vol.150 分離せず一体で考えるべきもの

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「分離せず一体で考えるべきもの」です。

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外構工事は家づくりの予算を最も狂わせる
と言っても過言ではありません。
最初の予算の枠取りが甘過ぎるから。
そして、家が完成していくに連れて
外構にもこだわりたいという欲求が
どんどん芽生えてくるからです。

予算の枠取りが甘くなる理由は、
外構工事に予算を取り過ぎると
その分、必然的に建築予算を
減らさざるを得なくなるのですが、
要は住宅会社側がそれを嫌うからです。

ゆえ、最初に立てた資金計画から
大幅な予算の狂いを生じさせないためにも、
家の見積もりと同じタイミングで
外構工事もリアルな見積もりをとり、
あらかじめ自分たちがどれくらい
外構工事にお金がかかりそうなのかを
把握しておくことをオススメしています。

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例えば、SIMPLE NOTEの家は基本正面に窓がなく
大きな窓を外周部に設けないことから、
プライバシー性と防犯性に優れており、
目隠しや植栽によってそれらを担保する必要がないし、
家の壁そのものが塀の代わりとなるため、
境界に仰々しい塀を立てる必要もありません。

また、外観も美しくなるように設計していることから、
外構工事によって家を引き立てるような
工夫をする必要もありません。

さらに、出来るだけ敷地に無駄な余白を残さないように
家を建てるようにしているため、
そもそも外構工事の施工面積がそれほど大きくありません。

以上のような理由から弊社では、
外構工事には「土地の面積×1〜2万円」という範囲内で
外構の予算枠を取るのですが、
弊社とは全く別の考え方で家の設計をした場合、
同じぐらいの予算で外構工事を考えるべきではありません。



✔️一般的なお家の外構予算

一般的な家とは、
南向きに部屋と大きな窓がある
一見、日当たりが良く明るそうに見える
2階建てのお家のことですが、
このようなお家を建てるとなれば、
敷地に出来る余白が大きくなります。

周囲に建つ家から
部屋や窓までの距離を充分確保しておかないと
家の中に光が充分に届かなくなるからです。
結果、必然的に施工面積が大きくなります。

また、外周部に大きな窓を設ければ
周囲から家の中が丸見えになるし、
リビングから伸びるウッドデッキも目隠しがなければ
せっかく作ったのにほとんど使わない場所になってしまうので、
住みやすさを担保しウッドデッキを使えるようにするためにも
確実に目隠しが必要となります。

そして、このようなお家は
防犯性を担保するための工事も必要となります。
安易に敷地に入ってこられるようでは
なんとなく気持ち悪いですしね。
そんなわけで、塀やゲートを頑丈につくるという
工夫もしなければいけないというわけですね。

その上、現在は以前に比べて材料費も値上がりしており、
工事価格も割高になっているし、
弊社ではウッドデッキは
当たり前のように建築費に入っていますが、
このようなお家では建築費には入っていませんしね。

これらを合計すると、
一般的なお家では最低でも土地の広さ×3〜4万円、
出来れば4〜5万円ぐらいは
予算枠として確保しておくべきだと思います。

というわけなので、外構工事の予算は
建てるお家によって大きく違ってくるということも
覚えておいていただければと思います。

そして、建築費の予算は建物だけじゃなく
外構工事費も含めた上で考えた方がいいということも
重ねて覚えておいていただければと思います。

それでは、また次回。
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vol.149 値上がりしている土地代を抑える方法

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「値上がりしている土地代を抑える方法」です。

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コロナ以降、材料費の高騰によって
建築費がずいぶんと値上がりしたのですが、
それと同時に土地価格も値上がりしています。

造成工事費用が値上がりしているから。
そして、津波や土砂崩れといった
災害の心配がない場所で土地を買いたい方が増えているため、
そういった地域の土地価格が上がっているからです。

また、材料費が高騰しているということは、
外構工事費用も値上がりしているということでもあるため、
如何にその負担を上ないように家づくりをすることが出来るかが、
これからの家づくりの鍵を握ると言っても過言ではありません。

所得が上がっていない状況の中、
物価はもちろん社会保険料や税金、
そして電気料金までも上昇の一途を辿り続けているため、
今のところ可処分所得は減る一方ですからね。

そんなわけで今回は、
土地取得費用を抑える方法について
お伝えしていきたいと思います。
これは外構工事費用を抑える一つの方法でもあるので、
ぜひ知識を身につけていただければと思います。

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土地の単価が高くなりつつある現在、
住む場所に妥協せずに土地の価格を抑えるためには、
購入する土地の面積を縮めるしか方法がありません。

仮に土地の坪単価が20万円だとしたら、
5坪面積がカット出来れば100万円、
10坪面積がカット出来れば200万円、
家づくりにかかるコストが変わってくるし、
これに外構代やローン金利を合わせると
さらに50万円ほど変わってくるかもしれませんからね。

では、これを実行していくためには
どうすればいいのでしょうか。


✔️先に建てたい家を明確にする

土地にかかるコストを最小限にするためには、
いきなり土地を探し始めるのではなく、
その前にどんな家を建てたいのかを
明確にしておくことをオススメします。

自分がどんな家を建てたいかを明確にし、
それがどれくらいの大きさになるのかを
あらかじめ把握しておけば、
それに合わせた土地選びが出来るからです。

例えば、自分が建てたい家が「平屋」だとして、
先にざっくりヒアリングさせていただくことで
建てたい家の大きさが30坪前後だと明確になり、
かつ、必要な駐車スペースが3台だとした場合、
目安となる土地の広さは55坪前後となります。

平屋を建てるために70〜80坪ぐらい
土地が必要だと思っていたとしたら、
15〜20坪も土地面積を圧縮出来るので、
坪単価が20万円のエリアなら
土地にかかるコストが300〜400万円も
圧縮出来たことになりますよね。

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あるいは、自分が建てたい家が「2階建て」だとして、
先にざっくりヒアリングさせていただくことで、
建てたい家の1階部分の大きさが20坪前後だと明確になり、
かつ、必要な駐車スペースが2台だとした場合、
目安となる土地の広さは40坪前後となります。

少し大きめの家がいいから
土地の広さは60坪ぐらいはいるかな?と思っていたとしたら、
20坪前後土地面積が圧縮出来るので、
坪単価が25万円のエリアだとしたら
500万円前後も圧縮出来たことになりますよね。

これらの計算式は、
「必要な1階部分の面積+土地の余白10坪
+4.5 坪×駐車スペースの数」です。
土地の余白とは、家の周囲に出来る給排水を通したり、
エアコンや給湯器を置いたり、
通路として利用するスペースのことです。

先程の平屋の場合だと、
30坪+10坪+4.5坪×3台=53.5坪
(55坪前後)がちょうどいい広さで、
2階建ての場合だと、
20坪+10坪+4.5坪×2台=39坪
(40坪前後)がちょうどいい広さという感じですね。

このように土地を探す前に
どんな家にしたいのかが明確になっていれば、
自ずと探すべき土地の広さが明確になり、
無駄な出費を防ぐことが出来ます。

なので、いきなり土地を探し始めるのではなく
まずは住宅会社に行ってどんな家にしたいのかと
それがどれくらいの大きさになりそうなのかを明確にしてから
土地探しをしていただければと思います。

もちろん、それに加えて土地の予算も
明確にしておかないといけないんですけどね。

ぜひ、参考にしてみてください。
それでは、また次回。

vol.148 「中庭」があるお家ならでは、の暮らし

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「中庭があるお家ならでは、の暮らし」です。

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「中庭」は土地の日当たり問題を
解消する最高の手段であり、
明るさと開放感を手に入れるために
必要不可欠な要素でもあるということを、
前回、前々回に渡りお伝えさせていただいたのですが、
「中庭」を手に入れると日々の暮らしの中で
数多くの恩恵を受けることが出来ます。

例えば「食事を外で取ることが出来る」ということ。
休日の朝、マックを買ってきて「中庭」で食べる。
昼下がり、「中庭」に出てコーヒーを片手に本を読んだり
日向ぼっこをする。
夜は「中庭」に出て月夜の下
みんなでホットプレートを囲んでお肉を焼いたり。
焼きそばやお好み焼きをつくったり。

このように家に居ながら
ちょっとしたキャンプ気分が味わえるだけで
ずいぶんと暮らしが豊かになるのではないでしょうか。

人目を気にしなくていい「中庭」では、
暑い夏の日には、親も水着になって
子どもたちとプール遊びもできますね!

また「中庭」は家事に育児、
そして仕事に忙しい奥様にとって強い味方となります。

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✔️生活のストレスが軽減出来る

「庭」が家の中にあれば、
子どもたちを外で遊ばせるために
わざわざ家事の手を止めて外に出ずとも、
中庭(外)で遊ぶ子どもたちを横目に
料理や洗濯、お掃除が出来ます。

また、洗濯物を「中庭」で干すことが出来るため、
干すまでの動線が大幅に短縮出来ます。
なんせ「中庭」がないお家で、外で洗濯物を干すとなれば
勝手口ドアを出て隣家との間のスペースまで洗濯物を干しに行くか、
わざわざ階段を上って2階のベランダまで
洗濯物を干しに行かないといけませんからね。

そして「干す」だけじゃなく
「取り込んで片付ける」動線も大幅に短縮出来ます。
「中庭」に洗濯物を干せば、
リビングから数歩で洗濯物に辿りつくことが出来るし、
その近くに収納さえ設けていれば、
取り込んだ洗濯物を片付ける動線も圧倒的に短くなりますからね。

「中庭」がないお家だと勝手口ドアを介して
リビングと外を何度も行ったり来たりしないといけないか、
階段を介して上下を行ったり来たりしないといけないため、
時間のロスも大きくなるし、なによりその作業が大変です。
洗濯は料理同様に毎日のことですからね。

「中庭」があればお布団もそこに干すことが出来るので、
人目に触れることなく
お布団を日光に当てて除菌してあげられます。

その上、家を平屋にして
全ての部屋を「中庭」にアクセスしやすいようにしておけば、
いつでも簡単にお布団を干すことが出来ますしね。

いかがでしたか?
「中庭」がある暮らしがどんなものなのかを
ご想像いただけたのではないでしょうか。

というわけなので、
こんなお家を実際に見てみたいなーと思っていただけたなら、
ぜひ一度弊社の住まいを見に来ていただけたらと思います。
いつでも気軽にご連絡ください!

