日当たりのいい土地を買って後悔すること

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「日当たりのいい土地を買って後悔すること」です。

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これから土地探しを始めるとしたら、あなたはどんな条件を重視しますか。

子どもの学校区。
駅やスーパーへのアクセス。
ゆったりした広さ。
車の出し入れがしやすい前面道路。
そして――日当たりの良さ。

多くの方が「できれば南向きで日当たりのいい土地を」と考えるのではないでしょうか。

もちろん、土地選びは価値観に基づいて行うものです。
ただし、限られた予算の中で最善の家づくりをするためには知っておいてほしい大切な視点があります。

まず理解していただきたいのは、「日当たりが良さそうな土地=明るく快適な家が建つ」とは限らないということです。

たとえば、6区画の分譲地があり、南側道路の区画と北側道路の区画があったとします。
多くの方は直感的に南側道路の区画を選ぶでしょう。
日当たりが良さそうに感じるからです。

ですが、その土地に家を建てるとどうなるでしょうか。

南側道路の土地を選べば、当然ながらリビングや大きな窓は南側に配置することになります。
しかし南側は道路であり、人や車が常に通る場所です。
大きな窓を設ければ、室内は外から見えやすくなります。

結果として、ほとんどの窓にカーテンを取り付け、日中でも閉めたまま生活することになりがちです。

では、カーテンを閉めた室内は本当に明るいでしょうか。
晴れた日はまだしも曇りや雨の日はどうでしょう。
光は入りにくくなり、朝から照明をつける生活になるケースも少なくありません。

また、カーテンを閉めていると風通しも悪くなります。
窓を開けても視線が気になり、結局閉めたままにしてしまう。
開けたとしてもカーテンが風で揺れて落ち着かない。
こうして、本来の「日当たりの良さ」を活かせない家になってしまうことがあります。

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防犯面も同様です。
夜に室内の明かりがつけば、家の中の様子が外から分かりやすくなります。

さらに、南向きのベランダに洗濯物を干せば、家族構成や生活パターンが推測されやすくなります。

加えて、2階バルコニーに洗濯物を干す間取りにすると、重い洗濯物を持って階段を何度も往復することになります。
日当たりを優先した結果、家事動線が悪くなることもあるのです。

そしてもう一つ大きな問題があります。外構費用です。

室内が丸見えにならないようにするため、塀や目隠しフェンス、植栽などを追加する必要が出てきます。
これにより外構工事費が大きく膨らみ、内容によっては200万円を超えることも珍しくありません。
カーテン費用も当然かかります。

さらに、南側道路の土地は人気が高いため、価格も最も高く設定されがちです。
坪単価で2〜3万円違えば、50坪の土地で100万〜150万円の差になります。
同じエリアで利便性が変わらなくても、向きだけでこれだけの価格差が生じます。
しかも、人気の区画は値引き交渉がほとんど期待できません。
需要が高いため、売主も強気です。

つまり、日当たりが良さそうに見える土地は、土地価格も高く、外構費用もかかりやすく、それでいてプライバシーや家事動線の面で工夫をしなければ住みにくい家になりやすいという側面があるのです。

だからといって「では北側道路の土地が必ず良い」と単純に言えるわけでもありません。
直感的にはやはり南向きの方が魅力的に感じるでしょう。

しかし、土地は"向き"だけで価値が決まるものではありません。
設計の工夫次第で、北側道路の土地でも明るく快適な住まいを実現することは可能です。

次回は、なぜ一見不利に見える土地の方が、実はコスト面でも住み心地の面でも優れている可能性があるのか、その理由について詳しくお伝えしていきます。

それでは、また次回。

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