vol.116 家づくりの幅を広げるための提案

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「家づくりの幅を広げるための提案」です。

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「南向きの土地」は
一般的に最も人気がありますが、
SIMPLENOTEのお家では、特に南向きをオススメはしません。

理由は4つ。
1つ目は、土地の価格が高いから。
2つ目は、外構費が高くなるから。
3つ目は、外観がかっこよくなりにくいから。
4つ目は、設計が難しいから。
です。

というわけで今回は、
この4つの理由について
もう少し詳しくお伝えしていきたいと思います。

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まず1つ目の
「土地の価格が高いから」ですが、
これは単純に「日当たりがいい土地=いい土地」
という価値観が浸透していることに尽きると思います。

つまり、みんながこぞって
「日当たりがいい南向きの土地」を
買おうとするからこそ
必然的に価格が高く設定される
というわけですね。
かつ、欲しい人が多いこの土地は
値引きをする必要もありませんしね。

そんなわけで、南向きの土地は
そのエリアで最も割高に価格が設定され、
ほぼ100%と言っても過言ではないぐらい
不動産屋さんの言い値で取引されているんですよね。

2つ目の「外構費が高くなるから」については、
南向きの土地はプライバシー性を担保するための工事が
必要となる可能性が高くなることが予想されるからです。

南向きでつくった部屋の丸見えを防ぐ。
南向きでつくったデッキの丸見えを防ぐ。
南向きでつくった庭の丸見えを防ぐ。
などの一手間をかけなければ、
カーテンを閉めたままの薄暗い家で暮らさないといけないし、
せっかくデッキを作ってもほぼ使うこともないでしょうからね。

そんなわけで、南向きの土地は
必然的に外構工事費も高くつきやすいというわけです。

3つ目の「外観がかっこよくなりにくいから。」については、
なぜ外観がかっこよくなりにくいかと言うと、
南向きの土地は生活感が前面に出やすいからです。

洗濯物を干すのも家の正面になりやすいし、
庭も家の裏ではなく正面につくりますしね。
また、南向きの土地だと部屋を南につくり
南に大きな窓をつくるところまでが
設計のワンセットとなっていますが、
それらの窓には全てほぼ確実にシャッターが設置されるため、
これもまた外観がかっこよくなりにくい一つの要因となります。

では最後に「設計が難しいから」について
お伝えしていきたいと思います。
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✔️強力な南向きバイアス!

南向きの土地の設計が難しい理由は、
まさにこのバイアスが超強力だからです。

つまり抜群に日当たりがいい
南向きの土地を買ったんだから、
その恩恵を最大に受けるために
部屋も窓も南向きでつくることが
当たり前となっているがために、
それを崩した設計をすることも難しいし、
また出来たとしても理解してもらうことが難しい
というわけですね。

そんなわけで、先程お伝えしたように
外観がかっこよくなりにくいし、
外観のかっこ悪さと丸見えをカバーするために
外構工事に巨額の費用をかけざるを得なくなるんですよね。

そして、土地代も含めて
全て割高な買い物をすることになり、
結果、予算が最も膨らむという
結末を迎えることになります。

端的にまとめさせていただいたのですが、
SIMPLENOTEの家が「南向き」の土地を
オススメしない理由について
ご理解いただけたでしょうか?

もちろんこの考え方に反論がある方も
たくさんいらっしゃると思うし、
決して既成概念通りの家の建て方が
ダメだというわけでもありません。

ですが、こういった考え方もある
ということを知っておいていただくと
確実に家づくりの幅は広がると思うので、
安易に否定するのではなく、
一度頭の中で咀嚼いただければ幸いです。

それでは、また次回。

vol.115 バイアス解除のススメ

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「バイアス解除のススメ」です。

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周りを見渡してみると
ほとんどの家がそうなっているように、
家を建てるとなれば、
日当たりがいいところに部屋を配置し、
そうじゃないところに
部屋以外を配置するものだという
当たり前が存在します。

そして土地の方位や環境などは
どこ吹く風と言わんばかりに、
どんな土地であっても
このもっともらしい論理になぞって
設計プランがつくられていくのですが、
もちろん、この結末がいいものになることは
必ずしもそうでありません。

