vol.194 平屋の人気が急騰している理由

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「平屋の人気が急騰している理由」です。

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SIMPLENOTEの家で「建てている家の80%以上が平屋です」とお伝えすると、
ほぼ確実に「平屋、流行っていますもんね!」
という答えが返ってくるぐらい
平屋は空前のブームとなっているのですが、
「じゃあその理由が何ですか?」と聞かれると
「何でなんですかねー??」というのが正直な感想です。

とはいえ、これだけ流行っているということは
世間が「平屋の間違ったイメージ」から解放されていっているのは
紛れもない事実だと思うので、
今回はその点について言及していきたいと思います。

そのイメージとは「平屋は高い」ということです。
平屋にすれば建築費が割高になるし、
平屋を建てようと思うと土地がかなり広く必要になるし、
そうなれば自ずと外構費用も高くなるからです。
かつ、日当たりを確保するために
最も価格が割高である南向きを買いたくなるからです。

以上のような理由から
「平屋は高い!」「平屋は金持ちの家だ!」
というイメージが蔓延していたわけですが、
ここ最近、平屋を希望される方とお話しさせていただいている限り、
どうやらそのイメージが和らいできているんじゃないかと感じています。

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✔️高くない平屋と高い平屋

とはいえ、ひとくちに平屋を建てると言っても、
どんな平屋にするかによって
全体にかかるコストが大きく変わってくるのもまた
一つの事実だったりします。

例えば、SIMPLENOTEの家では平屋・2階建てに限らず
「中庭」をつくることが多いのですが、
「中庭がある平屋」は
家づくり全体にかかるコストを大幅に軽減出来ます。

まずは、土地の面積が縮小出来、
結果、土地の負担が小さくなります。
採光を確保するための無駄な余白を
敷地の南につくる必要がなくなるからです。
「中庭」をつくれば家の真ん中から採光が取れますからね。

結果、土地面積を最小限にすると同時に
その敷地に無駄な余白を残すことなく
建物を配置することが出来るようになります。

また、土地の日当たりを気にしなくて良くなるということは、
割高な南向きの土地を買う必要もなくなるということでもあります。
結果、単価的にも土地の負担が抑えられるようになります。

さらに、外構工事費用も圧倒的に抑えられます。
家の真ん中から採光が取れれば
外周部に大きな窓を設置する必要がなくなり、
外からの丸見え感を防ぐための無駄な工事が全てカット出来るからです。
目隠しフェンス、境界塀、門、植栽もろもろの工事ですね。

外周部に窓がいらなくなるということは、
「=外観が整いやすくなる」ということでもあるので、
外観を整えるための外構工事も一切必要なくなりますしね。

家だって、中庭をつくれば施工面積が増えることから
一見だいぶと価格が上がりそうに思いますが、
これに関しても
無駄なスペースや無駄な部屋さえ合理的にカット出来れば
高くなるどころかむしろ安くなりますしね。
カーテンやシャッターといった
余分な追加工事もいらなくなるわけですしね。

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以上のような理由から「中庭がある平屋」は
家全体にかかるコストが安くなるわけですが、
そうじゃない平屋は家全体にかかるコストが割高になります。

日当たりを確保するための余白分
土地を広く買わないといけなくなるし、
日当たりがいい南向きの土地にしないと
採光が確保出来なくなる可能性が高いし、
そうなれば目隠しの役割を果たす
外構工事をたくさんしないといけないし、
かつ、土地面積が広い分、
外構工事の施工面積も広がるからです。

その上、家は割高ではなくなるものの、
家の中を見られないようにするために
カーテンが全ての窓に必要になるし、
それに加えて大きな窓にはシャッターも必要になりますしね。

さて、あなたはこの空前の平屋ブームの中、
一体どちらの平屋を建てられますか??

それでは、また次回。

vol.193 室内干しの欠点のカバー方法

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「室内干しの欠点のカバー方法」です。

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基本、日中は家に居ないことが多いこと、
そして花粉症に苦しむ方が増えたこと、
この2点を理由に洗濯物を
外干しではなく室内干しにする方が増えてきていますが、
室内干場をつくるとなれば
注意しておいた方がいいポイントがいつくか存在します。

例えば、室内干場をつくるとなれば
まず頭に浮かぶのは脱衣室だと思いますが、
あまりよく考えずに干場を人が通る動線上につくってしまうと
そこを通る時、洗濯物が邪魔になり
いちいち洗濯物を避けながら通らなければいけなくなります。

