vol.141 固定概念から解放された間取りづくり

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「固定概念から解放された間取りづくり」です。

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「部屋は南向きであるべきだ」
という固定概念に縛られていると、
土地がよほど広くない限り
(80坪以上ぐらいの感覚でしょうか)
必然的に2階建ての家を建てざるを得なくなります。

たとえ、その土地が
平屋を建てるに充分な広さがあるとしてもです。
(50坪〜60坪ぐらいの感覚です)

南に家が建っている土地で
1階につくる部屋の中に
安定的に光を届けるためには、
充分な距離を確保する必要があるからです。

結果、余分に出来た土地にも
工事を施さないといけなくなり、
その分、外構工事費用が高くなります。
プライバシーや景観を守るために
目隠しや、植栽、フェンスなどの工事も
確実に必要となるので、
なかなかなコストアップになるでしょう。

他方、直射光だけじゃなく
天空光を使うことを前提として
間取りを考えれば、
これまで平屋なんて絶対に無理だ
と考えていた土地にも、
平屋を建てることが出来るようになります。

直射光だけに頼らず
天空光を活用出来れば、
南に建つお家との間に
採光のために距離を開ける
必要がなくなるからです。

例えば、間口12m×奥行き15mの
北向き約55坪の土地には、
2階建ての家しか建たないと考えられがちですが、
通常採光確保のために必要だと
考えられていたスペースにも家が建てられるとしたら、
実は普通に4人家族が充分ゆったり暮らすことが出来る
平屋のお家を建てることが出来ます。

空が見える明るく広々とした
リビングダイニングキッチンに、
それぞれの部屋と充分過ぎるぐらいの収納があり、
室内干しが出来るほどゆったりとした
自然光がたっぷりと差し込む
脱衣スペースがある平屋をです。

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✔️55坪の土地に建つ平屋とは?

この土地で設計する場合、
リビングダイニングキッチンは
南ではなくあえて北に配置します。
北に配置すれば必然的に南に建つ家との間に
充分な距離が生まれるからです。

そしてリビングダイニングキッチンの
南側に外スペースをつくります。
過ごす時間が圧倒的に長い
リビングダイニングキッチンに
直射光をふんだんに取り入れるためです。

これがいわゆる「中庭」と呼ばれる
スペースなのですが、
「中庭」をつくることによって
家の中心から光を採ることが出来、
家全体に満遍なく光が届けやすくなります。

「中庭」をつくれば、
南に建つ家からだけじゃなく、
東に建つ家からも、
そして西に建つ家からも、
充分な距離を保つことが出来るからです。

また、敷地の南に配置した部屋には
南から光は入らないものの、
「中庭」に面する北に窓をつくれば
天空光と南の壁に反射した光が
家の中に入ってくるため、
直射光に比べて安定した採光が確保出来るし、
天空光は眩しくないことから
とっても過ごしやすい空間をつくることが出来ます。

以上のような理由から、
外周面に採光のための
大きな窓をつくる必要がなくなるというわけですね。
言い換えると外周面は
風を通すだけの小窓だけで充分だ
ということになります。

結果、周りから
家の中を見られる心配がいらなくなり、
そのためのカーテンがいらなくなるし、
家族のプライバシーがしっかりと確保出来ます。

かつ、「中庭」には台風時に
直風が当たらないことから、
何かが飛んできた時に備えて
シャッターをつける必要もなくなります。

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✔️得られる数々のメリット

このように固定概念に縛られず、
土地に合わせて間取りをつくることが出来れば、
今も今後もずっと住みやすい平屋を
手に入れやすくなると同時に、
平屋の懸念点であるプライバシー性と防犯性の低さを
スッキリ解消することも出来ます。

また、耐震面でも重心が低い平屋を建てれば、
地震や台風の強風の影響も受けにくくなり、
今後ずっと安心して暮らしやすくなります。

さらに、土地の日当たりを
気にする必要もなくなることから、
土地の予算を落とすことが出来ると同時に
日当たりで諦めていた土地なども
候補地として名乗りを挙げやすくなります。

無駄に広い土地を買う必要もなくなることから
さらに土地代を抑えることも出来るし、
土地面積が小さくなれば外構工事費用も抑えられます。
プライバシーを担保し防犯性を高めるための
塀や植栽、目隠しといった工事も
全くと言っていい程いらなくなりますね。

