vol.209 家づくりのコスト削減法(建築編4)

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「家づくりのコスト削減法(建築編4)」です。

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「収納は多いに越したことはない」

現在住んでいるところが、
収納が少なくそれを原因として家が片付かなかったり
はみ出た荷物によって部屋が圧迫されているとしたら、
そうならないように新しい家には
収納を出来るだけ多く作っておきたいとお考えになると思います。

また、先に建てた友人からも
「収納が足りないからもっと作っておいたらよかった」
という言葉を聞くこともあるでしょうから
なおのこと、家を建てる時は収納に過敏になってしまうと思います。

しかし、収納でも
作り過ぎは面積の増加につながり返済負担が増加したり、
作り方によってはコストが増えた反面、
分量はほとんど増えてなかったという事態も引き起こしかねないので、
正しい図面の見方と作り方を知っていただく必要があります。

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まず基本として知っておいていただきたいことが、
収納は「管理のしやすさ」が大事であるということです。

例えば、一般的に収納の奥行きは
91cmで作られることが多いのですが、
ほとんどの持ち物がこの半分の奥行きでおさまることから
この収納は床面積のわずか半分しか有効活用出来ません。

手前に物を置いてしまうと
奥に置いてある物が取り出しにくくなるし、
奥に置いてあるものを忘れてしまう可能性が高くなるからです。
要するに管理がしにくくなるというわけですね。

他方、これを教訓として
奥行きを半分にし、逆に幅を2倍にすると
床面積は全く変わらないまま(=コストを増やすことなく)
収納の分量を2倍にすることが出来るし、
手前に何かを置くこともないため、
非常に管理がしやすくなります。

かつ、2m40cmある天井高を有効活用して棚を設置すれば、
さらに分量を増やすことが出来ます。
棚板が2枚だと80cmずつの高さになりますが、
これだと壁に余白が生じるのに対し、
棚板を5枚に増やせば40cmずつの高さになり、
余白を生むことなく壁面を使い切ることが出来るからです。

わかりやすく数字に直してみると、
奥行き91cm×幅91cmで棚板が2枚の収納だと
2m73cm(91cm×3段)の分量しかないのに対し、
奥行きを半分、幅を2倍にしつつ、棚板の枚数を5枚にすると、
先程の4倍となる10m92cm(1m82cm×6段)もの分量になる
という感じですね。

以上のような事実から
収納は「管理のしやすさ」を第一に考えていただきたいし、
それを実現するためには、
「床」の広さを追求するのではなく
「壁」の広さを追求していただきたい
と思っている次第です。

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✔️「通り抜け動線」の欠点

そして、収納を考える上で
もう1つ覚えておいていただきたいことが
「通り抜け動線」は分量を減らす原因になるということです。

例えば、3帖という広さの収納には
使える壁の長さが約5.2mあるのですが、
この収納を通り抜け出来るようにすると、
多くの場合、使える壁が半減してしまいます。

通路となる壁には物が置けなくなるし、
出入り口となるドア面にも物が置けなくなるからです。

その上、ドアが1本増えた分コストが上がることになるし、
スイッチも2箇所切りにするか、
センサーライトにせざるを得なくなり
さらにその分コストが上がることになります。

要するに、通り抜け動線は
利便性を手に入れることが出来る反面、
コストを増やしつつ分量を半減させてしまうリスクがある
というわけですね。

ゆえ、通り抜け動線に関しては、
本当にそこは分量を犠牲にしてまで通り抜け出来た方がいいのか?
ということまで熟慮した上で決めていただければと思います。

いかがだったでしょうか?

