく聞く失敗談

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「よく聞く失敗談」です。

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寝室と衣類クローゼットをどちらも2階につくったことで、
面倒な日々になってしまったというお話をしたいと思います。

まず、家に帰ってきて部屋着に着替えた後、
今日着ていた衣類を全て2階まで持って上がらないといけません。
これをしないとダイニングチェアなどにズボンが積み重ねられていってしまいます...

また、朝起きて1階に降りる時に
今日着る服を全て準備して持って降りてこないといけません。
そのタイミングで持って降りてこないと
身支度する時に再び2階に上がらないといけませんから。
忘れ物をした日には、何度も2階に上がらないといけないでしょう。

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✔️平屋にする

この上と下を行ったり来たり問題は、
2階さえつくらなければ一瞬で解決します。
なので、平屋が建てられる土地なら平屋を選択するのがいいでしょう。

想像してみてください。
寝室も子ども部屋も衣類クローゼットも
全てが居間と同じフロアにある暮らしを。
片付けるのも取りに行くのも便利だと思いませんか?

きっと子どもたちも
自分の部屋をふんだんに使ってくれることでしょう。
よちよち歩きの小さなうちから。

想像してみてください。
洗濯物を2階に干しに行くこともなければ、
洗濯物を2階に取り込みに行くこともなく、
洗濯物を片付けるために上下を行ったり来たりする必要がない暮らしを。
つまり家事動線なんて全く気にしなくていい暮らしを。

きっと、それだけで家事時間の短縮になるでしょうし、
子供から目を離すこともなくなるし、
なにより気持ちにゆとりが生まれることでしょう。

というわけで、平屋はとてもオススメなのですが、
土地の広さ的な問題で平屋が建てられない場合もあるので、
そんな場合は、



✔️衣類クローゼットだけでも1階につくる

ことをオススメしています。
部屋は2階にせざるを得ない場合でも、
衣類置き場だけでも1階につくっておけば、
楽になること間違いなしです。
上下移動は足腰が劣化しつつある中高年だけに限らず
若い世代の子たちでも面倒くさそうですしね。

というわけなので、
ほんのわずかな違いのようですが、
暮らしやすさに大きな違いをもたらすのでぜひ参考にしてください!

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vol.55 両端な平屋の考え方

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「両端な平屋の考え方」です。

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一般的には「平屋を建てたいなら土地は60坪以上最低でも必要だ!」
と言われていますが、
土地面積が大きくなればなるほど
土地価格は高くなるし外構代も高くなります。
そして固定資産税も高くなります。

かつ、平屋を建てるなら
正方形(真四角)ではなく長方形(横長)で建てるべきだと言われていますが、
家の形は縦横のバランスがいいほどコストが抑えられるため、
この建て方は逆に家のコストを押し上げてしまう要因となります。

そんなこんなで、自然と平屋は家代も土地代も外構代も高くなり、
いつしか金持ちの家的なイメージが出来てしまっているというわけですが、
今回は、この2つについての説明と、
これらとは正反対の考え方についてお伝えしていきたいと思います。

どっちが正しいとかどっちが間違っているかという話ではなく、
あくまで「選択肢はそれだけじゃないよ」というお話なので、
知識の幅を広げると思って読んでいただけたらと思います。

✔️土地が60坪以上必要な理由

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この図は、60坪の土地に2階建てを建てた場合と、
同じ面積の平屋を建てた場合こうなるよということを記した図なのですが、
ご覧いただければ一目瞭然。

2階建ての家は、南側の境界までの距離が6mもあるのに対し、
平屋の家はわずか1mしかないため、
確実に南向きの部屋に直射光が入ってきません。

ゆえ、平屋を建てる場合は、2階建ての家のように
南側の境界までの距離を充分にとらなければいけないのですが、
そうなれば点線で囲った分だけ
余分に土地を買わざるを得なくなってしまいます。
この図だと約30坪です。

これが平屋を建てる場合
「60坪では全然ダメ!80坪~100坪ぐらいないと話にならない!」
と言われている理由ですね。

赤のラインのところに
メインの採光を取る大きな窓をつくるのが前提となっているなら、
致し方のない話です。

✔️長方形(横長)じゃないとダメな理由

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このロジックも至って簡単。
図のAとBを見比べていただくと一目瞭然ですが、
正方形より長方形の方が南向きの部屋をより多くつくれますよね。

また、真四角の場合、
家の中心付近には光が届きにくいのに対し、
横長にすればどこの部屋にも満遍なく光が入ってきそうな気がするので、
その問題もあっさり解決出来るような感覚に陥ります。

実際のところは丸見え窓には全部カーテンが閉まっているので、
「明るいのか?」と言われると、
何とも言えません。

そして、もう1つ注目してもらいたいところが家の外周の長さです。
このAとBは、形は違えど面積は同じなのですが外周の長さが違います。
足し算をしていただくと分かりますが、
Aが48mなのに対しBは52mあります。

つまり、同じ面積でも
正方形より横長になった方が家のコストは上がってしまうわけなのですが、
これだって言われるまで案外誰も気付かないんですよね。

✔️正反対の平屋の考え方

では、ここからはこれまでの話と全て正反対の話をしていきます。
結論を先に述べると、土地は60坪以下で充分だし、
かといって家が暗くなるわけじゃなく、
むしろ比較にならないぐらい格段に明るくなるし、
土地代も家代も外構代も全て抑えられますよ、という話です。

まず、土地が60坪以下でいい理由は、
日当たりが悪い土地なら
日当たりが悪い土地なりの採光の取り方をするからです。

先程の図で言うと
南側の境界からわずか1mしか離れていない赤ラインの位置に
LDKを持ってくるのではなく
南側の境界から充分な距離を取った場所にLDKを配置するという感じですね。
そして、LDKの南側に中庭をつくり
たっぷりと直射光を確保するという感じでしょうかね。

そして、どうしても直射光が入らない場所には、
直射光が必要じゃない部屋を配置するという感じですね。
太陽が昇っている間は使わない寝室とか、
自然な明るさの方が心地いい子供部屋とか玄関とかですね。

これらの部屋には明るさは必要ですが、
かといってそれが直射光である必要はなく、
中庭からの間接光でもいいわけですからね。

そして、中庭があることによって採光が安定するため、
採光のために家の外周部に大きな窓をつくる必要がなくなります。
結果、間取りが分かりにくい家が出来上がります。
スッキリした美しいデザインの家が出来上がります。
家の外壁が塀代わりになる家が出来上がります。

つまり、防犯やデザインのために
外構に費用をかける必要が一切なくなるというわけですね。
これで、土地代と外構代をグンとカット出来ましたね。

では、最後は家代です。
家に関しては中庭をつくるとコストアップします。
外壁面積が中庭の分だけ余分に必要になるからです。

ゆえ、そのコストアップを相殺するために、
必要ないものを無くすとか、
あるいは必要なものでもサイズを見直すなどの工夫が必要となります。
廊下、階段、余分な部屋、などです。

これが出来れば、コストアップすることなく
誰でも中庭があるお家を手に入れることが出来ます。

というわけなので、一口に平屋と言っても、
これだけ両極なタイプが存在することも
頭の片隅に置いておいてもらえたらと思います。
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vol.54 リアルな現実と家づくり

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「リアルな現実と家づくり」です。

------
「終身雇用なんて過去の話だし、
もはや年金であなたの老後を支えることも出来なくなりました。」

ざっと言うと、これが今の日本の流れであり、
これが意味することは
「私たちはどうやら75歳になっても、
いや80歳になっても普通に働いていないといけない。」
にもかかわらず昔のように
「同じ会社で勤め続けることは間違いなく出来ない。」ということです。

実際、大手企業では中高年を対象とした希望退職の流れが加速していて、
「45歳リストラ時代」と言われているし、
身近なところでもそれで退職した人が何人もいますしね。

要するに今は
「まー、そこから先は各々頑張って!」時代になったというわけですが、
家づくりだってもちろんこの流れを見越した上で計画を建てるべきですよね。

コロナショックを解決するためにたくさんバラまいたお金だって、
今後、増税によって回収していかないといけないし、
少子高齢化がもっともっと進めば社会保険料の負担はさらに上がるだろうし、
所得や手取りが上がらないのに物価だけがインフレになっているし、
インフレを抑えるために金利が上がる可能性も高いし、という状況ですしね。

そんなわけで、
もはやこれからの家づくりは、お金に対する考え方を変え、
その上で計画を立てていかないといけないというわけですね。

たとえ、あなたの周りの人たちが
そんなことお構いなしで家づくりをしているとしても、です。
また、たとえ住宅会社の営業から
予算をもっとあげないとダメだと言われたとしても、です。

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✔️住宅ローン4000万円時代!?

仕事柄、銀行の方と話をする機会が多いのですが、
その時よく耳にするのが
「4000万円ぐらい借りるのが当たり前になってきた」ということです。
しかも、このご時世なのでボーナスなしで、とのことです。

つまり、当たり前のように月11万円以上もの返済を
(固定金利ならもっと高くなります)
これからずっとやり続けていかないといけないということなのですが、
果たしてこれは、家計的に本当に大丈夫なのでしょうか。

例えば、ご主人の年収が500万円だとしたら
この方の毎月の平均手取りは約28万円となるのですが、
ここから先程のローン返済を差し引いた
残りの額だけで生活していけるでしょうか?

車を維持し、食費に雑費、携帯代に水道光熱費に塾代、
保険代に外食代に娯楽費、その他諸々を17万円でやりくり出来るでしょうか?
この他、家を持つとこれまで必要じゃなかった
税金や火災保険、家のメンテ費なども必要になるわけだし、
これに加えて、子供たちの進学資金だって
多少なりとも積み立てしていかないといけないわけですからね。

なかなか厳しい状況ですよね。
貯蓄や積立をする余裕どころか、
必要なお金さえも残らないかもしれませんよね。

つまり、この時点で奥さんも働き続けることが前提となってしまうのですが、
個人的に男性はここに頼り過ぎないようにすべきだと思っています。
奥さんは、働きたくても思ったように働けない状況に
いつ遭遇するか分からないからです。
出産や育児、介護といった要因によって。
自分だって、今の給料をキープ出来る保証なんてどこにもないわけですからね。

なので、家を建てるにあたっては、
勢いと直感に任せて楽観的に突き進まずに、
社会・経済の流れも勉強しつつ、将来のことまで考えた上で、
「これならいける!」という資金計画のもと進んでいただければと思います。

vol.53 全体を見る力(知識)をつける

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「全体を見る力(知識)をつける」です。

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家の価格を比較する時、
単純に家の見積書だけを横並びにしてしまうと、
一番価格が高い家を建てる可能性が高くなります。

オプションとして必要となるコストが入ってなかったり、
実は、外構代がべらぼうに高かったり、
電気代やメンテコストといった、
住んでから必要となるコストに大きな差が生じるかもしれないからです。

ゆえ、家の価格を比較する場合は、
オプションや外構も含めた上で一体いくらになるのかと、
住んでから必要となる維持費に今後どれだけのコストがかかりそうなのか
にまで目を向けながら考えなければいけません。

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例えば、延床面積30坪(100㎡)の平屋を建てる場合、
中庭がある家とない家では家の価格がけっこう違ってくるのですが、
これは同じ30坪でも工事面積が違ってくるからです。

真四角で家が建てられると仮定した時、
中庭がない家の場合、縦横ともに10mで建てられるため、
壁の全周が40mで済むのに対し、
中庭がある家の場合、仮に中庭を10㎡(=6帖)分つくるとしたら、
中庭を含めた総面積が110㎡となるため
壁の長さがその分増えるし、かつそれにプラスして
10㎡ある中庭部分の壁も工事しなければいけなくなるからです。

このような理由から、
中庭がある家はコストが割高になってしまうのですが、
他方、中庭がある家は割安になり、
中庭がない家が割高になるものも当然出てきます。

まずはカーテンにかかるコストです。
周囲の人からの視線を一切気にする必要がない中庭には、
基本的にカーテンが必要ないからです。

また、採光を中庭から確保することが出来れば、
外周部に大きな窓を設置する必要もなくなるため、
外周部に設置する窓にもカーテンをつける必要がなくなります。

他方、中庭がない家はカーテンなしでは家の中が丸見え過ぎて、
よほどの田舎でもない限り、
とてもじゃないけどリラックスして過ごすことが出来ません。
ゆえ、ほとんどの窓にカーテンという高額オプションが付いてきます。

シャッターにかかるコストも
中庭がある家とない家とでは大きく違ってきます。
中庭の大きな窓には直風が当たらないのに対し、
外周部の大きな窓には台風時などの強烈な直風がモロに当たるからです。

そんなわけで、中庭がある家とない家では、
単純に家の価格が100万円違ったとしても、
オプション費用でトントンになる可能性が高いのですが、
それ以上に大きな違いが生じるのが外構コストです。

中庭がある家には建築代の中にウッドデッキの工事代が含まれているのに対し、
中庭がない家にはウッドデッキ工事代が建築代に含まれていないし、
(外構工事として見積るからです)
防犯性とともにデザイン性が高い中庭がある家には
目隠しや防犯対策が必要ないと同時に、
家のデザインを引き立てるために庭を飾る必要もないのに対し、
中庭がない家は、目隠しや防犯対策とともに
庭を飾ることによって家のデザインの悪さを補充しなければいけないからです。

そして、おそらくこの外構費用に関しては、
少なくとも100万円ぐらい差が生まれるでしょうし、
場合によったら200万円以上差が生まれるかもしれません。

ウッドデッキをつくるとなればそれだけで50万円ぐらいはするし、
そのウッドデッキを使えるようにするために目隠しを設置するとなれば、
さらに50万円ほど余分に必要となるし、
見た目にこだわって塀を木目調でつくるとなれば、
50万円どころか100万円ぐらい高くなってしまうかもしれませんからね。

