vol.253 流行と構造と使い勝手と

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「流行と構造と使い勝手と」です。

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行き止まりがなく家の中をスムーズに行動出来る動線を
「回遊動線」と呼びますが、
室内の移動をスムーズにすることで家事の効率化が図れるため
時間短縮とストレス圧縮という2つのメリットが享受出来ます。

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しかし一方で回誘動線には
「収納スペースが減る」「コストが高くなる」「構造が弱くなる」
という欠点も存在しています。

収納スペースが減る理由は、
部屋の入り口が2箇所になるためその分壁面が減ってしまうこと、
かつ、ドアとドアを結ぶ直線は通路として確保しないといけないため
さらに使える壁面が減ってしまうからです。

コストが高くなる理由は、
入り口が2箇所になればその分ドアの数が増えるから、
かつスイッチの場所も増えるため配線工事の手間も増えるからですが、
これに加えて収納を通り抜けにしたことで
収納スペースが減ってしまう分
余分に収納を設けないといけなくなることも
コストアップの原因になります。

構造が弱くなる理由は言わずもがな、ですね。
ドアが増えるということは窓が増えるのと同じように
その分壁が減ってしまうからですね。

そんなわけで回遊動線を取り入れるか否かは
この両面を知っていただいた上で決めていただければと考えています。

これまでの内容を分かりやすくまとめると

1.回遊動線を取り入れると時間とストレスの圧縮にはなるが
その分、収納力が減るし構造も弱くなるしコストも高くなる。

2. 回遊動線を取り入れないと時間とストレスの圧縮は出来ないが、
その分、収納力が増えるし構造も強くなりコストも下がる。

ということになるのですが、
あなたならどちらを選択されるでしょうか。

✔️収納における勘違い

「収納は出来るだけたくさんつくりたい」
よほど片付けや物の整理が得意な人じゃない限り
家を建てる誰もがこうお考えになると思いますが、
先程申し上げた通り
収納は壁面を減らしてしまうとその力を半減させてしまいます。

結果、これを補填するように別で収納を設けない限り、
「収納が全然足りない...」という悲劇を招いてしまいます。

設計に入る前に知っておいていただきたいことは
収納は「床の広さ」ではなく
「壁の広さ」で考えなければいけないということです。

仮に3帖のファミリークロークをつくったとしても、
通り抜けられるようにしなければ
ここには5m20cmも使える壁が存在するのに対し、
通り抜けられるようにした場合は
その半分の2m60cmしか使える壁が存在しなくなりますからね。

収納に関しては「床の広さ」にフォーカスしないように
気を付けてください。

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✔️奥行きのことも考慮する

そして収納におけるもう1つの注意点が
「奥行きが深い収納」もまた通り抜け同様に
意味のないスペースを生み出してしまうということです。

無駄に奥行きが深いと
物を収納した手前に必ず余白が出来るのですが、
そのスペースを有効活用しようと
何か置いてしまうと確実に奥の物が取り出しにくくなるため、
物の管理をしやすくするためには手前には何も置かない方が良いよね
となるからです。

現在はそんなに奥行きの深い物がなくなってきています。
以前は場所をとっていた掃除機も
現在はスティックタイプやルンバなど
場所をとらないものになってきているし、
布団にしても以前に比べて断熱性能が格段に向上した現在、
昔みたいにあからさまに夏と冬の布団を分ける必要もなくなったし、
布団そのものも圧縮して収納すれば以前のように場所をとりません。

収納に関しては、
この2点に注意しながら計画を立てるようにしていただけたらと思います。
この2点がコストを圧縮しながらも収納力をアップさせるためのポイントです。

それでは、また次回。

vol.252 全ての鍵を握るのは設計

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「全ての鍵を握るのは設計」です。

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土地と外構にかける予算を圧縮しなければいけないとしたら、
そもそも建てる家をどうするかから考えなければいけません。
住む地域を変えることなく土地の予算を圧縮するための唯一の現実的な手段は、
「南向きの土地を避けつつ面積を必要最小限にする」
ということに尽きるのですが、
どんな家でもこれが実現出来るかというとそうではありません。

