vol.145 面積の鍵を握る「収納」

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「面積の鍵を握る"収納"」です。

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「収納はたくさん欲しい」と
家を建てる誰もがお考えになりますが、
かといって床面積を増やせば
それはコストアップに直結するため、
安易に床面積を増やすという手段を
選択すべきではありません。

また、床面積を増やすにしても、
利便性の良さから人気が高い
「回遊動線」をつくってしまうと、
本来の収納力を半減させる可能性があるため
その良し悪しを理解しておくことも
大事な要素となってきます。

そんなわけで、
ここからはコストを上げることなく
よりたくさんの収納をつくる方法について
お伝えしていきたいと思います。

いわば、この知識は図面を読み解く力でもありますので、
間取りを描いてもらうまでに
ぜひ身に付けておいていただくといいと思います。

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まず、収納を考える上で
必ず知っておいた方がいいことが、
収納の分量は「床面積」ではなく
「壁面積」で考えないといけないということです。

例えば、間口91cm×奥行き91cmの収納と
間口182cm×奥行き45.5cmの収納は
床面積は全く同じであるものの、
棚の枚数が同じだとしたら、
単純に物が置ける量が2倍違います。
間口の広さが違うからです。

もちろん、間口が91cmの収納は
間口は半分であるものの奥行きが2倍あることから
奥に詰めて物を置くようにすれば、
間口1m82cmの収納と同じだけ
モノが置けるということになります。

しかし、その収納は確実に使いにくいのではないでしょうか。
奥のものを取り出すために
いちいち手前のモノを取り出さないといけないし、
再び元の位置に戻す時も
一手間作業が増えることになるからです。

かつ、奥には滅多に取り出さないモノを
置くようになると思いますが、
結果、奥にあるモノを忘れてしまい
滅多に使わないモノなのにまた同じモノを買うことになり、
どんどん家の中にモノが蓄積されていく
という悪循環を産む原因となるのではないでしょうか。

ゆえ、単純に床面積を広げるのではなく
いかに壁面を有効活用出来るかまで考えながら
収納はつくるべきだというわけですね。
なんといっても収納で最も大切なことは、
「いかに管理がしやすいのか」ですからね。

とりわけ、リビング周辺は
細々したモノが多くなることから、
管理がしやすい収納をつくっておかないと
それが散らかる原因につながるし、
ストレスの原因にもなります。

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✔️行き過ぎた利便性

家の中をグルグルと回れる
「回遊動線」は利便性がアップすることから
非常に人気があるのですが、
実は「収納量が低下する」という
大きなデメリットを秘めています。
通り抜け動線にするということは
「=収納の壁が減る」ということだからです。

例えば、
3帖のウォークインクローゼットをつくったとして、
この収納を通り抜け出来ないどん詰まりの収納にした場合、
合計約5.5m分の壁を利用することが出来るのですが、
この部屋を通り抜け出来るようにしたら、
使える壁の量が半分以下の2.6mにまで減ってしまいます。
廊下をつくることによって2方向の壁が使えなくなるからです。

そしてその結果、いざ暮らし出してみると
思っていたよりもモノが収まらず困った
という状況に陥ってしまい、
それでは片付かないからと
結局、通り道にモノを置いてしまい
通り抜け出来なくなってしまう
なんてことも決して珍しい話ではないと思います。

そんなわけで、
過度な最短動線を追求する必要もないのでは
と思っている次第です。
ここ徳島では、ほとんどのエリアで平屋を建てることが出来るし、
平屋にすればそれだけで洗濯動線も短くなれば
片付けや掃除だって楽になりますしね。

というわけなので、間取りを見る時には
「いかに壁を有効活用出来ているか?」
を見るようにしていただければと思います。

この図面の見方が出来るようになれば、
「収納が足りないかも?」という不安を払拭しやすくなり、
結果余計なコストを払う必要がなくなるし、
いざ暮らし出してみたら全く収納が足りなかったなんていう
最悪の事態を引き起こすことも間違いなくなくなるはずですから。