それでは、また次回。

vol.147「中庭」がもたらす暮らしの恩恵

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「中庭がもたらす暮らしの恩恵」です。

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「中庭」に面した窓には
人目をシャットアウトするためのカーテンが不要になるので
カーテンコストが大幅に削減出来るし、
カーテンがいらない分、
カーテンを洗濯する必要もなくなれば、
カーテンレールの上にたまる埃を
いちいち掃除する必要もなくなります。

また「中庭」につくった窓には
台風の時のような強風が直接当たることもないし、
強風によって何かが飛んできて
ガラスが割れるような心配もないので、
シャッターをつける必要もありません。

結果、カーテン費用だけじゃなく
けっこう馬鹿にならないシャッター費用までも
大幅に削減出来るというわけですね。

大きな窓1箇所にかかるシャッターとカーテン費用が
合計で15万円ぐらいだとしたら、
「中庭」をつくることで75〜90万円ほどの
オプション費用を追加で払う必要がなくなる
という感じでしょうか。

そして、このカーテンが不要であるということは、
コスト的な利点だけじゃなく
日常に大きな恩恵をもたらしてくれます。



✔️家の中が劇的に明るくなる

カーテンが不要になれば、
外部からの光を遮るものがなくなるため、
家の中が劇的に明るくなり、
日中は一切照明に頼る必要がありません。
サンサンと晴れた日はもちろん、
たとえどんより曇っていようとも、
また、たとえ雨が降っていようとも、です。

「中庭」から採光を取るということは、
家の中心部から光を取り込むということなので、
家全体が満遍なく明るくなりやすいですしね。

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✔️常に外が感じられ、空が見える

また、カーテンが不要となれば、
常に外を感じることが出来ます。
「中庭」に射し込んでくる光の動き。
時間の移ろいや四季の移ろい。
雨がデッキを叩く姿や窓を伝う雫。
しんしんとデッキに積もっていく雪。

これらを家の中に居ながら見たり感じることが出来るだけで
とっても豊かな気持ちになれるのではないでしょうか。

中庭のデッキからはもちろん、
リビングやダイニング、そしてキッチンからも
空にプカプカと浮かぶ雲や月の姿も
常に見ることが出来るわけですしね。

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✔️なにより開放感が半端ない

そして、これらの要素は
圧倒的な開放感をもたらしてくれます。

カーテンがいらない家は
カーテンがある家に比べて
圧倒的に奥行きが感じられること。

「中庭」につくったデッキも
リビングの一画のように感じられるため、
さらに空間に奥行きが感じられること。

これらの効果によって、
リビングダイニングキッチンという空間が
よりいっそう価値ある空間になることこそ、
「中庭」をつくる最大の意義ではないか
と感じているぐらいです。

いかがでしたか?
今回は明るさと開放感にのみフォーカスしてみたのですが、
その素晴らしさをなんとなくでも感じていただけたでしょうか?

では、次回も
「中庭」がもたらす暮らしの恩恵の
続きをお伝えしていきたいと思います。
「中庭」がどのように使えるのかについて
詳しくお伝えしていきますので、
次回もぜひご覧いただければと思います。

それでは、また次回。

vol.146 中庭の欠点と利点

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「中庭の欠点と利点」です。

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ホームページやInstagram動画をご覧いただくと
お分かりいただけると思いますが、
SIMPLE NOTEの家の多くが
「中庭」があるという特徴を持っています。

もちろん、この特徴には「コストが高くなる」
という不安点が一般的には存在するのですが、
実はその不安とは裏腹にこの特徴は、
逆にコストを落としてくれるという
嬉しいサプライズをもたらしてくれます。

では、その理由について
今回はお伝えしていきたいと思います。
非常に多くの方が見落としてしまっている
家づくりの大きな落とし穴について言及していくので
どうぞ最後までお付き合いください。

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✔️土地代を大きく抑えられる

今回の記事だけでは紹介しきれないぐらい
「中庭」には多くの利点が存在するのですが、
そのうちの1つが「土地代を抑えられる」ということです。

「中庭」をつくらないお家は、
南からの光を確保するために
障害物が存在しない南向きの土地を選ぶか、
隣家から充分な距離を空けることが出来る
広めの土地を選ばざるを得ないため
その分土地代が割高になってしまうのに対し
「中庭」があるお家はそのいずれも一切気にすることなく
土地を選ぶことが出来るからです。

つまり、土地の日当たりを気にする必要がなくなるため、
価格設定が割高な南向きの土地にこだわる必要もなくなるし、
日当たりを確保するために余分な広さの土地を買うことによって
隣家から充分な距離を開ける必要もなくなるというわけですね。

なんせ「中庭」をつくれば
自ずと隣家から充分な距離が開いた場所に
窓をつくることが出来ますからね。

そして、その結果、
隣家との距離を気にすることなく
家を建てることが出来るようになり、
土地に無駄な余白を残すことなく
敷地をいっぱいまで有効活用することが出来ることになります。
「中庭」というプライバシーに優れた庭があることによって、
人目が気になる外に庭をつくる必要もなくなりますしね。

✔️外構予算を抑えることが出来るから

日当たりを気にしなくてよくなること、
そして庭を外につくらなくてよくなること、
この2つによって敷地に出来る余白を最小限に出来るのが
「中庭」がもたらす大きな利点なのですが、
この結果、外構工事の費用が削減出来ます。
単純に施工面積が小さくなるからです。

また「中庭」からの採光を有効活用出来れば、
外周部に大きな窓を設置する必要もなくなるし、
窓の数を多くする必要もなくなるため、
境界に立てるブロック塀やフェンスなども
設置する必要もなくなります。
家の外壁が塀そのものの役割を兼ねることが出来るからです。

家の中やウッドデッキのプライバシーを担保するためや
防犯性強化のための植栽や目隠しなども
一切つくる必要もなくなるので、
これらのコストだって丸々浮いてきますしね。

そんなわけで「中庭」は、
予算がはみ出しがちな外構工事のコストをも
抑えてくれる役割を果たすというわけですね。

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✔️トータルコストで考えることが重要

「中庭」をつくれば、
「中庭」をつくらない家よりも家の価格は割高になります。
「中庭」をつくる分、外周面積が増えるし、
中庭部分も施工しないといけないからです。

とはいえ、ここまでお伝えしてきたように
土地代を抑えることが出来るし、
外構工事代を抑えることが出来るため、
土地、家、外構のトータルコストで考えると
予算を落とすことが出来ると考えています。

イメージとしては、
家のコストは100万円上がることになるけど、
土地のコストを100万円落とすことが出来、
かつ外構のコストを100万円落とすことが出来る、
という感じでしょうか。

もちろん、家も設計によって
贅肉的な箇所を削ぎ落とすことが出来れば、
コストを上げることなく
「中庭」がある家をつくることが出来るので、
それが実現出来ればさらにトータルコストを
抑えることが出来るようになるんですけどね。

というわけなので、
「中庭=高くなる」という
なんとなくのイメージだけに引っ張られて、
住みやすい家をつくるための手段を
安易に縮めないように気を付けていただければと思います。

それでは、また次回。


vol.145 面積の鍵を握る「収納」

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「面積の鍵を握る"収納"」です。

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「収納はたくさん欲しい」と
家を建てる誰もがお考えになりますが、
かといって床面積を増やせば
それはコストアップに直結するため、
安易に床面積を増やすという手段を
選択すべきではありません。

また、床面積を増やすにしても、
利便性の良さから人気が高い
「回遊動線」をつくってしまうと、
本来の収納力を半減させる可能性があるため
その良し悪しを理解しておくことも
大事な要素となってきます。

そんなわけで、
ここからはコストを上げることなく
よりたくさんの収納をつくる方法について
お伝えしていきたいと思います。

いわば、この知識は図面を読み解く力でもありますので、
間取りを描いてもらうまでに
ぜひ身に付けておいていただくといいと思います。

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まず、収納を考える上で
必ず知っておいた方がいいことが、
収納の分量は「床面積」ではなく
「壁面積」で考えないといけないということです。

例えば、間口91cm×奥行き91cmの収納と
間口182cm×奥行き45.5cmの収納は
床面積は全く同じであるものの、
棚の枚数が同じだとしたら、
単純に物が置ける量が2倍違います。
間口の広さが違うからです。

もちろん、間口が91cmの収納は
間口は半分であるものの奥行きが2倍あることから
奥に詰めて物を置くようにすれば、
間口1m82cmの収納と同じだけ
モノが置けるということになります。

しかし、その収納は確実に使いにくいのではないでしょうか。
奥のものを取り出すために
いちいち手前のモノを取り出さないといけないし、
再び元の位置に戻す時も
一手間作業が増えることになるからです。

かつ、奥には滅多に取り出さないモノを
置くようになると思いますが、
結果、奥にあるモノを忘れてしまい
滅多に使わないモノなのにまた同じモノを買うことになり、
どんどん家の中にモノが蓄積されていく
という悪循環を産む原因となるのではないでしょうか。

ゆえ、単純に床面積を広げるのではなく
いかに壁面を有効活用出来るかまで考えながら
収納はつくるべきだというわけですね。
なんといっても収納で最も大切なことは、
「いかに管理がしやすいのか」ですからね。

とりわけ、リビング周辺は
細々したモノが多くなることから、
管理がしやすい収納をつくっておかないと
それが散らかる原因につながるし、
ストレスの原因にもなります。

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✔️行き過ぎた利便性

家の中をグルグルと回れる
「回遊動線」は利便性がアップすることから
非常に人気があるのですが、
実は「収納量が低下する」という
大きなデメリットを秘めています。
通り抜け動線にするということは
「=収納の壁が減る」ということだからです。

例えば、
3帖のウォークインクローゼットをつくったとして、
この収納を通り抜け出来ないどん詰まりの収納にした場合、
合計約5.5m分の壁を利用することが出来るのですが、
この部屋を通り抜け出来るようにしたら、
使える壁の量が半分以下の2.6mにまで減ってしまいます。
廊下をつくることによって2方向の壁が使えなくなるからです。

そしてその結果、いざ暮らし出してみると
思っていたよりもモノが収まらず困った
という状況に陥ってしまい、
それでは片付かないからと
結局、通り道にモノを置いてしまい
通り抜け出来なくなってしまう
なんてことも決して珍しい話ではないと思います。

そんなわけで、
過度な最短動線を追求する必要もないのでは
と思っている次第です。
ここ徳島では、ほとんどのエリアで平屋を建てることが出来るし、
平屋にすればそれだけで洗濯動線も短くなれば
片付けや掃除だって楽になりますしね。

というわけなので、間取りを見る時には
「いかに壁を有効活用出来ているか?」
を見るようにしていただければと思います。

この図面の見方が出来るようになれば、
「収納が足りないかも?」という不安を払拭しやすくなり、
結果余計なコストを払う必要がなくなるし、
いざ暮らし出してみたら全く収納が足りなかったなんていう
最悪の事態を引き起こすことも間違いなくなくなるはずですから。

それでは、また次回。


vol.144 位置と広さと数量と

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「位置と広さと数量と」です。

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「子どものために」という想いは、
家を建てる大きな原動力の一つだと思いますが、
とはいえ子どもは遅かれ早かれ家から出ていくことから、
子育て期間中のことだけじゃなく、
子どもが巣立った後まで考えた上で
間取りをつくっておいた方がいいでしょう。

内装や設備は比較的簡単に変えられますが、
使い勝手が悪くなったからといって
間取りの変更をしようとしても
そう簡単には出来ないですしね。

そんなわけで、子ども部屋に関しては
それぞれの想いもあると思いますが、
最も合理的に考えた方がいいスペースと言えるでしょう。

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まず考えていただきたいことが、
子ども部屋を2階につくることが
本当に正解なのかどうかということです。

子ども部屋を2階につくった場合、
子どもが小さいうち(中学生になるまで)
自分の部屋を全くと言っていいほど
使うことがないからです。

子どもに限らず家族みんな
1日の大半を過ごすのはリビングダイニングキッチンだし、
子どもたちが小さいうちは
お母さんの近くから離れないでしょうし、
寝るのも親と一緒ですからね。