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例えばこの論理が最もしっくりきそうな
南向きの土地の場合、
日当たりがいい場所に全ての部屋を配置すると
部屋には直射光がたっぷりと
入ってくるのは間違いありません。

しかし、光が眩し過ぎること、
熱も入ってき過ぎること、
台風の直風がモロに当たること、
そして、なにより家の中が丸見えなり過ぎること、
などの困った理由から
大きな窓には全て基本的に
カーテンとシャッターがセットで必要になってきます。

そしてカーテンはおろか、
立地によったらシャッターまでも
ずっと閉めた状態にしているという光景も
よくお見かけするのではないでしょうか。
つまり、何のために大きな窓をつくったのやら・・
という状態になっているというわけです。

庭につくったウッドデッキだって
丸見え過ぎることから
全くと言っていいほど使っていない、
というか使いたくても使えない
状況になるかもしれません。

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次に北向きの土地で考えてみます。
この場合、南に部屋をつくったとしても
よほど土地に奥行きがない限り
南からの光が充分に入ってきません。
北向きの土地では基本すぐ南に家が建っているからです。

また、南に部屋を配置すれば
必然的に水回りが北に配置されるのですが、
この結果、正面である北面に
窓や換気扇や給湯器といった部材が
設置されることになります。
つまり、家の顔となる正面が不細工になりやすいというわけです。

では、東や西向きの土地はどうでしょう。
これらの土地に共通して言えるのは、
家の正面に丸見えになる
大きな窓を設置する可能性も低いし、
景観を乱す水回りも正面になりにくいということですが、
北向きの土地と同じように
日当たり面で支障が出やすいのが特徴です。
基本すぐ南に家が建っているからです。

ゆえ、この場合も単純にこの論理になぞって
間取りを決めるのは懸命な選択だとは言えません。

また、すぐ南に家が建っているということは、
「=家の裏側がよく見える」ということでもあるので、
南に大きな窓をつくった場合、
いい景色を窓から臨むことは皆目出来ないことも
もはや言うまでもありません。

そして、この問題を解決するために
外構工事により多くのお金を
かけざるを得ないということになります。
南向きの土地以外は庭の景観をよくするために。
南向きの土地はプライバシーを担保するために。


✔️根本的な解決策を知っておく

冒頭でお伝えした論理は、
それを適用して問題がない土地なら
そうしていただいても何の問題もありませんが、
ここまでお伝えしてきたように、
よほど広い土地じゃない限り、
必ず何らかの支障が出るのは間違いありません。

つまり、最適なプランというのは
セオリーだけで成り立つのではなく、
「土地」そのものが持つ個別の条件によって
大きく左右されるということですね。

ゆえ、家を建てる時には
こういった当たり前のように認識されている
様々なバイアスを一旦解除することをオススメしています。

そして、家を建てる土地の前に立ち、
周囲の環境をよく観察してみてください。

これらがバランスよく考えられれば、
きっと本当に住みやすい家を
建てることが出来るようになるはずです。
もちろん、美しいデザインも両立しながら。

それでは、また次回。

vol.114 多面的に捉えることの大切さ

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「多面的に捉えることの大切さ」です。

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例えば、東向きの土地に家を建てるとしたら、
光を遮る建物がない東に部屋を配置し、
採光と風通しのための窓をつくるのが一般的です。

しかし、この場合、
何点か注意しておかないといけないポイントがあり、
それらを知らないまま建ててしまうと
思っていたのとは違う家が出来上がってしまいます。

まず注意すべき点は、
エアコンの室外機を置く場所が
どこになるのかということです。

東向きの土地で
東にしか室外機が置けないとなると、
家の正面に室外機が置かれると同時に、
エアコンの配管カバーまで見えてしまうからです。

ゆえ、図面を見る時には
エアコンをどこにつけるのかということも
一緒にチェックするようにしてください。

続いて、注意すべき点が
換気扇がどこにつくのかということです。
換気扇はトイレや脱衣などにつける
排気のためのものだけじゃなく、
各部屋につける給気もあるからです。

