vol.160 土地探しをする前に

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「土地探しをする前に」です。

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いわゆる「固定概念」と言われる
なんとなく当たり前のように受け入れている常識的なものは、
家づくりの予算を押し上げる原因となるものが多かったりします。

例えば「土地は南向きがいい」ということ。
一般的に日当たりがいい土地が最も良いとされているからです。
結果、需要が供給を上回り割高な価格がつけられ、
かつ値引きの余地もなくなります。

そして、南向きの土地の利点を活かすように
部屋を南向きでつくることになれば、
これもまた家の予算を押し上げる隠れた要因となります。

理由はオプション品が割増で必要となるからです。
まず割増で必要となるのが「シャッター」です。
なんせ、南向きの土地は台風の風がモロに直撃するので、
ガラスに何かが飛んできたら大変なことになってしまいます。
その上、南向きの土地は窓を見れば間取りが分かってしまうし、
夜になると(電気の点灯で)使っている部屋まで分かってしまうという
防犯面で不安な点を抱えています。

そんなわけで、これらの不安がつきまとう大きな窓には
「シャッター」というオプションが
セットでくっついてくるというわけです。
窓1つあたり5〜10万円単位の。

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そして必要となるもう1つのオプションが「カーテン」です。
南向きの窓は1日中直射日光が差し込んでくるため
カーテンがないと眩し過ぎるし、
光線で液晶画面が見にくくなるし、
家具や雑貨が焼けてしまうし、
なにより、カーテンがないと外から家の中が丸見えになってしまい
落ち着いて過ごせないからです。

家で居る時は寝癖がついたままだし
家着(パジャマ)のままだし
ゴロゴロと過ごしていたりしますが、
流石にそんな姿をご近所さんたちにお披露目出来ないですからね。

そんなわけで、人目が気になる大きな窓には
レースカーテンはもちろんのこと、
中が隠せるドレープカーテンまで一緒に必要となってくるのですが、
これらもシャッター同様に窓1つあたり
5〜10万円単位で追加費用がカウントされていきます。

さらに、南向きの土地は
外構工事も余分なコストがかかりやすいという特徴を持っています。
先程述べたような防犯性の悪さを
外構工事でカバーせざるを得ないからです。
知らない人が心理的に敷地の中に入ってきにくくする工夫ですね。

また、南向きの土地では
ウッドデッキも道路に面してつくることになりますが、
これも目隠しなしではとてもじゃないけど使えません。
こここそ完全に丸見えとなる場所ですからね。

ゆえ、デッキ工事にプラスしてなんらかの形でデッキを隠す
目隠し工事をせざるを得なくなるのですが、
この目隠しに関しても
天然の木でつくれば比較的割安につくることが出来ますが、
絶対に朽ちない木目調のアルミ製がいいということになれば、
それだけで7〜80万円もの費用になってしまいます。

まとめると、
・土地は日当たりがいいほど良い、
・部屋は南向きが良い
・南向きの窓が多いほど良い

家づくりの絶対的な王者として君臨するこの3つの固定概念は、
その裏に最も高い買い物をするという負の側面(欠点)を持っています。

土地代が高くなり家代も高くなり、その上外構代も高くなる。
結果、銀行からの借り入れも増え利息の支払いが多くなり、
家計のゆとりが少なくなる。

裏返すと、需要も高く資産価値が高いため、
将来的に売却の可能性があるなら
南向きの土地はとっても良い土地であるということになるのですが、
ここに永住するつもりで土地を購入されるのであれば、
こういった事実も知っていただいた上で
土地探しや家づくりに取り組んでいただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.159 表と裏を意識する

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「表と裏を意識する」です。

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非日常を感じていただけるような空間づくりにこだわるために、
ホテルがお客様の目に触れない場所にバックヤードをつくるように、
家もまた、美しさにもこだわるなら「表」と「裏」を意識しながら
「間取り」と「外観」をつくりあげていかないといけません。

例えば「水回り」スペース。
洗面脱衣、トイレ、お風呂、キッチンといった水回りスペースは
景観を乱しやすい要素を兼ね備えていることから
絶対に家の「表」に配置すべき空間ではありません。