これを実現するためには、
「土地の日当たりの良し悪しに関係なく
明るく快適な住まいが建てられる設計力」が必要となります。

例えば、南向きじゃない上に
敷地の南側に日光を阻害する2階建ての家が建っている土地は
確実に土地の値段が安く設定されていますが、
この土地の1階に南に配置した部屋を作り
その部屋の南に窓を作っても
そこからは日光が家の中に入ってこないのは
火を見るより明らかな事実です。

ゆえに、この土地の1階には
日光を確保したい部屋を南に配置すべきではありません。

では、どうしたらいいのか?
まず1つ目の解決策は
南に建つ家から充分な距離を確保した場所に
日光を確保したい部屋を配置するということです。

すぐ南に2階建ての家が建っている場合、
その家から6mほど距離を取れば
高度が低い冬場でも家の中に日光が差し込んでくるので
それが一つの目安といった感じです。

これが実現可能なら
この選択をすることによって日光を確保していきます。

これが難しそうであれば
吹抜けを作ることによって家の中に日光を取り込みます。
これが2つ目の解決策です。

すぐ南に家が建っている場合、
1階の南に配置した部屋には冬に日光が入ってきませんが、
2階の南に配置した部屋には問題なく日光が入ってくるからです。

高い位置から日光を取り込めば
太陽高度が低い冬場は奥深くまで日差しが差し込み、
リビングやダイニングだけじゃなくキッチンまでも明るくなる上、
日差しによって暖かくなりますしね。

そんなわけで、
土地にかける予算を大幅に圧縮するためには、
どんな土地でも快適な家が建てられる
設計力が必要になってくるというわけです。

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✔️建築費を抑える工夫

ただし、これらの解決策は
建築費が割高になってしまうという弱点を持っているのも
また一つの疑いようのない事実です。

第一の解決策は主に「中庭」と手段を用い、
第二の解決策は「吹抜け」という手段を用いるのですが、
いずれの手段も大なり小なり工事面積が増えるからです。

ゆえに「これはなくてもいいかもしれない」
と思える場所や広さを見直していき
コストを抑える工夫を並行して行うことで帳尻を合わせていきます。

かつ、窓をよく考えて作ることで
当たり前にように必要だとされている「カーテン」の数を最小化しつつ、
ダサいけど安全のために仕方なく設置せざるを得ない
「シャッター」をゼロにすることで、
むしろコストを抑えていくといった感じでしょうか。

これが建築費を圧縮する工夫です。
これが出来れば外構にかかるお金も確実に圧縮出来ます。

カーテンやシャッターがいらない住まいは、
防犯性が高い上、室内のプライバシーも担保されているため
外構によって低い防犯性やプライバシー性をカバーする必要がなくなるからです。

土地面積を抑えることによって敷地に出来る余白も少なくなれば、
その分、外構の施工面積も少なくなりますしね。

このように家づくりのコストを最小限に抑えるためには、
家のコストはもちろん土地や外構にかける予算も
圧縮しないといけないのですが、
その鍵を握るのは「設計」ということになるので
家づくりにおいていかに「設計」が大事なのかということを
覚えておいていただければと思います。

それでは、また次回。

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vol.251 大きな買い物の心得 外構編

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「大きな買い物の心得 外構編」です。

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例えば家と外構を合わせた合計予算が3000万円だとして、
あなたのご要望を全て叶えようとすると
家に2900万円かかりそうだとしたら
建築会社は外構予算を基本100万円で設定することが多いです。

しかし、建築工事がだいぶ進み
具体的な打ち合わせを外構屋さんと行い
いざ見積もりを出してもらってみると、
予想を遥かに上回るような金額が目の前に提示されたとしたら
どうお感じになるでしょうか?

100万円しか予算を見てなかったのに
やりたいことを伝えてみると
400万円もの見積もりになってしまったとしたら
この差をどのような手段で埋めればいいのでしょうか?