ゆえ、エアコンのチェックと共に
換気扇の種類と製品がどこにつくのかも
チェックするようにしてください。

細かいようですが、
外部につく換気扇のカバーも
景観を乱す原因となるものだし、
壁から突起した部材は全て外壁を汚す原因となり、
それが正面だとただただ汚れが
目立つことになりますからね。

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最後に注意していただきたいことが、
そこにつける窓が充分な採光と風通しを
もたらしてくれるのかということです。

闇雲に窓のサイズを大きくしても
透明ガラスだとカーテンが必ず必要になるし、
かつカーテンを開けることが出来なくなります。

また、カーテンが開けられないということは
イコール窓も開けられないということでもあるので、
基本、風を取り込むことも出来ません。

ゆえ、窓に関してもその場所ごとに
どのような形状がベターなのかと
どのようなサイズがベターなのかも
しっかり考えていかないといけないということも
覚えておいていただいた方がいいかと思います。

窓もカーテンも開けられないでは、
そこに窓をつくった意味は
「皆無に等しい」わけですからね。

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✔️設計図の見方を知っておくことが大事

ここまでお伝えしたようなことは
こうやって言われてみると
ごく当たり前なことのように
お感じになると思いますが、
現実は決してそうではありません。

例えば、間取り提案の時に
お見せする立面図(外観図)や立体パースなどには、
エアコンの室外機まで記載しないし、
もちろん換気扇の外部カバーなんかも
記載されることはありません。
かつ、雨樋も記載されていません。

つまり、実際建ってみたら
結構ゴチャゴチャしそうなのに、
プラン上は割とスッキリ見えてしまう
ということですね。

ゆえ、この問題を解決するには
ご自身でしっかり想像していただくか、
あるいは、そういった細かい部材まで
図面に反映して出してもらうか
のいずれかを選択するしかありません。

また、窓に関しても
平面図だけを見ていたのでは
99.99%設置すべき窓を間違えてしまうと思います。

窓はただサイズを大きくしたから
その分光量が増えるわけではありません。
たとえ計算上は増えるとしても、です。
また、数を増やしたから
その分光量が増えるわけでもありません。
たとえ計算上は増えるとしても、です。

風通しに関しても、
同じ部屋に2ヶ所窓をつけたから
単純に風が通るわけではないし、
開口を大きくしたから
その分取り込める風量が増えるわけでもありません。

これらに関しても、
家の中や外からどのように見えるのかを
想像していただくことが
なにより大事なのは
もはや言うまでもないと思います。

そして、そこまで考えつつ
窓の形やサイズ、そしてガラスの種類などを
一つ一つ考えていかないといけません。

というわけなので、
本当に暮らしやすい住まいや
本当に景観が美しい家をつくるためには、
平面図(間取り図)だけを
見ていてはいけないということ、
そして間取りや動線だけじゃなく
外観との兼ね合いなども
一緒に見なければいけないということを
ぜひ覚えておいていただければと思います。

それでは、また次回。

vol.113 適切な部屋の広さの導き出し方

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「適切な部屋の広さの導き出し方」です。

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せっかく家を建てるんだから、
これからの暮らしに困らないように
収納もたっぷりと欲しいし
なるだけ家も広くしておきたい...
誰もがそうお考えになると思います。

もちろん予算的に問題ないのであれば
広さも含めてやりたいことを
詰め込んだ方がいいと思うのですが、
なかなかそういうわけにはいかない
という厳しい現実に直面している方も
決して少なくないのではないでしょうか。

ましてや現在は資材高騰の影響を受け
20%ほど建築費が上がっているので、
広さに関してはグンと削らないといけなくなっている
というのが率直な感想です。

そんなわけで今回は、
「適切な広さ」というテーマで
お伝えしていきたいと思います。

おそらく、ほとんどの方に
「確かにそうだよね」と
共感いただける内容であるとともに、
この内容をご理解いただくと
自然と家のコストを縮めることが出来ると思うので、
ぜひ最後までお付き合いいただければと思います。

では、早速1つ1つ広さや必要性について
検証していってみましょう!