1つ目の要素が「窓」です。
窓が景観を乱す理由は、
水回りスペースは窓のサイズや高さを統一しにくいからと、
窓の数が増えれば外壁に出来る涙のような
垂れジミの数も多くなってしまうからです。

そして2つ目の要素が「換気扇」です。
これらのスペースには全て「換気扇」が設置されることになるのですが、
それらは生活感を醸し出すと同時に、
ここから発生するカビを原因とする黒い汚れを
確実に外壁に付着させていきます。

ゆえ、これら水回りスペースは
どんな土地であっても基本家の「裏」に配置することを
設計の基本にした方がいいというわけですね。

これらのスペースの近くには
エコキュートやガス給湯器なども確実に置かれることになりますね。

また、もう1つ「表」には出さないほうがいいものが
「エアコンの室外機と配管カバー」です。
これらが家の正面に出てこようものなら
カッコ悪くなってしまいますからね。

そんなわけで間取りを考える時は、
水回りに出来る窓や換気扇はもちろん、
給湯器や室外機が「表」に出てこないかというところまで
意識しながら配置を考えていかないといけないというわけですね。
「動線」はもちろんのこと近隣の環境も織り込みつつ
「採光」をどう取るかまで並行して考えながらです。

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✔️固定概念が邪魔をする

これらが「住みやすさ」と「美しい外観」を実現するために
考慮していることなんですが、
美しい外観の実現を邪魔する最たるものが「固定概念」です。
固定概念とは「家はこうあるべきだ」というなんとなくのイメージですね。

例えば、部屋は南向きでつくらないといけないという固定概念は
万人の頭の中に知らない間に溶け込んでいることですが、
このルールを北向きの土地で頑なに守ろうとすると、
必然的に「表」となる北側に水回りが配置されることになります。

そして、その固定概念が不細工な外観をつくりあげてしまう可能性があります。
同時に、日当たりが悪いリビングも実現しながら。
(南側の家との間に充分な距離が取れないからです)

あるいは、このルールを大人気の南向きの土地で適用しようものなら、
水回りは「裏」につくられるものの
部屋が「表」につくられることから
エアコンの配管カバーや室外機が「表」に登場しやすくになります。

そして丸見えの部屋を覆い隠すためにカーテンとシャッターを設置し、
光が入ってこない薄暗い家を
100万円以上の追加費用を支払って
つくりあげることになってしまいます。

ゆえ、美しい外観も同時に実現したいとお考えなのであれば、
こういった「家はこうあるべきだ」というなんとなくのイメージを
一旦リセットしていただかないといけません。

一つ例を挙げるとしたら、南向きのこだわる理由は
光は「直射光」しかないと思いこんでしまっているからですが、
光には「天空光」という空気中の塵や水蒸気に反射して拡散する光もあり
安定した採光を実現するのは
実は「天空光」だということを知ることさえ出来れば、
南向きの部屋に固執することもなくなるという感じでしょうか。

とにかく、家づくりには
こういった根拠の薄い固定概念がいくつも存在しているので、
これらに縛られないように
根拠ある正しい知識をつけていただければと思います。

それでは、また次回。


vol.158 限りなくシンプルに仕上げる理由

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「限りなくシンプルに仕上げる理由」です。

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弊社では室内にせよ室外にせよ
限りなくシンプルに仕上げることを常に心がけています。
室内をシンプルに仕上げるということは、
出来るだけ凹凸をつくらず直線的な空間に仕上げること。
かつ白をベースにし、それ以外は2〜3色でおさめることです。

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直線的な空間にこだわる理由は、
凹凸が多くなれば目に飛び込んでくる情報が多くなり、
それが空間を狭く感じさせたり
疲れを感じさせる原因となるからです。

そして、白をベースとし色を多く用いない理由は、
光の反射・拡散効果を最大化するためと
家具や生活雑貨を置いた時ゴチャゴチャしないようにするためですね。

色がたくさんあることも
凹凸がたくさんあることと同じように、
目に飛び込んでくる情報が多くなり、
これが空間を狭く感じさせたり
疲れを感じさせる原因となります。

そんなわけでSIMPLENOTEの家では、
室内を限りなくシンプルに仕上げているというわけです。
家そのものの存在感を薄くした方が
家具や雑貨などのオシャレアイテムがよりいっそう引き立ちますしね。