それでは、また次回。


vol.144 位置と広さと数量と

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「位置と広さと数量と」です。

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「子どものために」という想いは、
家を建てる大きな原動力の一つだと思いますが、
とはいえ子どもは遅かれ早かれ家から出ていくことから、
子育て期間中のことだけじゃなく、
子どもが巣立った後まで考えた上で
間取りをつくっておいた方がいいでしょう。

内装や設備は比較的簡単に変えられますが、
使い勝手が悪くなったからといって
間取りの変更をしようとしても
そう簡単には出来ないですしね。

そんなわけで、子ども部屋に関しては
それぞれの想いもあると思いますが、
最も合理的に考えた方がいいスペースと言えるでしょう。

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まず考えていただきたいことが、
子ども部屋を2階につくることが
本当に正解なのかどうかということです。

子ども部屋を2階につくった場合、
子どもが小さいうち(中学生になるまで)
自分の部屋を全くと言っていいほど
使うことがないからです。

子どもに限らず家族みんな
1日の大半を過ごすのはリビングダイニングキッチンだし、
子どもたちが小さいうちは
お母さんの近くから離れないでしょうし、
寝るのも親と一緒ですからね。

結果、リビングやダイニングが
子どもたちのオモチャや服で
散乱していくのではないでしょうか。

そして、1階にリビングとは別部屋か
充分な収納が確保出来ていない場合、
子どものものを片付ける収納ボックスを
リビングに置かざるを得なくなり、
生活感があふれてしまう上、
狭苦しく掃除もしにくいリビングに
なってしまうのではないでしょうか。

以上のようなことが想定されることから、
子ども部屋の位置を最初から2階に指定してしまうのは
どうかと考えている次第です。

子ども部屋を1階につくっておけば、
自分の荷物は全て自分の部屋に片付けられるでしょうし、
親御さんが泊まりに来た時なんかもここを使ってもらえるし、
やがて子どもたちが出て行った後も
何かと使い勝手がいいでしょうしね。

要するに、子ども部屋は
2階よりも1階につくっておいた方が
使える幅が大なり小なり広がるだろうし、
ライフスタイルの変化に応じて使い分けがしやすい、
というわけです。


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✔️コストに直結する広さと数量

続いて考えていただきたいことが、
「広さ」と「数」についてです。

広さに関しては、
寝室同様何を置く予定なのか?から
算出するのでいいのではないでしょうか。

仮に部屋とは別でクローゼットがあり、
置くものがシングルベッドと机だけであれば、
内寸で2.6m×2.6mある
4.5帖という広さで充分だと思います。

ハウスメーカーの住宅展示場や
住宅会社のモデルハウスなどは、
6帖でつくっている場合が多いのですが、
たとえ思春期を迎えたとしても
部屋に篭りっきりにならずに
寝る寸前までリビングで
一緒に過ごすことが多いと思うので、
そんなに広くつくる必要はなく
「自分の部屋がある」ということだけで
充分だという認識でいいと思います。

冒頭でも申し上げましたが、
遅かれ早かれ子どもは家を出ていくでしょうし、
その後の利用用途を考えてみても、
4.5帖もあれば充分でしょうしね。

数に関しても、必ずしも子供の人数に合わせて、
つくる(つくっておく)必要はないかもしれません。

子どもが自分の部屋を使い出すのは
中学生になってからの可能性が高いし、
高校卒業と同時に家を出ていくとしたら
1人で部屋を使う期間は最大6年なので、
兄弟姉妹の年齢差によっては
使う時期が被らない可能性もあるからです。

そんなわけで、子ども部屋を
必ずしも人数分つくる必要はないし、
どう考えてもつくらないといけないとしても
4.5帖という広さのまま増やすのではなく、
3.75帖とか3帖という広さにすることを
検討した方がいいのではないかと考えています。
面積を広げれば広げるほど
確実に家のコストは上がっていってしまいますしね。

いかがでしたか?
もちろん、子ども部屋も寝室同様に
予算的にゆとりがあるのであれば、
全然広げていただいても問題ないので、
この意見も参考にしていただきつつ
考えてみていただければと思います。

では、次は「収納」についてお伝えしていきたいと思います。
それでは、また次回。