以上のような理由から、
価格を比較する時は単純に家だけに目を向けるのではなく、
それに付随する工事やコストにまで目を向けた方がいいというわけです。

というわけで、家を建てる時は
全体的なところまで目を向けるようにしてもらえたらと思います。

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vol.52 家づくりの現実

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「家づくりの現実」です。

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昔は1500万円~2000万円ぐらいが住宅ローンの相場だったけど、
この頃は4000万円ぐらい借りるのが当たり前になっていますね。
年収の5倍と言われていた融資の限度額も7倍以上貸すこともありますしね。

先日、とある銀行の方からこのようなお話をお聞きしたのですが、
確かに原材料費高騰によってどんどん値上がりする家の価格を考えると、
土地から買って家を建てる方は、
自己資金がなければそれぐらいの借り入れになってしまうのかもしれません。

しかし個人的には、たとえ共働き世帯だったとしても、
この予算設定は基本オススメ出来ません。
返済していくだけで精一杯の状態になる可能性がかなり高いからです。

例えば、4000万円のうち3000万円をベタ払いで、
1000万円を年2回のボーナス払いにし、
35年返済で1.4%の固定金利で銀行から借り入れしたとしましょう。

この場合、毎月の返済は90,392円となり、
年2回のボーナス返済は181,193円となるのですが、
仮に現在の家賃が70,000円だとしたら、
出費が今よりも20,000円も上がってしまうことになります。

また、賃貸では火災保険を家財にのみに掛けておけば良かったのですが、
家を持つと建物本体にも火災保険を掛けることになるし、
それにプラスして賃貸の時は必要なかった
固定資産税を毎年払わなければいけません。

さらに、家をいい状態で維持していくためには、
定期的に家のメンテナンスをした方がいいので
そのための費用もコツコツと積み立てていかないといけないし、
同時に、やがて老朽化し入れ替えが必要となる
水回りの工事費用も積み立てていくことをオススメしています。

そしてこれらを合計すると、
毎月約20,000円~25,000円ぐらいは必要となってくるのですが、
さて、現在暮らしよりも一気に40,000円~45,000円も
負担が上がるとしたらいかがですか?

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✔️ボーナスはずっとあるのか?

一番懸念するのは、
「ボーナスがずっとあるのか」というところです。
ボーナスというのは給料と違い業績に応じて支払われるものであるため、
今後35年間良い業績がずっと続くかどうかなんて
現時点では誰にも分かりませんからね。

そして、仮にボーナスがなくなるという事態が起こってしまった時は、
(業績悪化や転職といった要因によって)
年2回分のボーナス上積み分を毎月除けていかないといけなくなります。

となると、さらに毎月の負担が高くなり、
とてもじゃないけど家族で旅行に行く余裕なんて
全くなくなってしまうのではないでしょうか。


✔️贅沢な暮らしを諦める覚悟

これは銀行の方が話していたことで私も同感なのですが、
家にこれだけのお金がかかってしまうのであれば、
家以外のことを「ずいぶんと我慢して暮らす覚悟」が必要だと思います。
つまり、贅沢はしないということです。

例えば、外国車や高級車といったいわゆるいい車は絶対に買わないとか、
基本的には外食には行かないとか、
旅行に行くのは年1回にしてその旅行も泊まりでは行かないとか、
あるいは行き先を飛行機に乗らなくて良い場所にするとか、
時計やバイクのほか、お金がかかる趣味は全て諦める、といった感じですね。

理由は、子供たちを育てていくためには想像以上にお金がかかるから、
そして、今後は天引きが増えるため、
よほど給料が上がらない限りは確実に手取り金額が減っていくから、
でも、そんな中でも老後に向けて積立もしていかないといけないからです。

これから35年間、つまり住宅ローンに縛られている間、
ずっとそれでも我慢出来ると断言出来るのであれば、
家に全身全霊を捧げてもいいと思います。

しかし、それはちょっと嫌だなーとお考えだとしたら、
家づくりの予算をもっと現実的に考えるべきだし、
家づくりの予算を計画する前にこれから必要となるコストを知り、
その備えをしていくために現在の状況を見直すべきだと思っています。

なので「みんながそうしているから」という理由だけで、
同じような選択をするのは絶対にやめていただければと思います。
家を建てることが目的ではなく、
家は家族が幸せになるための一つの手段であることを忘れないでください。
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vol.51 図面の正しい見方 その2

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「図面の正しい見方 その2」です。

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家の間取りを考える時、
動線や広さばかりに気を取られがちになるのですが、
周囲の環境も同時に考えなければいけません。

というのも、
砂漠の真ん中にポツンと家を建てるわけじゃなく、
基本的に家に囲まれた環境の中で家を建てるからです。

つまり、家はその土地が持つ環境、
言い換えるなら近隣との兼ね合いを考えながら
間取りを考えるべきだということなのですが、
これを怠ってしまうと、
暮らし面や金銭面においてなんらかの支障が生じることになります。

例えば、南向きの土地では
出来るだけ全ての部屋を南向きでつくるのが一般的ですが、
ここで考えて欲しいのが、
その家で実際暮らした場合どんな風にして暮らしそうなのかです。

まず、リビングは
道を行き交う周囲の人たちから丸見えになってしまうため、
それを防御するためにカーテンが必需品となります。
結果、リビングはまだしも
奥の方に配置されるキッチンにはほとんど光が届かないため、
日中ずっと照明なしではいられないキッチンが出来上がってしまいます。

また、リビングから続くウッドデッキも、
道路を行き交う人たちから常に丸見えの状態となりますが、
さて、こんな場所で落ち着いてバーベキューが楽しめるでしょうか?
リクライニングチェアーに座ってひなたぼっこが出来るでしょうか?
子供たちはまだしも、自分たちも水着になってプールが出来るでしょうか?

このように南向きの土地に建つ家の多くは、
プライバシーが低くなってしまうのですが、
それと同時に防犯面も悪くなってしまいます。

1つ目の理由が、窓を見ただけで間取りがほぼ完璧に分かってしまうから。
そしてもう1つの理由が、夜、電気がついているかいないかで、
どこに誰がいるのかまで分かってしまうからです。

そんなわけで、
南向きの土地でこのような設計をしてしまった場合、
外構工事に想定外のコストをかけて、
これらを緩和するという方法を取らざるを得なくなります。
目隠し、植栽、塀を強固につくることによって。

それゆえ、計画した予算から大幅にはみ出ないようにするためにも、
また、より暮らしやすい住まいをつくるためにも
そもそも環境を配慮しながら間取りを考えるべきだ、
というわけなんですよね。

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✔️日当たりが悪い土地なのに?

そして、この南向きにリビングをつくるという当たり前は、
日当たりが悪い土地でも最悪の状況を引き起こします。
南向きに窓をつくっても前に建つ家によって光が遮断され
窓から充分な光が入ってこないからです。

さらに、この家は
前に建つ家の裏側を見ながら毎日過ごすことになるため、
違う意味でカーテンが必需品となります。
なんせ、勝手口やゴミや給湯器や室外機や汚れた壁を見ながら
過ごさないといけなくなりますからね。

それゆえ、どう考えても日当たりが悪い土地では、
前に建つ家に隣接した場所に
陽光を採り込みたいリビングなどを配置すべきではないんですよね。

なので、家の間取りを見る時は、
その周りの環境を想像しつつ実際その家の中に立ったつもりで、
周りから自分の家がどう見えるのかまで
俯瞰しながら見るようにしていただけたらと思います。

vol.50 図面の正しい見方 その1

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「図面の正しい見方 その1」です。

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プリントアウトされた図面を見るということは、
上から間取りを見下す形で見るということなのですが、
この状態で間取り図と睨めっこをしていると
家のコストが上がりやすくなります。

この視点から図面を眺めていると、
なんだか部屋や収納が狭いような気がしてくるし、
収納にいたっては数も足りないような気がしてくるからです。
つまり、それらの不安を解消するために
家の面積が大きくしがちになってしまうというわけですね。

収納にいたっては、
現時点での自分たちの持ち物を十分に把握出来ていないとなると、
なおのこと「これで大丈夫だろうか?」という不安に
頭の中が支配されてしまうことでしょう。

というわけで今回は
図面の正しい見方と言いますか、
「収納」の正しい見方についてお伝えしていきたいと思います。

「とにかく収納はたくさん欲しい」というのが
多くの人に共通した要望ですが、
収納を増やしたとてそれだけで収納力が上がるわけじゃなく、
その一方でコストだけは順調に上がってしまうので、
そんな無駄なことを防止するためにも
ぜひプランへと進む前に知っておいて下さい。

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✔️床の広さは重要ではない

収納は「床」の広さだけで分量が決まるわけではなく、
「壁」の広さによっても分量に大きな違いが生じます。

例えば、幅と奥行きがどちらも91cmの収納と
幅が2倍で奥行きが半分の182cm×45.5cmの収納は
床の広さは全く同じですが、そこに置ける分量は
棚の枚数が同じ場合、単純に2倍違います。

もちろん、奥行きが深い収納も
前後2列に陳列すれば2倍の収納力にはなるのですが、
ここで問題になってくるのが、
前後2列に並べて荷物を置かないといけない収納は
使いやすいのかということです。

奥の荷物を取り出すために
わざわざ手前の荷物を一旦退けないといけないし、
この置き方をしていると、
奥に何を置いているのか分からなくなりやすいでしょう。

そんなわけで、収納は管理しやすくつくるというのが鉄則であり、
そのためには奥行きよりも棚の長さに重点を置いて考えるべきなのですが、
コストを無駄に上げることなくそれを実現する最良の方法が、
「壁」の数を最大化するということなんですよね。

なので、図面を見る時は収納が一体どれだけの広さなのかではなく、
一体どれだけの壁があるのかに着眼していただけたらと思います。

✔️回遊動線のメリットとデメリット

また、収納の分量が気になる方がやらない方がいいのが回遊動線です。
いわゆるグルグルと家の中が回れる動線のことですね。
理由は、収納を通り抜けるようにすれば収納の中に通路が出来てしまい、
その分収納のための壁がなくなってしまうからです。

結果、通り抜け出来ない場合の半分以下の収納力になってしまう上
ドアの数が1枚増え、かつスイッチの数も1つ増えることから
コストも上がってしまうことになります。

なので、インスタや見学会などで回遊動線や通り抜け動線を見て、
その利便性の良さに憧れを抱くかもしれませんが、
「陽」の部分だけじゃなくその裏に隠れた「陰」の部分にも
目を向けられるようにしておいてもらえたらと思います。

この見方が出来るようになれば、
収納に対する不安を解消するために
無駄に収納を広げる必要がないことが分かるし、
他の部分にも応用すれば、
無駄なコストをガンガン削ることが出来るようになるので、
ぜひ覚えておいて下さいね。

vol.49 快適な室内に欠かせない3つの工夫

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「快適な室内に欠かせない3つの工夫」です。

家の中の急激な温度差によって
血圧が大きく変動することで心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすことを
「ヒートショック」と言いますが、
これによって命を失う方の数は交通事故の3倍以上だと言われています。

実際、今でも一軒家で暮らす多くの家庭が、
冬にお風呂に入るとなれば極寒の脱衣室でブルブル震えながら服を脱ぎ、
一目散で暖かい湯船に飛び込み冷えた体を温めていると思いますが、
これから家を建てるあなたは、
そんな暮らしとは無縁の快適な暮らしを送りたいですよね?


では今回は、そんな快適な住まいをつくるためには
どうしたらいいのかについてお伝えしていきたいと思います。

3つあるのですが、
お施主様の理解なしでは3つ全てを網羅出来ないので、
ぜひこの機会に覚えておいていただければ幸いです。

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✔️家の断熱性と気密性を強化する!

快適な住まいをつくる上で
まず基本となるのが断熱と気密の強化です。

断熱を強化する理由は、
外気の影響を受けにくくするためですね。
暑い夏は外から入ってくる熱を防ぐことで、
寒い冬は外から入ってくる冷気を防ぐこと、
という感じでしょうか。

そして、気密を強化する理由は、
空気が外へ逃げていくのを防ぐためですね。
暑い夏は冷房で冷えた空気を外に逃さないことで、
寒い冬は暖房で暖まった空気を外に逃さないこと、
という感じでしょうか。

この2つを強化すれば、家全体に空気が流れやすくなり
家の中の温度差を最小化出来るため、
昔の家のように脱衣や風呂が激寒になることも激暑になることもない、
というわけですね。

今やこれらは当たり前となっているのですが、
とはいえ、実際はこれだけでは充分だとは言えなくて、
これに付加して間取り面でも工夫が必要となります。



✔️廊下をなくす!

まず、1つ目の間取りの工夫がこれです。
廊下が出来ると廊下が空気を遮断してしまうし、
実際、昔のお家が寒かったのは、断熱と気密の悪さもありますが、
それと同時に無駄に廊下がたくさんあったからです。
言い換えるなら、廊下が断熱材的な役割を果たしていたというわけですね。

廊下に通じるドアを開けっ放しにしていたら、
なんとなく空気が逃げているような気がしてしまうため、
反射的に閉めちゃいますしね。

ゆえ、断熱と気密の強化と共に廊下をなくす設計をすることも、
快適な住まいをつくるためには欠かせない要素だというわけです。

廊下をなくせばその分床面積が小さくなり家のコストを抑えられるし、
ドアの本数やスイッチの数も減らすことが出来るので
さらにコストカット出来ますしね。

また、空気の分断を防ぐためには、
平屋が建てられるのであれば2階建てではなく平屋にするといいです。
2階建てになれば、階段によって上下階の空気が分断されてしまうからです。
かつ、2階建ての場合、廊下も多く出来やすいからです。

以上のような理由から、
SIMPLENOTEでは「廊下のない平屋」を提案の基本としているわけです。

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✔️水回りも日が当たる場所に!