また、そこに取り付けられたバーは基本取り外さず
そのままにしておくでしょうから、
洗濯物を干してなかった場合でも
脱衣室に入るたびにそれがいちいち目に飛び込んできて、
きっと圧迫感を感じることになるのではないでしょうか。

最初の注意点としては
干場の位置まで考えた上で脱衣室の中の配置は考えた方がいい
ということですね。

そして、注意しておいた方がいい2つ目のポイントが、
せっかく洗った洗濯物に「生乾き臭」がこびりつかないように
室内干場は風通しと日当たりがいい場所につくった方がいい
ということです。

洗濯物を乾燥させる役目を果たすのが「風通し」で、
除菌の役目を果たすのが「日光」ですが、
風通しが悪い上、日光も浴びない場所に干すとなると、
生乾き臭が発生する確率が上がってしまうだけですからね。

その上、干場が足りず
ぎゅうぎゅう詰めに洗濯物を干そうものなら
さらに生乾き臭の確率が上がってしまいますしね。

ゆえ、SIMPLENOTEの家では部屋よりもこの脱衣室を優先して
日当たりがいい場所に配置させていただいています。
そして、その窓からふんだんに直射日光が取れるように
窓のサイズを出来るだけ大きくし、
かつ、その窓を常に開け放しておけるように
人の視線が気にならないような工夫を凝らしています。

北向きの脱衣室では、直射日光も入らなければ
サイズが小さい上、外からの視線が気になる窓では
風通しも確保出来ないでしょうからね。

このように室内干しがもたらすデメリットを
「間取り提案」によってカバーしているのですが、
このデメリットは床だけじゃなく壁や天井にも
自然素材を使用することによってカバーすることも出来ます。

壁や天井に塗った漆喰をはじめとした自然素材のものは
湿度が高くなれば湿気を吸収し、
逆に湿度が低くなれば(乾燥すれば)
湿気を放出してくれるからです。

そして、この方法であれば
多少風通しや日当たりが悪くとも
洗濯物の生乾きの臭いを防いでくれます。
かつ、夏はもちろん、洗濯物が乾きにくい冬でも
夜に干した洗濯物が翌日の夕方には乾くという
嬉しいメリットまでもたらしてくれます。

ただし、この方法は
けっこうコストが上がってしまうというデメリットがあります。

結論として、室内干しライフを快適に暮らしていただくためには、
「間取り」による解決策と「素材」による解決策があるので、
これから家を建てるにあたり室内干し中心で考えている方は
覚えておいていただければと思います。

それでは、また次回。

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vol.192 カッコ良さと掃除のしやすさを両立

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「カッコ良さと掃除のしやすさを両立」です。

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インスタが大きく影響を与えていることもあって
フルフラット型キッチンがトレンドになっていますが、
(キッチン前に目隠し壁がないタイプ)
実際、このタイプのキッチンは費用を惜しまずセレクトすれば
洒落た空気を放ってくれるかなり優れたアイテムです。

また、このタイプのキッチンを選ぶ理由は、
「見た目の良さ」だけじゃなく「片付けに強制力が働く」
という点にもあると時折お聞きします。

調味料やキッチン用品を出しっぱなしにしてしまうと、
せっかくの景観がそれだけで失われてしまうので、
あえて隠さないことによって自分を律するという感じですね。

とはいえ、そうは言っても料理は毎日のこと。
つまり、きちんと料理をする方ほど
常に美観状態を保つことは極めて至難の技であることに
間違いはないと思うので、
今回はそこまで片付けをきっちりする自信がない、
でもキッチンはきれいに保ちたいという方に
弊社のオススメプランをお伝えしたいと思います。

片付けがあまり好きではない性格の方には
うってつけの方法だと思うので、
該当する方はどうぞお付き合いください!

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✔️何も置けない前壁をつくる!

いつも使う調味料やキッチン用品を
毎回、所定の位置にしまうのはなかなか面倒臭いため、
最初のうちはこまめに片付けることは出来ても、
そのうち「ま、いっか」となり
いつの間にかそこには生活感が生まれることになります。

そのリスクがありそうだなーという方はそれを見越して
キッチンの前に目隠しの壁をつくることをオススメしています。

とはいえ、この場合出来ればやらない方がいいことが
前壁の天板を分厚くすることです。
理由はそこにたくさん物を置いてしまう可能性が高いからです。
キッチンの前につくる壁の高さは
1m〜1m10cmにする場合が多いのですが、
なんせこの高さは何かを置くのに丁度いい高さだからです。

ましてや、北側道路の場合だと、
玄関からキッチンに入り込んでくる可能性が高くなるため、
そうなると帰ってきてすぐの場所に
何かを置くには丁度いい高さの棚が出来てしまうだけですからね。

結果、その天板は物置と化し、
リビング側から見たら生活感満載に見えてしまうし、
そこには水や油が飛び跳ねるため
汚れがつきやすい上、埃も溜まりやすく
ただただ掃除が大変になります。

そもそも、そこを拭くために
いちいちそこに置いてある物をのけること自体が
面倒臭いことですしね。

そんなわけでそこに何も置けない薄い壁を
キッチン前につくることをオススメしています。
(置けるとしてもスマホぐらい?)