今回も少々極端に見える例えを出してみたのですが、
実を言うと家と外構の予算配分を間違えた結果
このような結末を迎えることは決して珍しいことではありません。

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✔️土地・家・外構は三位一体

「土地」は不動産屋さんの領域。
「家」は建築会社の領域。
「外構」は外構屋さんの領域。
(これに加えて「家具」は家具屋さんの領域。)
この業界には昔からこのような暗黙のルールというか
分業的なイメージが存在するため、
家づくりではそれぞれがそれぞれの密接な関係性を
無視した状態で進められがちになるのですが、
このような認識の中家づくりを行うと
土地・家・外構全てに無駄な予算を投じる可能性が高まるため、
これら全てを分けて考えないようにしていただきたいと思っています。

選ぶべき土地の広さや形はどんな家を建てるかによって変わるし、
建てるべき家は土地の広さや形、そして周囲の環境によって変わるし、
外構工事もどんな家を建てるか、そして土地の広さや形、
周囲の環境によって変わります。

ゆえに、土地選びの段階からどのような家を建てたいと思っていて、
その家にはどのような外構工事が必要で、
そして、家と外構それぞれにどれくらいの予算が必要なのかを
あらかじめある程度把握した上で
土地選びを行った方がいいというわけですね。

仮に、あなたが建てたい家が平屋だとして
是非とも「中庭」をつくりたいとお考えだとしたら
選ぶべき土地の広さは60坪もあれば充分でしょう。

そして、「中庭」から採光をとれば
外周面に採光のための大きな窓が基本必要なくなることから、
外構工事の多くをカット出来るでしょう。

外壁が塀代わりになるため塀に予算をかける必要がなくなるし、
目隠しや門などをつくることによって
プライバシーや防犯性を確保する必要もなくなるからです。
また、ウッドデッキも家の中につくるため
その分建築費用は上がるものの逆に外構費用は下がりますしね。

他方、平屋にはしたいが「中庭」に抵抗があるとしたら
選ぶべき土地に広さを15〜20坪ほど
広げていただいた方がいいかと思います。
採光を確保するための余白が南に必要になるからです。

また、外周面に大きな窓をたくさんつくることになるため、
敷地境界全面にしっかりとした塀をつくると同時に、
プライバシーや防犯性を担保するために
目隠しや門、アプローチなどの工夫が確実に必要となります。

ゆえに、同じ平屋でも建てる家の特徴によって
土地にかけるべき予算も外構にかけるべき予算も
大きく違ってくるというわけですね。
もちろん、家にかける予算も。

これらが全て曖昧なまま家づくりを進めてしまうと、
家づくりの予算計画は当初から大きくはみ出すことになりかねません。
そしてギリギリの苦しい生活を招き、
場合によっては家を手放すことになりかねません。

変動金利を選ぶ予定であるなら、
もしもの時のための繰上げ返済資金すら貯める余裕がなくなったとしたら、
心の余裕もないまま日々過ごしていかないといけなくなりますしね。

というわけなので、
大きな買い物である家づくりで後悔しないためにも
決して勢いだけで突っ走らず、
土地・家・外構は三位一体であることを理解していただき、
冷静な判断力を身につけてから家づくりを進めていただければと思います。

それでは、また次回。

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vol.250 大きな買い物の心得 家編

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「大きな買い物の心得 家編」です。

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土地の坪単価は
同じ価値がある場所であれば広さ云々で変わらないし、
そもそも土地ごとに単価が設定されているため、
その単価に広さを乗じれば自分で簡単に価格が算出出来ますが、
家は同じ価値のものをつくったとしても
坪単価が家の大きさによって変化するという属性を持っているため、
土地のように自分で簡単に価格を算出することが出来ません。

また、それに加えて
家を建てるためには非常に多くの工事を要するのですが、
その工事のどこまでを価格に反映させるのかという決まりが
業界で統一されていないことから、
なおのこと正確な価格を把握するのが難しくなっています。

かつ、外構工事に関しても購入する土地の広さや現況、
そしてどんな家を建てるかによって大きく違ってきますしね。
数百万円単位で。

そんなわけで初めて家を建てる方が、
家づくりにかかる価格を正確に把握するのは難しいと思うのですが、
とはいえ、価格について曖昧なまま進めていってしまうと
後から皺寄せがやってくるのは間違いないと思うので、
家を建てる前に最低限知っておいた方がいいことについて
お伝えしていきたいと思います。

ちなみに皺寄せとは
予定していた資金では足りないことが発覚し、
追加ローンによってそれをカバーするか、
あるいは残していた自己資金を出すことによってカバーするか、
あるいは親御さんに頭を下げて
資金援助をしてもらうことによって不足分をカバーするか、
最悪なのは外構工事に手をつけられなくなり
ガタガタの状態で放置するかのいずれかを選択することですね。