そしてもう1つの間取りの工夫がこれです。
ほとんどのお家が脱衣場やお風呂を北に配置しているのですが、
これこそが脱衣場やお風呂を寒くしている最大の原因ではないでしょうか。

最近は、共働きが常識化していることもあってか、
室内干しをしたいという奥さんが急激に増えていますしね。

そんなわけで、基本的には日光が射し込む場所に
洗面や脱衣場をつくるようにしているのですが、
こうすることによって水回り特有のジメジメ感もなくなり、
カラッとした状態を保ちやすくなるし、
明るくて清々しい場所で身支度することも出来ます。

カラッとした脱衣になれば、
脱衣室にフェイスタオルやバスタオルはもちろん、
下着やちょっとした着替えまで置けるようになりますしね。

いかがでしたか?
間取り面での2つの工夫は意外だったかもしれませんが、
「言われてみると確かにそうだなー」という感じではありませんか?

というわけで、若干特殊ではあるかもしれませんが、
より快適な住まいにするためにはこんな方法もあるんだよ、
ということをぜひ覚えておいていただけたらと思います。

それでは、また次回。

vlo.48 当たり前から外れる勇気

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「当たり前から外れる勇気」です。

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前々回お伝えしたように
住みやすさや使いやすさは家の大きさに比例しないため、
少しでもコストを抑えるためにも
家のサイズは最小限にとどめるのがベストだというのが個人的な意見です。

また、これからの長い人生の中で、
夫婦2人だけで暮らす時間の方が圧倒的に長いと考えると、
2人の手に余るサイズの家を持てばその分維持管理も大変だし、
それにかかるコストも増えるので、
その観点からしても目先のことばかりに囚われず、
先々まで考えた上で家の大きさを決めるべきではないでしょうか?

とまあ、これがSIMPLE NOTEの基本的な家に対するスタンスではあるのですが、
家は30坪あるのが普通だという先入観と
みんなと同じであることの安心感から、
この考え方に足を突っ込めない方も結構いらっしゃるのではないでしょうか。
家が小さくなるほど坪単価も上がってしまいますしね。

そんなこんなで今回は、家の価格についての正しい考え方と、
みんなと同じは実は間違っていることが多い
という話をしていきたいと思います。

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✔️坪単価<総額

坪単価は家が大きくなれば必然的に安くなり、
逆に家が小さくなれば必然的に高くなります。
また、使う材料によって違ってくるのはもちろん、
同じ材料を使い同じ面積で建てたとしても、
家の形や土地の形によって違ってきます。

なので、坪単価というものは、
価格を判断するには決して適切なものではなく、
それどころか、そこにこだわるとただただ大きな家を建てることになり、
家の総額は高くなるわ、固定資産税も高くなるわ、電気代も高くなるわ、
メンテ費用やリフォーム費用も高くなるわ、
とお金のかかる家になってしまいます。

例えるなら、
坪単価70万円の35坪の家と坪単価80万円の25坪の家では、
後者の方が坪単価は10万円も高いけど、
総額は450万円も安いといった感じです。

そして、この違いは毎月の返済に直すと15,000円ほど違ってくるのですが、
仮に、これをずっと銀行に貯金していったとしたら、
35年後、手元に残るお金は630万円も違います。

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✔️みんなと同じ安心感が失敗の素

そして、もう1つお伝えしたいことが、
みんなと同じという安心感は
自由や安心感を手放す大きな原因になるということです。
つまり、この安心感が家の浪費につながり、
あなたの元からお金の余裕を奪ってしまうということです。

例えば、周りの友達が建てている家が
35坪ぐらいが普通だったとして、
建築費用に3000万円かけているのが普通だったとしても、
それと同じ選択をすることによって
あなたの家計が苦しくなりそうだとしたら、
その選択はどう考えても間違っています。

それゆえ、友達に劣ったような気持ちになるかもしないし、
恥ずかしいという気持ちになるかもしれないし、
あるいは、もっと大きな家にした方がいいと親から言われ
迷うかもしれませんが、
そんな感情よりもあなたにとってベストな予算と
ベストな家づくりの計画を立てることを一番に考えるべきです。

優先すべきは「家族の幸せと心の豊かさ」であり、
現実的に考えるとそれを実現するためには、
お金にゆとりがあることは絶対に外せない条件だと思います。

というわけで、ぜひ前々回の記事も合わせて読んでいただき、
正しい家づくりの選択をしてもらえたらと思います。
当たり前は、誰かにとって都合がいいルールであることが多いので、
当たり前から外れる勇気さえ持てればきっと成功への道が開けますから。

それでは、また次回。

vol.47 合理的な土地探し

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「合理的な土地探し」です。

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土地探しは、土地にかける予算とどんな家を建てたいかを
ある程度明確にしてから始めるのが理想的です。

というのも、この2つを分かっていないと、
価格が高過ぎる土地や面積が広過ぎる土地を選んでしまう可能性が高くなり、
家に充分な予算がかけられなくなるか、
あるいは、家も妥協出来ないとなると銀行からの借り入れが増えることとなり、
家計にゆとりがなくなる可能性が高くなってしまうからです。

なので、土地を買わないといけない方は、
まずは「資金計画」を行い土地と家の予算をそれぞれ明確に出してから
土地を探し始めることをオススメしています。


では、土地の予算を明確に出してないまま
土地探しをした場合どんなことになりやすいのか、
今回は一緒に考えていきたいと思います。



✔️日当たりがいい土地がいい

土地を買うなら「日当たりが良い土地がいい」
家を建てるほとんどの方がそう思い、
誰もが自分が住みたい地域で、
日当たりが良い土地に絞って土地を探します。

しかし、日当たりが良い土地は、
そうじゃない土地よりも高めに価格が設定されているため、
そこに固執してしまうと、
ほぼ確実に土地に多額の予算を注ぎ込むことになります。

では仮に、
あなたが本来土地に使える予算の上限が600万円なのに、
その2倍の1200万円の土地を買ってしまったら一体どうなるでしょうか?

イメージとしては、
本当は坪12万円ぐらいで50坪ぐらいの土地を買うべきなのに、
坪20万円する土地を広めが良いからと60坪も買ってしまった場合です。

この場合、これだけで毎月の返済額が20,000円ほど変わってきます。
35年間合計すると840万円手元に残るお金が違うということですね。

いかがですか?
土地の選び方によってずいぶんと違ってくるのを
ご理解いただけたのではないでしょうか。

ただ、ここで心配なのが、
日当たりがいい土地を買わないと家に影響があるのではないか
ということですよね?

しかし、この問題に関しても実は全く心配することはありません。
そもそも、家の設計は土地に合わせてするものだからです。
つまり、日当たりが悪ければ悪いなりの光の採り方が出来るのが
自由設計だということです。

そんなわけで、
土地の日当たりにそこまでこだわることなく
土地選びをしていただけたらと思います。

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✔️ちょっとでも広い土地がいい

予算をわかっていないまま土地探しをしてしまった場合、
やってしまう2つ目のことが広い土地を買ってしまうことです。
ゆったりとした庭が欲しいとか、
家庭菜園がしたいという憧れに頭の中が支配されてしまいますからね。

しかし、これも日当たりいい土地同様に、
金銭的な苦難に陥りやすくなってしまいます。
土地が広くなったことにより、土地代はもちろん
外構工事費用も高くなるし固定資産税も高くなるからです。

では、あなたが建てたい家を
建てるには60坪もあれば充分だとして、
100坪も買ってしまったら一体どうなってしまうのでしょうか?

まず土地代が12万円だとしたら、
40坪余分に買ったことによって480万円予算が増えますよね。
外構代に関しても、価格が坪当たり2.5万円必要だとしたら、
これだけで100万円工事費用が高くなってしまいます。

固定資産税に関しても、
60坪を超える部分は2倍の税金が課せられるため、
その分、税金の支払い負担が大きくなります。

仮に、土地の評価を12万円だと仮定したら、
200㎡(=60坪)までは、評価が2万円なのに対し、
200㎡を超える部分は、評価が4万円になるため、
4万円×40坪×1.4%=22,400円
余分に税金を納めないといけなくなるというわけですね。

そして、固定資産税は土地を持ち続ける限りずっと払うので、
仮にこの家で、これから60年住むとしたら、
合計約135万円も余分にお金を払わないといけないというわけですね。

そんなわけで、まずは予算を知り、
かつ、どんな家を建てたいかを知った上で土地を探すことで、
賢く家を手に入れていただけければと思います。

それでは、また次回。

vol.46 小さな家の間違った思い込み

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「小さな家の間違った思い込み」です。

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一般的に家は30坪が最低ラインで
35~40坪ぐらいがポピュラーだと思われていますが、
SIMPLE NOTEの家については、
約90%の方が25坪前後の大きさで家を建てています。

というのも、25坪前後あれば
子供たち一人一人の部屋もとれるし、
ゆったりとしたLDKもつくれるし、
家族みんなで暮らすのに充分な広さが確保出来るからです。
家を小さくしたら、その分家の価格も安くなりますしね。

そんなわけで、25坪前後という大きさが
最もポピュラーなサイズになっているのですが、
とはいえ、みんながみんな最初から
25坪前後の家を希望していたかというとそういうわけではなく、
多くの方が「35坪ぐらいの家にしたいなー」から始まり、
話をするにつれて25坪前後という広さに着地していったのです。

では、今回はコストを抑えながら
カッコ良くて最高な住み心地を誇る「平屋」を建てるために、
乗り越えるべき2つの壁についてお伝えしていきたいと思います。

言い換えるなら、この2つの壁をクリア出来れば、
人に自慢したくなる家を手に入れることが出来るので、
そうしたいなーと思っている方は読み進めていただけると幸いです。

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✔️収納が少ないんじゃない?

まず1つ目の心理的な壁がこれです。
家を小さくすれば、
必然的に収納も少なくなってしまうんじゃないか
と考えてしまうのが当たり前ですからね。

しかし、家を小さくする場合でも
実は収納を減らす必要は全くありません。

例えば35坪から25坪まで縮めるとなると、
10坪(=20帖)何かを削ることになるのですが、
まず真っ先に削るのが「階段」です。
平屋にするなら階段はそもそも必要ないものですからね。
となると、実はこれだけで2坪(=4帖)も削ることが出来ます。

また、平屋にすればトイレも1つでいいし、
設計によって無駄な廊下もほとんど削ることが出来ます。
そして、これによってさらに2坪(=4帖)削ることが出来ます。

さらに、平屋になれば全ての部屋と収納が1階にあるため
2階建てのように余分な部屋を1階につくる必要がなくなります。
結果、部屋1室分、3坪(=6帖)を削ることが出来ます。

この他、寝室もただ寝るだけと考えるなら6帖もあれば充分だし、
子供部屋も部屋そのものは4.5帖ずつあれば充分なので、
おそらくこれらを削ることによって
3坪(=6帖)ほど小さく出来るのではないかと思います。

そして、これら全てを合わせると10坪(=20帖)削れたわけですが、
さて、この中に「収納」は含まれていたでしょうか?

vol.46simplenoteblog2.jpg


✔️住みにくいんじゃない?

そしてもう1つの心理的な壁が、
家が小さくなれば住みにくくなるのではないかということです。

しかし、これに関しても全く心配はありません。
先程お伝えしたように

まず「収納」不足に困ることもなければ、
平屋にすることによって家事時間がグンと短縮されます。
洗濯に関しては上下を行ったり来たりする必要がないし、
掃除に関してもルンバを昼間動かしていたらそれで済むからです。

また、子供部屋が1階にあることによって
子供たちに自分の部屋を活用してもらいやすくなるため、
そもそもリビングが子供のモノでごった返す可能性がグンと低くなります。
つまり、片付けもいくらか楽チンになるというわけですね。

この他、SIMPLENOTEでは「中庭」をつくることが多いのですが、
これによって明るさや開放感も高まれば
プライバシーも担保されるため、格段に居心地が良くなるし、
なにより光や空を感じながら四六時中過ごすことが出来るので、
とっても癒されるし、とっても心が豊かになります。

いかがでしたか?
家を小さくしても収納不足に陥りそうだとも、
また住み心地が悪くなりそうだとも思えなかったのではないでしょうか?