結果、リビングやダイニングが
子どもたちのオモチャや服で
散乱していくのではないでしょうか。

そして、1階にリビングとは別部屋か
充分な収納が確保出来ていない場合、
子どものものを片付ける収納ボックスを
リビングに置かざるを得なくなり、
生活感があふれてしまう上、
狭苦しく掃除もしにくいリビングに
なってしまうのではないでしょうか。

以上のようなことが想定されることから、
子ども部屋の位置を最初から2階に指定してしまうのは
どうかと考えている次第です。

子ども部屋を1階につくっておけば、
自分の荷物は全て自分の部屋に片付けられるでしょうし、
親御さんが泊まりに来た時なんかもここを使ってもらえるし、
やがて子どもたちが出て行った後も
何かと使い勝手がいいでしょうしね。

要するに、子ども部屋は
2階よりも1階につくっておいた方が
使える幅が大なり小なり広がるだろうし、
ライフスタイルの変化に応じて使い分けがしやすい、
というわけです。


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✔️コストに直結する広さと数量

続いて考えていただきたいことが、
「広さ」と「数」についてです。

広さに関しては、
寝室同様何を置く予定なのか?から
算出するのでいいのではないでしょうか。

仮に部屋とは別でクローゼットがあり、
置くものがシングルベッドと机だけであれば、
内寸で2.6m×2.6mある
4.5帖という広さで充分だと思います。

ハウスメーカーの住宅展示場や
住宅会社のモデルハウスなどは、
6帖でつくっている場合が多いのですが、
たとえ思春期を迎えたとしても
部屋に篭りっきりにならずに
寝る寸前までリビングで
一緒に過ごすことが多いと思うので、
そんなに広くつくる必要はなく
「自分の部屋がある」ということだけで
充分だという認識でいいと思います。

冒頭でも申し上げましたが、
遅かれ早かれ子どもは家を出ていくでしょうし、
その後の利用用途を考えてみても、
4.5帖もあれば充分でしょうしね。

数に関しても、必ずしも子供の人数に合わせて、
つくる(つくっておく)必要はないかもしれません。

子どもが自分の部屋を使い出すのは
中学生になってからの可能性が高いし、
高校卒業と同時に家を出ていくとしたら
1人で部屋を使う期間は最大6年なので、
兄弟姉妹の年齢差によっては
使う時期が被らない可能性もあるからです。

そんなわけで、子ども部屋を
必ずしも人数分つくる必要はないし、
どう考えてもつくらないといけないとしても
4.5帖という広さのまま増やすのではなく、
3.75帖とか3帖という広さにすることを
検討した方がいいのではないかと考えています。
面積を広げれば広げるほど
確実に家のコストは上がっていってしまいますしね。

いかがでしたか?
もちろん、子ども部屋も寝室同様に
予算的にゆとりがあるのであれば、
全然広げていただいても問題ないので、
この意見も参考にしていただきつつ
考えてみていただければと思います。

では、次は「収納」についてお伝えしていきたいと思います。
それでは、また次回。

vol.143 生活をイメージしながら考える

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「生活をイメージしながら考える」です。

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2階建てで、かつそれぞれの部屋を
全て2階につくるとなると、
1階にはリビングダイニングキッチン以外に
もう1つ部屋が必要となります。

子供たちが小さいうちは
子供たちの荷物置場として機能するし、
親御さんが泊まりにきた時には
寝所として機能すると考えられるからです。
また、やがて老後を迎え
階段を上がるのが億劫になった時には
そこを寝室として使えるからです。

他方、平屋を建てるとしたら、
この多目的ルームをつくらなくても
別段問題ないのではないでしょうか。
子供部屋も寝室も収納も
全てリビングダイニングキッチンと
同じフロアに存在するからです。

つまり子供たちの荷物置き場は自分の部屋でいいし、
親御さんが泊まることがあったとしても
子供部屋を使ってもらえばいいし、
(広々つくるリビングに布団を敷いて寝てもらってもいいですしね)
階段が億劫になることもないからです。
収納だって2階建てに比べると
必要な場所に充分あるでしょうしね。

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そんなわけで、平屋にすれば
この「客間」的存在の多目的ルームをカットすることが出来、
その分コストがカット出来ます。
この部屋の広さを6帖だと仮定したら
価格に換算するとざっと200万円ぐらいです。

また、ここ数年「ランドリールーム」と言われる
いわゆる洗濯物のためだけの部屋を
つくっている方も多いですが、
これもコストに直結するため
本当に必要なのかどうかは考えた方がいいと考えています。

というのも、今やリビングダイニングキッチンは
昔の家のように仕切りをつくらず一体となっていて、
かつキッチンが対面式になっていることが多いのですが、
これはこうなっている方が「ながら作業」がしやすいからです。

キッチンで料理や洗い物をしながらダイニングで勉強する子どもを見る。
リビングで遊ぶ子供を見ながらリビングで洗濯物をたたむ。
リビングで遊ぶ子供を見ながら中庭で洗濯物を干す。

共働きが当たり前となっている今は、
この「ながら作業」がどの家庭でも当たり前ではないでしょうか。
忙しく時間が足りない日々の中で
少しでも家族団欒の時間を増やしてくれる役割を果たしてくれるのが
この広々としたリビングダイニングキッチンですからね。

ゆえ、そんなに使用時間が長くない部屋をつくるために
100万円以上のコストをかけるのは勿体無いと考えている次第です。

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✔️寝室の広さの算出方法

ハウスメーカーの展示場や
住宅会社のモデルハウスなどを見学すると、
見栄えを考えてか寝室が無闇矢鱈に広くつくられています。
それどころか、寝室に書斎のようなコーナーすら設けられています。

ですが、正味の話をすると
寝室に広さは必要ないのではないでしょうか。
寝る寸前までリビングで過ごすでしょうし、
起きたらすぐにリビングに行くからです。
要するに、寝室は実質「寝る時」だけしか使わないからです。

また、寝室の近くには
必ずといっていいほど大型収納をつくると思いますが、
こうする理由は寝室に荷物を起きたくないからではないででしょうか。

今は昔のようにタンスもなければ
お母さん専用の化粧ドレッサーを
持ち込む人も皆無でしょう。
かつ、テレビも薄型になったため場所を取らなくなったし、
スマホやタブレットがあれば
そもそも寝室にテレビをつける必要すらありません。

そんなわけで、寝室は必要最低限の広さで
つくるのがベターではないかと考えている次第です。
具体的には、置くベッドのサイズと個数が分かれば
それに見合う広さにするという感じです。

仮にセミダブルベッドを2台並べて置くとしたら、
1.2m×2.0mが2台並ぶので
ベッドに必要な寸法が2.4m×2.0m、
これを置くのにちょうどいい広さは
3.51m×2.6mの内寸がある6帖という感じです。

もちろん、これでは狭いなーと感じられた方は
広げていただくしかないのですが、
広げれば当然コストも上がることになるので、
それも考慮した上でご判断いただければと思います。

では、今回はここまでにして
次回は「子ども部屋」について考えていきたいと思います。
それでは、また次回。

vol.142 合理的に考える力を身につける

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「合理的に考える力を身につける」です。

------
家づくりのコストを下げるための一般的な手段は、
総二階建てにすることによって
家をローコスト化することなのですが、
この手法は、家を安く出来たとしても
土地にかかるコストと外構にかかるコストを
ダブルで大幅に上げてしまうため、
家づくり全体のコストを落とすための
ベターな方法ではありません。

他方、前回お伝えしたような
間取りのつくり方を知っていれば、
家のコストは上がってしまうものの、
土地にかかるコストと外構にかかるコストを
ダブルで大幅に下げることが出来るため、
結果的に、家づくり全体のコストを抑えることが出来ます。
住みやすさも格段にアップさせながらです。

ゆえ、後者の選択肢を
これから家を建てる方には
知っておいてもらいたいのですが、
とはいえ、出来れば家のコストも上げないようにしたいと
お考えになるが当たり前だと思うので、
ここからは家のコストを抑える方法について
お伝えしていきたいと思います。

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家のコストは、
使う材料や性能、面積や形など
様々な要素に左右されますが、
使う材料を妥協しても
そう大してコストは落ちないし、
性能に関しては
国が定める基準に従わないといけないため
上げることは出来ても落とすことは出来ません。

これに対し、面積に関しては
削ればそれ相応にコストも削れるし、
冷静に考えていくと
削ることが出来そうなスペースが割とたくさんあるし、
それを削ったとて住みやすさや使いやすさが
劣化する可能性もゼロに等しいため
家のコストを落とすにあたっては、
なくても問題がないスペースを
削ることが最良の手段だと考えています。

✔️合理的に考えていくことが大事

家の面積を削る上で大事なことが
合理的に考えていくことです。
面積を削れば当然家が小さくなるのですが、
ここで邪魔になってくる感情が
「家は◯◯坪はなければ!」という
「なんとなくのイメージ」です。

これがある限りは
面積カットはかなり難しいのですが、
1つ1つ冷静に考えていく
合理的な思考が出来るようになると
案外なくても問題がないものが
けっこうたくさん出てきます。

まずは「廊下」。
ただ通るだけの廊下も
部屋や収納と同じように
コストがかかるわけですが、
そもそもこれが欲しいという方は
限りなく少ないのではないでしょうか。

廊下が出来れば、
廊下が空気の循環を遮断してしまうため
家全体に冷暖房が行き届きにくくなり、
温度差が生まれる原因となります。
そもそも廊下のドアは
閉める習性が人にはありますからね。

「高断熱高気密化」している理由は、
家全体の温度差を限りなく
ゼロに等しくするためでもあるので、
その観点から考えても
現在の家づくりでは
いかに廊下を削ることが出来るが
家づくりの大きな鍵となります。

続いてが「階段」です。
もちろん、都心部のように
土地面積が狭小であれば、
必然的に上に階を重ねていかざるを得ないのですが、
横須賀や仙台ではほとんどの方が
この対象にならないのではないでしょうか。
つまり、ほとんどの方が
「平屋」を建てることが出来るというわけですね。

そして、2階建てではなく
「平屋」にすることが出来れば、
実は「廊下」を限りなくゼロに近づけやすくなるし、
上下階の温度差もなくせることから
家全体に冷暖房が行き届きやすくなり、
家の中の温度差をより小さくすることが出来ます。

2階をなくすことが出来れば、
トイレの数も1つにすることが出来ますしね。

いかがでしたか?
ここまでお伝えしたスペースは
別段なくても支障がないのではないでしょうか。

そして、これらがなくなることによって
平屋が2階建てと変わらない価格で建てられるとしたら
前向きに検討してもいいんじゃないか、
と思っていただけたのではないでしょうか。

では、次回は平屋を2階建てよりも
安く建てられるようにするために、
これ以外のスペースについて考えていきたいと思います。

それでは、また次回。
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vol.141 固定概念から解放された間取りづくり

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「固定概念から解放された間取りづくり」です。

------
「部屋は南向きであるべきだ」
という固定概念に縛られていると、
土地がよほど広くない限り
(80坪以上ぐらいの感覚でしょうか)
必然的に2階建ての家を建てざるを得なくなります。

たとえ、その土地が
平屋を建てるに充分な広さがあるとしてもです。
(50坪〜60坪ぐらいの感覚です)

南に家が建っている土地で
1階につくる部屋の中に
安定的に光を届けるためには、
充分な距離を確保する必要があるからです。

結果、余分に出来た土地にも
工事を施さないといけなくなり、
その分、外構工事費用が高くなります。
プライバシーや景観を守るために
目隠しや、植栽、フェンスなどの工事も
確実に必要となるので、
なかなかなコストアップになるでしょう。

他方、直射光だけじゃなく
天空光を使うことを前提として
間取りを考えれば、
これまで平屋なんて絶対に無理だ
と考えていた土地にも、
平屋を建てることが出来るようになります。

直射光だけに頼らず
天空光を活用出来れば、
南に建つお家との間に
採光のために距離を開ける
必要がなくなるからです。

例えば、間口12m×奥行き15mの
北向き約55坪の土地には、
2階建ての家しか建たないと考えられがちですが、
通常採光確保のために必要だと
考えられていたスペースにも家が建てられるとしたら、
実は普通に4人家族が充分ゆったり暮らすことが出来る
平屋のお家を建てることが出来ます。

空が見える明るく広々とした
リビングダイニングキッチンに、
それぞれの部屋と充分過ぎるぐらいの収納があり、
室内干しが出来るほどゆったりとした
自然光がたっぷりと差し込む
脱衣スペースがある平屋をです。

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✔️55坪の土地に建つ平屋とは?