また、弊社では外観も
限りなくシンプルに仕上げているのですが、
これにもそうすべき理由がしっかりと存在しています。


✔️最重要項目「プライバシーの担保」

快適な暮らしを送る上で、
弊社が最も大事だと思っていることが
「プライバシーが担保されているかどうか」ということです。

外から丸見えの家では、
寝癖やパジャマのまま家の中をウロウロしにくいし、
外から丸見えのウッドデッキでは
バーベキューや日向ぼっこが落ち着いて出来ません。

ゆえ、弊社では「中庭」や「吹抜け」を使うことで
室内に届ける採光を安定させ、
人目に晒されるところから採光を取らなくていいようにしている
というわけです。

結果、外観がスッキリすると同時にカーテンもいらなくなり
家の中が劇的に明るくなります。
圧巻の開放感を感じられると思います。

そして外観をスッキリさせた結果、
家の見た目が限りなく美しくなるのですが、
これがもたらす効果は外構工事で
凝った仕上げをする必要が一切なくなるということです。
家そのものを美しく出来れば
それだけで存在感が生まれるからです。

結果、外構工事のコストを最小化することが出来ます。
外構工事に思わぬ費用がかかり
大幅に予算オーバーしてしまったり
貯金が底をつくなんてこともありません。
また、お金が足りなくなり外構工事が出来ないなんていう
最悪の事態を引き起こすこともありません。

さらに、このようなお家は
外から見ただけで家の間取りを読み取ることは不可能なのに加え、
外周部につくる窓が小さくていいことから
防犯のための小細工をする必要もありません。

なんせ弊社のお家は外壁そのものが塀代わりとなるため
塀にこだわる必要どころか
塀を立てる必要すらないかもしれませんからね。
結果、さらに外構工事費用を圧縮出来るというわけですね。

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このようにSIMPLENOTEの家では、
室内・室内ともに限りなくシンプルに仕上げることによって
たくさんのメリットを意識的にもたらしています。

というわけなので、
こういった観点を頭の片隅に置きつつ
SIMPLENOTEの家を再度ご覧いただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.157 解決策は「お金」ではなく「間取り」

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「解決策は"お金"ではなく"間取り"」です。

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お金さえかけることが出来れば
家はいくらでも良くなります。

例えば、全館空調システム。
これを設置すれば平屋だろうと2階建てだろうと
あるいは家が小さかろうと大きかろうと
全ての部屋に冷暖房が行き届く温度差のない
快適な住まいを手に入れることが出来ると思いますが、
その引き換え条件としてそうしない場合よりも
100〜200万円ほど余分な費用を支払わなくてはいけません。

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また、床暖房も足元の冷えを解決してくれる
素晴らしいアイテムではあるものの、
設置するとなれば空調システム同様に
100〜200万円ほど余分な費用を支払わなくてはいけません。

このように家はお金さえかければ
際限なく理想に近づいていくのですが、
「予算」という現実に真摯に向き合うと
その多くを諦めざるを得ないというのが
家づくりをする多くの方がぶち当たる大きな壁ではないでしょうか。

そんなわけでSIMPLENOTEの家では、
こういった「あったらいいなー、でも予算的に無理だなー」
的なことをお金をかけずにカバー出来るように
間取りに工夫を凝らしています。


✔️温度差の少ない空間づくり

温度差の少ない空間をつくるためには、
そもそも温度差が生まれやすい間取りをつくらないことが
最善の方法ではないでしょうか。

例えば、階段をなくす。
2階建てになると必然的に上下階に温度差が生まれます。
そしてリビング階段だと上の階から冷たい空気がおりてきて
暖房をしているのに妙に冷えを感じるという現象を引き起こします。