というわけで、この2つの懸念点について
よりリアルにご理解いただくために
ぜひ実際に建った家を見に来ていただければと思います。

それでは、また次回。


vol.45 パートナーとやるべき土地探し

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「パートナーとやるべき土地探し」です。

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基本的に、土地探しは自分たちだけでやるべきではありません。
理由は、土地によって建てられる家も違えば、建てるべき家も違うからです。

つまり、あなたが暮らす家の間取りは、
その土地によって決まると言っても過言ではないことから、
また、建てる家によってどんな土地が最適なのかが異なることから、
土地探しをする前に建築のパートナーを決定し、
ともに土地を探すのが理想的だというわけですね。

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例えば、南向きの土地は一見日当たりが良さそうに見えますが、
日当たりがよくなるように部屋を全て南につくってしまうと
外から中が丸見えになるため、必然的にプライバシーも低くなるし、
同時に間取りがバレバレで防犯性も低いし、
結局カーテンを締め切っているので明るい家にはなりません。

それゆえ、日当たりの良さを活かしつつ、
プライバシーと防犯に優れた住まいになるよう間取りを考えるのですが、
そうなれば、必然的に視線が気になる南面に
窓をつくる必要がない間取りが出来上がることになります。

つまり、せっかく日当たりがいい南向きの土地を買ったのに、
全くと言っていいほどそうした意味がなくなるというわけです。

では、どんな土地をオススメするのかというと、南向き以外の土地です。

南向き以外の土地だと、仮に南向きに部屋をつくったとしても
道路から家の中が丸見えになりにくいというのが1つ。

そしてもう1つが、南向き以外の土地でも、
リビングに直射日光が入る間取りをつくることが出来るからです。
「中庭」や「吹き抜け」などの手段を利用することで可能になります。

このような考え方により、
工務店によって建てる家の考え方も違えば、
その家に適した土地も違ってくるということですね。

なので、まずはいきなり土地を探し始めるのではなく、
自分がどんな家に住みたいのか?
そして、どこでお願いするのか?
を先に決めてから土地を探し始めることをオススメします。

土地によって出来ることと出来ないことがあるし、
どんな土地が最適なのかは工務店によっても違ってくるので、
この順番を覚えておいて下さいね。

それでは、また次回。

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vol.44 土地を買って家を建てる人のマスト条件

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「土地から買って家を建てる人のマスト条件」です。

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土地から買って家を建てなければいけない人は、
土地を買う必要がない人に比べて
銀行からの借り入れが大きくなるため、
夫婦いずれかの所得だけで満額借りるのが難しくなってきます。

結果、夫婦で収入を合算しつつお金を借りる場合が多くなるのですが、
もちろん、現在は夫婦そろって働き続けることが当たり前ではあるものの、
個人的には、どっちもがフルタイムで働き続けることを前提として
お金を借りるべきではないと思っています。

理由は、これから先もずっと今と同じように
働き続けることが出来るかどうか分からないからです。
今の給料のまま同じ会社で働き続けられる保証がないのが一つ。
そして、親御さんたちがまだまだ現役で働き続けているとしたら、
子供たちの世話を頼むにしても限界があるし、
また、その親御さんたちが、介護が必要になる可能性もゼロではないからです。

そんなこんなで、土地から買って家を建てなければいけない人は、
家づくりの予算を抑える方法を知った上で家を建てるべきだと思います。

では今回は、
家づくりの予算を抑える現実的で具体的な方法について
ダイジェストでお伝えしていきたいと思います。

vol.44土地から買って家を建てる人のマスト条件2.jpg


✔️平屋にする
家の予算を抑えるため、平屋にしてもいいと思います。
平屋にすれば階段がなくなるし、
間取りのつくり方によっては廊下もなくすことが出来るため、
面積を抑えることが出来るからです。



✔️なくてもいいものをなくす
ただし、ただ平屋にしただけでは、
充分にコストが落ちるわけではありません。
なので、なくてもいいものをなくすという作業をしなくてはいけません。
それぞれの部屋の広さや部屋の数などですね。

これによってさらに面積を抑えることが出来るため、
この時点でみんなが建てている
2階建ての普通の家より安いコストで建てられます。



✔️土地は必要な広さに止める
建てる家がコンパクトに出来そうなら、買う土地もコンパクトに出来ます。
そして、探す土地の広さの目安は、必要な平屋の建築面積の他、
家の周囲に10坪程度、車1台につき4.5坪なので、
必要だと思う台数分、これらを足した広さで充分です。
仮に建築面積が30坪の平屋で置きたい車の台数が3台だとしたら、
53.5坪ぐらいの広さを目安として土地を探せばいいというわけですね。



✔️余分な外構工事をなくす
これまでお伝えした内容で土地を買い、家を建てれば、
必然的に外構工事の面積が最小限になります。
そして、外構工事のコストをさらに下げるために必要な要素が、



✔️プライバシーが担保された家にする
ということです。
つまり、周りからの視線が気にならない家をつくるということですね。

これが出来れば、防犯のために塀の工事にお金をかける必要がなくなると共に、
目隠しのための植栽や塀をつくる必要がなくなります。
かつ、プライバシーが担保された住まいは、
必然的に家の外観も美しくなるので、
庭にも余分な装飾をする必要がなくなります。



✔️土地の日当たりは気にしない
そして最後に、一番大事なこととしてこれを覚えておくといいです。
これを知っていれば格段に土地の価格を落とすことが出来ます!

なぜ、土地の日当たりを気にしなくていいのかというと、
日当たりを良くしたい部屋は
日が入ってくる場所につくればいいだけだし、
どんな土地でも、土地全体が、日当たりが悪いわけではないからです。

つまり、土地に合わせて間取りを考えさえすれば、
どんな土地でも明るく日当たりがいい家をつくることが出来る
というわけですね。

vol.44土地から買って家を建てる人のマスト条件1.jpg

いかがでしたか?
ものすごくダイジェスト的にお伝えしたのですが、
これが家づくりのコストを最小限に抑えるために必要な全ての要素です。

これらを知っていたら、
圧倒的にコストを抑えながら、
格段にいい家を建てることが出来ます。
そしてお金の不安を小さくすることが出来るので、
ぜひこの内容を覚えておいていただけたらと思います。

それでは、また次回。


vol.43 家づくりの予算と様々な投資

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「家づくりの予算と様々な投資」です。

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10年ごとに2年ずつ寿命が伸び続けてきた結果、
私たち日本人は人生100年時代を迎えたと言われているのですが、
ゆえ、この長い道のりを安心して暮らしていくために
投資を意識した上で
家づくりの予算計画を立てていけるといいと思っています。

というわけで今回は、
これから家を建てる誰もが意識しておいた方がいいと考えている
様々な投資についてお伝えしていきたいと思います。

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その1:自己投資

働く期間が50~60年となると、
勤めている会社がずっと存在するかも分からないし、
そこに最後まで勤め続ける可能性も少ないと思います。

ゆえ、これだけの長い期間を働き続けるためには、
セカンドキャリアも視野に入れつつ、
常に自己投資をしておくべきではないでしょうか。

そして、そのためには、本を読んだり、学びに行ったり、
旅に出たり、新しい人と交流することで視野や見聞を広げ、
変化する時代の流れを感じ、それに対応する力や
周りから必要とされる能力をつけておいた方がいいと思っているのですが、
もちろん、これらには時間とお金が必要なのは言うまでもありませんよね。

その2:健康のための投資

これも自己投資の中の1つですが、
長く働き続けなければいけない以上、
健康を維持するための努力も常にしていくべきだと思っています。

もちろん、そうは言っても不運にも病気になる可能性はあるのですが、
とはいえ、出来るだけそうならないように、
そして良いパフォーマンスで仕事が出来るようにしておくことが
大事だと思っています。

このためには、常日頃から食べるものに気を付けることと、
適度な運動をすることだと思いますが、
栄養がある食事を中心にすると食品コストも高くなりやすいし、
適度な運動を維持するためには、
お金を払ってジムに通うことが一番手っ取り早いかもしれません。


その3:子どもへの投資

そして、忘れてはいけないのが子どもたちへの投資です。
子どもたちが早く自立してくれないと、
いつまでも子どもたちに手間とお金がかかり続けますからね。

ゆえ、子どもたちへの教育資金についても
余力を残しておくべきだと思っています。
超現実的な話になりますが、データや調査によると
親の所得や家計が子供たちの学力にかなり強く影響を及ぼすといった結果も出ていますし。。

なので、子どもたちの未来の選択肢をより広げるために、
そして、子どもたちが早く自立出来るようになるために
子どもへの投資余力も残しておいて欲しいと考えています。

その4:積立投資

そして、最後の投資がこれです。
この理由は、体調を崩し働けなくなった時、
あるいは十分な状態で働けなくなった時に備えるため、
そして老後に備えるために行います。

要は、自分が働くことによる収入だけじゃなく
同時にお金にも働いてもらうことによって
もし自分に何かがあったとしても困らないようにするという考え方です。

一攫千金を狙うのではなく、
コツコツと小さな金額を積み立てていく選択肢もあるかもしれません。


いかがでしたか?
思い立ったらいきなり家づくりに進むのではなく、
まずはこういった費用についても家族で話し合った上で、
家づくりや家づくりの予算について考えてみてもらえたらと思います。

それでは、また次回。

vol.42 進化すべき常識の概念

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「進化すべき常識の概念」です。

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現在当たり前とされていることは、
歴史を遡るとその成り立ちがよく分かるし、
同時にその当たり前をいまだ採用する理由がないこともよく分かります。

例えば、『貯金』という文化は、
一説によると太平洋戦争の時に浸透したと言われています。
理由は、戦争中は戦争のための資金を外国から集めることが出来ないため、
国民から調達するしか選択肢がなかったからです。

そして、その手段として
当時国営だった郵便局への貯金が奨励されたようなのですが、
これ以降、金利が高い郵便局にお金を預けておけば、
放っておいてもお金が増えたため銀行への貯金が当たり前化し、
今なお、貯金一択の考え方が浸透しているというわけですね。
今や、貯金しても全く増えないにもかかわらずです...。

では続いて、家づくりの歴史を少し遡りつつ、
それをもとにこれからの家づくりについて意見を述べていきたいと思います。

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✔️国民所得倍増計画

岸田政権が「令和版」と称して打ち出しているし、
社会の授業で習ったのでご存知かもしれませんが、
高度成長期の真只中、当時の内閣が打ち出した政策が国民所得倍増計画ですが、
この時住宅の需要が一気に膨れ上がりました。
そして、国民の多くが家を持つことが当たり前になり、
日本のGDPが一気に伸びました。

当時は、現在のようなモノ余りじゃなかったので、
家や車や家電といったモノを所有することが幸せの象徴だったこともあり、
なおのこと急速に普及していきました。

そして、この時に急速に普及していった住宅が
公団住宅であり、ハウスメーカーの商品住宅です。
いわば、コストと工期を圧縮した大量生産型の家が普及したというわけです。
総二階建てならではの家族間でのプライバシーも考慮した
(1階が団欒・2階がプライバシー)
という触れ込みも当時は画期的でした。

そんなわけで、今や家を持つことは
国民の夢ではなく当たり前となっているのですが、
では、今なお大量に建てられている
高度成長期以降に急速に普及した商品住宅は暮らしやすいのでしょうか?
現在のライフスタイルに合致していると言えるのでしょうか?

✔️長期視点で考えるのが鍵

これらの制度が出来た当時と比べ、
現在はいろんなことが変化してきています。
それゆえ、それらに合わせて家のカタチも見直すことも大事かと思います。

例えば、家は2階建てが当たり前ですが、
長寿化しつつある現在、
そこに50~60年住む可能性が高いことから
平屋にしたほうがいいかもしれません。

子どもたちはやがて家を出ていくし、
歳をとれば足腰も弱ってきて2階に上るのが億劫になる可能性が高く
そうなれば2階につくった部屋は使わない無駄な部屋になりますし。

また、子育て期間中のことを考えても
子供部屋が1階にあった方が使い勝手がいいと思いませんか?
1階に子供部屋があれば、
わざわざ2階まで荷物を持ち運びしなくていいので、
自分の部屋に荷物を片付けてもらいやすくなります。

そんなわけで、
これまでの時代に沿ったままの常識に従うのではなく、
これからの時代に沿った考え方のもと
家づくりに取り組んでいただきたいと考えています。

そんな家づくりが出来れば、
より暮らしやすく、より幸せで、より充実した日々を
きっと送ることが出来るのではないでしょうか。

それでは、また次回。
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vol.41 数字だけでは分からないこと "その2"

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「数字だけでは分からないこと "その2"」です。

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前回、リビングダイニングは数字上同じ広さだったとしても
仕上げや間取りによって感じ方が大きく違ってくる
ということをお伝えしましたが、
断熱性能もまた、数字だけで判断しがたいものの1つです。

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というのも、性能を表す数値は、
そこまで良くないものが実は体感的にはかなり良い場合もあるし、
逆に性能を表す数値は良いのに、
体感的には全然良くない場合もあるからです。

具体的には、発泡系(吹き付け)の断熱材が前者で、
グラスウールやロックウールが後者といったところでしょうか。

しかも、困ったことに
後者の断熱材は数値的が良いだけじゃなく、
コストも安いという特徴も持っています。

ゆえ、コストと性能の話だけを聞いただけで、
実際の住まいを体感していない人は、
「じゃあ、こっちでお願いします!」となってしまいやすいというわけですね。

とはいえ、
体感が驚くほど違うのを知っているし、
なにより現場で働く職人さんたちから聞く感想が違うので、
"数字よりも体感が大事"ということを何とか伝えたいと思っている所存です。

いざ、住みだすと夏の暑さの感じ方も違えば、
冷暖房の効きの良さや速さも違うし、
冷暖房効果の持続性も全く違いますからね。

また、多くの方が2階建ての家を建てますが、
これも快適性を損なう原因の1つなので、
建てることが出来るなら平屋にできないかを優先して考えといいかもしれません。
理由は、階段があることによって空気の流れが分断され、
上下階で温度差が生まれやすくなるからです。

つまり、移動するたびに温度差を感じることになり、
あまり家が快適じゃなくなってしまうというわけですね。
体感上良くない断熱材だとしたら
なおのこと、この不快さを感じることになりますし...。

そして、それを解決するために、
空気が全ての部屋を循環する空調システムを設置するようになり、
結局、数百万円ものコストが上乗せされることになります。
もちろん、断熱材の差額なんて全く比べ物になりません。

そんなわけで、できれば平屋を建て、
体感上良い断熱材を使うことはとてもオススメです。
平屋だと屋根から入ってくる熱が多くなる分、
使う断熱材によってさらに違いが出やすくなりますからね。

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✔︎耐震等級3<平屋

そして、数字だけではなんとも判断しきれないものがもう1つ。
「耐震等級」です。
もちろん、確認申請が通る基準となる
耐震等級1よりも耐震等級3にした方が頑丈であることは
火を見るより明らかなことです。

ですが、ただそうしただけで良いのかというと、
決してそうではありません。

例えば、耐震等級3をとった家に囲まれていない土地に
ポツンと建つ2階建ての家と、
耐震等級3はとってないけどぐるりと家に囲まれた土地に建つ平屋では、
必ずしも前者の方が耐震性や耐久性が高いとは言い切れません。

ポツンと建つ家は、台風の時などの強風をまともに受けるのに対し、
周囲に家がある平屋は、強風をまともに受けないのに加え、
そもそも風を受ける面も2階建てよりも少ないからです。
平屋は上からの荷重も少なく足腰もしっかりしていますしね。

そんなこんなで、耐震的な理由からも
平屋はとてもオススメです。

ということで、断熱にせよ耐震にせよ、
数字で表すことが当たり前になっていて
それももちろん大事なことですが、
「それだけでもないんだよ」ってことも
知っておいていただければと思います。

それでは、また次回。

vol.40 数字だけでは分からないこと "その1"

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「数字だけでは分からないこと "その1"」です。

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何かを判断する時、基準となるのは数字ですが、
家づくりでは、数字だけでは判断しきれないことが多々あります。

例えば、部屋の広さ。
仮に、同じ16帖というリビングダイニングキッチンが存在しても、
見る家によっては、すごく狭く感じることもあれば、
逆に、すごく広く感じることもあった経験はありませんか?