この土地で設計する場合、
リビングダイニングキッチンは
南ではなくあえて北に配置します。
北に配置すれば必然的に南に建つ家との間に
充分な距離が生まれるからです。

そしてリビングダイニングキッチンの
南側に外スペースをつくります。
過ごす時間が圧倒的に長い
リビングダイニングキッチンに
直射光をふんだんに取り入れるためです。

これがいわゆる「中庭」と呼ばれる
スペースなのですが、
「中庭」をつくることによって
家の中心から光を採ることが出来、
家全体に満遍なく光が届けやすくなります。

「中庭」をつくれば、
南に建つ家からだけじゃなく、
東に建つ家からも、
そして西に建つ家からも、
充分な距離を保つことが出来るからです。

また、敷地の南に配置した部屋には
南から光は入らないものの、
「中庭」に面する北に窓をつくれば
天空光と南の壁に反射した光が
家の中に入ってくるため、
直射光に比べて安定した採光が確保出来るし、
天空光は眩しくないことから
とっても過ごしやすい空間をつくることが出来ます。

以上のような理由から、
外周面に採光のための
大きな窓をつくる必要がなくなるというわけですね。
言い換えると外周面は
風を通すだけの小窓だけで充分だ
ということになります。

結果、周りから
家の中を見られる心配がいらなくなり、
そのためのカーテンがいらなくなるし、
家族のプライバシーがしっかりと確保出来ます。

かつ、「中庭」には台風時に
直風が当たらないことから、
何かが飛んできた時に備えて
シャッターをつける必要もなくなります。

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✔️得られる数々のメリット

このように固定概念に縛られず、
土地に合わせて間取りをつくることが出来れば、
今も今後もずっと住みやすい平屋を
手に入れやすくなると同時に、
平屋の懸念点であるプライバシー性と防犯性の低さを
スッキリ解消することも出来ます。

また、耐震面でも重心が低い平屋を建てれば、
地震や台風の強風の影響も受けにくくなり、
今後ずっと安心して暮らしやすくなります。

さらに、土地の日当たりを
気にする必要もなくなることから、
土地の予算を落とすことが出来ると同時に
日当たりで諦めていた土地なども
候補地として名乗りを挙げやすくなります。

無駄に広い土地を買う必要もなくなることから
さらに土地代を抑えることも出来るし、
土地面積が小さくなれば外構工事費用も抑えられます。
プライバシーを担保し防犯性を高めるための
塀や植栽、目隠しといった工事も
全くと言っていい程いらなくなりますね。

そんなわけで、
土地の周辺環境を加味した上で
要望をしっかりと精査すべきだし、
その上で間取りをつくるべきである
と考えている次第です。

ただ、平屋を建てるとなると、
少しばかりコストアップしてしまうし、
土地が持つ問題の解決手段が
「中庭」であるとしたら、
施工面積が増えることから
さらにコストアップしてしまうので、
次はコストを上げずに平屋を建てるために
知っておいていただきたいことについて
お伝えしていきたいと思います。

それでは、また次回。


vol.140 2種類の光

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「2種類の光」です。

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光には「直射光」と「天空光」があり、
多くの方が基本「直射光」だけで
採光計画を考えようとしてしまうのですが、
どんな天気の日でも
安定した明るさを室内に届けるためには、
「天空光」をふんだんに取り入れる必要があります。

理由は、大気層を通過して直接地上に届く「直射光」は、
熱が高く、明るく眩しい上、
天候に大きく左右されるからです。

明るく眩し過ぎるとなると、
また家の中に熱が入り過ぎるとなると、
それを遮るためにカーテンが必要になり、
それによって光が遮断されてしまい
採光計画が大きく崩れることになるし、
直射光を主な採光手段にすれば、
周囲から家の中が丸見えになることから、
曇りや雨の日でもカーテンが開けられなくなり、
よりいっそう暗い家になってしまいますしね。

そんなわけで、
空気中の塵や水蒸気などで
乱反射した光である「天空光」の
存在を知っていただいた上で
間取りの計画を立てることをオススメしています。

では、ここからは
「直射光」だけに頼らない
間取りづくりを実行していただくために
必要な知識についてお伝えしていきたいと思います。

ちなみに「直射光」だけが大切という意識から脱却し、
天空光をふんだんに取り入れた
住まいづくりさえ出来れば、
付けるのが当たり前だと思われている
カーテンが必要なくなり、
曇りの日はおろか、
たとえ雨が降っているとしても、
照明なしで過ごすことが出来るようになります。

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✔️間違った採光計画

建売住宅の広告を見ると、
「全室南向き日当たり良好」
という文言がよく入っているし、
建売住宅に限らず
注文住宅でもそのようなお家が
たくさん建っていますが、
まず考えていただきたいことが、
「そもそも全ての居室を
南向きでつくる必要があるのか?」
ということです。

例えば、寝室。
この部屋は陽が沈んでから
陽が上り始めるまでの間に
使う部屋ではないでしょうか。
ゆえ、日当たりをそんなに
重視する部屋ではないはずです。

続いて子供部屋はいかがでしょうか。
デスクワークをする時を
想像してみてください。
朝から夕方まで
厳しい日差しが差し込んでくる所で
集中して仕事が出来るでしょうか?

難しいですよね。
ということは、子どもたちだって
そんな環境で
集中して勉強なんて出来ませんよね。

そして、集中するために
きっと遮光カーテンを閉め切り、
眩しい光線と熱い熱が
入ってこないようにしつつ、
照明で光の調整をすることになるでしょう。

この他、玄関や玄関ホール、
そして廊下や階段スペースなども
明るくはしたいものの、
かといってそれが「直射光」である
必要は全くありませんよね。

一方で「脱衣室」や「キッチン」などは、
居住スペースを南向きでつくることで
直射光が入ってきにくい場所に
追いやられがちになっているのですが、
本当にそれでいいのでしょうか?

光が差し込まない薄暗いキッチンで、
天気の日なのに照明をつけながら
料理をつくり、後片付けをする。

熱も入ってこなければ風通しも全然良くない
寒くてジメジメとした脱衣室で
着替えをし、洗濯物を干す。

こんな暮らしが一番とは
全く思いませんよね?

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程よく日差しが差し込む
明るく清々しいキッチンで
料理をつくり、後片付けをしたいし、
程よく日差しが差し込み、風通しも良い
明るくカラッとした脱衣室で
着替えをし、洗濯物を干したいですよね。

こうやって考えてみると
「なるほど。確かにそうかも。」
と思っていただけたと思いますが、
残念なことに多くの住まいが
このような設計にはなっていません。

もちろん、その理由は
「直射光」だけで採光計画を
立ててしまったからです。

では、どうすればいいのか?
というわけで、
次からは「直射光」だけに頼らず、
「天空光」をふんだんに利用した
間取りの考え方について
お伝えしていきたいと思います。

それでは、また次回。

vol.139 設計の大原則

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「設計の大原則」です。

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一般的に、家の間取りは
建てる人の要望によって全てが決まると考えられていますが、
どれだけ多くの情報をお客様から引き出せたとしても、
それだけで住みやすい家をつくることは出来ません。

理由は要望を引き出せば引き出すほど
その要望を叶えることだけに必死にならざるを得なくなり、
その土地に合わせた間取りをつくりづらくなってしまうから。

つまり本当に住みやすい家をつくるためには、
本来周辺環境の状況を加味した上で
(周りの家との兼ね合いを考えながら)要望をお聞きし、
その要望の1つ1つがその土地にマッチしているかを
確認しながら間取りをつくるべきなのに、
要望を聞き過ぎてしまうと、
要望を実現するだけでいっぱいいっぱいになり
そこまで考えられなくなってしまうというわけですね。

要望を聞き過ぎると予算が跳ね上がりやすく、
予算とのバランスが取りにくくなる
という困った悩みも発生しますしね。
要望には「プラス」の要素はあれど
「マイナス」の要素は基本ありませんから...

というわけで今回は
住みやすい家を予算を抑えながら建てる方法について
お伝えしていきたいと思います。

ヒアリングでお客様から
要望を引き出し過ぎてしまって
図面と予算の収集がつかなくなっているという事態に加え、
家づくりにはなんとなく受け入れてしまっている
「固定概念」というものがたくさんあり、
それがさらにいい間取りづくりの邪魔をするので、
その固定概念を打破すべく
正しい設計の知識をつけていただければと思います。

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✔️間取りは土地に合わせて考える

間取りを考える上で
最も大事な要素であると言っても
過言ではないことがこれです。

例えば、
日当たりが良い南向きの土地に家を建てるとしたら、
南向きに部屋をつくり南向きに大きな窓をつくるのが
設計では当たり前とされていることですが、
間取りを見る際に気を付けなければいけないことが
「周りから自分の家がどのように見えるのか?」
ということです。

南向きの土地ということは、
南に道路があるということであり、
それは中から外の様子がよく見えるということであり、
道行く人や車からも家の中の様子がよく見えるということ
でもありますからね。
リビングからの続きでつくったウッドデッキも然りですね。

これが想像出来ていないと、
間違いなく思っていたものとは
違う家が仕上がってしまいます。

レースカーテンだけでは
あまりに丸見えが気になるとしたら、
遮光カーテンまで閉めることになり、
家の中に光が入ってこなくなるし、
以降ずっとカーテンが開けられない。
丸見えなのが気恥ずかしくてウッドデッキを全く使わない...