モノが置けなくなると、
リビングから見た時、生活感を感じることはないし、
キッチン周りがスッキリ見えます。
また、何もないのでキッチンを使った後、
布巾でさっと一拭きすれば汚れや埃を取ることが出来るので、
掃除がだいぶ楽ちんになります。

というわけなので、
カッコよさと掃除の楽ちんさ両立させたいという方は、
ぜひこのキッチン仕上げを参考にしていただければと思います。

それでは、また次回。

vol.191 LDKをスッキリ見せる2つの秘策

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「LDKをスッキリ見せる2つの秘策」です。

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どこのご家庭でも共通して言えることが、
家族みんなが大半の時間をLDKで過ごす
ということだと思いますが、
(部屋を使うのは寝る時だけですよね?)
となるとLDKをいつもスッキリ保つのは
なかなか至難な技ではないでしょうか。

常に居るということは、
その周辺にいつも使うものやいつも着るものが
自ずと集まってくるからです。

SIMPLENOTEの家では、
たとえ掃除があまり得意ではないという方でも、
少しでもLDKがスッキリ保てるように
間取りづくりにおいて2つのことを
オススメさせていただいています。

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まず1つ目の提案が
「子ども部屋を1階につくる」ということです。
平屋が建てられる場合は必然的にそうなるのですが、
たとえ平屋が無理で2階建てにせざるを得ない場合だとしても、です。

子ども部屋を1階につくれば
子どもたちが使うものを
自分たちの部屋に片付けておきやすくなるからです。

子どもたちが小さいうちは、
衣類はもちろん、おもちゃや絵本。
小学校に通い出してからは、
衣類はもちろん、学生服にランドセル、その他学校のもの。
これに加えて塾や習い事、部活に使うものなど。

2階に部屋をつくってしまうと、
いちいち自分の部屋まで持って行き、
また持って降りてくるのはかなり面倒臭いことなので、
子どもたちが手の届く範囲に置き放しにするのに対し、
1階に部屋をつくっておくと、
2階に比べるとずいぶんと持ち運びしやすくなりますからね。
また、1階に自分の部屋があると家族の気配を感じやすいので、
小さいうちからでも安心して自分の部屋が使えるでしょうしね。

以上の理由からSIMPLENOTEの家では、
基本は子ども部屋は1階につくるということを
提案させていただいております。

要は、子ども部屋を
「子ども部屋」兼「収納」兼「子供リビング」
として使えるようにすることで、
LDKの荷物散乱を防ぐというわけですね。

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✔️「パントリー」兼「納戸」

そしてもう1つの提案が、
キッチンの後ろに大きめの収納をつくるということです。
「パントリー」のことですが、
キッチンの後ろにこの収納をつくる理由は、
ここに冷蔵庫や家電製品を置き、
キッチン背面をスッキリ見せること。

そして、ものが溢れがちなキッチン近くに
豊富に物が置けて管理がしやすい収納が出来ること。
イメージとしては半分をパントリーとして使い、
もう半分を納戸代わりに使うといったところでしょうか。

かつ、キッチン近くに死角の壁をつくることで、
壁に貼る紙のものがリビング側から見えないようにすること、です。
キッチンの近くにはゴミの日程表や連絡票など
何かと貼っておかないといけないものがありますからね。

以上のような理由から広めの「パントリー」を
キッチン背面につくることをオススメさせていただている
というわけです。

もちろん、この収納の弱点としては
冷蔵庫は問題ないものの、
家電製品までの距離が少し出来るので、
やや不便に感じるかもしれないという点があります。
どう感じるかは個人差があるので、
何を優先するかで決めていただくことになります。

いかがでしたか?
こうしただけでスッキリの完全解決までとはいかないものの、
ずいぶんと片付けが楽になりそうに
感じていただけたのではないでしょうか。

それでは、また次回。

vol.190 開放感をつくるいくつかのルール

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「開放感をつくるいくつかのルール」です。

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「開放感」は
単純に天井を高くしたから出るというものでもなければ、
単純に部屋を広くしたから出るというものでもありません。