では、なんとなくそう感じた原因について
今回は説明していきたいと思います。


✔︎なぜか狭く感じる理由

まず1つ目の理由が
「ドアと天井の間に壁があるから」です。
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この写真の右側がそうです。
この壁のことを「垂れ壁」と呼ぶのですが、
なぜこの壁があると狭く感じてしまうのかと言うと、
視線がその壁によって止まるからです。

左の写真であれば、
天井がずっと奥の方まで続いているように見えるのに対し、
右の写真は、ここで一旦縁が切られてしまいます。

また、視線が止まるだけじゃなく、
右と左の写真では、
天井の明るさに違いがあるのがお分かりいただけると思います。

つまり、垂れ壁があることによって視線が止まり
「抜け感」が出ないことに加え、
天井付近が薄暗くなり、天井が妙に低く感じてしまうというわけですね。



そして、2つ目の理由が「窓と天井の間にも壁があるから」です。
この窓とは、外に出られる床まである大きな窓のことですね。
これも先程のドアと同じで、
「垂れ壁」によって視線が遮られ「抜け感」が消滅する原因となります。

また、室内に入ってくる光量も減るし、
かつ、天井付近にも光が届きにくくなり、
薄暗い天井が圧迫感を出してしまうというわけですね。



3つ目の理由は「カーテンが開けられないから」です。
これが狭苦しさを感じさせる最も大きな理由となります。

カーテンが閉まったままの状態は、
そこに壁があるとまではいかなくても、
外の景色や空を見ることができません。。
カーテンによって室内への採光をさらに減らしてしまうわけですしね。

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この写真のように天井までドアや窓があり、
かつカーテンがいらない家と、
垂れ壁だらけで、かつカーテンだらけの家では、
数字上は同じ広さだったとしても、
体感的には大きな差が生じてもおかしくないというわけですね。


✔︎天井を高くする意味

開放感を出すために
天井を高くしたいと多くの方がおっしゃいます。
もちろん、天井を高くすれば幾分開放感は生まれると思います。

しかし、ドアや窓の高さが低いまま天井だけを高くしたら、
なおのこと天井付近が暗くなるし、
その上、その窓のカーテンが閉まったままだとしたら、
全く開放感が出ないのが現実です。

ゆえ、天井だけを高くするだけでは、
それほど意味がないということを
まずは知っておいていただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.39 合理的で正しい家づくりの流れ

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「合理的で正しい家づくりの流れ」です。

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自己所有の住まいを持てば日常がより豊かになるでしょうし、
子どもたちを育てるのに申し分のない環境を手に入れることが出来ます。
ゆえ、マイホームを持つことはとっても素晴らしいことなのですが、
豊かな暮らしに欠かせない経済面をないがしろにしたような
持ち方はするべきじゃないと考えています。

そんなわけで今回は、
経済面をないがしろにせずにマイホームを持つために、
家を建てようと思ったら、
何をどのようにどういった順番で進めていけばいいのかについて
時系列でお伝えさせていただきたいと思います。

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(1)お金の預け先を見直す

まずやるべきことは、
家の予算を考える前にお金の預け先を見直すことです。

つまり、住宅ローン金利の中には
掛け捨ての生命保険の掛け金も含まれているので、
(団体信用生命保険に加入するので)
これを機に現在の生命保険を見直すこと、
そして貯蓄の手段を学資保険や銀行だけでなく、
最近話題のNISAなども利用していくこともいいでしょう。


(2)家の予算を計画する

この見直しの目処が立った上で、
初めて家の予算について具体的に考えていきます。

そして、その順番としては、

まずは毎月の返済額を基準に銀行から借り入れする額を決めること。

続いて、これに自己資金(貯金・贈与)を合わせて家づくりの総予算を出すこと。

そこから家・土地・庭以外にかかる全ての経費を差し引くこと。

その上で、土地・家・庭にいくらずつ
予算を振り分けることが出来るかを算出すること。

といった流れですね。

こうすることによって、自らの土地予算がいくらなのか?
その予算だと、どんな土地を買うべきなのか?
あるいは土地を買わずに実家の余った土地を使うべきなのか?
自らの家の予算がいくらなのか?
その予算だと、どれくらいの広さの家にすべきなのか?
その予算で家を建てるためには、何を優先し何に妥協すべきなのか?
といったことが具体的に見えてくるようになります。

(3・4)土地を探す&プラン・見積もりをする

そして、土地にかけるべき予算と
自分がどんな家が建てたいか?
その予算でどんな家が建てられるか?
その家を建てるためには土地の広さはどれくらいにすべきか?
などが分かったら土地を探していきます。

そして、土地が見つかった場合すぐに契約をするのではなく、
出来れば契約をする前にその土地に合わせてプランを描いてもらうべきです。
その土地に理想的な家が建つかどうか分からないまま
土地を買うのはリスクが高いからです。

なので、まずはプランをし、
その土地に納得のいく家が建つことが分かってから、
かつ、その家が予算内で収まり資金的にも問題ないことを確認してから
土地の契約に進むようにしてください。

(5)土地&家の契約をする

以上のプロセスを経た上で土地や家の契約をするのが理想的な流れです。
つまり、家づくりでは、
土地と家の契約はほぼ同時のタイミングでするのがベストな流れだ
ということを理解しておいてください。

これで暮らし面でも経済面でも、
安心しながらこれからずっと暮らし続けられると思います。
家を持ちながらも、子供たちの大学進学に備えた準備も出来れば、
自分たちの老後に備えた準備も出来るわけですからね。

以上が、推奨している家づくりの進め方です。
暮らしの豊かさと経済的な豊かさを同時に手に入れるために、
ぜひこの流れを参考にしてもらえたらと思います。

それでは、また次回。

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vol.38 理想的な返済額を実現する2つの手段

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「理想的な返済額を実現する2つの手段」です。

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たとえ夫婦共働きだとしても、
住宅ローンの毎月の返済額は、
ご主人の手取りの30%以内に抑えるのが理想的です。

というのも、奥さんが稼いできたお金は、
家の維持管理費用の積立や子供たちの進学費用の積立、
そしてレジャー費、貯蓄などで
そのほとんどが消えていく可能性が高いからです。

ゆえ、たとえ夫婦共働きで、
現在少し家計に余裕があるとしても、
少しでも毎月の返済を抑えるようにした方がいいし、
出来ることならご主人の手取りの
30%以内にした方がいいというわけですね。

では、手取りの30%を前提として家づくりを行った場合、
どのようなコトになるかお伝えしていきたいと思います。
理想(希望)と現実(予算)の間にはけっこうなギャップがあって、
現実(予算)を優先した場合、どんな家づくりをすべきなのかという話です。

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✔︎予算圧縮の手段を知ることが肝

例えば、ご主人の手取りが30万円だとしたら、
毎月の返済額の上限を90,000円以内に抑えないといけないのですが、
この返済額を1.0%の金利、35年返済で借りるとしたら、
借り入れ出来る額は約3200万円となります。

そして、これに自己資金を合わせた額が
あなたが家づくりにかけていい総予算となるのですが、
仮に、あなたが出せるお金が200万円で
親からの援助が300万円あるとしたら、
あなたの総予算は3700万円となります。

一方で、銀行経費や火災保険費用、登記費用などの諸経費や、
家具や家電などの購入費用、地盤改良費用といった
いわゆる家・土地・庭以外に必要となる別途経費に
合計300万円かかるとしたら、
残りの3400万円という枠の中で、
土地を買い、家を建て、庭を仕上げなければいけなくなります。

いかがですか?
なかなか厳しい予算だなと感じたのではないでしょうか?

しかし、これが多くの方にとって現実的な数字だと思うので、
この予算で家づくりをやりきるための、
2つの手段を知っておく必要があります。

まず1つ目が、
土地と家の予算をいずれも圧縮するという手段です。

みんなと同じように家づくりをすれば
土地に1000万円、家と庭に3000万円、
合計4000万円ぐらいかかるところを、
土地と家(庭)をそれぞれ300万円ずつ圧縮するといった感じですね。

そして、そのための具体的な手段が
・家を少しでも小さくする
・南向きの土地はあえて外す
・建てる家にフィットした土地を買う
といったことです。

続いての手段は「土地を買わない」という手段です。
つまり、実家に余っている土地があるなら
そこを使った方がいいということですね。
あるいは、土地を買わなくてはいけない場合、
土地代を身内からの贈与で賄うか、です。

個人的には、これが選択出来るとしたら
迷わずそうした方がいいと思っています。
仮に土地にお金がかからないとしたら、
先程の予算でも、思い通りの家を建てることが出来るでしょうし、
あるいは、家の予算を圧縮すれば借入額をもっと減らすことが出来ます。

家と庭に3400万円フルでかけるか、
あるいは、家の広さにこだわらないなら、
家と庭を2900万円に抑えることで500万円借り入れを減らす、
という感じですね。

そんなこんなで、こういったことを合理的に考えつつ、
また、予算としっかり向き合いつつ、
家づくりをしてもらえたらと思っているので、
一つの意見としてぜひ参考にしてもらえたらと思います。

それでは、また次回。

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vol.37 資金計画に欠かせない項目

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「資金計画に欠かせない項目」です。

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分譲マンションを持てば、
共用部分を維持管理するための費用や、
外壁の塗り替えやエレベーターの修理のための修繕積立金などが、
ローンとは別に必要となりますが、
一戸建てを持った場合も、
自らの責任で定期的な修繕のために
積み立てをしていかなくてはいけません。

また、水回り商品もやがて老朽化することから
そのタイミングに備えたリフォーム費用も
コツコツと積み立てしていっておくことをオススメしています。
かつ、定期的に確実に壊れる家電製品の買い替え費用もです。

そんなわけで、毎月の返済にいくら当てるかを決めるにあたって、
まずはこれらにどれくらいの費用が必要なのかを
把握してもらいたいと思っている次第です。

では、今後家を持つことによって必要だと考えられるコストについて
お伝えしていきたいと思います。

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✔︎固定資産税

固定資産税は、資産を持ち続けている限りずっとかかる税金です。
また、住む地域によっては、
固定資産税に上乗せして都市計画税という税金がかかります。
ゆえ、建てた後の負担を減らすためには、
この税金を少しでも抑えられるように家づくりをするといいでしょう。

家の面積を少しでも小さくするとか、
土地の面積も少しでも小さくするとか、
そもそも住む地域から考えるといった感じですね。

✔︎火災保険

家を持つと火災保険に加入することになるのですが、
火災保険に関しては「どこまで保障するのか?」
「建物だけじゃなく家財にも入るのか?」
「どこの保険会社で加入するのか?」
「地震保険にも入るのか?」「その場合、家財にも入るのか?」
「耐火構造なのかそうじゃないのか?」
などによって費用が異なります。

とりわけ、建物の構造が耐火かそうじゃないのかによって
ものすごく保険料が違ってくるので、
建物の構造は絶対に耐火にすべきだと思います。

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✔︎定期メンテ&リフォーム費用

長期間、良い状態で暮らし続けていくためには
外回りの定期的なメンテナンスは欠かすことが出来ません。
15~20年に一度ぐらいのスパンでしょうか。

また、キッチンやお風呂などの水まわりも確実に老朽化するので、
20~30年を目処に入れ替え工事が必要となります。
そして、そのついでに家の中の壁や床や天井もいじりたくなると思います。

とはいえ、外回りのメンテをしようと思うと
ざっと150~200万円ほどはかかるし、
水回りの入れ替えに伴うリフォームも
ざっと300~500万円はかかります。

ゆえ、家を建てると同時に、
これらの積み立てを始めていくことをオススメしています。
この積み立てが出来ていなければ
リフォームローンを組まざるを得なくなってしまいますからね。


✔︎家電の買い替え費用

家電に関しては10年単位で故障すると考えておいた方がいいので、
冷蔵庫、洗濯機、エアコン、テレビ、パソコン、掃除機、給湯器、
オーブンレンジ、炊飯ジャー、などの故障に備えて
家のメンテ&リフォーム費用と共に
家を建てると同時に積み立てしていくことをオススメしています。

また、同じタイミングで全て揃えてしまうと、
いっせいに壊れ出して出費が集中してしまうので、
出来ることならば、少し時期をずらしながら
購入することをご検討いただいた方がいいかもしれません。

いかがでしたか?