「言われてみると確かに」と
思っていただけたかもしれませんが、
実際にそんな家に住んだことがなければ
こんなこと想像もつかなかったのではないでしょうか。

大人気の「南向きの土地」にも
こんな想定外のデメリットがあるなんて
思ってもみないですよね。

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✔️土地にマッチしない固定概念

また「部屋は南向きでつくるべきだ」
という代表的な固定概念は
南向きの土地に限らず、
その他の土地でも設計士の頭を悩ます
困った要望となります。

日当たりが悪そうな土地で
1階の一番南にリビングを配置すれば、
冬場ほとんど光が入ってこないため
「暗い」「寒い」という家になりやすいからです。

別の場所で採光を確保しようにも、
大きな窓をつくればつくるほど隣との距離が近いと
カーテンを開けることが出来なくなりますしね。

南にリビングを配置したことによって
水回りが北に配置されることになれば、
脱衣室が寒くジメジメしやすくなるし、
室内干しで洗濯物を干しても
なかなか乾かないでしょう。

そんなわけで家づくりをする時は、
なんとなく当たり前だと受け入れてしまっている
固定概念というものを
あらかじめ打破していただくことが
初めの一歩だと考えている次第です。

固定概念がなくなれば、
劇的に色んなことが柔軟に考えられるようになりますよ。

それでは、また次回。


vol.138 ローコスト住宅が結果的に割高になる理由

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「ローコスト住宅が結果的に割高になる理由」です。

------
資材価格の高騰によって
コロナ前に比べてずいぶんと
建築費が上がってしまったのですが、
それに加えて住宅性能の更なる強化や太陽光発電の設置、
さらにインスタグラムの影響による
商品のグレードアップなどによって
銀行からの借入額がどんどん増えていっているのが現実です。

もちろん、住宅性能の強化と太陽光発電の設置は、
長期的に見ると上がった建築費を打ち消すどころか
お釣りが帰ってくるぐらい
電気料金というランニングコストを削減してくれるのですが、
とはいえ、目先だけで考えると返済負担は増えてしまうので
少しでも家づくりにかかるイニシャルコスト(初期費用)を
抑えるための工夫をしなければいけません。

ゆえ、今回は家づくりにかかる
コストを落とすための方法について
お伝えしていきたいと思います。

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これを実現するためには、
建築費を削減するだけでは難しく
土地と外構(庭の工事)にかかる
コストをも削減する必要があるのですが、
ここで難しいのがローコスト住宅の考え方に寄ってしまうと
建築費は幾分抑えられるものの、
その分土地や外構に莫大なコストが必要となり
総額で考えるとかえって
高い買い物をする結果になってしまうということです。


✔️ローコスト住宅の盲点

ローコスト住宅とは、
家のコストを最小限にするために
施工面積が抑えられるような
間取りの工夫をしているお家です。

家を真四角にするとか、
総二階建てにするとか(1階と2階の面積が同じ家)、
凸凹にならないよう間取りをつくるといった工夫ですね。
この結果、確かに家のコストは
大なり小なり抑えることが出来ます。

しかし、こういった要素を
取り入れたお家に共通していることが、
「家の外周面だけにしか窓がつけられない」
ということなのですが、
これが土地や外構にかかるコストを
大幅に跳ね上げてしまう原因となります。

土地代が高くなる理由は、
基本、日当たりがいい土地じゃないと
家の中が真っ暗になってしまうため、
価格が最も割高に設定されている南向きの土地を
買わないといけなくなるか、
あるいは南向き以外の土地である場合、
隣家との間に充分なスペースを確保しないといけないので
その分、余分に土地を買わないといけなくなるからです。

そしてこの結果、外構工事までも高くなってしまいます。
南向きの土地に南向きに大きな窓をつくってしまうと、
外から家の中が丸見えになるため、
目隠しや塀や植栽によって防がないといけなくなるからです。

また、丸見えの位置につくったウッドデッキを
有効活用出来るようにするためには、
ウッドデッキにまでも目隠しを
設置しないといけなくなるからです。

その上、家の窓には
目隠しのためのカーテンが必要になるし、
防犯のことや、台風の時に備えてシャッターも必要になるので、
相当なオプション追加工事がかかってしまいますしね。

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つまり、南向きの土地は
土地代が割高になるだけじゃなく、
同時に外構工事代も割高になり、
かつ、割安に抑えられたはずの
建築代までも結果的に割高になる。
結果、家づくりのコストが
最も上がってしまうというわけです。

これが案外知られていない家づくりの盲点なのですが、
みんなそろって日当たりがいい
南向きの土地を探そうとする結果、
南向きの土地に人気が集中し
なかなか土地が見つからなくなるし、
見つかったとしても値引きなんてしてもらえないし、
すぐに売れてしまうことから即決を迫られることになり、
家づくりのペースが乱されてしまうという
更なるデメリットを引き起こしかねません。

そんなわけで、
こういった悪い循環から抜け出していただくために
正しい間取りのつくり方について
知っていただきたいと思っている次第です。

というわけで次回は設計の考え方について
詳しくお伝えしていきたいと思います。
それでは、また次回。

vol.137 電気料金の嘘と真実

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「電気料金の嘘と真実」です。

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2022年の10月をもって
様々な電力会社が燃料調整費の上限を撤廃したことにより、
11月からオール電化住宅の電気料金が
大きく跳ね上がりました。

これを受けてこれまで無頓着だった電気料金を
意識するようになった方も多いのではないかと思いますが、
電気料金は今後もさらに高くなっていくと噂されているため、
これから家を建てる方は、
値上がり傾向である電気料金を
抑える対策をしなければいけません。

いつか終わりがある住宅ローンとは違って
電気料金は生きている限り
ずっとかかり続ける費用ですからね。

どれだけ住宅ローンの利息を抑えることが出来たとしても、
電気料金に対する知識が乏しいままでは
抑えた利息を上回る出費を強いられかねませんしね。

というわけで今回は
電気料金についてお伝えしていきたいと思います。

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✔️「高断熱高気密」だけでは解決策にはならない

まず理解しておいていただきたいことが、
家の断熱や気密を強化することは
「快適な暮らし」には大きく寄与するものの、
新築の家同士で比較する場合
電気料金の節約にはそれほど関係ないということです。

国が発表しているデータによると、
家庭の消費電力の割合の中で
冷暖房が締める割合はわずか28%しかないからです。
割合としては給湯器と同じ比率です。

1年中休みなく使用する給湯器に対し、
冷暖房は使用する期間が1年のうち半分ぐらいなので、
そう考えると信憑性の高い数字ではないでしょうか。

仮に毎月の平均電気代が
毎月15,000円だとしたら、
冷暖房が締める費用は
月平均4,200円ぐらいだということですね。

そして、たとえ超高性能住宅にしたとしても
冬の暖房の使用をなくすことは不可能なので、
ずいぶんとお金をかけて高性能化したとしても
節約出来る電気代は
せいぜい20%〜30%ぐらいのものではないでしょうか。

つまり、毎月平均1000円前後ぐらいが
高断熱高気密化によって
節約出来る電気料金だということですね。

今後50年生きるとしたら、
節約出来る合計金額が約60万円なので、
性能アップによって高くなるコストが
それ以下ならコストを上げることなく
より快適な住まいを手に入れることが出来るので
そうした方がいいという感じですね。

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✔️電気料金を抑える手段

家の性能を強化すれば、
多少の電気料金の節約をしつつ
より快適な暮らしを手に入れることが出来ますが、
とはいえ、そうしたからと言って
給湯器や冷蔵庫、そして照明器具や
その他全ての家電製品の電気料金を
節約出来るわけではありません。

ゆえ、電気料金の解決策として
「太陽光発電の設置」があります。
太陽光発電を設置すれば、
発電している間は電力会社から
電気を買わなくてよくなるからです。

電気そのものの買う量が減れば、
燃料調整費や再エネ賦課金といった
使った電気料金に付加してかかる
余分な費用を削減出来ますからね。

かつ、夜の使用電力量によっては
「蓄電池」の設置も検討してもいいでしょう。
蓄電池を設置すれば、
昼間の使いきれなかった電気を
貯めておくことが出来るため、
発電しない夜も電力会社から
電気を買う必要がなくなるからです。

つまり、発電は天候にも左右されるため
完全というわけにはいきませんが、
基本的に電気は「自給自足」するといいということですね。

現在の電気料金は基本料金が高く
それが、電気料金が落ちにくい原因なのですが、
昼も夜も電気を買わずによくなることによって、
電力会社の料金プランを使った分だけ
請求が来るプランに変更出来、
これが更なる電気料金の節約につながります。

それでは、また次回。

vol.136 家を建てると必要じゃなくなるもの

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「家を建てると必要じゃなくなるもの」です。

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家づくりに取り掛かると決めたら
現在入っている生命保険を
見直すことをオススメしています。

というのも、
家を建てるにあたりほとんどの方が
住宅ローンを利用すると思いますが、
実は住宅ローン金利の中には、
もしものことが起こった時のために
生命保険料が含まれているからです。

つまり、住宅ローンの名義人に
もしものことが起こった場合、
生命保険会社から銀行に
全額繰り上げ返済が実行されることで
ローンの残債がゼロになり
経済的な負担が大きく減る
というわけですね。

もちろん、もしものことが起こった場合、
収入が激減してしまうのも事実なので、
「そうは言っても...」と
思ってしまうかもしれません。

しかし少々辛辣なことを申し上げると、
保険料や車の維持費、
食費や生活費などの負担も大幅に減るし、
それに加えて遺族年金も支給されるため、
もしものことが起こっても、
これまで通り配偶者などが仕事を続けることさえ出来れば、
実は生活は苦しくならないどころか
むしろ楽になるかもしれないのが良くも悪くも現実です。

ゆえ、家を建てると決めたら
すぐさま生命保険の見直しに
取り掛かって欲しいと思っている次第です。

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✔️生命保険は全て解約しても問題ないのか?

とはいえ、
いきなり全ての生命保険を全て解約するとなると、
保険会社の方から猛反対を受けるでしょうし、
全力で繋ぎ止めようとされるでしょう。
また、自分自身も不安を感じると思います。

しかし、冷静に考えてみると、
「保険」が持つ最大のメリットである
「死亡保証」が必要である期間というのは、
子どもたちが親から巣立っていくまでの期間だけではないでしょうか。
子どもたちが自分で働きお金を稼ぎ出した途端、
保証は必要なくなるのではないでしょうか。
あなたのパートナーだって自分が生活していく分ぐらいなら
おそらく稼ぐことが出来るでしょうしね。

そんなわけで、
全てを解約するのが不安だという方には、
子供たちが巣立っていくまでの期間だけ、
最も保険料が安い掛け捨ての
「定期保険」に入っておくことを
オススメさせていただいています。

考えようによれば、
その期間何も起こらなければ、
掛け金を捨てるようなものとも捉えられますが、
毎月1,500円を20年入ったとしても
合計支払額は36万円なので、
その金額でもしもの時に充分に備えられると考えれば、
悪くないのではないでしょうか。

というわけなので、
家を建てる時には以上のような要素を踏まえつつ
現在入っている生命保険に
積極的にメスを入れていただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.135 これからの家づくり新常識

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「これからの家づくり新常識」です。

------
2020年に発生したコロナウイルスによる
経済的な大混乱を防ぐべく、
世界中の中央銀行が市場にたくさんのお金を放出したこと、
そして流通にも多大なる支障が出たことで
2021年以降驚異的なインフレが起こり、
原材料の多くを輸入に頼る建築業界もその影響を大きく受け、
コロナ前と比較すると25%ほど建築費が高騰しました。

金額に換算すると
500〜600万円ほどの値上がりであり、
これを35年ローンに換算すると
毎月1.5万円〜2万円ほどの負担増です。

そして一旦上がった原材料価格や人件費は
そう簡単には安くならないと思うので、
これから家を建てる方は、
建築費はこのまま高止まりした状態が
続くことを前提として
家づくりの計画を立てざるを得ない
というのが現実だと思います。

そんなわけで、こんな状況下でも
これから先ずっとお金の不安なく暮らし続けるためには
どのように家づくりをすべきなのかについて
順を追ってお伝えしていきたいと思います。

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1.マイホームがあることで
暮らしが格段に豊かになること。

2.マイホームがあることで
もしものことが起こったとしても
家族を守ってあげられること。

3.マイホームがあることで
今後さらに高騰する電気料金の
心配をしなくてよくなること。

この3つの理由から
マイホームを持った方がいいと思っているのですが、
その持ち方次第でこれからの人生が大きく変わる
と言っても過言ではないので、
より良い方向に進んでいただくために
知識を身につけていただきたいと考えています。


✔まずは資金計画をかっちりとやること!