では、ここからは
「家の価格」と「外構の価格」に分けてお伝えしていきます。

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✔️「家の価格」

家の価格は「本体工事」と「付帯工事」に分かれますが、
この境界線は非常に曖昧であり
それぞれを正確に把握するのは難しいので
「結局まとめていくらかかるのか?」で把握していただく
癖をつけるのが一番いいと思います。

普通に考えると
「家の価格の中に当たり前のように入っているでしょ」
と大抵の人が思いそうなものの、
実は別で表示されがちな項目が
「浄化槽費用」「照明器具費用」
「設計費用及び申請費用」(長期優良住宅・ZEH・耐震等級3など)
「給湯器費用」「カーテン及びカーテンレール費用」
「屋外給排水工事費用」「仮設工事費用」(仮設トイレ・仮設電気・仮設水道など)
「造作家具工事費用」「地盤改良費用」「外構工事費用」
「太陽光発電費用及び蓄電池費用」などです。

これらは本体工事とは別に表示されることが多く、
建築会社が出してくれる資金計画書などでは、
家具や家電費用、銀行での諸経費、登記費用や火災(地震)保険費用
といったいわゆる諸経費コーナーに並べられていることが多いのですが、
これらを見落としてしまうとずいぶんと建築費が安く感じると同時に
価格についての認識がずいぶんと曖昧になってしまいます。

実質、建築工事は全体で3300万円必要なのに、
こうやって分けられたことで
建築工事が2500万円で済むような気にさせられるという感じですね。

そして、正直にこれらの費用も含めて
3100万円で見積もりを出してくれている会社よりも
実質は200万円高いのに見た目的には600万円安いと思い
そのまま商談が進んでいくことになるという結末を迎えてしまいます。

少々極端な例かもしれませんが、
これが価格をあえて分解し分かりにくくすることによる効果というわけですね。

勉強した上で慎重に進めていく人は
この単純なテクニックに気付くことが出来るのですが、
直感的に勢いよく突っ走る方なんかは、
このテクニックにいとも簡単に騙されてしまいます。
そして、ものすごく高い買い物をさせられることになります。

というわけなので、
家の価格に関しては「結局全部でいくらなの?」を
的確に把握出来るようなっていただければと思います。

それでは、また次回。

vol.249 大きな買い物の心得 土地編

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「大きな買い物の心得 土地編」です。

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例えば、Aというスーパーでは200円で売っているCという商品が
Bというスーパーでは250円で売っていて、
逆にAというスーパーでは300円で売っているDという商品が
Bというスーパーでは250円で売っているとした場合、
Cの商品はAのスーパーで買いDの商品はBのスーパーで買う
という買い物の仕方が最も安く買い物が出来ますが、
(200円+250円=450円)
仮にAのスーパーとBのスーパーを移動するために
ガソリン代が60円かかるとしたら、
「その選択は合理的である」とは言えなくなります。

大きな決断を要する買い物は
感情や直感だけに身を任せて突っ走るのは非常に危険なので、
勉強し知識をつけ表面的には見えにくいところまで
目を通せるようになった上で
論理的に購入の可否を決めていただいた方がいいのですが、
こと家づくりに関しても同じことが言えるかと思います。

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✔️土地価格の見方

土地を買う時は土地代だけを支払えばいいかと言うと
決してそういうわけではありません。

その土地の所有者が不動産屋さんじゃなければ
仲介してくれる不動産屋さんに仲介手数料を払わないといけないし、
水道が敷地内に引き込まれていなければ
水道を引き込む工事が必要になると同時に
市町村に払う水道加入金が必要になるなど、
見えない経費がたくさんかかるからです。

ゆえ、単純に土地の値段だけに気を取られるのではなく、
こういった隠れた経費を全て含めた上で
総額いくらかかるのかで判断する癖を
身につけていただいた方がいいかと思います。

仮に、同じ地域で気になるAとBという土地があり、
Aという新規分譲地の土地は1000万円するが、
Bという土地は900万円と100万円も安いとしたら、
土地代だけに目を向けるとBを選んだ方が割安感がありますが、
蓋を開けてみるとBの方が高くつくこともあるという感じですね。

