vol.232 ローンの明暗
こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「ローンの明暗」です。
---------
ローンを背負わないよりは背負った方が、
そしてローンを背負う場合、
若干背伸びするぐらいの方が
頑張って仕事をするようになるという意見は
「確かにそうだな」と納得させられるものの、
この議論をする上で大事なことはその度合いです。
例えば、現在は世帯年収が700万円あれば
収入合算すれば銀行から約8倍の5500万円を
貸してもらうことが出来るのですが、
共働きである場合はもちろん、
ご主人だけがこれだけ稼いでいるとしても
この決断はあまりすべきではありません。
たとえ土地を買って家を建て
これだけの予算が必要だとしてもです。
理由はその収入が維持出来なくなった瞬間に
家を手放さざるを得なくなる可能性が高くなってしまうからです。
おそらくこの収入でこれだけのローンを組んだ場合、
貯金をする余力がなくなってしまう恐れがあり、
金利が上がることになった時
繰上げ返済によって返済額アップを
回避することが出来なくなる可能性も高まってしまいます。

✔️全てのリスクに対応することが大事
住宅ローンを組めば金利の中に
「団体信用生命保険」が含まれているため
債務者にもしものことが起こった場合、
ローンの残債はゼロになります。
ですが、それはあくまでそれに該当することが起こった場合のみ。
不慮の事故や病気で充分に働けなくなるでは単純に収入が減るだけで、
そもそも借り入れが現在の収入ありきで試算されているとしたら
ただただ住宅ローン返済に苦しみながら生活することになります。
また、事故や病気じゃなくても
出産によって奥さんの収入がガクンと落ちることも
可能性としては充分にあり得えます。
あるいは親の介護によって充分に働けなくなるという可能性も。
さらに、転職や会社の経営状況、自らの成績などによって
収入がアップダウンしてしまうこともゼロではありません。
そんなわけで、たとえ銀行が貸してくれるとしても、
また住みたい地域で住みたい家を建てるとしたら
それだけの予算が必要だとしても、
こういったリスクに充分に備えられないのだとしたら
決してそうすべきではないと考えている次第です。
✔️妥協は「悪」ではない
とはいえ、そうは言っても
子ども達をいい環境で育てていく
また生活の質を高めていただくためには
賃貸住宅より自宅を持っていただいた方がいいと考えています。
家を持てば太陽光発電を設置出来るため
今後上昇し続けることが予想される
電気料金の負担を大幅に軽減出来ることもありますしね。
家を建てる時には家にかける予算を最初に考えること、
そして出来ればそれをする前に
ライフプラン(人生設計)を専門家に行っていただき、
人生で起こりうるあらゆるリスクに備えた上で
家にかけていい予算を導き出してもらうこと、
これをオススメしています。
そうすれば、
あなたが考えている地域で家を持つことは難しいかもしれません。
あるいは、あなたが理想とする家を建てることは難しいかもしれません。
そして、住む場所や建てる家を妥協せざるを得ないかもしれません。
しかし、その現実を知っていただいた上で家を持つことこそ、
家づくりにおいてもっとも大事なことではないでしょうか。
不安に怯えることなく質の高い暮らしを送ることが出来る。
それなりに買いたいものが買え、行きたい場所に行くことが出来る。
子ども達にもしっかりお金をかけてあげることが出来る。
こんな生活が送れるとしたら最高ですよね。
それを実現していただくために
ローンの恐ろしさを
建てる前にしっかりとご理解いただければと思います。
ローンを良いものに出来るかどうか。
これも意識しながら家づくりを行ってください!
それでは、また次回。