本格的に家づくりを進めるにあたり、
真っ先にやることが「資金計画」です。

資金計画とはどのように資金調達を行い、
その調達した資金を土地、家、外構、その他諸々の経費に
それぞれいくらずつ振り分けていくのか
を決めていく作業です。

例えば、あなたが家づくりのために
貯めたお金が200万円あり、
家を建てるにあたり親御さんが
300万円贈与してくれるとしたら
あなたが準備出来る自己資金は
500万円ということになり、
あなたが払っていけそうな額から
逆算した借入額が3500万円だとしたら、
あなたの総予算は4000万円
ということになります。

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そして、まずはここから
家を建てるにあたり必要になるであろう
諸々の経費を差し引いていきます。
銀行に支払う費用、火災保険や地震保険料、
土地や建物に必要となる登記代、地盤改良費用、
新居に必要となる家電製品や家具代、
地鎮祭や引越し、ネット回線工事といった費用ですね。

仮にこれらに合計350万円必要だとしたら
先程の4000万円から350万円を差し引いた
3650万円が土地、家、庭にかけられる予算ということですね。

ゆえ、この3650万円を
住む地域やどんな家を建てたいのか
といったことをお聞きしながら
土地、家、庭にそれぞれいくらずつ
振り分けるべきなのかを決めていくのが
資金計画の大まかな流れになります。

分かりやすく1つ例に出してみると、
住む地域の土地の平均価格が坪あたり15万円だとして、
平屋を建てたいのでそれに必要な土地が60坪だとしたら
土地代に900万円ぐらいの予算を割き、
土地取得のための経費に土地価格の約10%の90万円を割き、
その広さで必要な庭の予算が坪2万円だとしたら
庭に必要な予算は120万円ということになるので、
3650万円から土地代900万円と土地取得経費90万円と
庭の予算120万円を差し引いた2540万円が
家にかけられる予算ということになる感じでしょうか。

これから家を建てる方は
家づくりを経験したことがないので、
いきなり資金計画と言われても
いまいちピンとこないかもしれませんが、
具体的な数字を出したことで
ざっくりとイメージしていただけたでしょうか?

これが資金計画というやつであり、
この計画をどのような手順で立てるのかで
今後の暮らしが大きく変わる可能性があるため、
個人的には資金計画は家づくりの最重要項目だと考えています。

まずはしっかりと資金計画の手順を
頭に入れておいていただければと思います。
この手順を間違えてしまうと
大幅に予算オーバーする可能性が高まり、
後から大変なことになってしまいますからね。

それでは、また次回。

vol.134 合理的な収納設計

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「合理的な収納設計」です。

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前回、家のコストを抑えるためには
なるべく広くつくりたいと思っている
LDK(リビングダイニングキッチン)を
むやみやたらと広げようとせず
適切な広さにすべきだというお話を
させていただいたのですが、
なるべくたくさんつくりたいという
声をよくお聞きする「収納」とて
つくればつくるほどコストに跳ね返ってくるため、
適切なつくり方を知る必要があります。

人は余白があればそこを埋めたくなる
という性質を持っているので、
収納をつくればつくるほどさらにモノが増えて
余計に片付けにくくなるかもしれませんしね。

そんなわけで今回は
コストと機能性のバランスが取れた収納をつくるために
知っておいていただきたい2つのコトについて
お伝えしていきたいと思います。

いずれもコストを上げずに
収納力をアップさせるための基礎知識なので
ぜひ最後までお付き合いください。

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コストをアップさせずに
収納力だけをアップさせるためには、
「床面積」を増やさず
「壁面積」だけを増やすように
しなければいけません。

例えば、一般的に収納の奥行きは
91cmでつくられることが多いのですが、
生活の中心となるLDK付近には
こんなに奥行きが深い収納は必要ありません。

リビングにせよ、ダイニングにせよ、
キッチンにせよ、細々としたものが多いし、
昔に比べて全てのものが薄型化しているからです。

ゆえ、本来LDK付近には、
持ち物をより管理しやすくするために
奥行きの浅い収納をつくるべきなのですが、
では、そんなのお構いなしで
昔ながらの奥行きが深い収納ばかり
つくってしまった場合、
一体どうなるのでしょうか?

間違いなく手前に出来る余白に
何かを置いてしまうことになり、
奥にあるものが取り出しにくくなるか、
あるいは奥に置いてあるものが何なのかも
スッカリ忘れてしまうのではないでしょうか。

そんなわけでSIMPLENOTEの家では、
床面積を増やすよりも
壁面積を増やすよう意識しているというわけです。

先程の例で言うと、奥行きを半分にし
その代わりに横幅を2倍にすれば、
床面積は同じのまま使える壁の量が2倍になる
という感じです。

いわばコストをアップさせずに
収納力(機能性)だけをアップさせている
という理屈です。
手前にモノが置けなくなるコトによって
持ち物も圧倒的に管理しやすくなりますしね。
まずこれが1つ目の基礎知識です。

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✔️行き過ぎた最短動線

そして、収納で知っておいてもらいたい
もう1つの重要なことが、
「通り抜け動線は収納力を低下させる」
ということです。

理由は簡単で、
「通り抜ける=廊下が出来る」
「廊下が出来る=モノが置けなくなる」からです。

例えば、
3帖のウォークインクローゼットをつくったとして、
この収納を通り抜けにせず、どん詰まりの収納にした場合、
合計約5.2m分の壁を利用することが出来るのですが、
この部屋を通り抜け出来るようにしたら
使える壁の量が半分の2.6mまで減ってしまうことになります。
廊下をつくることによって
2方向の壁が使えなくなってしまうからです。

そしてその結果、いざ暮らし出してみると
思っていたよりもモノが収まらず困った
という状況に陥ってしまいます。

そして、それでは片付かないからと
結局、通り道にモノを置いてしまい
通り抜け出来なくなってしまうなんてことも
決して珍しい話ではないと思います。

そんなわけで、
そこまで最短動線を追求する必要もないのではないか
と思っている次第です。

これまでお伝えしてきたように
なくてもいい場所を削るコトによって
家がコンパクトになれば、
それだけで動線が短くなるわけだし、
基本、平屋を建てるようにすれば、
それだけでかなり動線が良くなるわけですしね。

いかがでしたか?

収納は単純に床面積を増やせば
それだけでいいわけでもないということを
ご理解いただけたのではないでしょうか。

というわけで「収納」に関しては、
今回の記事を参考にしながら
図面をみていただけたらと思います。

これが理解出来れば、
きっとコストを上げることなく
充分な分量の使いやすい収納を
つくることが出来るはずですから。

それでは、また次回。

vol.133 適切な広さとその理由

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「適切な広さとその理由」です。

------
コロナ前と比べると
建築費が25%ほど上がってしまった現在、
その負担を少しでも軽減するためには、
家の面積を圧縮する他ありません。

そして、そのためには前回お伝えしたように
「なくてもいい場所」を削ると同時に、
部屋の広さはもちろん、収納の広さまでも
「一体どれくらいが適切なのか」
を知らなければいけません。

というわけで今回は、
「適切な広さ」について
お伝えしていきたいと思います。

寝室や子ども部屋はもちろん、
みんなが広くつくりたいと思っている
LDK(リビングダイニングキッチン)に関しても、
必要以上に広くつくれば
その分コストに直結してしまうので、
LDKに関しても言及していきますね。

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✔️寝室に広さは必要なのか?

寝室は、文字通り「寝るだけの部屋」であり、
実際、家で過ごす時間の大部分を
リビングに費やしていると思います。

また、現在の家は昔の家に比べて収納も充実しており、
実家にあるようなタンスやドレッサーを
寝室に置く必要もないし、
テレビも薄型&壁掛けになってことで
テレビを置く場所も必要ありません。
それどころか、そもそもテレビ自体が
必要なくなってきているぐらいですしね。

ゆえ、基本寝室にはベッドだけしか置かない
という前提で広さを算出するので十分ではないでしょうか。

そして、そう考えると
置くベッドの数とサイズによるものの、
セミダブルを2台並べて置いたり
シングルとダブルを並べて置くのであれば、
実は6帖もあれば十分だったりします。


✔️子ども部屋は狭くて十分?

子ども部屋に関しても、
全くもって広くつくる必要は
ないのではないでしょうか。

その最大の理由は、
子どもたちはやがて家を出ていき、
その部屋は基本「空き部屋」となるからです。

ゆえ、そのうち訪れる思春期に備えて
部屋はつくってあげた方がいいものの、
そこに多大なコストを割く必要は
全くないのではないでしょうか。

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✔️LDKを広くつくるとどうなる?

最後にLDKについて。
今や絶対的主役であるこのLDKでさえも、
闇雲に広くつくれば不用意にコストを
押し上げてしまうだけじゃなく、
別の問題の引き金になりかねないので、
適切な広さにすることをオススメしています。

では、その別の問題とは?

