vol.160 土地探しをする前に

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「土地探しをする前に」です。

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いわゆる「固定概念」と言われる
なんとなく当たり前のように受け入れている常識的なものは、
家づくりの予算を押し上げる原因となるものが多かったりします。

例えば「土地は南向きがいい」ということ。
一般的に日当たりがいい土地が最も良いとされているからです。
結果、需要が供給を上回り割高な価格がつけられ、
かつ値引きの余地もなくなります。

そして、南向きの土地の利点を活かすように
部屋を南向きでつくることになれば、
これもまた家の予算を押し上げる隠れた要因となります。

理由はオプション品が割増で必要となるからです。
まず割増で必要となるのが「シャッター」です。
なんせ、南向きの土地は台風の風がモロに直撃するので、
ガラスに何かが飛んできたら大変なことになってしまいます。
その上、南向きの土地は窓を見れば間取りが分かってしまうし、
夜になると(電気の点灯で)使っている部屋まで分かってしまうという
防犯面で不安な点を抱えています。

そんなわけで、これらの不安がつきまとう大きな窓には
「シャッター」というオプションが
セットでくっついてくるというわけです。
窓1つあたり5〜10万円単位の。

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そして必要となるもう1つのオプションが「カーテン」です。
南向きの窓は1日中直射日光が差し込んでくるため
カーテンがないと眩し過ぎるし、
光線で液晶画面が見にくくなるし、
家具や雑貨が焼けてしまうし、
なにより、カーテンがないと外から家の中が丸見えになってしまい
落ち着いて過ごせないからです。

家で居る時は寝癖がついたままだし
家着(パジャマ)のままだし
ゴロゴロと過ごしていたりしますが、
流石にそんな姿をご近所さんたちにお披露目出来ないですからね。

そんなわけで、人目が気になる大きな窓には
レースカーテンはもちろんのこと、
中が隠せるドレープカーテンまで一緒に必要となってくるのですが、
これらもシャッター同様に窓1つあたり
5〜10万円単位で追加費用がカウントされていきます。

さらに、南向きの土地は
外構工事も余分なコストがかかりやすいという特徴を持っています。
先程述べたような防犯性の悪さを
外構工事でカバーせざるを得ないからです。
知らない人が心理的に敷地の中に入ってきにくくする工夫ですね。

また、南向きの土地では
ウッドデッキも道路に面してつくることになりますが、
これも目隠しなしではとてもじゃないけど使えません。
こここそ完全に丸見えとなる場所ですからね。

ゆえ、デッキ工事にプラスしてなんらかの形でデッキを隠す
目隠し工事をせざるを得なくなるのですが、
この目隠しに関しても
天然の木でつくれば比較的割安につくることが出来ますが、
絶対に朽ちない木目調のアルミ製がいいということになれば、
それだけで7〜80万円もの費用になってしまいます。

まとめると、
・土地は日当たりがいいほど良い、
・部屋は南向きが良い
・南向きの窓が多いほど良い

家づくりの絶対的な王者として君臨するこの3つの固定概念は、
その裏に最も高い買い物をするという負の側面(欠点)を持っています。

土地代が高くなり家代も高くなり、その上外構代も高くなる。
結果、銀行からの借り入れも増え利息の支払いが多くなり、
家計のゆとりが少なくなる。

裏返すと、需要も高く資産価値が高いため、
将来的に売却の可能性があるなら
南向きの土地はとっても良い土地であるということになるのですが、
ここに永住するつもりで土地を購入されるのであれば、
こういった事実も知っていただいた上で
土地探しや家づくりに取り組んでいただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.159 表と裏を意識する

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「表と裏を意識する」です。

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非日常を感じていただけるような空間づくりにこだわるために、
ホテルがお客様の目に触れない場所にバックヤードをつくるように、
家もまた、美しさにもこだわるなら「表」と「裏」を意識しながら
「間取り」と「外観」をつくりあげていかないといけません。

例えば「水回り」スペース。
洗面脱衣、トイレ、お風呂、キッチンといった水回りスペースは
景観を乱しやすい要素を兼ね備えていることから
絶対に家の「表」に配置すべき空間ではありません。

1つ目の要素が「窓」です。
窓が景観を乱す理由は、
水回りスペースは窓のサイズや高さを統一しにくいからと、
窓の数が増えれば外壁に出来る涙のような
垂れジミの数も多くなってしまうからです。

そして2つ目の要素が「換気扇」です。
これらのスペースには全て「換気扇」が設置されることになるのですが、
それらは生活感を醸し出すと同時に、
ここから発生するカビを原因とする黒い汚れを
確実に外壁に付着させていきます。

ゆえ、これら水回りスペースは
どんな土地であっても基本家の「裏」に配置することを
設計の基本にした方がいいというわけですね。

これらのスペースの近くには
エコキュートやガス給湯器なども確実に置かれることになりますね。

また、もう1つ「表」には出さないほうがいいものが
「エアコンの室外機と配管カバー」です。
これらが家の正面に出てこようものなら
カッコ悪くなってしまいますからね。

そんなわけで間取りを考える時は、
水回りに出来る窓や換気扇はもちろん、
給湯器や室外機が「表」に出てこないかというところまで
意識しながら配置を考えていかないといけないというわけですね。
「動線」はもちろんのこと近隣の環境も織り込みつつ
「採光」をどう取るかまで並行して考えながらです。

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✔️固定概念が邪魔をする

これらが「住みやすさ」と「美しい外観」を実現するために
考慮していることなんですが、
美しい外観の実現を邪魔する最たるものが「固定概念」です。
固定概念とは「家はこうあるべきだ」というなんとなくのイメージですね。

例えば、部屋は南向きでつくらないといけないという固定概念は
万人の頭の中に知らない間に溶け込んでいることですが、
このルールを北向きの土地で頑なに守ろうとすると、
必然的に「表」となる北側に水回りが配置されることになります。

そして、その固定概念が不細工な外観をつくりあげてしまう可能性があります。
同時に、日当たりが悪いリビングも実現しながら。
(南側の家との間に充分な距離が取れないからです)

あるいは、このルールを大人気の南向きの土地で適用しようものなら、
水回りは「裏」につくられるものの
部屋が「表」につくられることから
エアコンの配管カバーや室外機が「表」に登場しやすくになります。

そして丸見えの部屋を覆い隠すためにカーテンとシャッターを設置し、
光が入ってこない薄暗い家を
100万円以上の追加費用を支払って
つくりあげることになってしまいます。

ゆえ、美しい外観も同時に実現したいとお考えなのであれば、
こういった「家はこうあるべきだ」というなんとなくのイメージを
一旦リセットしていただかないといけません。

一つ例を挙げるとしたら、南向きのこだわる理由は
光は「直射光」しかないと思いこんでしまっているからですが、
光には「天空光」という空気中の塵や水蒸気に反射して拡散する光もあり
安定した採光を実現するのは
実は「天空光」だということを知ることさえ出来れば、
南向きの部屋に固執することもなくなるという感じでしょうか。

とにかく、家づくりには
こういった根拠の薄い固定概念がいくつも存在しているので、
これらに縛られないように
根拠ある正しい知識をつけていただければと思います。

それでは、また次回。