家を持つとけっこうな維持管理費用がかかるということを
ご理解いただけたのではないかと思います。
そして、これらを全て合わせると、
おそらく毎月4万円ほど積み立てていっておいた方が
得策ではないかと考えています。

というわけで、毎月の返済額を試算する時は、
これら費用のことも考慮した上で算出していただければと思います。

それでは、また次回。


vol.36 重要な土地探しのタイミング

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「重要な土地探しのタイミング」です。

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この仕事をしていてつくづく実感していることが、
かなり多くの方が土地に予算を使い過ぎてしまっているということです。

そして、その原因が2つあり、
1つは前回お伝えした「南向きの土地にこだわり過ぎること」
そしてもう1つは「必要以上に広い土地を買ってしまうこと」です。

とりわけ、あなたが住みたい地域の土地の値段が高い場合、
この2つの要素が組み合わさると、
とんでもないぐらい予算オーバーすることになってしまうので、
そんな不測の事態に陥らないために
前回とともに今回の記事もご覧いただければと思います。

では今回は、土地の広さはどれくらいが適切なのか?
についてお伝えしていきたいと思います。
言い換えると、自分がどんな家を建てたいのかを
ある程度把握した上で土地は探したほうがいいという話です。

vol.36重要な土地探しのタイミング1.jpg


✔︎必要な土地面積の算出方法

土地にも形の良し悪しがあるので、
この理論が、どの土地でも当てはまるわけではありませんが、
必要な土地面積を算出する上で知っておくといいことが、
敷地は家が建つところと駐車場部分と家の周囲に出来る余白の
3つから出来ているということです。

そして、駐車場に関しては1台につき約4.5坪必要となります。
計算方法は、2.5m×6m=15㎡、15㎡×0.3025=4.5375坪です。
ゆえ、仮にあなたが確保したい駐車場が3台分だとしたら、
4.5坪×3台分=13.5坪、駐車場スペースとして必要だということですね。

では続いて、家の周囲に出来る余白についてですが、
この余白とは、境界と家との間に出来る通路のことであり、
家庭排水や雨水の配管を通し、
エアコンの室外機や給湯器などを置くための場所ですね。
また、家の軒や樋が隣の敷地まで
飛び出さないようにするために必要な余白です。

この余白に関しては、多少の差異は出るかもしれませんが、
いつも約10坪ほど必要だと考えるようにしています。
つまり、車を3台置きたいとしたら、
13.5坪+10坪=23.5坪が家以外に必要だということになるというわけですね。

そして、これに1階の建築面積を合わせた面積が
あなたが探すべき土地の広さだということですね。

✔︎土地と建物はセットで考えるもの

では、一つ例を上げてみると、
ヒアリングの結果、仮にあなたが建てたいと思っている家が
2階建ての家でその1階の建築面積が20坪としたら、
そして確保したい駐車場が3台だとしたら、
あなたが探すべき土地の広さの目安は、
20(家)+10(余白)+13.5(車)=43.5坪だということになります。
なので、45坪ぐらいの広さを目安として土地を探し始めます。

あるいは、ヒアリングの結果、
あなたが建てたいと思っている家が平屋だとして、
その建築面積が30坪だとしたら、
そして、確保したい駐車場が4台だとしたら、
あなたが探す土地の広さの目安は
30(家)+10(余白)+18(車)=58坪だということになります。
なので、60坪ぐらいの広さを目安として土地を探し始めます。

このように土地を考えていただくと、
必要以上に広い土地を探そうとすることも選ぶこともなくなり、
土地にお金をかけすぎてしまう可能性がグンと少なくなります。

vol.36重要な土地探しのタイミング2.jpg


✔︎60坪以上の土地は買わなくていい?

そして、最後に覚えておいて欲しいことが、
60坪(200㎡)以上の土地は買わない方がいいかもしれない...ということです。
たとえ、あなたが平屋を建てたいと思っていても...です。
土地面積が60坪を超えると、
超えた部分は固定資産税が2倍になるからです!

具体的に例えると、
評価額が坪あたり15万円の土地を100坪買ったとしたら、
60坪までは15万円÷6×60坪×1.4%=2.1万円なのに対し、
60坪を超える部分は15万円÷3×40坪(100-60)×1.4%=2.8万円となり、
毎年毎年、この税金を払い続けていかないといけなくなってしまいます。

また、それだけじゃなく、広い分土地の価格も高くなるし、
余白が多い土地はそこに工事も施さないといけないため、
外構工事費用も高くなります。
つまり、家づくりにかけるコストが高くなってしまうというわけです。

そんなこんなで、土地を選ぶ時は、
自分が建てる家にフィットするちょうどいい土地を探すようにしてください。
そして、そのためにも土地を探す前にまずは建築会社を決めて、
どんな家にしたいのかをある程度明確にしておくようにしてくださいね。

それでは、また次回。

vol.35 南向きの土地が損をする?

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「南向きの土地が損をする?」です。

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あなたが土地を買わないといけないとしたら、
確実に日当たりが良い土地にしたいとお考えになると思います。
そして、その代名詞である南向きの土地を中心に
土地選びをすることと思います。

確かに、南向きの土地は土地全体に日陰が全く出来ないため、
そうじゃない土地に比べると抜群の日当たりをほこるわけですが、
一方で、大きなデメリットが2つあることも知っておく必要があります。

では、そのデメリットとは一体どんなことなのでしょうか?
言われてみると「ハッ!」と感じることなのですが、
案外知らないものなので、
ぜひ、この機会に覚えておいていただけたらと思います。

vol.35南向きの土地が損をする?1.jpg


✔︎高い・高い・高い・高い

なぜ「高い」という言葉を4つも並べたのかというと、
土地・家・外構・借り入れ、
この4つが全て最も割高になるのがこの南向きの土地だからです。

1つ1つ紐解いていきましょう。
まずは土地から。

これは誰でも分かることですよね?
あなたが良いと思っているものは、
他のみんなも良いと思っているから。
あなたが欲しいと思っているものは、
他のみんなも欲しいと思っているからですね。

つまり、供給よりも需要が上回ると予想される商品には、
自然と高い価格が設定されるというわけです。
かつ値引き枠も一切ないって感じですね。

では、続いて家と外構について。
家と外構が割高になる理由は、
南向きの土地に建つ家をご覧いただくと一目瞭然です。

南向きの土地に建つ家は、
基本的に外から丸見えになってしまうため、
プライバシーを確保するための工事が必要不可欠となります。

例えば、リビングの延長線には
ウッドデッキをつくるとします。
外から丸見えのままのデッキでは、
落ち着いてバーベキューも出来なければ、
のんびりとリクライニングチェアに座って
日向ぼっこも出来ないですね...

それゆえデッキの周りに目隠しをつくるか、
あるいは敷地の塀を高くするか、
あるいは木を植えないといけなくなり、
それらに余分なコストがかかることになります。

また、南向きの土地に建つ家は、
間取りが一目瞭然で分かるため、
防犯にも配慮する必要があり、
住む地域によってはセコムやアルソックといったセキュリティ会社に
お願いすることも検討する必要があるかもしれません。
となると、数十万円余分な工事費用とその維持費用がかかります。

さらに、南向きの土地では、
南面に設置する大きな窓の数も最も多くなりやすいため、
シャッター代金もバカになりません。
なんせ、南向きの土地は最も台風の直風を受けやすいため
シャッターが必需品となるからです。

そんなこんなで、家や外構にも余分な工事が必要となり、
土地に加えて家や外構まで高くなりやすいのですが、
この結果、高くなるのが銀行からの借り入れというわけですね。


vol.35南向きの土地が損をする?2.jpg

✔︎せっかく日当たりがいいのに...

そして、もう1つのデメリットが
ずっとカーテンが開けられないことです。
土地によりますが、道路から家の中が丸見えになるため、
ずっと閉めておかないといけませんからね。

この場合、家の中は朝からずっと薄暗い状態になってしまいかねません。
一番メインの窓から光を採り込むことが出来なくなるからです。

悲しい現実ですが、
これもまた南向きであるがゆえに起こりやすいことなんですよね。

以上の2つの理由から、
南向きの土地にこだわる必要は一切ないと思っている次第です。

もちろん、南向き同様にその他の土地にも、
必ずメリットとデメリットの両方が存在しますが...。

✔︎土地選びで重要な視点

それは、その土地で考えられる
デメリットまで先回りして考えられるかどうかです。
南向きの土地の場合、
プライバシー問題と明るさ問題、
そしてなによりコスト問題ですね。

「えっ!?そんなことまで!?」と思われたかもしれませんが、
本当に住みやすい家をつくるためには、
そこまで考慮しながら土地を選び、
その土地に合わせて間取りを考えなければいけないですし、
そんな家をあなたの予算の範囲内で仕上げることがなにより重要なことです。

なので、土地選びは自分たちだけでするのではなく、
また家の専門家でもない不動産屋さんに意見を仰ぐでもなく、
必ず建築のプロである住宅会社と一緒にしてもらえたらと思います。

土地選びに失敗しないためには、
あなたが土地にかけられる予算と、
どれくらいの広さの土地が必要なのかと、
あなたが建てたい家の実現のためには、
どんな土地が理想的なのかを知っておくことが必要不可欠です。

それでは、また次回。


vol.34 面積が重要じゃない理由

こんにちは。
お家づくりコラム、テーマは「面積が重要じゃない理由」です。

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家を建てる多くの方が、
35坪ぐらいの家にしたいとおっしゃるのですが、
正味の話、ほとんどの人にその広さは必要ありません。

というわけで今回は、
家の広さが35坪も必要じゃない理由について
お伝えしていきたいと思います。

では、まずは35坪という広さの家が、
どれくらいの家なのかを解剖していきたいと思います。
その上で、これっていらなくない?
という流れで進めていきますね。

✔︎最もポピュラーな家の内訳

35坪の家を総二階建てとするならば、
(1階と2階の面積が同じ家です)
この家は1・2階それぞれ17.5坪ずつとなり、
これを畳数に変換すると35畳ずつです。

そして、それぞれのフロアに必要な
部屋と広さを当てこんでいくと、

(1階)玄関・ホール2畳、土間収納3畳、
LDK16畳、階段2畳、水回り6畳、和室(洋室)6畳、

(2階)階段2畳、廊下3畳、トイレ1畳、
寝室10畳、ウォークインCL3畳、納戸(リモート部屋)2畳、
子ども部屋7畳(クローゼット含)、子ども部屋7畳(クローゼット含)、

といった感じになります。

おそらく、等身大と謳われているモデルハウスや
完成見学会でご覧になる家の多くがこんな感じではないでしょうか?

では、仮にあなたが資金計画の結果、
ここから家の予算を削らないといけないとしたら
この中の何をどのように削ればいいのでしょうか?

住みやすさや使いやすさを一切損なうことなく、
また将来も困ることなく暮らし続けられる家にするためには、
どのように考えればいいのでしょうか?

vol.34面積が重要じゃない理由1.jpg

✔︎用途を特定しない

まず、考えるべきことが、
部屋の用途を1つに絞り込まないということです。

例えば、この家では1階に
LDKとは別で部屋を1つつくっていますが、
その理由は、子どもたちが小さいうちは、
この部屋をおもちゃ置き場や遊び場にしようと思っているから、
そして、親御さんが泊まりに来た時に使ってもらえるから、
さらに、老後2階に上がるのが億劫になった時寝室として使えるから、
この3つではないでしょうか。

しかし、こう考えれば、
この部屋を丸ごと削ることが出来ます。
「子供部屋をあえて1階につくる」と。

2階建住宅がまだまだ当たり前の中
この発想は一見非常識に感じますが、
こうすれば、子供たちのおもちゃ置き場や遊び場を
子供部屋と別につくる必要がなくなるし、
親御さんが泊まるとしてもこの部屋を使ってもらえます。

また、子供たちはやがて家を出て行くでしょうから、
老後、その部屋を寝室や、
あるいは別の用途として使えるようになります。

そんなわけで、発想1つで
和室(洋室)を6畳丸ごとカットすることができるというわけです。
もちろん、この部屋がなくなったことで不自由になることもなく。

また、この発想は2階に出来る廊下もカットできます。
子供部屋が1階になれば、
廊下から出入りする部屋が少なくなるからです。
ということで、この発想の副産物として
2階の廊下も2畳カットしますね。

✔︎適切な部屋の広さ

では続いて部屋の広さについてです。
言及するのは寝室と子ども部屋です。

部屋の広さを考える時に、
想像してもらいたいことが、
・その部屋で過ごす時間とタイミング
・その部屋にどんな家具を置くのか?
の2つです。

まずは寝室からいきますが、
寝室で過ごすのは、
おそらくというか確実に「寝る時だけ」ですよね?
そして、置くものはベッドだけですよね

併設してウォークインCLがあるため、
荷物は全部そこに置くでしょうし、
もはや部屋にテレビすら必要ないかもしれませんしね。

ゆえ、ただ寝るだけの寝室には
10畳もとる必要なんて全くないんですよね。
ということで、あっさりと4畳削り
6畳という広さに調整したいと思います。

子ども部屋に関しても
寝室同様にそれだけの広さが必要なのかを考えるべきなのですが、
合理的な判断をする上で知っておいてもらいたいことが、
「子どもたちはいつか家を出て行く」ということです。
つまり、LDKや寝室とは違って、
いつまでも1つの用途で使わない部屋だということですね。

ゆえ、そこにどんな家具を置くのかも踏まえた上で、
広さを考えていただければと思います。
面積は価格に直結しますからね。

そんなわけで子ども部屋関しても
6畳ではなく4畳半で十分ではないでしょうか?
部屋と別にクローゼットもありますからね。

vol.34面積が重要じゃない理由2.jpg

✔︎住みやすさが損なわれると感じますか?