LDKは広くすればするほど
圧倒的な開放感を感じることが出来ます。
が、反面広くなればなるほど
空間に余白が生まれることになるのですが、
その余白の大部分は、
ダイニングスペースとリビングスペースの間に生じます。

そして、その生まれた余白スペースには
必ずと言っていいほど
人は何か物を置きたくなります。
その代表的なものが毎日使う物です。
おもちゃ、絵本、ランドセル、教科書、
習い事道具、なんなら制服やパジャマも。

これと同じ現象が起こりやすいのが
LDKに隣接してつくられる和室とキッチン前カウンターです。
和室に関しては、客間としての機能を果たすことが
年に1回あるかないかであることが多いため、
いつの間にか物置部屋になりやすいし、
キッチン前カウンターに関しては、
料理の受け渡しなんて一日わずか数分だけである上、
丁度いい高さの物置スペースとなるため、
いつの間にか所狭しと
生活雑貨が並べられてしまうかもしれません。

というわけで
無駄な余白はただただモノが増える原因となるため、
たとえ絶対的主役であるLDKでさえも
無駄に広くつくらない方がいいと思っている次第であります。

もちろん、この考え方には
反対の方もいらっしゃるでしょうし、
予算的に問題がないのであれば、
わざわざ小さくする必要はありません。

というわけで、これから家を建てる方は、
予算面も踏まえた上で
自分にとっての適切な広さについて
今一度ご家族で話し合っていただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.132 「足る」を知るということ

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「足るを知るということ」です。

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自分の気に入った家を持つことが出来ると、
日々の暮らしが豊かに感じられるので、
私たち住宅会社は出来る限りお客様の理想を叶えたい
と思っているのですが、
家づくりで常に私たちの前に立ちはだかるのが、
理想と現実との間に生じるギャップです。

つまり、気持ちを考えると
全てを叶えてあげたいと思う反面、
ローン返済や家計のことを考えると
そういうわけにもいかないため、
その落とし所をどうするのかに
常に頭を抱えているというわけです。

ネットを開けば夢が膨らむ情報が氾濫しているし、
建てる家の基準はどんどん高くなっていくし、
それに追い討ちをかけるように
インフレの影響もモロに受けている中、
それに逆行するように減っていっているのが
手取り金額というのが社会の現実ですからね。

というわけで今回は、
こんな時代の中
家のコストを増やさないようにする
たった1つの方法について
お伝えしていきたいと思います。

これは間違いなく
家のコストが落ちる最善の手段なんですが、
今回の記事をご理解いただいていないと
実行するのが難しいので、
なんとなく受け入れてしまっている
常識をリセットする意味でも
ぜひ最後まで読んでいただけると幸いです。

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✔️必要最小限を心がける

家のコストを抑えるために
最も必要なことは「建てる家のサイズを抑える」
ということです。

家のコストは使う材料や品質よりも
面積によって左右されやすいからです。
また、仕上げはSNSの普及によって、
品質は国が定める基準の向上によって、
抑えることが難しくなっているからです。

ゆえ、家を建てる時には、
面積を数字だけで判断しない
ということを心がけていただきたい
というのが私たち住宅会社の本音です。

かつ、家の面積が小さくなれば、
1坪あたりの建築コスト(坪単価)も
必然的に割高になるため、
その辺も同時にご理解いただけると助かります。

では、家のサイズを抑えるためには
具体的にどのように考えていけばいいのでしょうか。
もちろん、サイズを抑えたことで
暮らしやすさや使いやすさが
劣化したのでは全く意味がないので、
それらを一切失わないようにしつつ
実現することが大前提となります。


✔️なくてもいいものを考える

まず初めに考えるべきは、
「これってなくてもいいのでは?」
と思う場所を考えるということです。

例えば「廊下」。
ただ通るだけの場所であるだけじゃなく、
廊下があれば空気の循環も遮ってしまいますからね。
せっかく断熱と気密を強化して
家全体に温度差が出ないようにしているのに。
また、廊下が増えれば面積が増えるだけじゃなく、
ドアやスイッチの数も増える可能性が高くなりますからね。

続いて考えていただきたいところが
いわゆる「客間」と呼ばれている部屋。
年に数回しか使わない部屋のために
数百万円もお金をかけると考えると、
ちょっと勿体無い気がするからです。

SIMPLENOTEの家では基本的に子供部屋を1階につくり、
子ども部屋に客間機能も備えてもらうことをオススメしています。
親御さんが泊まりに来るとしたら
子どもたちが小さいうちだけだろうし、
子どもたちは小さいうちは親と一緒に
寝室のベッドで寝ていますからね。

いわゆる「ランドリールーム」と呼ばれる部屋も
本当に必要かどうかを考えていただきたい
と思っている部屋です。
というのも、現在のお家は
「ながら作業」がしやすいようになっているからです。

なんといっても
料理の支度をしながら...
子どもたちの勉強の様子を見ながら...
洗濯物をたたみながら...
子どもたちと一緒に遊びながら...
を実現出来る素晴らしい空間が
今やお茶の間の定番と化した広々としたLDKですからね。

ゆえ、わざわざわずか数分間の作業のためだけに
100万円以上のコストをかけるのは勿体無いではないかと
思います。

いかがでしたか?
取り急ぎ、カット出来そうなポイントを
いくつかご紹介させていただいたのですが、
「確かにそうかもなー」と思っていただけたでしょうか。

というわけで、
次回はこの続きをお伝えしていきたいと思います。
次回は「それぞれの部屋の広さ」についてです。

それでは、また次回。
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vol.131 「貯金」が出来る家づくり

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「貯金が出来る家づくり」です。

------
毎月、確実に貯金をしていくためには、
住宅ローンの負担をなるべく軽減出来るような
予算計画を立てなければいけません。

というのも、家という資産を持つと
賃貸生活ではなかった固定資産税の支払いもあれば、
火災保険費用もグンとアップするからです。

また、将来的なメンテや改装コストを
折り込んだ上で予算を立てないと、
そういった局面に立った時、
住宅ローンに上乗せして
金利が高いリフォームローンを組まざるを得なくなり、
ますます貯金が遠のいていきます。

ゆえ、自分の身の丈に合った適正な予算を算出し、
その中で実現可能な家づくりをすることが
とっても大事なんですよね。

では今回は家づくりで最も大事なことだ
といっても過言ではない
「自分の予算と建てる家のギャップを埋める方法」
についてお伝えしていきたいと思います。

ただ、これを理解したとしても、
これだけ情報に満ち溢れた中で
これを実行することは並々ならぬ忍耐強さが必要であり
相当難しいことだと思いますが、
知らないことには実行することすら出来ないので、
ぜひ最後までお付き合いただければと思います。

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✔️毎月の返済額は手取りの◯%までに

建築費が高騰してしまった現在でも、
収入が上がっているわけではないので、
本音を言うと、毎月の返済負担を
上げるべきではありません。

そして家を建てつつ貯金をしていくためには、
手取りの25%以内がベターで、
限界点が手取りの30%じゃないかなと考えています。

仮に税込年収が400万円の方なら、
手取りが月26万円ぐらいなので
ベターなのが6.5万円で限界点が7.8万円、
税込年収が500万円の方なら、
手取りが33万円ぐらいなので
ベターなのが8.25万円で
限界点が9.9万円といったところでしょうか。

なので、出来ればベターな額から
逆算した金額を銀行から資金調達し、
それに出せる範囲の自己資金を足すというのが
理想的な家づくりの予算だと思っています。

年収500万円の方なら
銀行から借りてもいい額は
2900万円前後という感じですね。
(金利1%・期間35年で試算)で
そして、これに出せる自己資金を
合わせた額で家づくりをするのが
ベターという感じでしょうか。

ただ、建築費が高騰してしまった現在、
この予算で土地を買って家を建てるのは
かなり難しい状況となっています。

ゆえ、これから家を建てる方に至っては、
住む場所を柔軟に考えることが
とっても大事なことだと考えています。

例えば、実家に土地があるのなら、
そこに建てるという選択肢も検討する。
あるいはもっと土地が安く手に入るエリアも検討する。
といったところです。
まずは土地価格を抑えることを
考えていただければと思います。

そしてその上で建築費を抑える努力も必要となってきます。
情報が氾濫している今の環境では、
設備や仕様などでコストを抑えるのが
限りなく難しくなってきているので、
住みやすさを損なうことなくコストを抑えようと思うと、
ただただ面積を抑える工夫をするしかないわけですが。

というわけで次回は、
家の面積を抑えるために必要なことについて
お伝えしていきたいと思います。

これは建てる方の理解なしでは
実現不可能なことなので、
ぜひ次回もご覧いただければ幸いです。

それでは、また次回。
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vol.130 美しいが故のシナジー効果

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「美しいが故のシナジー効果」です。

------
美しい外観は周辺環境に配慮しながら
合理的に間取りをつくることによって
必然的に得られるものですが、
家の正面は人目に晒され、
また自分たちも必ず毎日見る方向であることから
とりわけそのデザインに配慮すべき場所ではないでしょうか。

ゆえ、SIMPLENOTEの家ではどの方位が家の正面になろうとも
家の顔となる正面が美しく、
かつその美しさがなるだけ持続するように
外観を考えているわけですが、
では具体的にそのためにはどのようにし
それにどのような効果を期待しているのかについて
今回はお伝えしていきたいと思います。

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美しい正面をつくるためには
そもそも景観を損なう恐れがあるものを
正面につくらないことが大前提となるのは
もはや言うまでもないと思います。

・不均一な窓(勝手口含む)
・換気扇の外部フード
・エアコンの室外機と配管カバー
・給湯器
・樋(とい)
などが景観を損なう恐れとなるものですね。

ゆえ、正面に窓をつくらずとも
風が通るような住まいにすること、
水回りを家の正面に配置しないこと、
エアコンの位置まで考えながら間取りを考えること、
給湯器の位置も踏まえた上で水回りの位置を考えること、
太陽光発電を設置することや
樋の落ち口まで考えながら屋根の形状を考えること、
これら全てを動線や要望と並行して
考えていく必要があるんですよね。


✔️見た目が美しくなることによる利点

家の見た目が美しくなれば、
間違いなくその家で住むことが
よりいっそう楽しくなると思います。
遊びに来た友達からは褒められるどころか
きっと羨ましがられるでしょうし、
見ず知らずの人にまで褒められるでしょう。

建てられている家の多くが
デザイン的な観点が抜け落ちているので、
これが最大の利点だと思っています。

続いての利点が、
外構工事のコストを大幅に削減出来ることです。
理由は、外部に窓が少ないことで
防犯やプライバシーの担保のために
塀、目隠し、植栽などに
コストをかける必要がないからが1つ。

とりわけ塀に至っては、
家の外壁そのものが塀のような存在となるので、
立地条件によったらそもそも塀を立てる必要すら
ない場合もありますからね。

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そしてもう1つは、
家のデザインが美しければ外構工事によって
家を美しく見せようとする必要がなくなるからです。

つまり、家そのものが美しくなれば
そもそも装飾のための工事を
する必要がないということですね。

最後の利点は、
メンテナンスコストが抑えやすい
ということでしょうか。

外壁が汚れる原因となる部材を
家の正面から全て排除しているため、
美しい状態がより持続しやすくなるからです。

もちろん、これは立地条件や
使用する外壁材によっても違ってくるので
一概にそうとは言えないのですが、
とはいえ、正面から汚れの原因となる
部材の一切を取り除いておけば、
正面が汚れにくくなるのは
理屈的には正しいのではないでしょうか。

そんなわけで弊社では
「正面を美しくつくる」ことを推奨させていただいているので、
これから家を建てようとお考えの方は
こういった目線も持っていただきつつ、
ぜひSIMPLENOTEの家の施工実例をご覧いただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.129 美しさは結果論

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「美しさは結果論」です。

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採光の手段を外周面だけに限定すると、
家のコストは下がりやすいものの、
逆に土地のコストと外構のコストが上がりやすくなります。

土地のコストが上がる理由は、
充分な採光を確保するためには
隣に建つ家から適度な距離が必要なため、
その分広めに土地を買わないといけなくなるからであり、
外構が高くなる理由は、
土地が広くなる分施工面積が増えると同時に、
防犯性の強化のために塀や目隠しなどに
余分なコストを投じざるを得なくなるからです。

つまり、採光の手段を
外周面だけに限定した家の建て方は、
家の施工面積が抑えられる分
家のコストは安くなるものの、
その見返りとして土地代と外構代が高くつき、
逆に家づくり全体のコストが
高くつきやすいというわけですね。