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✔️寝室の適切な広さ

今は、寝室に隣接してか、
あるいは寝室からそう遠くない場所に
ウォークインクローゼットをつくるのが
スタンダードになっているし、
かつ、テレビ離れが加速していることから、
わざわざ寝室にまでテレビを置かないか、
あるいは、置くとしても場所を取らない
壁掛けにされる方が多いため、
寝室には基本ベッドしか置かない
という方が圧倒的多数だと思います。

となると置くベッド寸法と台数さえ
あらかじめ分かっていれば、
自ずと寝室の広さをどれくらいに
すればいいのかが分かります。

例えば、置くベッドが
セミダブルが2台だとしたら、
ベッドが締める面積は
横2m40cm(1m20cm×2台)、
縦2mということになりますが、
実は6帖あればこれらを置くことが出来ます。

6帖という広さは、
3m51cm×2m60cmだからです。
つまり、3m51cmに対して2m40cmを置けば
1m11cmも余白が出来るし、
2m60cmに対して2mを置けば
60cm余白が出来、
通るだけならそれだけで
充分なスペースが出来るからです。

そんなわけで
寝室の広さを決める時は、
このように考えていただければと思うし、
子供部屋に関しても同じように考えていただければ、
闇雲に大きくすることもなくなるかと思います。

子供部屋に関しては、
シングルベッド(90cm×2m)と勉強机を
置くか置かないかという感じでしょうかね。
子供たちはいつかは家を出ていくので、
その点も加味しつつ考えてみていただけたらと思います。


✔️客間の必要性

仮にあなたが建てる家を
2階建てだと決めていて、
かつ寝室と子供部屋を2階につくる
と決めているのであれば、
1階にはLDKの他に
もう1つ部屋をつくっておいた方が
いいと思います。

1階にLDKしかないと
子供たちが小さいうち
LDKが荷物でごった返すことになるし、
足腰が悪くなった時、
生活そのものに困ることになるからです。

他方、平屋を中心に間取りを考えると
全ての部屋と収納が1階に集結するので、
寝室と子供部屋以外に部屋を
つくる必要がなくなります。

そしてそれだけで、
200万円ぐらい家のコストを
カットすることが出来ます。
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✔️LDKの適切な広さ

LDKは過ごす時間がダントツで長く、
一番重要な場所であることから
出来ればここだけはやりたいようにしてもらいたい
と思っているのですが、
とはいえ、こことて広くなれば
その分コストは上がってしまうため、
あらかじめ適切な広さを知っておいていただくことが
大切かと思います。

もちろん、ここもどんな家具を置くかによって
適切な広さは変わってくるのですが、
仮にあなたが望むキッチンが対面型で、
家族そろって食卓で食事をし、
大きなソファーでくつろぎたいとお考えであれば
16帖という広さが適切だと思います。

なぜ18帖や20帖ではなく14帖でもないのか?
理由は14帖だと食卓とソファーの間に
全くゆとりがなくなるし、
18帖より大きくすると、
食卓とソファーの間にゆとりが出来過ぎ、
そこが荷物置き場と化しやすいからです。

また、人は隙間があると
そこを埋めたくなるという習性を持っており、
これが意味することは
どれだけゆとりをつくったとしても
全力でそこを埋めようとしてしまうということです。

つまり、リビングを広くつくると、
そこにチェストなどの家具を置きたくなり、
置いたが最後、
今度はチェストの中を埋めたくなり、
次から次へと物を買って
出費が増えると同時に、
どんどん物も増えていき管理出来なくなる。

その上、チェストをはじめ家具の上は
ちょこっと物が置きやすいため、
書類やら物が溢れる原因にもなりますしね。
リビングやダイニングの辺りには
細々した物が多いわけですしね。

というわけなので、
これから家を建てようとお考えの方は、
前回の収納と共に今回の内容も
ぜひ参考にしていただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.112 収納と建築コストの関係性

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「収納と建築コストの関係性」です。

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建築コストが高止まりしている現在、
少しでもコストを抑えながら家を建てるためには、
家の面積を抑えることが欠かせない要素ですが、
そのためには図面の見方を知っておく必要があります。