そんなわけで、
土地の周辺環境を加味した上で
要望をしっかりと精査すべきだし、
その上で間取りをつくるべきである
と考えている次第です。

ただ、平屋を建てるとなると、
少しばかりコストアップしてしまうし、
土地が持つ問題の解決手段が
「中庭」であるとしたら、
施工面積が増えることから
さらにコストアップしてしまうので、
次はコストを上げずに平屋を建てるために
知っておいていただきたいことについて
お伝えしていきたいと思います。

それでは、また次回。


vol.140 2種類の光

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「2種類の光」です。

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光には「直射光」と「天空光」があり、
多くの方が基本「直射光」だけで
採光計画を考えようとしてしまうのですが、
どんな天気の日でも
安定した明るさを室内に届けるためには、
「天空光」をふんだんに取り入れる必要があります。

理由は、大気層を通過して直接地上に届く「直射光」は、
熱が高く、明るく眩しい上、
天候に大きく左右されるからです。

明るく眩し過ぎるとなると、
また家の中に熱が入り過ぎるとなると、
それを遮るためにカーテンが必要になり、
それによって光が遮断されてしまい
採光計画が大きく崩れることになるし、
直射光を主な採光手段にすれば、
周囲から家の中が丸見えになることから、
曇りや雨の日でもカーテンが開けられなくなり、
よりいっそう暗い家になってしまいますしね。

そんなわけで、
空気中の塵や水蒸気などで
乱反射した光である「天空光」の
存在を知っていただいた上で
間取りの計画を立てることをオススメしています。

では、ここからは
「直射光」だけに頼らない
間取りづくりを実行していただくために
必要な知識についてお伝えしていきたいと思います。

ちなみに「直射光」だけが大切という意識から脱却し、
天空光をふんだんに取り入れた
住まいづくりさえ出来れば、
付けるのが当たり前だと思われている
カーテンが必要なくなり、
曇りの日はおろか、
たとえ雨が降っているとしても、
照明なしで過ごすことが出来るようになります。

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✔️間違った採光計画

建売住宅の広告を見ると、
「全室南向き日当たり良好」
という文言がよく入っているし、
建売住宅に限らず
注文住宅でもそのようなお家が
たくさん建っていますが、
まず考えていただきたいことが、
「そもそも全ての居室を
南向きでつくる必要があるのか?」
ということです。

例えば、寝室。
この部屋は陽が沈んでから
陽が上り始めるまでの間に
使う部屋ではないでしょうか。
ゆえ、日当たりをそんなに
重視する部屋ではないはずです。

続いて子供部屋はいかがでしょうか。
デスクワークをする時を
想像してみてください。
朝から夕方まで
厳しい日差しが差し込んでくる所で
集中して仕事が出来るでしょうか?

難しいですよね。
ということは、子どもたちだって
そんな環境で
集中して勉強なんて出来ませんよね。

そして、集中するために
きっと遮光カーテンを閉め切り、
眩しい光線と熱い熱が
入ってこないようにしつつ、
照明で光の調整をすることになるでしょう。

この他、玄関や玄関ホール、
そして廊下や階段スペースなども
明るくはしたいものの、
かといってそれが「直射光」である
必要は全くありませんよね。

一方で「脱衣室」や「キッチン」などは、
居住スペースを南向きでつくることで
直射光が入ってきにくい場所に
追いやられがちになっているのですが、
本当にそれでいいのでしょうか?

光が差し込まない薄暗いキッチンで、
天気の日なのに照明をつけながら
料理をつくり、後片付けをする。

熱も入ってこなければ風通しも全然良くない
寒くてジメジメとした脱衣室で
着替えをし、洗濯物を干す。

こんな暮らしが一番とは
全く思いませんよね?

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程よく日差しが差し込む
明るく清々しいキッチンで
料理をつくり、後片付けをしたいし、
程よく日差しが差し込み、風通しも良い
明るくカラッとした脱衣室で
着替えをし、洗濯物を干したいですよね。

こうやって考えてみると
「なるほど。確かにそうかも。」
と思っていただけたと思いますが、
残念なことに多くの住まいが
このような設計にはなっていません。

もちろん、その理由は
「直射光」だけで採光計画を
立ててしまったからです。

では、どうすればいいのか?
というわけで、
次からは「直射光」だけに頼らず、
「天空光」をふんだんに利用した
間取りの考え方について
お伝えしていきたいと思います。

それでは、また次回。