であれば、建てられるのであれば
平屋にすればそれだけでこの問題は解決出来ます。

また、廊下をなくせば
確実に家の中に温度差が生じにくくなるのではないでしょうか。
廊下があればそこで空気が分断され
全体に空気が循環しにくくなりますからね。

さらに、闇雲に家を大きくしないことも
温度差を少なくするためには非常に大切な要素となります。
単純に面積が大きくなればその分体積も大きくなりますからね。
その上、天井を高くしようものならさらに温度差が生まれやすくなるので、
弊社では天井を高くすることなく開放感を出す工夫をすることによって
無駄に体積を増やさないようにしています。

結果、空調システムや床暖房といった
イニシャルコストもランニングコストも多額にかかる機械に頼ることなく、
温度差の少ない空間づくりが実現しやすくなるというわけですね。

こういった機械類はやがて壊れるものであるため、
メンテコストも馬鹿にならないですしね。
電気代もどんどん上がっていることですし、
なるだけ電力を消費しない家にした方が間違いなくいいでしょうしね。

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✔️高い耐震性と耐久性

耐震に関しても、
2階建てではなく平屋にすればそれだけで一気に問題は解決します。

平屋にすれば、
2階建てのように重い2階部分を支える必要もないし、
2階建てのように家のバランスが悪くなりにくいからです。

なんせ2階建ては、
2階を支えないといけない1階が
2階より柱も壁も少なくなってしまう上、
南と北の壁のバランスも悪くなってしまいますからね。
南向きにこだわって家を建てると
兎にも角にも南に大開口をつくることになり、
必然的に南にほとんど壁がなくなってしまうからです。

そんなわけでSIMPLENOTEの家では「平屋」を基本としている次第です。
重心が低くどっしりとした平屋にしておけば、
耐震性の不安を払拭するために
50万円以上のコストをかけて制震ダンパーを設置する必要もないし、
耐震等級3を取得するにしても、
間取りに制約を受けることが全くと言っていいほどありません。

かつ、重心が低いということは
強風や重量車両の通行による揺れという
日常的な軽い地震のような影響も
受けにくいということでもあるので、
家もより長持ちしやすくなるでしょう。

いかがでしたか?

快適性にせよ安全性にせよ、
そもそも設計によって問題を解決すれば
無駄なお金を払う必要はないというのが
SIMPLENOTEの家の基礎となる考え方です。

以前より建築費が高騰している現在は、
経済的な側面を考えてもコストを抑える工夫が
これまで以上に必要になっているのは間違いありませんし。

なので、単純にお金をかけて問題を解決していくという選択肢だけじゃなく、
お金をかけることなく問題を解決するという選択肢があるということも
ぜひ覚えておいていただければと思います。

それでは、また次回。

vol.156 図面を読み解く力

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「図面を読み解く力」です。

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多くの方が単純に方位と動線だけに着目し
家の間取りを決めてしまいがちですが、
住みやすさと美しさを同時に実現するためには、
他にも着目すべき点があります。

例えば、南向きの土地はとっても日当たりがいいため、
全ての部屋を南に配置し、
かつ南面に大きな窓をたくさんつくりたくなるのですが、
それは結果的に周りから丸見えになってしまうことから
カーテンが開けられない薄暗い家をつくる可能性を高めます。

そして、そんな環境の中では
高いお金を出してつくったウッドデッキもほぼほぼ使えない
なんてことにもなりかねません。

また、南向きの土地では、
玄関も南向きにつくるのが一般的ですが、
リビングのエアコンの抜き位置も考えておかないと、
玄関のすぐ隣にエアコンの室外機がちょこんと置かれている
なんてことにも十分考えられます。

北向きの土地に至っては、
南向きとはまた違った問題が
発生しやすいという特徴を持っています。

まず考えられる問題が、
家の顔となる正面が汚くなりやすいという問題です。
トイレ・脱衣・風呂といった水回りが
北に配置されるのが一般的なため、
換気扇や不均一な高さ&サイズの窓が
正面に並びやすくなるからです。

これに加えて水回りの近くには
給湯器も置かれやすくなるし、
外観を無視したまま間取りを考えると、
家の正面に勝手口が出来てしまうことも
決して少なくないからです。

その上ぐるりと家に囲まれているせいで
光が入ってきにくい土地だとしたら、
それこそ薄暗くジメジメした家になってしまいますしね。

そんなわけで、間取り図を見る時は
単純に方位と動線だけを見るのではなく
以下の点も同時に見ていただきたいと考えています。

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✔️周りからどう見えるのか?