もちろん、それらは開放感を出すための
有効な手段であることに違いはないのですが、
想定通りの開放感を得るためには、
それをアシストするいくつかのルールが存在することも
知っておかなければいけません。

まず1つ目のルールが、
「可能な限り凹凸をなくす」ということです。
空間的にも仕上げ的にも、です。

空間的なところで言うと、
開放感を感じたい場所、
つまりリビングダイニングキッチンは
出来るだけ直線的なラインで整えるということですね。

そしてその上で、
その空間に存在する突起物を可能な限り少なくすることも
かなり大切な要素となります。
窓枠、ドア枠、巾木、スイッチ(コンセント)
といった部材はもちろん、
カーテンやカーテンレール、照明器具、
インテリア家具なども含めて、です。
いわば目に飛び込んでくる情報量を出来るだけ減らす、
というわけです。

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2つ目のルールが、
「視線の抜けをつくる」ということです。
インスタなどでよく紹介されている
家具の高さを低めで統一するのもこのためですが、
弊社では、視線の抜けをつくるために
まずカーテンがいらない家にしています。

カーテンがあるとそこで視線が止まってしまい
全く抜け感が感じられないからです。

そして、それと同時にしていることが
闇雲に天井を高くするのではなく、
天井・ドア・窓の高さを統一するということです。

ドア上に出来る垂れ壁がなくなれば
部屋が続く限り視線が抜けるし、
カーテンがない窓の上に出来る垂れ壁がなくなれば、
空にまで視線が抜けますからね。

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そして、その上で弊社が決めている3つ目のルールが
「白を基調した内装」です。

壁の色や天井の色、
そしてドアの色を白で統一すれば、
光の拡散効果が最も期待出来るからです。
イメージ的には外から入ってくる直射光や天空光を
白の反射効果で拡散することによって、
ムラなく家全体を明るくするという感じです。

かつ、ドアと壁を同じ白で統一すれば、
ドアと壁がまるで一体かのように馴染み、
より直線的なラインを出してくれます。

この3つのルールを全て取り入れれば
コストをかけて天井を高くしなくても、
また過剰にリビングダイニングキッチンを広くし過ぎなくても、
適切な明るさと充分な開放感が感じられると同時に、
心が落ち着く空間を得ることが出来ると思います。

もちろん、コストを厭わないというのであれば、
この3つを全て取り入れていただいた上で天井を高くし、
リビングを広くしていただいてもいいんですけどね。

というわけで「開放感」にこだわりたいという方は、
この3つのルールを覚えておいてくださいね!

それでは、また次回。

vol.189 法律と現実

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「法律と現実」です。

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部屋に必要な採光や換気は
建築基準法に定められている基準に従って計算するのですが、
この基準をクリアしたから充分な採光や換気が取れているのか?
と言うと決してそうではありません。

その多くの窓にはカーテンが設置され、
外から入ってくる光を遮断するからです。
また、カーテンが必要な窓は開けることすら難しいからです。

その上、煩わしい直射光を遮断するために
シャッターまで閉めようものなら
もはや、その窓は窓としての機能を
一切果たさない状態と化してしまいます。

そんなわけで採光と換気に関しては、
決して建築基準法がどうのという話だけで考えるのではなく、
実態レベルで考えなければいけません。
残念なぐらいに薄暗くて空気がどんよりとした
家を建ててしまわないためにも。

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この問題を解決するためには、
そもそもカーテンが必要のない窓を
どうすればつくることが出来るのか?
を考えなければいけません。

どのようにすれば、
採光や換気を確保出来ると同時に
プライバシーも守れる窓に出来るか?ということです。

例えば、一般的に窓の高さは
床から2mを天端として
そこから70cm〜90cmの高さの窓を設置することが多いのですが、
この窓の高さは家の中が外から非常によく見える高さであるため
外からの視線が気になりカーテンを設置せざるを得なくなります。

また、リビングをはじめとした南向きの窓に関しては、
南からの直射光を取り入れたいあまりに大きな窓を設置しますが、
窓の向こうに視線を遮断するものがない場合、
外からの視線が気になり、
これまたカーテンを設置せざるを得なくなります。

SIPMLENOTEの家では床までの大きな窓を設置する場所は、
外からの視線が気にならないところだけに限定しているし、
それ以外の場所の窓に関しても
外からの視線が気にならない高さに設置したり、
外からの視線が気になる場所に設置せざるを得ない場合などは、
透明ガラスではなくフロストガラス(曇ガラス)を使うなど、
視線を防ぐためのカーテンが必要ないように工夫しています。