ここまで考えてきたことを
全て合計すると実は面積が7.5坪小さくなります。
つまり、35坪から27.5坪まで縮まったわけですが、
では、そうなったことで
住みやすさが損なわれるでしょうか?
使いやすさが損なわれるでしょうか?

決してそんなことはありませんよね。
このように、部屋のつくり方や使い方、
そして間取りの発想一つで家づくりは大きく違ってくるので、
家を建てる時には「○○坪は欲しい」と勝手に決めたり
家の価値を面積で計るようなことはできるだけしないでくださいね。

では家の話は一旦ここまでとして、
次回からは土地の話をしていきたいと思います。
それでは、また次回。

vol.33 家の予算が自然と上がる暗黙のルール

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「家の予算が自然と上がる暗黙のルール」です。

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家を建てる人の約7割が、
土地を買わなければいけないと言われているのですが、
そうなれば必然的に銀行からの借入額が大きくなります。

借入額が大きくなると当然、返済負担が大きくなりますね。
では、返済負担が上がらないようにするためには、
どのように家づくりをすべきなのか?

結論から申し上げると、
家づくりのコストを上げる原因となる
・家は最低35坪欲しい
・土地は南向きじゃないとダメだ
・土地は少しでも広く買いたい

この3つの考え方を取り除くことが鍵になります。
では、その理由について1つ1つ説明していきたいと思います。

vol.33家の予算が自然と上がる暗黙のルール1.jpg

✔︎危険な暗黙のルール

家づくりでは、
そうしなければいけないわけでもないのに
知らず知らずの間にこうだと
決めつけてしまっていることがたくさんあります。

「家=2階建」や「子供部屋=2階」、「部屋=南」や「水回り=北」
という暗黙のルール的なやつです。
そして、この暗黙のルールの1つが
「家は最低35坪欲しい」ということです。

おそらく足を運んだモデルハウスや完成見学会などで
「いいな」と思った家の多くが35坪以上広さがあったからか、
あるいは、それぐらいは必要だと住宅会社から言われたからか、
その理由は定かではありませんが、
理由はさておき、この考え方が危険な理由は一体何なのでしょうか。

✔︎ほぼ合致しない予算と要望

それはいざ資金計画をしてみると、
多くの方がその大きさの家が建てられるだけの予算を
家に回すことができないからです。
つまり、その大きさの家を建てるとなると、
ほぼ確実に予算オーバーしてしまうということですね。

例えば、35坪の家を建てるとなると、
税込2500万円かかるとしましょう。
一方で資金計画をした結果、
毎月、返済していける金額が80,000円で
そこから逆算したローン額が3000万円、
それに自己資金として出せる300万円を足して
総予算が3300万円として、
家以外の費用に1200万円必要だとしたら、
家に掛けられる予算は2100万円となります。

となると、
35坪という広さにこだわって家を建てるとなれば、
単純に400万円資金が足りないため、
この不足分を何らかの形で補わないといけなくなります。

銀行から借り入れを増やすとか、
貯金をギリギリまで切り崩すとか、
親から助けてもらうなどの手段によって、です。

そして借り入れを増やすという選択をすると、
毎月の返済負担が大幅に上がってしまうことになり、
家計にゆとりがなくなる大きな原因となります。

ゆえ、この場合最も良い選択は、
2100万円という予算で建てられる家にすることです。
たとえそれが30坪にも満たない家になるとしても、です。

とはいえ、やはり30坪未満と聞くと
「ちょっと小さ過ぎるのでは?」と思ってしまいますよね。

なので、次回は間取りのつくり方によっては
28坪の家でも35坪の家よりも使いやすく、
より住みやすくなるということについて
お伝えしていきたいと思います。

それでは、また次回。

vol.33家の予算が自然と上がる暗黙のルール2.jpg

vol.32 変動金利・固定金利の向き不向き

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「変動金利・固定金利の向き不向き」です。

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変動金利と固定金利ではどっちが得なのか
というご質問を受けることがあるのですが、
正直な話、その結果は終わってみるまで分かりません。

しかし、住宅ローンを選ぶにあたり
自分にとっての向き不向きは知っておいた方がいいと思うので、
今回はそれに関しての見解を述べていきたいと思います。

vol.32変動・固定の向き不向き1.png

では、まずは変動金利を選ぶのに向いている方から
お伝えしていきたいと思います。

✔︎土地があり、かつ自己資金が多い方

実家に土地があるか、
あるいは土地を親が買ってくれるため、
自らのお金で土地を買う必要がない人であり、
かつ、たくさん貯金があり親からも援助がもらえる方などです。

理由は簡単で、
借入が少なくなれば返済期間を短くすることができ、
後々金利が上がったとしても
返済負担が急激に上がらないからです。

具体的にはこんな感じです。
土地代0円、建築代2500万円、
外構工事費100万円、諸経費200万円、合計2800万円、
貯金500万円、親からの援助500万円、借入1800万円、
という感じですね。

この場合、返済を20年で設定しても
月々の返済は79,609円となるため、
今の家賃と同水準ぐらいという方も多いのではないでしょうか?
(10年固定の0.6%として試算)

また、10年固定の住宅ローンは
10年後金利が上がることがほぼ確実なのですが、
仮にそうなったとしても返済負担はさして上がりません。
10年後には元本が半分ぐらいまで減っているからです。

そんなわけで、土地がありかつ自己資金が多い方は
変動金利を選ぶのに向いていると思います。

------
✔︎返済期間は短い方がいいのか?

とはいえ、このような方でも
20年返済ではなく35年返済にすることを推奨します。
理由は、35年返済にすると返済金額が47,525円となり、
浮いた32,084円を貯金などに回すことができるからです。
子どもの教育費等にはお金がかかりますからね。貯金は大事です。

また、住宅ローンには団体信用生命保険という
掛け捨ての定期保険がかかっているため、
わざわざ早く返済してその保証を外すこともないというのも
返済を短くする必要がないと思っている理由です。

さらに、家を建てると
住宅ローン控除によって払った所得税や住民税を
国から当初の13年間返してもらえる制度があるのですが、
借入残額が多いほどより多くのお金を返してもらえるので、
この観点からも返済を短くする必要はないとも言えます。

以上のような理由から、
返済期間を短くする必要はないと思っているのですが、
ローンがある状態が嫌だなどという方もいらっしゃると思うので、
自由に選んでいただけたらと思います。

vol.32変動・固定の向き不向き2.png
✔︎土地を買い、自己資金が少ない方

では、続いて固定金利を選んだ方がいい方ですが、
こちらに関しては先程の真逆の方です。
つまり、土地も自分で買わないといけない、
かつ、親からの援助もなく(少なく)、
貯金もない(少ない)という方ですね。
この場合、どうしても借入金額が大きくなってしまいますからね。

少なくても3000万円、多いと4000万円オーバー
という方も決して少なくないのではないでしょうか。
ゆえ、固定一択の方には借入金額が少しでも減るように
家づくりをしていただきたいと考えています。

3500万円を1.2%の金利で借りた場合、
102,096円も毎月返済しなければいけないし、
4000万円ともなると116,681円も
毎月返済しなければいけませんからね。

ゆえ、後者の方には家づくりの予算を
少しでも抑える努力をすることを推奨しているのですが、
その具体的なやり方については
今後コラムとして更新していきたいと思っております。

それでは、また次回。


vol.31 住宅ローン選びで大事な2つのコト

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「住宅ローン選びで大事な2つのコト」です。

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家を建てるとなれば、
ほとんどの方が住宅ローンを利用すると思いますが、
この住宅ローン金利は高いより
安いに越したことはありませんよね。

仮に3000万円借りるとした場合、
0.6%という金利で貸してくれるのと
1.2%という金利で貸してくれるのとでは、
毎月の返済が8,302円も違うし、
利息を35年トータルすると3,486,840円も違いますからね。

そんなわけで、多くの方があっさりと
安い金利を選んでしまうのですが、
果たしてホントに金利は安い方がいいのでしょうか?
そこに落とし穴はないのでしょうか?

では、今回は住宅ローンのコトについてお伝えしていきたいと思います。

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✔︎理解しておくコトはたった2つだけ

住宅ローンで知っておくべきコトはたった2つだけ。
1つが住宅ローンの種類とそのメリットとデメリット。
そしてもう1つがそれを踏まえた上で
あなたがどれに向いているのかということです。

まず住宅ローンの種類ですが、大きく分けると
「変動金利」と「固定金利」のたった2つしかありません。

変動金利とは、文字どおり途中で金利が変動するローンで、
固定金利はその逆で最後まで金利が変わらないローンです。
「フラット35」という住宅ローンが固定の代表的な商品ですね。

ちなみに、地方銀行が取り扱っている変動金利の住宅ローンは、
「3年固定」とか「10年固定」とパンフレットに書かれているため、
固定と誤解しそうになるのですが、
変動金利なので間違えないようにしてください。

vol.31住宅ローン選びで大事な2つのコト1.png

では、まずは「変動金利」について
分かりやすく説明していきますね。
先程の3年固定や10年固定ですね。

これらの最大のメリットは、
固定金利よりも金利が安いということです。
つまり、冒頭でもお伝えした通り、
同じ金額を借りるとしたら
毎月の返済が安くなるというわけですね。

そして、返済が終わるまでずっと
固定よりも金利が安い状態が続いた場合、
固定に比べて圧倒的に利息が少なく済むことになります。
しかし、そう上手くいくかどうかが誰にも分からないのが
変動金利の怖いところでありデメリットでもあります。

過去にバブルがはじけて以来、
日本はずっとデフレが続き物価が上昇せず、
金利も低い水準を推移しているので、
もしかしたら、35年後も変わらず
こんな状態かもしれないのですが、
とはいえ、これから先のことなんて
誰にも予測できませんからね。

また、変動金利で知っておかないといけないことが、
3年や10年という固定期間が終わる時、
金利が上がるということです。

それゆえ、変動金利を選ぶ場合、
その期間が満了する時に銀行と金利の交渉をするか、
あるいは他の銀行に借り換えるか、
あるいは繰上げ返済をすることで返済負担が増えないようにする、
のいずれかを選択しなければいけません。

ざっと言うとこれらが変動金利の特徴です。
あとは、銀行によって設定されている金利が微妙に違うこと、
交渉やその人の属性(仕事・会社・収入など)によって
金利が違ってくるといったところでしょうか。

vol31.住宅ローン選びで大事な2つのコト2.png

では、続いて「固定金利」について。
固定金利に関しては変動金利より金利が高く設定されていて、
かつ、変動金利のように人によっては金利が安くなる
ということは基本ありません。
それゆえ、パンフレットやネットに
記載されている金利がそのまま適用になるという感じです。

また、固定金利を選ぶ場合、
融資手数料という手数料がどの銀行でも余分に発生するのですが、
この手数料は変動金利には存在しないので、
この分、家そのものに掛けられる費用が減ってしまうというのも
固定金利のデメリットとなります。

要するに、固定金利を選ぶ場合、
変動金利に比べて
家そのものに掛けられる予算が減るにもかかわらず、
返済額は大きくなってしまうというわけですね。
そして、その変わり返済額はずっと一定となるため、
安心感があるという感じですね。
これが固定金利の特徴です。

いかがでしたか?
住宅ローンは大きく分けるとこの2つしかないのですが、
自分はどっちが向いているか
なんとなくお分かりいただけましたか?

では、次回は変動を選んだ方がいい人
固定を選んだ方がいい人について
一般的な見解を述べていきたいと思います。

それでは、また次回。

vol.30 数とコストと管理のしやすさと

こんには。
お家づくりコラム、本日のテーマは「数とコストと管理のしやすさと」です。

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「明るくて開放的で風通しの良い家にしたい」という願いから
ついつい窓の数が多くなってしまうのですが、
窓が多くなれば、耐震性も悪くなるし、
断熱性も悪くなるし、掃除場所も増えるし、
外壁も汚れやすくなるし、戸締りの心配も増えます。

窓のつくりすぎで後から後悔しないために、
今回は、窓をつくりすぎた人が
どんな風に暮らしているのかをお伝えしたいと思います。

vol.30数とコストと管理のしやすさと1.jpg

多くの方が家を建てる前は
賃貸アパートかマンションに
住まれているかと思いますが、
これらの住まいにはそもそも窓がそれほどありません。

おそらくベランダに出られる窓が1つか2つと、
玄関脇の共用部分に面した窓が1つの、
計2つか3つといったところでしょうか。
なので、賃貸住宅では、
窓の管理が全然大変じゃありません。

一方で、家を建てると窓の数が一気に増えます。
賃貸では2方向しか窓がなかったのに対し、
東西南北4方向全てに窓ができるし、
かつ、それが1・2階両方となるからです。

また、防犯性や意匠性を考慮してか、
小さなデザイン窓をたくさん使うので、
なおのこと窓だらけになってしまいます。

そんなこんなで、
これまで2、3ヶ所だった窓が
一気に20ヶ所以上になってしまうというわけです。
(下手したら30ヶ所ぐらいある家もあります)

そして、最初のうちは風通しを良くするために、
こまめに窓を開けたりするのですが、
これが新たな心配事を発生させます。

「あれっ?あの窓閉めたかしら?」
「あれっ?あの窓鍵かけたかしら?」
という心配事を...