誰も来ないような場所にポツンと建てるのなら話は違いますが、
基本、ほとんどの土地が
それなりに家が密集して建っているのではないでしょうか。
であれば、ご近所さんを含め
周りからどう見えるのかまで織り込みつつ
間取りや窓を考えるべきではないでしょうか。

大きな窓をつくっても
カーテンが1分たりとも開けられないのなら
そこから充分な光も入ってこないし、
風なんて全く通せないですからね。

ウッドデッキにしても、
気心が知れたご近所さんならまだしも
見ず知らずの人に見られるような所では
なんだか気恥ずかしくて活用しにくいですしね。


✔️立面図に出てこない部材の位置

そして図面を見るにあたって
もう1つ読み取っていただきたいことが、
立面図には出てこない部材の位置です。

・エアコンの配管と室外機
・給湯器(エコキュートなら本体と室外機)
・樋(軒から地面までのたて樋)
・給排気口(キッチン・水回り・収納・居室)
・電気メーターボックス
・太陽光発電の宅内引き込み線
・太陽光発電のパワコン(外部に設置するなら)
・蓄電池(設置するなら)
といった部材です。

これらを考慮しなければ間取りは自由に変えやすいのですが、
考慮しないまま間取りを考えたり変えてしまうと、
冒頭でお伝えしたように
玄関の横にエアコンの室外機を置かざるを得ない状態になったり、
家の正面にエアコンの配管が出てきたり、
目立つ場所に給湯器を置かざるを得ない状況になってしまい、
結果、家の景観が乱れることになります。

というわけなので、
こういった間取り図の見方も覚えておいていただければと思います。
図面を読み解く力を養えば、
より住みやすく、よりカッコイイ家が
出来上がるのは間違いありません!

それでは、また次回。
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vol.155 間違った当たり前と解決策

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「間違った当たり前と解決策」です。

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窓をたくさんつくれば
それに比例して家の中が明るくなるように思いますが、
現実は決してそうではありません。
窓の向こうに隣家が建っていたり、
窓の向こうが開けている場合、
窓からは光や日差しとともに視線も入ってくるからです。

結果、それらの窓には全てカーテンが必要となり、
そして全くと言っていいほど開けることが出来なくなるため、
思っていたように家の中には光が入ってこなくなるというわけです。

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そんなわけで、
本当に明るい家を手に入れたいとお考えであれば、
単純に方位だけを考えて間取りや部屋の位置、窓を決めるのではなく、
その土地の周辺環境も加味しながら
それらを決めるのが最良の手段であると考えています。

カーテンが閉めっぱなしだと
家の中が暗くなるだけじゃなく、
外が見えず抜け感がなくなり
開放感まで台無しになってしまいますしね。

また、開放感を出すために
「天井を高くする」という方法がありますが、
これも先程の窓同様に、
ただそうすればそれだけで開放感が増すのかと言うと、
これまたそういうわけでもありません。

理由は、先程も申し上げたように
基本全ての窓にカーテンが設置されていて
かつ閉まったままの状態になっているため、
抜け感が感じられないどころか逆に閉塞感を感じてしまうから。

そして、たとえ天井だけを高くしても、
ドアや窓を既製品サイズの2mを使用しているのだとしたら、
天井とドアや窓との間に出来る垂れ壁が
さらに長くなってしまうことから
より天井付近に光が届きにくくなり、
薄暗さが増してしまうからです。
そもそもカーテンによって
入ってくる光の量が大幅に減っているわけですしね。

そんなわけで、
本当に開放感を手に入れたいとお考えだとしたら、
単純に天井を高くするのではなく
天井とドアと窓の高さをそろえることが
最良の手段であると考えています。
かつ、カーテンがいらない窓にすること。
この2つがそろえば文句なしの明るく開放的なお家の完成です。

この方法だと全くコストが上がらないどころか、
カーテンがいらない分むしろコストが下がるわけですしね。

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✔️ハイドア・ハイサッシの利点

天井の高さにドアを合わせる場合、
ハイドアと呼ばれる高さ2m40cmのものを使うことになるのですが、
そうすれば垂れ壁が全く出来なくなるので、
天井がずっと続いているように見えます。

