平屋には、大きな土地が必要なのか?

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「平屋には、大きな土地が必要なのか?」です。

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平屋と聞くと、「建築費が高そう」「かなり広い土地がないと無理そう」といったイメージを持つ方が少なくありません。
ですが実際のところ、平屋が特別に高額になるとは限りませんし、想像しているほど広大な敷地がなくても十分に建てることは可能です。

たとえば不動産会社で「平屋を建てたい」と相談すると、「80〜100坪くらいは必要ですね」と言われることがあります。
しかし、4人家族が暮らす住まいであれば、60坪あればゆとりのある平屋を建てることができます。
むしろ広さを持て余すケースもあるほどです。
50坪の敷地でも、間取りを工夫すれば4人家族が快適に暮らせる平屋は十分実現できますし、駐車スペースも3台分確保することは可能です(1台は軽自動車になる想定ですが)。

それでも「家=2階建て」という前提で考える不動産会社や住宅会社が多いため、50坪あれば自然と2階建てを提案されがちです。
周囲も2階建てが一般的なため、その中に平屋を建てることに日当たりや明るさの不安を感じる方もいるでしょう。
その結果、平屋を希望しているにもかかわらず、50〜60坪ではなく、80〜100坪といった広い土地を勧められることになります。

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しかし、土地を広く買えば、その分あらゆるコストが増えていきます。

まず、土地取得費そのものが高くなります。
仮に本来は55坪で十分だったのに100坪購入したとします。
坪単価が20万円なら、45坪分の差で900万円もの追加負担です。

さらに、外構費用も広さに比例して上がります。
敷地が広くなれば、造成やコンクリート施工の面積が増え、塀やフェンスの延長も長くなります。その分、工事費も膨らみます。

加えて、毎年支払う固定資産税も高くなります。
特に住宅用地は、一定面積を超える部分について軽減措置が小さくなるため、想像以上に税負担が増えることがあります。
広く買えば買うほど、長期的なランニングコストも増えていくのです。

そして見落とされがちなのが、庭の維持管理です。

若いうちは「多少広くても問題ない」と思えるかもしれません。
子どもをのびのび遊ばせたいという気持ちもあるでしょうし、「後から土地は買い足せないから、今のうちに広く」と考える気持ちも理解できます。
しかし、年月が経ち体力が落ちてきたとき、広い庭の手入れは大きな負担になります。
平屋にすることで2階の上り下りをなくしたとしても、広すぎる庭の管理が大変になってしまっては本末転倒です。

こうした理由から、コスト面でも将来のメンテナンス面でも、必要以上に広い土地を購入するメリットは大きくありません。

土地取得費を抑えるためのポイントは、「本当に必要な広さを見極めること」です。

土地探しは、不動産会社任せにするのではなく、家の設計を前提に住宅会社と一緒に進めることをおすすめします。
そのためには、まず無理のない資金計画を立て、自分たちが土地にかけられる予算を明確にしておくこと。
そして土地を決める前に、どんな家を建てるのか方向性を定めておくことが重要です。

正しい知識を持たずに土地を広く買い過ぎてしまうと、その後の家づくり全体に影響してしまいます。
そうならないためにも、計画的にそして冷静に判断していただければと思います。

それでは、また次回

日当たりが悪い土地 = 暗い家が建つ?

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「日当たりのいい土地を買って後悔すること」です。

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北・東・西に道路が接している土地を見ると、「日当たりが悪そうだな」と感じる方は多いのではないでしょうか。
とくに北道路の土地はその印象が強いかもしれません。
というのも、敷地の南側にはすでに建物が建っていることが多く、今は空いていたとしても将来的に家が建てば、光が遮られてしまいそうだと考えてしまうからです。

さらに、住宅が密集する分譲地では、南だけでなく東西にも隣家が建ち並びます。
その状況を想像すると「きっと暗い家になるだろう」と不安になるのも無理はありません。

そのため、価格が比較的抑えられていたとしても、積極的に選ばれることは少ないのが現実です。

では実際のところ、こうした土地では本当に明るい家は建てられないのでしょうか。
日当たりが不利な土地では、必ず暗い住まいになってしまうのでしょうか。

たしかに北道路の土地では、北側に駐車スペースを設け、建物を南側へ寄せて配置するのが一般的です。
そのうえで、敷地のいちばん南にリビングを置き、南面に大きな窓を設けるという"いつもの間取り"にしてしまうと、思ったほど光が入らず薄暗い空間になりがちです。
隣家との距離が十分に確保できないからです。

不足する明るさを補おうとして、東西にも大きな窓を増やすケースもあります。
しかし、そうすると周囲の視線が気になり、結局はカーテンを閉めたままの生活になってしまいます。
これでは、せっかくの窓も十分に機能しません。

つまり、従来の考え方にとらわれたまま設計してしまうと、「やはり暗い家になってしまった」という結果を招きやすいのです。

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住宅が密集するエリアで家を建てるなら、発想を少し変え、光の取り込み方そのものを工夫する必要があります。

多くの方は「リビングは南に配置するもの」と考えますが、必ずしもそうである必要はありません。
思い切ってリビングを北側に配置するという選択肢もあります。
その場合、建物の中央付近に外部空間を設け、そこから光を取り込む設計にします。
いわば、家の真ん中に光を落とす場所をつくるという考え方です。
中央に設けたその空間があることで、南・東・西の隣家との間にしっかり距離を確保しやすくなり、さまざまな方向から安定した光を取り込めるようになります。

さらに、その空間には直射日光だけでなく、外壁などに反射したやわらかな光も届きます。
こうした間接光が室内全体に広がることで、日中は照明に頼らなくても過ごせる、明るく心地よい住まいが実現します。

加えて、外からの視線が直接入りにくいため、カーテンを閉め切る必要もありません。
プライバシーが守られた安心感の中で、空や光を感じながら暮らすことができます。

間取りも外から把握されにくくなるため、防犯面でも有利です。

外に向けた大きな窓が少ない住まいは、結果としてデザイン性も高まりやすくなります。
目隠しフェンスや高額な塀に頼る必要が減るため、外構費の削減にもつながります。

さらに、土地条件に合わせた柔軟な設計ができるようになれば、必ずしも高額な南道路の土地を選ぶ必要はなくなります。
これまで敬遠されがちだった土地を、比較的抑えた価格で購入できる可能性も出てきます。

土地の日当たりと、家そのものの明るさは、必ずしも比例するわけではありません。
土地に過度な予算をかけるよりも、設計の工夫に目を向けるほうが、賢い選択になることも多いのです。
土地を探す際は、「南道路」「日当たり良好」という言葉だけにとらわれず、どんな設計が可能かという視点で判断していただければと思います。

それでは、また次回。