そして、いつの間にか窓を開けなくなっていきます。
開けてしまうと、いつも閉めたかどうかが気になるからです。
そして、いつしか決まった窓しか開けなくなってしまいます。
それどころか、開けない窓はカーテンも閉まったままになり、
光すら入ってこなくなっているかもしれません。

------
✔︎管理できる範囲でつくる

この事実から言えることは、
窓はやみくもに増やすべきではないということです。
増えたら増えた分だけ管理が行き届かなくなり、
する必要のない心配事が増えるからです。

また、冒頭でもお伝えしたように、
確実に耐震性も悪くなるし、
確実に断熱性も悪くなるし、
確実に家も汚れやすくなるし、
確実に掃除の手間も増えるからです。

そして、窓が増えれば、
それに反比例するかのように収納も減ってしまいます。

窓が増えるということはイコール家の壁が減ることであり、
家の壁が減れば、
設置できる棚の範囲が少なくなるからです。

で、その結果、思っていたよりもモノが置けず
収納の中に所狭しと、
ギュウギュウ詰めにモノを詰め込まざるを得なくなり、
どこに何があるのか分からなくなってしまいます。

つまり、収納までも
管理しにくくなってしまうというわけですね。

ということで、これから家を建てるあなたは、
明るさや開放感にこだわるあまり
窓のつくりすぎないように注意しつつ
家づくりをしていただければと思います。

窓を厳選してつくれば
その分コストも落ちるわけですしね!
それでは、また次回。
vol.30数とコストと管理のしやすさと2.jpg

vol.29 提供すべき品質以外の2つの価値

こんには。
お家づくりコラム、本日のテーマは「提供すべき品質以外の2つの価値」です。

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以前に比べると、
平屋を建てる人が増えているようですが、
求められているニーズからすると
これは意外でもなんでもなく
ごく当たり前の事実だと思います。

というのも、
家が満たしておくべき
安全・快適・便利の3つの条件を
天然で満たすのが平屋だからです。

「安全」という点では、
=耐震と考えると、
当然重心が低い方が、
大きな地震の時はもちろん、
強風の風圧抵抗や
重量車両通行による振動も受けにくくなるし、

「快適」という点では、
=家の中の温度差と考えると、
当然、階層が分かれてない方が、
温度差が生まれにくいし、
かつ、家をコンパクトにすれば、
なおのこと快適に過ごしやすくなります。

また「便利」という点では、
=家事や掃除の楽さと考えると、
上下を行き来する必要がなく、
同じフロアで作業出来る平屋は、
動線の工夫なんてしなくても
十分便利な住まいではないでしょうか。

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✔︎住宅会社が提供する価値

先程お伝えした
安全・快適・便利の3つは
私たち住宅会社が
例外なくすべての方に提供すべき
最低限の要素なのですが、
私たち住宅会社がすべきことは、
これらを当たり前のように
提供するとともに、
別の付加価値をお客さんに
提供することだと思っています。

そして、付加価値に関しては
各社考え方が違うものだと思いますが、
大吉ホームが考える付加価値は以下の2つです。

1:暮らしの豊かさ

自分が心底気に入ったモノを
手に入れることができれば、
とっても心が豊かになります。

想像してみてください。
出かける時、そして帰ってきた時、
美しい我が家を見た時の感情を。

想像してみてください。
空を眺めながら過ごす優雅さを。
カーテンがなく自然の光に包まれた明るく
開放感に満ちた心地よい時間を。

想像してみてください。
星空と月明かりの下、
人の目を気にすることなく
外で食事が楽しめる楽しさを。
家に居ながらアウトドア気分が味わえる贅沢さを。

ここでするバーベキューはもちろん、
きっと朝マックやカップラーメンを
ここで食べるだけでも、
幸せを感じていただけると思います。

これらが、私たちが
あなたにぜひ提供したい価値です。
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2:経済的な豊かさ

そして、私たちがもう1つ
提供すべきだと思っている価値が、
建てた後の経済的な豊かさです。

具体的には、家を建てた後も、
時々は外食したりお出かけしたり、
旅行に行けるゆとりを持ちながら家を建てること。
かつ、しっかりと貯金できるような
ゆとりを持ちながら家を建てることです。

この2つが充たせる範囲内で予算を設定し、
家を建てるべきだと思っており、
そのつもりで資金計画を行います。。

なので、うちの資金計画では、
他社では言われないような耳が痛いことを
お聞きすることになるかもしれません。

また、現実を知ってしまうことで、
気分が落ち込んでしまうかもしれないし、
思ってもみないような提案を
受けることになるかもしれません。

しかし、この経済的な豊かさは、
とっても大事なことなので、
真摯に向き合って、
無理なく家づくりを行ってくださいね。

それでは、また次回。
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vol.28 単独名義と共有名義

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「単独名義と共有名義」です。

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家を建てるにあたって、
名義は単独の方がいいのか?
それとも夫婦共有にすべきなのか?
で悩まれている方もいらっしゃると思います。

基本は単独名義をオススメしているのですが、
事情によっては共有名義に
せざるを得ない場合があるのと、
共有名義にした方がいい場合があるので、
今回は、この2つの場合について
お伝えしていきたいと思います。

では、まずは
共有名義にせざるを得ない場合
からお伝えしていきますね。
vol.28単独名義と共有名義1.png

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✔︎収入合算が必要な人

仮に、家を建てるにあたって
銀行から3000万円を借りたいとしても、
ご主人さまの年収が400万円以内では、
基本、銀行から満額を借りることはできません。

銀行が貸してくれる限度額は、
年収の5~6倍程度だからです。
(常識的にもこの範囲を超えてお金を借りるのは、
ローン破綻の可能性を高めるだけです。)

それゆえ、この場合、
奥さまが働いているとしたら、
奥さまの収入も合算して
ローンを申し込まざるを得なくなります。

結果、奥さまも名義人になるというわけですね。
(名義を入れなくていい場合もありますが、
住宅ローン控除のコトも考えると
名義人になった方がいいです。詳しくは後ほど。)

では、続いて
共有にした方がいい場合について
お伝えしていきますね。

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✔︎住宅ローン控除を最大に使い切る

例えば、
住宅ローン控除の対象となる金額が3500万円で、
ご主人さまの年収が400万円、
奥さま年収が200万円だとしたら、
ご主人さまの持分を3分の2、奥さまの持分を3分の1、
にすると、住宅ローン控除の枠を
いっぱいまで使い切ることができます。

では、ご主人さまの所得税を8万円、
住民税を16万円、
奥さまの所得税を4万円、
住民税を8万円と仮定して、
簡単に計算していってみましょう。

1年目の年末の借入残高を
3430万円とし、毎年70万円ずつ
借入が減っていくと仮定すると、
このご夫婦が受けられるローン控除額は、
1年目:24.01万円
2年目:23.52万円
3年目:23.03万円
4年目:22.54万円
5年目:22.05万円
6年目:21.56万円
7年目:21.07万円
8年目:20.58万円
9年目:20.09万円
10年目:19.6万円
11年目:19.11万円
12年目:18.62万円
13年目:18.13万円

となるのですが、
仮にご主人の単独名義で借入をしてしまった場合、
この恩恵を上限いっぱいに受けることができません。

今後13年間、
ご主人さまの給料が変わらないとしたら、
受けられる控除のマックスは
所得税8万円+住民税13.65万円を
合わせた計21.65万円だからです。
(住民税は控除の上限は13.65万円です)

つまり、13年のうち、
最初の5年間は控除枠を使い切れていない
というわけですね。

一方で、ご主人さまの名義を3分の2にし、
奥さまの名義を3分の1入れてみると、
1年目から上限いっぱいまで
使えることになります。
以下、1年目の計算式です。

1年目の借入残高の0.7%=24.01万円
(↓控除可能な所得税と住民税の合計額↓)
ご主人さま:24.01万円×3分の2=約16万円
奥さま:24.01万円×3分の1=約8万円

(↓返してもらえるお金の上限↓)
ご主人さま:8万円+13.65万円=21.65万円
奥さま:3万円+6万円=9万円

そんなこんなで、共有名義にし、
持分比率さえ間違えなければ、
住宅ローン控除の恩恵を最大まで
引き出すことができるというわけですね。

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✔︎予算設定の基本

この2つに該当する場合は、
夫婦で住宅ローンを申し込むことになるのですが、
忘れてはいけないのが、
自分たちの収入とバランスが取れないような借入は
絶対にしてはいけないということです。

ここで、この話をすると長くなるので
今回は割愛しますが、
これからの暮らしのことを考えると、
銀行から借りてもいい額は、
年収をベースで考えるとしたら、
ご主人さまの年収の6倍までに
とどめておくべきだと思います。

400万円としたら2400万円だし、
500万円だとしたら3000万円だし、
600万円だとしたら3600万円ですね。

これを超えて借り入れするのは、
これからの不確実で不安定な社会の中では、
かなり危険だと思っています。

なので、できれば
収入合算しなくていい範囲で、
家づくりをしてもらえたらと思います。

建築コストが上がってしまった現在、
これは難しい話かもしれませんが、
できるだけこれを心がけながら
資金計画してもらってくださいね。

それでは、また。
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vol.27 短期的思考と中長期的思考

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「短期的思考と中長期的思考」です。

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家を建てれば、
隣近所に気をもむことなく
子どもたちをのびのびと
遊ばせることができます。

また、自分の部屋が持てることに
きっと大喜びすることでしょう。

そして、子どもたちが喜ぶ姿を想像すると、
なおのこと家を建てることに
ワクワクしてくると思いますが、
家を建てる時は、
子育て中のことだけじゃなく、
子育て後のことまで見据えて、
間取りを考えなければいけません。

言い換えるなら、子どもたちは
やがて家を出ていく可能性が高いので、
そうなった時に備えて、
子ども部屋は使い勝手よくつくっておいた方がいい
というわけですね。

では、これからの暮らしを
時系列で考えてみた上で、
子ども部屋はどうつくるのがベターなのかを
一緒に考えていきたいと思います。
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✔︎子どもたちが小さいうち

多くの方にとって家を建てる時は、
おそらく子どもたちが小さい時だと思いますが、
では、小さな子どもたちにとって使いやすい部屋とは、
一体どんな部屋なのでしょうか。

例えば、一般的に
子ども部屋は2階につくられることが多いですが、
残念ながら小さな子どもたちは
2階にある自分の部屋を全く使いません。
小さな子どもたちは
親から離れた場所で過ごさないからです。

となると、子どもたちのおもちゃや絵本などは、
自分たちの部屋ではなく、
リビング周辺に置かざるをえないか、
あるいは、それが嫌なら
1階にもう1つ部屋か大きな収納を
つくらざるをえなくなります。

結果、前者の場合、
リビングが片付かなくなり、
イライラしながら過ごすことになるかもしれないし、
後者の場合、家づくりのコストが跳ね上がり、
ローンに負荷がかかってきます。

一方で、子ども部屋を1階につくると
余分な部屋も余分な収納もつくる必要がなくなります。
子どもたちが自分の部屋を使いやすくなるからです。

結果、家づくりのコストを抑えやすくなる上、
リビングが片付きやすくなり、
いつもスッキリした家を保ちやすくなります。

つまり、友達が突然やってきても
焦ることなく迎え入れることができるし、
散らかった部屋にイライラしながら
過ごす可能性も圧倒的に低くなるというわけですね。

そんなこんなで、
子育て期間中にフォーカスすると
子ども部屋は1階につくる方が
ベターだというわけです。

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✔︎思春期を迎えたとき

では、子どもたちが成長し、
思春期を迎えたときはどうでしょうか。
この場合、子ども部屋が1階だと、
子どもたちのプライバシーが
低くなりそうな気がしますよね。

子どもとて、それなりの歳になれば、
親との距離を取りたくなるものなので。

自分たちの昔のことを思い出してか、
この時期に備えて子ども部屋を2階につくるのが
当たり前になっていると思いますが、
実は、間取りのつくり方次第で
1階に子ども部屋をつくりつつも
それなりにプライバシーをとることもできます。

なので、この時期のことが
どうしても気になる方は、
その旨をお伝えいただければと思います。

この時期に最もフォーカスすると、
幼少期はもちろん、これから説明する将来にも
困ったことが起きやすくなってしまいますからね。

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✔︎歳をとってから

子どもたちが出て行った後は
夫婦2人だけの生活がずっと続くことになります。

そして、時が過ぎ、
やがて誰もが年寄りとなるのですが、
この家でずっと暮らし続けていく以上、
これも想像しておかないといけません。

では、子ども部屋も寝室も2階にある
2階建ての家を建てた場合、
数十年後どのような暮らしになるのでしょうか。
おそらく2階は全く使わないと思いませんか。

また、健康ならまだしも、
やがて足腰が弱ったり事故などで
体が不自由になってしまったら
どうなるのでしょうか。

日常生活で支障なく暮らせるように
部屋を増築せざるを得なくなりますよね。

そんなこんなで、
老後のことを想像してみると、
子ども部屋を1階につくっておく方が
いいというわけですね。

使わなくなった子ども部屋を、
部屋や収納として使えば、
わざわざ貴重な老後資金を捻出して
増築する必要ありませんからね。
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✔︎家づくりに必要な柔軟な思考

このように考えてみると、
子ども部屋って2階につくるより、
1階につくった方がいいかなとか、
1階につくるのもありかな
と思っていただけたのではないでしょうか。

これはあくまで一例ですが、
実は、家づくりには子ども部屋の考え方のように、
なぜか勝手に決めつけてしまっている
セオリーというのもがいくつもあります。

そして、それらは家づくりの範囲を大幅に縮め、
かつ暮らしにくさをつくりだす原因になっていたり、
コストがかさむ原因になっていたりします。

なので、人から聞いた話を鵜呑みにし、
そのままを実行するのではなく、
こういった視点でも考えた上で、
家づくりをしていただけたらと思います。

それでは、また次回。