また、外に出られる所に設置する窓を
天井まで高さがあるハイサッシにしつつ
そこにカーテンがいらないようにすれば、
圧倒的な開放感が得られると同時に空を眺めることが出来るし、
入ってくる光量にも圧倒的な差が生じます。

結果、たとえ曇りや雨の日でも
照明なしで過ごせるぐらい圧巻の明るさを
手に入れることが出来ると同時に、
まるでリゾートホテルで居るかのような
圧倒的な開放感を感じながら日々過ごすことが出来ます。

その上ドア枠も窓枠も必要じゃなくなるし、
カーテンやカーテンレールも必要じゃなくなるので、
その分、掃除や洗濯も楽になりますしね。

というわけなので巷で言われている方法では、
充分な明るさと開放感を手に入れにくいということ、
そして、それらを手に入れるためには
間取りのアプローチの仕方や仕上げの方法が大切であるということを
覚えておいていただければと思います。

それでは、また次回。

vol.154 家事の負担を軽減する最良の方法 その2

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「家事の負担を軽減する最良の方法 その2」です。

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毎日しなければいけない洗濯の負担を軽減するためには、
その全ての移動を平面で出来るようにしておくこと
ではないでしょうか。

洗濯機から取り出した洗濯物を干しに行く動線、
乾いた洗濯物を取り込む動線、
そして畳んだ洗濯物を片付ける動線、
この全てが平面移動だけで済むのか?
それとも上下移動しなければいけないのか?
で、その負担は大きく違ってくるからです。

例えば、洗濯機は1階にあるけど
干すのと片付けるのが2階だとしたら、
干すために水に濡れた重い洗濯物を
毎回2階まで持ち運ばなければいけません。

結果、移動が大変であるとともに
干しに行っている間と取り込み畳んで片付けている間
子どもたちから目を離すことになるのですが、
まだ子どもたちが小さいとしたらこれは少し不安になりますよね。

また、足腰が弱ってきたらその移動がなおのこと苦痛となります。
もちろん、これは遠い未来のことですが、
ここに住み続けることが前提であるので
これも想定しておく必要はありますよね。

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では、これを解決するために
干場も片付ける場所も1階につくるとしたらどうでしょうか?

この場合、キッチンか脱衣室に勝手口を設け、
隣家との間にテラスをつくりそこに干す、
そして勝手口近くに家族全員のファミリークローゼットをつくり
そこに片付けるという間取りになり、
平面移動で全てが済むことになるため
移動効率の悪さ問題、子どもたちから目を離す問題、
老後に移動が苦痛になる問題、
これらは解決したかのように見えます。

しかし、これはこれで住んでみてから
初めて気が付く問題点が潜んでいます。


✔️2つの問題点とその解決法

この間取りが抱える問題は2つ。
1つは、洗濯物を干す時、取り込む時、
お隣さんやご近所さんと鉢合わせになる可能性が高いため、
ボサボサの髪やノーメイク、そしてパジャマや家着のままで
その作業がやりにくいこと。

そしてもう1つは、
勝手口を経由しての移動は実はけっこうな距離がある上、
持てる荷物の量に限りがあるため、
干す・取り込む、の作業が思っている以上に大変なこと。
かつ、暑い日は汗だくになりながら、
寒い日はブルブル震えながら、その作業をしないといけないことです。

そんなわけで、あなたが
常に室内干し派やガス乾燥機「乾太くん」派じゃなく
基本スタイルは抜群の日当たりと風通しが期待出来る
外干し派であるとしたら、
勝手口から外に出て干すという動線ではなく、
「中庭」をつくることをオススメしています。

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「中庭」をつくり、
そこにアクセスしやすい場所に脱衣室やクローゼットがあれば、
干す・取り込む・片付けるの全ての距離が圧倒的に短くなります。

また「中庭」は
基本リビングダイニングキッチンに接していることから、
常に子どもたちの近くで全ての作業をこなすことが出来るし、
「中庭」は隣家や近所の人たちの目を一切気にしなくていいので、
時間も気にする必要もなければボサボサの髪やノーメイク、
そしてパジャマや家着のままでもその作業をこなすことが出来ます。
なんなら、旦那さんが半裸や下着のままその作業をしても
なんの問題もありません。