たくさん作りたいとお考えになる収納とて
やみくもに床面積を増やせば
その分コストに直結することになるし、
その上、作り方次第では
わざわざコストを増やしたのに分量は全く増えていないし、
かえって使い勝手が悪くなってしまった
なんて事態も引き起こしかねないことを
ご理解いただけたのではないでしょうか。

というわけなので、
具体的に設計に入る前に
収納の正しい見方と作り方を
ぜひ覚えておいていただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.208 家づくりのコスト削減法(建築編3)

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「家づくりのコスト削減法(建築編3)」です。

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モデルハウスや住宅展示場などを見に行くと、
リビングダイニングはもちろん寝室や子ども部屋なども
広くつくられていることが多々ありますが、
ほとんどの方がリビングダイニングで大半の時間を過ごし、
部屋は寝る時だけしか使わない可能性が高いことから、
正味の話、最低限の広さがあれば充分ではないでしょうか。

昔の家は収納がほとんどなかったことから、
家具を持ち込まなくてはいけない分
部屋が広めに作られていましたが、
ここ最近の家は収納がたっぷりあって
そこに全て片付けることが出来ますしね。

また、子ども部屋に至っては
やがて子どもたちは家を出ていくため、
持て余す可能性だってあるわけですし。

そんなわけで、
今回は適切な部屋の広さについて
お伝えしていきたいと思います。

そこに何を置くのかで
広さを決めていただくのが最良の手段だと思うので、
それをイメージしながら読んでいただければと思います。

✔️文字通りの部屋

「寝室」は文字通り寝るだけの部屋であると共に、
隣接して大型クローゼットが設置されることが多いため、
そこにベッドをどのように置くのかで
広さを算出していただくのが
最良の手段だと考えています。

例えば、ベッドのサイズには
シングル(幅90cm×長さ2m)
セミダブル(幅1.2m×長さ2m)
ダブル(幅1.4m×長さ2m)
クイーン(幅1.8cm×長さ2m)
などが存在しますが、
セミダブルを2台並べて置く場合、
2.4m×2mのスペースと
その周りに通路が必要になるのですが、
さてこの場合、どれくらいの
部屋の広さにしたらいいのでしょうか。

10帖(横幅4.42m×奥行き3.51m)
8帖(横幅3.52m×奥行き3.51m)
7.5帖(横幅4.42m×奥行き2.6m)
6帖(横幅3.52m×奥行き3.51m)
4.5帖(横幅2.6m×奥行き2.6m)

この場合、流石に4.5帖では
通路スペースが取れないのでちょっと厳しいです。
また、逆に10帖も必要かと言われると
通路としては勿体無いぐらい余白が出来過ぎるので、
そこまで必要ないですよね?

この場合、6〜8帖の中のどれかを
選ばれる方が多いと思いますが、
個人的には6帖で充分かと考えています。
ベッドを真中でくっつけて置くとしたら、
両サイドに約55cmずつ通路ができ
かつ、足元にも60cmの通路が確保出来るわけですからね。

いかがでしょうか?
なかなか合理的な決め方だと思いませんか。

というわけなので、
この内容を参考にしながら
寝室の広さを算出していただければと思います。

かつ、同時に南向きにこだわらないようにも
していただけたらと思います。
寝室は文字通り寝るだけの部屋であり、
基本、日が沈んでいる時間帯に使う部屋ですからね。

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✔️子ども部屋も寝室と同じ

そして、子ども部屋もまた
寝室と同じように考えていただいていいと思います。

子どもたちは小さいうちはもちろん、
自分の部屋を使うようになっても部屋に籠るのではなく
寝る寸前までリビングで過ごす可能性が高いからです。
遅かれ早かれいつかは家を出ていくわけですしね。

なので、子ども部屋に関しても
そこに何を置くのかから逆算した部屋の広さにするのが
最良だと考えている次第です。

そこに置くのがシングルベッドと勉強机ぐらいだとしたら
4.5帖もあれば、実はゆったり使えるのです。
逆に言うと、それ以上増やすとその余白を埋めるために
無駄な買い物(=無駄な出費)をしてしまうことになるでしょうしね。

もちろん、これは子ども部屋に限らず
リビングや収納などでも言えることです。
人間は隙間を見ると、
ついついそこを埋めたくなるという習性を持っているからです。

というわけなので、
モデルハウスや住宅展示場を見ると
部屋も広くとりたいと思ってしまうかもしれませんが、
それもまたコストに直結することなので、
必要なところと不必要なところを
しっかりと見極められるようになっていただければと思います。

では、次回は広さの鍵を握る最後の場所である
「収納」についてお伝えしていきたいと思います。
この内容を知っているかいないかでコストはもちろん、
使いやすさも大きく違ってくる大切な項目です。

それでは、また次回。