仲介手数料がいらないAに対しBは仲介手数料が必要になる。
かつ、水道や境界が整っているAに対し、
Bは水道引き込みや境界工事に多額の費用を要する。など
表面的には見えていないいくつかの理由によって、です。

土地が坪あたり5万円以下で売られているような地域では、
土地の広さによっては
身内が所有している農地(田や畑)を転用の許可申請を行い、
境界壁をつくり、土を入れ替え、水道を引っ張ってくるという
造成工事をするよりも、
近くで売られている土地を買った方が安くつくということも
決して珍しくありませんしね。

というわけなので、
大きな買い物をする時は
目に見えた費用だけじゃなく見えていない費用に何があるか?
そして、それらにはどれくらいの費用がかかるのかにまで
目を配ることを忘れないようにしていただければと思います。

それでは、また次回。

vol.248 平屋の欠点の解決法

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「平屋の欠点の解決法」です。

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平屋の良さは
「自然と耐震性が高まること」
「家全体に空気が循環しやすいこと」
「使い勝手が良く生活しやすいこと」
この3つにあると思いますが、
その裏にはもちろん欠点も潜んでいます。

1つ目は「土地が広く必要となること」
1階部分が大きくなる上、南向き以外の土地の場合、
日照を確保するための余白も必要となるからです。

2つ目は「家の価格が高くなること」
コスト上昇が著しいコンクリートをたくさん使用する
基礎の面積が大きくなる上、屋根の面積も大きくなるからです。

3つ目は「防犯性が悪くなること」
全ての部屋が1階に配置される上、
ほとんどのお家が窓の形を見ればおおよそ間取りが分かってしまう
という弱点を抱えているからです。

そして、それを担保するために
心理的に敷地に入ってきにくくなるように塀や目隠し、門やアプローチなど
外構工事に一手間を要することになるのですが、
この結果、外構コストがグンと跳ね上がることになります。
土地面積が広いことも重なって、です。

このように、
何事にもプラスの面とマイナスの面が必ず存在するように、
巷で人気が上がってきている「平屋」もまた
いずれの側面も持ち合わせているのですが、
今回はこのマイナス面をプラスに転じさせるアイデアについて
お伝えしていきたいと思います。

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✔️3つの欠点を一気に解決!

実はこの3つの欠点は「中庭」をつくるという
たった1つのアイデアで解決することが出来ます。

「中庭」をつくると
まず土地の面積を広げる必要がなくなります。
家の中心から採光を取るようにすれば
周囲が家に囲まれていても
それらの建物によって光を遮られることがなくなるからです。

結果、日当たりのための余白を全て削ることが出来るようになり、
その分土地を取得するための費用を大幅にカットすることが出来ます。

また、家の中心から採光を取ることによって
安定した光を家全体に届けることが出来るため、
外周部に採光のための大きな窓が基本必要なくなります。
(脱出用の窓が必要だと思う人は大きな窓が必要かもしれませんが)

結果、外壁そのものが境界などに立てる塀のような役割になり
塀や門、目隠しなど、心理的に
敷地内に入ってきにくくなる工夫が全く必要なくなり、
その分のコストが丸々浮くと同時に、
防犯性とプライバシ性が高くなり安心して暮らしていただけます。

最後に2つ目の問題点である
「家の価格が高くなる」についてお伝えしていきますが、
これに関してはこれまでのような簡単は話ではありません。

「中庭」をつくれば目隠しのためのカーテンや
強風や強風による飛散物を回避するためのシャッターが基本いらなくなるため、
その分の価格は落とすことが出来るものの
一方で、施工面積は確実に増えるため
トータルで考えると価格そのものは上がってしまうからです。

ゆえに、これを解決するためには、
家の中の「なくてもいいもの」をなくすという項目を
追加していただく必要があります。

例えば「廊下」。
これはただ通るだけのスペースなので基本必要ありません。

また、部屋の数に関しても不必要に増やすこともありません。
全ての部屋と収納が同じフロアにあるし、
やがて子供たちは家を出ていくでしょうしね。

部屋の広さに関しても無駄に広げる必要はありません。
寝る時間以外はずっとリビングで過ごすことになるでしょうし、
プライバシーが担保され自然光が注ぎ込まれる「中庭」があれば
なおのことそこで過ごしたくなるでしょうしね。