ちなみに外の地面の高さは家の中の床の高さよりも約60cm低く、
窓の高さを低くすればするほど外から覗かれやすくなるので、
これも建てる前に知っておいた方がいいかと思います。

そんなわけで窓は1つ1つ立地環境を加味しながら
高さ、形状、ガラスの種類などを丁寧に決めていくわけですが、
これが出来れば予定通りの光が家の中に入ってくるし、
いい気候の時期には心置きなく窓を開けることが出来るし、
開けたままにしておくことも出来ます。

また、プライバシーが担保された透明ガラスからは
外の様子はもちろん、光の動きや四季の移ろい、
そして空を眺めることが出来るので、
圧巻の開放感と贅沢な時間を
感じていただくことも出来ると思います。

いかがでしたか?
快適な家にするために
どれだけ窓が重要な役割を占めているのか
お分かりいただけたのではないでしょうか。

なので、間取りや動線ばかりに気を取られ過ぎず、
窓のことも同じぐらいよく考えながら
設計図をご覧いただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.188 南向きの土地の活かし方

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「南向きの土地の活かし方」です。

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南向きの土地は家を建てる多くの方から
欠点のない万能の土地だと思われがちですが、
決してそんなことはありません。

例えば、よほど広く土地を買わない限り
駐車場と庭がいっしょくたになり、
庭のプライバシーが担保しにくくなると同時に、
庭で遊ぶ子供たちの身の危険が高くなります。
あるいは、安全性と防犯性を担保するために
塀や門をつくるとなればその分外構費が高くなります。

また、南向きの土地は
庭のみならず家の中もプライバシーが担保しにくいという
リスクを最も秘めています。
南向きの土地を買った以上、
部屋の向きも窓の向きも出来るだけ南にしなければいけない
というマインドが発動するからです。

結果、その状態の中で
プライバシーを担保する方法を模索するしかなくなるのですが、
その方法として用いられるカーテンやシャッターは、
窓から入ってくる光を閉ざすという役割まで果たしてしまいます。

つまり、明るいはずなのにあまり明るくなくなってしまう、
あるいは暗くなってしまうというわけですね。

その上、土地はもちろんのこと、
家や外構も南向きの土地が一番高くなりやすいですしね。

という風に
たとえ最強と言われている南向きの土地でさえも、
その他の土地同様に
それなりに欠点を持ち合わせているのですが、
南向きの土地の最も厄介なことが
それ以外の方角の土地に比べて
この解決策を講じるのが難しいということではないでしょうか。

「採光」と「プライバシー」を両立するためには、
西・東・北同様に道路面からの採光に頼らない
という方法を用いるのが最も良い解決策なのですが、
「せっかく南向きを買ったのに!」
という考えが確実にそれを邪魔するからです。

ゆえ、個人的にはそのリスクを未然に防ぐために
そもそも南向きの土地をオススメしないようにしています。

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✔️プライバシーの担保が最優先

ここまでお伝えしたように
南向きの土地が抱える一番の問題は、
採光方法を単純に考えるとプライバシーが担保されなくなること、
そしてその解決策に多額の資金を
突っ込まないといけないこと、です。

ゆえ、それらを解決するためにSIMPLENOTEの家では、
間違いなく外から家の中が見られない立地じゃない限りは、
南向きの土地においても西・東・北の土地同様に、
家の正面には基本窓を設けないというスタンスを貫いています。

土地が広い場合、
その解決策は「中庭」となるでしょう。
そして、土地が狭い場合、
その解決策は「吹抜け」となるか、
あるいは「吹抜け」と「中庭」の併用となるかもしれません。

これらの方法は、南向きの土地においては
とっても意味がなく勿体無いことのように映るかもしれません。
また、友人や親御さんに図面を見せようものなら、
全否定されるかもしれませんし、
大なり小なり家のコストは上がってしまうかもしれません。

ですが、これらがもたらす恩恵は
安定した採光と開放感はもちろん、
家の中と庭のプライバシーがしっかりと担保されたことで
安心して過ごすことが出来るようになることです。

かつ、カーテンやシャッターといった
付属部材にコストをかける必要がなくなり、
また、塀や目隠しといった余分な外構工事にも
コストをかける必要がなくなり、
その分、家づくりの予算を落とすことが出来ることです。

なので、こういったことも踏まえた上で
土地選びをしていただければと思います。
きっと、土地探しの幅が確実に広がるはずですから!

それでは、また次回。