結論としては「中庭がある平屋」にすること、
これが洗濯の負担を軽減出来る最良の方法ではないでしょうか。

それでは、また次回。

vol.153 家事の負担を軽減する最良の方法

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「家事の負担を軽減する最良の方法」です。

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忙しい奥さんにとって「家事の負担軽減」は
家づくりで必ずクリアしたい重要な課題の一つだと思いますが、
この課題をクリアするにあたって大事なことが
「間取りづくり」です。

例えば、子ども部屋を2階につくると
子どもたちのものが自然とリビングに散乱することになるため、
よほどこまめに片付けをしない限り
リビングが散らかった状態になります。

結果、埃も溜まりやすくなり、
かつ掃除機をかけるにしても
まずは散らかった荷物の片付けから始めないといけなくなり、
掃除に余分な時間を取られてしまうことになります。

もちろん、この問題は1階にリビングとは別に部屋を設ければ
その部屋が子どもの荷物の受け皿となり
解決することにはなるのですが、
家の面積が大きくなってしまうため
コストが大幅に跳ね上がってしまう
という別の問題を発生させてしまいます。

ゆえ、2階建ての家を建てるにしても
安易に子ども部屋は2階だと決めつけるのではなく、
1階につくるという選択肢も持っていただきたいと考えている
というわけですね。

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また、子ども部屋だけに限らず、
寝室も1階につくれるのであればそうする方が
掃除・片付けの手間が大幅に削れるのではないでしょうか。

帰ってきて荷物を置くにしても服を着替えるにしても
わざわざ2階まで行くのはけっこう面倒くさいのに対し、
わずか数歩の水平移動だけで済む場所に寝室があれば
そう感じなくなるからです。

結果、リビングダイニングに
服やズボン、そして荷物などを置きっぱなしにすることがなくなり、
生活感が滲み出ることもなければ
片付けや掃除もうんと楽になるのではないでしょうか。

というわけで、片付けや掃除を楽にしたいとお考えであれば、
「平屋」にするのがベストではないかと思っている次第です。
平屋だと仕事に行っている間に
「お掃除ロボット」が家全体の床掃除をしてくれるわけですしね。


✔️埃が溜まりにくい工夫

そして「お掃除ロボット」が
昼の間に床掃除をしてくれることを前提として考えるなら、
出来るだけ床の上に埃が落ちるような工夫をしておけば、
一石二鳥ではないでしょうか。

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例えば「窓枠」。
「窓枠」があれば枠の上に溜まった埃を
床掃除する前に落とすという作業をしないといけませんが、
そもそも「窓枠」をなくせば
その上に溜まるはずだった埃は全て床に落ちてくれます。

そして、同じように言えることが「ドア枠」です。
窓枠同様にドア枠もなくせばその上の埃を落とす必要がありません。

さらに「カーテンレール」も
そもそもカーテンが必要のない窓のつくり方さえ出来れば
ゼロにすることが出来ます。
結果、レールに溜まった埃を床掃除の前に落とす必要もなければ
カーテンを洗う必要もなくなり、
掃除どころか洗濯の手間をも省くことが出来るようになります。

この他、いわゆる「ニッチ」と呼ばれる飾り棚も
つくればつくるほど埃が溜まる場所が増え、
掃除の手間が増えることになるというところまで考慮した上で
つくるようにした方がいいでしょうし、
キッチン前のカウンターなんかも
何も置くことが出来ないぐらいの厚みでつくっておいた方が、
掃除の手間を大幅に軽減出来るのは間違いないと思います。

なんせキッチン前はシンクで使った水や
コンロで使った油などが飛び散ることから、
溜まった埃が固まって強固な汚れになる可能性が高いわけですからね。

そんなわけでSIMPLE NOTEの家では出来るだけスッキリシンプルに
空間を仕上げることをオススメしているというわけです。

では、次回はもう1つの大変な重労働である
「洗濯」の負担軽減についてお伝えしていきたいと思います。

それでは、また次回。