そんなわけで、
この合わせ技を使うことによって家の価格も安くしていくというわけですね。

いかがでしたか?
これらが「平屋」ならでは、の欠点をカバーするためのアイデアなので
これから家を建てるにあたり「平屋にしたいな」とお考えの方は、
参考にしていただければと思います。

それでは、また次回。

vol.247 法改正と耐震と根本論と

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「法改正と耐震と根本論と」です。

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2025年4月に建築基準法が改正され、
「地震や風の力に対して必要な耐力壁の量が現行のおよそ1.6倍になる」
と同時に、現在のように
耐力壁の量によって簡易的に耐震の計算をするのではなく、
「建物自体の重さ、人や家財の重さ、雪が降った時の重さ、
地震や台風が来た時どのように力が伝わるのか?
そしてその力に各部材が耐えられるか?」

などを全て調べつつ耐震の計算(構造計算)を行なっていくことになりました。

建物の省エネ化が進んだことで、
断熱材の重さが加わると共にサッシ自体も重くなっているし
屋根にも太陽光パネルを載せるのがごく当たり前になっており、
結果、建物自体の重量がずいぶんと増しているからですね。

そんなわけで現在は、
建築確認申請に要する時間が大幅に増加していると同時に、
(省エネ計算&申請に時間がかかるのに加えて、
耐震計算&申請にも時間がかかるようになるからです)
より耐震に配慮した設計を心がけなければいけません。

では今回は法改正が1年後に迫り
なおのこと基準が厳しくなる
「耐震」についてお伝えしていきたいと思いますが、
耐震をよくするためには
そもそも天然で構造的に強い家にすることが
第一の条件ではないでしょうか?

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✔️2階建ては構造的に弱くなりやすい

自然と地震に強くなるためには
「平屋」が建てられるなら「平屋」にすることが最良の選択です。

2階建ての場合、
平屋にはない上階からの荷重がかかる上、
細かく部屋を仕切る2階の方が
1階よりも重量が増えてしまうからです。

現在の間取りは、
1階にリビングダイニングキッチンをつくり
その空間も出来るだけ広くつくることがスタンダードであるため、
どうしても1階に2階を支えるだけの
壁量がつくりにくくなっています。

また、家を2階建てにする最大の要因は
「南からの採光への固執」にあると思いますが、
この考え方を基本に間取りをつくると
「南側に壁が少なくなり一方で北側に壁が多くなる」
という家になってしまいます。

要するに「壁量バランスが極めて悪い家になってしまう」
というわけですね。

そんなわけで、
天然で地震に強いに家にするためには
「平屋」にすることが最良の選択だと考えているのですが、
先程の後半で述べた「バランス」に関しては
単純に平屋にしただけでは完全な解決にはならないため、
「バランス」を整えていただくために

✔️「光の採り方」を工夫する

ことが大事であることをご認識いただければと思います。
光には、太陽の光が直接的に入ってくる「直射光」と、
空気中の塵や水蒸気に反射して間接的に入ってくる
「天空光」があるのですが、
家の中を安定的に明るくするためには
「天空光」をうまく利用することが鍵になってきます。

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直射光は天候によって大きくされるため
人為的に調整するのが難しいのに対し、
天空光は天候にほとんど左右されないため
こちらで調整しやすいからです。

直射光を中心に明るさを計算すると
厳しい日差しを遮るためにカーテンをせざるを得なくなり
家の中が暗くなってしまうため、
それを補うためにまた別の場所に窓を設置し、
結果、耐力壁となる壁が減ってしまうだけですしね。

そんなわけで家の設計を考える時は、
「光の採り方」に工夫することが
非常に大切なことだと考えています。

より少ない窓で安定した明るさをもたらすことが出来れば、
耐震的にもより安定するし、
かつ、東西南北全てに偏りなく耐力壁を作ることが出来れば、
耐震計算(構造計算)的にもずいぶんと有利に働くのは
間違いのない事実だと思います。

というわけなので、
耐震に関してはもちろん数字も大事なものですが、
「何よりバランスが大事であること」を
知っておいていただければと思います。

それでは、また次回。