というのも、平面図(間取図)を
上からずっと眺めていると
部屋は狭いような気がしてくるし、
収納に至っては少ないような気しかしないからです。

つまり、その不安から
本来縮めないといけないのに、
逆に広げてしまう可能性が
高くなってしまいます。
そして、限界ギリギリまで
ローンを組まざるを得なくなります。

ゆえ、今回は図面の見方について
お伝えしていきたいと思います。

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例えば、収納のポテンシャルは
「床面積」というよりは、
「壁面積」によって違ってくるのですが、
これを知らないまま家を建ててしまうと
単純に「床面積」だけを
増やそうとしてしまいます。

そして床面積を増やした代償として
建築コスト上昇のダメージを
モロに食うことになります。
2帖の収納を追加でつくれば、
単純に70〜80万円ほど
コストアップするという感じですね。

2帖もの収納を追加でつくると
入り口をどこにつくるかでも
分量は変わってくるものの、
一般的には1段あたり2.93m
物が置けるようになるので、
仮に棚板を4枚設置したとしたら
5段トータルで14.65mも
物が置ける場所が増えるので
かなりな収納アップにはなるんですけどね。

これが「床面積」増加による
収納力アップという方法ですね。

一方で「壁面積」を上手く使えば
コストを増やすことなく
先程の床面積アップと同等か
あるいはそれ以上に収納力を
アップさせることが出来ます。

例えば、6帖のお部屋は
長手方向が有効寸法で3m51cm、
短手方向で2m60cmの部屋ですが、
この短手方向に窓をつくらず
一面を壁にした場合、
この壁面全てを収納として
使うことが出来るようになります。

つまり、1段あたり2m60cm
物が置けるようになるので、
先程の2帖の収納より少し劣るものの
ほぼ同等近く物が置けるということですね。

あるいは、
長手方向に棚を設置するとなると、
1段あたり3m51cm
物が置けるようになるので、
先程の2帖の収納以上に
物が置けるということですね。

もちろん、床面積は
全く増やしていないので、
コストアップも必要ありません。

とはいえ、この場合
部屋の中に棚を設置するため
部屋の有効寸法がその分小さくなるので、
それが嫌だという方もいらっしゃるかもしれないし、
収納が丸見えになるので、
隠すために「扉をつけたい」となり、
そうなれば扉1枚あたり4万円ぐらいの
コストが必要になるので、
計12〜16万円はコストが
アップしてしまいますが。

それでも
わざわざ別で収納をつくるのに比べたら
ずいぶんと割安です。

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✔️利便性VSコスト

そして収納を考える上で
知っておいていただきたいことがもう1つ。
それは、通り抜け動線や回遊動線は
「壁が有効に使えなくなる」ということです。

つまり、床面積の割に
収納のポテンシャルが低くなる
というわけですね。

例えば4帖のウォークインクローゼットは、
壁面積を有効に活用すれば
1段あたり7mもの棚を設置することが出来るのですが、
仮にこの収納を通り抜け出来るようにしてしまうと、
その分量が一気に半減してしまいます。
片側の壁しか使えなくなるからです。

要するに、通り抜け動線にすると、
名目上は4帖収納があるんだけど、
実質は2帖分の収納しかないのと
同じになってしまうというわけなんですよね。

ゆえ、確かに利便性は上がるものの
本当に通り抜け動線にする必要があるのか?
を考えていただきたいと思っています。

わずか数歩でも毎日のこととなれば大きい
という気持ちもよく分かります。
より使い勝手がいい家にしたい
という気持ちもよく分かります。

ですが、現在の建築費を考えると、
通り抜け動線にした場合ぐらいの
収納力でなんとかなるなら、
通り抜け動線をやめて
収納を2帖にしてもいいのではないでしょうか。

単純にそれだけで
コストを70〜80万円も
縮めることが出来るからです。

というわけなので、
これから家を建てようとお考えの方は、
こういった知識もお持ちになった上で
間取りを決めていって
いただけたらと思います。

それでは、また次回。