また、外周面だけで採光を確保するという手段は、
外観が窓だらけになってしまうことから、
「外観を美しくつくりにくい」
という副作用も発症します。

結果、それを補うために
さらに外構工事に予算を注ぎ込むことになり、
更なる負担増を招きかねないという
建てる前には気付きにくい
落とし穴に直面しやすくなります。

そんなわけで、
これから家を建てようとお考えの方には、
もっと間取りづくりを柔軟に考えていただきたい
と思っている次第です。

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✔️結果的に美しくなる

「中庭」をつくると家が高くなる。
この意見は事実であり、
実際、中庭をつくることによって
施工面積が増えることから、
家のコストは確実に高くなります。

しかし、一方で下がるコストがあることも
また一つの事実です。

例えば、土地のコスト。
土地のコストが下がる理由は、
中庭から採光をとるという手段を取ることによって
隣に建つ家を気にせず家を建てることが出来るからです。

つまり、敷地に無駄な余白をつくることなく
家を建てることが出来るため
その分土地面積を圧縮出来るから、
また土地の日当たりを気にせず
土地を買うことが出来るため
その分土地の坪単価を抑えられるから、
というわけですね。

そして、そうなれば
必然的に外構工事の施工面積も少なくなるので、
外構工事のコストも削減出来ます。

また、採光を家の真ん中から取ることが出来れば、
家の外周面から採光を取る必要がなくなるため、
外周面には風を抜くための小窓しか必要なくなります。

この結果、
プライバシーの担保のためや防犯性の担保のため、
そして外観を美しくするために、
外構工事に余分なコストをかける必要がなくなることから、
後から判明する外構工事の追加コストに頭を悩ますことも
全くと言っていいほどなくなります。

つまり、家のコストは高くなってしまうものの、
土地と外構工事コストが下がるので、
結果的には、冒頭でお伝えしたような家と
そう変わらないコストか
あるいはよりコストを抑えながら
家づくりをすることが出来るというわけですね。
同時に美しい外観を確実に手に入れながら。

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いかがでしたか?
家づくりは全体コストで
考えるべきなんだなということを
知っていただけたのではないでしょうか。

そして、美しい家は
合理的な家づくりをすることによって
結果的に手に入れられるものであるという事実も
知っていただけたのではないでしょうか。

そんなわけで
これから家を建てようとお考えの方は、
今回の内容を頭に入れた上で、
家づくりに望んでいただけたらと思います。

「知っているか知らないか」
たったこれだけでこれからの暮らしが
きっと大きく変わりますから。

それでは、また次回。

vol.128 住宅ローン金利の仕組みと今後の動向

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「住宅ローン金利の仕組みと今後の動向」です。

------
今年、ついに日銀が17年ぶりに
マイナス金利を解除する運びとなりました。

これを受けて
住宅ローン金利が上がることになるため
返済に苦しむ人が増えるだろうという
ニュースをチラホラ目にするのですが、
果たして住宅ローン金利は
今後どのようになっていくのでしょうか。

というわけで今回は、
これから家を建てたいなーとお考えの方が
最も気になっていることであろう
「住宅ローン金利」について
お伝えしていきたいと思います。

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✔️住宅ローン金利は上がってしまうのか?

住宅ローンには変動金利と固定金利があるのですが、
今回の日銀のマイナス金利解除によって
全ての住宅ローン商品の金利が上がるのかというと
決してそんなことはありません。

というのも、変動金利と固定金利では
基準となる金利が違っていて
今回のマイナス金利解除の影響を受けるのは
固定金利だけだからです。

具体的な商品としては、
フラット35をはじめとして
各銀行が取り扱っている
全期間固定型の住宅ローンが1つ。
そしてもう1つが
当初10年間だけ金利が固定される
いわゆる「10年固定」と呼ばれている
住宅ローンです。

もちろん固定金利が上がれば、
少なからず変動金利も影響を受けて
上がりやすくなるのも
また一つの事実ではあるものの、
今後、変動金利が上がるとしても
まだまだ時間がかかることが予想されるので
(本当に景気が良くなるまで
変動金利は上がらないと思われます)
すでに住宅ローンを変動金利で組んでいる人が
返済が苦しくなるという報道は
まずあり得ないと思っている次第です。

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✔️これから家を建てる人はどうするべきか?

今回のマイナス金利解除を受けて、
全期間固定の住宅ローン金利は上がり
変動金利との差が1〜1.5%ほど生じるため、
全期間固定の住宅ローンは選択肢にくくなります。

全期間固定の商品は、
返済負担が上がるだけじゃなく
余分に初期費用としてお支払いする手数料が必要になるため
その分家にかけられる費用も減ってしまいますしね。

とはいえ、じゃあ変動金利がいいのかというと、
それはそれで「そうですね」とも
言いにくいのが正直なところです。

これから先の金利動向が
どうなるかは誰にも分からないし、
仮に変動金利の金利が
上がるような状況になった場合、
それから固定金利に借り換えしようとしても
商品の性質上、変動金利が上がる頃には
固定金利はずいぶん上がっているからです。

借り換えは、たとえ金利が下がり
返済負担が下がるとしても
都度、手数料や登記代といった
余分な手数料がかかることになるし、
団体信用生命保険への加入が必須となるので、
健康状態にも左右されますしね。

そんなわけで
全期間固定もオススメできないわけではありません。

もちろん、金利が高くなれば返済負担は上がるため、
それに合わせた予算設定も必要になってくるので、
これから家を建てようとお考えの方はそれも考慮した上で
資金計画を立てるようにしていただければと思います。

それでは、また次回。

vol.127 周辺環境を無視して間取りを考えていませんか?

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「周辺環境を無視して間取りを考えていませんか?」です。

------
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この分譲地のE〜Hは最も競争率が高い
南道路の日当たりがいい土地ですが、
仮にあなたがFの土地に家を建てるとしたら、
どのような要望をお伝えになるでしょうか。

この場合、一般的には出来るだけ多くの部屋を
南向きでつくりたいとお考えになると思います。
ゆえ、住宅会社はそれを実現すべく
そもそも2階建てありきで
間取りを組み立てようとします。

そして、その意図の通り
出来るだけ多くの部屋を南向きでつくり、
その部屋の南に大きな窓を
つくることになると思います。

しかし一見ベストな提案のように思える
この王道的な間取りも、
蓋を開けてみると大きな落とし穴が潜んでいます。

例えば、日当たり。
この土地で南向きに窓をつくるということは
イコール(=)家の中が丸見えになる
ということでもあります。

つまり、この間取りの弱点は、
プライバシーが担保されていない
ということなのですが、
これが様々な支障をもたらします。

まず、南向きの窓全てに
カーテンが必要となります。
視線を遮断するためにです。
そしてカーテンによって
光が遮断されてしまい
家の中が常に薄暗くなります。

それどころか、家の奥の方、
つまり北になればなるほど
もっと光が届かなくなり、
昼夜問わず照明をつけ続けて
おかないといけません。

つまり、明るいはずのお家が
暗くなってしまうという思いも寄らない現実を
突きつけられてしまうわけですが、
カーテンというアイテムは
明るさと同時に「開放感」をも奪ってしまいます。

カーテンが開けられない
ということは、
窓があることによって
感じられるはずだった
「抜け感」が感じられなくなる
ということでもありますからね。

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また、南向きの土地は
庭を道路に面してつくらないといけないため
庭も家の中同様に丸見えになってしまう
という弱点も持ち合わせています。

ゆえ、南にウッドデッキをつくっても
思っていたようには使うことが出来ない
という悲しい現実に直面します。

あるいは、どうしてもデッキを使いたい
とお考えなのであれば、
「目隠し」をつくるという手段を
百万円近いコストを捻出して行うか
の選択を強いられることになります。

そんなわけで、
間取りプランを考える時は、
周りの環境まで考慮した上で
考えなければいけないというわけですね。
本当に住み心地がいい家を建てるためには。

✔️一番の解決策とは?

では、この問題を解決するためには
一体どうすればいいのか?
それは、そもそも南向きの土地を買わないことが
実は一番の解決策だと考えています。

南向きの土地を買ったのに南に部屋を配置せず、
南に大きな窓をつけないというのは
きっと多くの方にとってハードルが高いからです。

プライバシーの担保と安定採光の
両方を実現するためには、
たとえどれだけ日当たりがいい
南向きの土地だとしても、
単純に南に部屋を配置し、
南に大きな窓をつくるという
単純なプランにはしませんからね。

そういう間取りは、
カーテンやシャッターといった
オプションもたくさん必要になるし、
確実といっていいほど外構工事にも
多額のコストが必要になるため、
土地だけじゃなく、家や庭代までも
高いものにしてしまいますからね。

そんなわけで、
これから土地選びをしようとお考えの方は、
この記事を参考にしていただき
出来れば南向きの土地は
避けていただければと思います。

南向きの土地にこだわらなければ
土地代も含めて家づくりのコストを抑えることが出来、
その分、ローンの負担を減らすとか、
より家具やインテリアにこだわっていただけますから!

それでは、また次回。

vol.126 プラン作成で最も大切な要素

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「プラン作成で最も大切な要素」です。

------
プランをつくるにあたり
お施主様の要望が大切なことは
もはや言うまでもありませんが、
それと肩を並べて大切なことが
土地の周辺環境がどうなっているかということです。

周辺環境も踏まえた上で要望をお聞きし
プランをつくるようにしないと、
プライバシーや採光に問題が発生し
外構工事代がグンと高くなるとか
カーテンが開けられなくなり
明るさや開放感を殺してしまうからです。

例えば、以下の図面は
全区画50坪に分割された新規分譲地ですが、

vol.126simplenoteblog1.jpg

この中で仮にBの土地に家を建てるとしたら
どのような間取りにされるでしょうか。

この場合、
道路から5〜6mぐらい距離を開け
駐車スペースを確保し、
少しでも光が入ってくるようにと
南から3〜4mぐらい距離を開けつつ
南向きにリビングを配置しながら
家を建てるのが一般的ですが、
正味の話、南に建つ家が2階建てだった場合
1階のリビングには
「冬」ほとんど光が入ってきません。

前に建つ家との間に
充分な距離が確保出来ていないため、
太陽高度が低い時期は
前に建つ家によって
光が阻害されてしまうからです。

また、このような建て方をした場合、
1階に寝室や子供部屋などの
個室をつくるのが難しいため、
それらは必然的に
2階に配置されることになるのですが、
そうなれば部屋の南面に突き出して
ベランダが設置されやすくなり、
そのベランダによってさらに光が阻害され
リビングの薄暗さに拍車をかけてしまいます。

西も東も家に囲まれているため
西や東から補助的に光を入れようとしても
建物によって光が阻害されるし、
窓のサイズを大きくしたとしても
隣家との距離が近いと
カーテンを開けることが出来ないため
結局、大して光が入ってきませんしね。

そんなわけで
周りが家に囲まれている土地で家を建てる場合は、
こういったことも考慮した上でヒアリングを行い、
懸念される事項の解決策とのバランスをとりながら
プランを作成していかないといけない
というわけですね。

一例としては、
どうしてもリビングを南に配置したいのであれば、
採光問題を解決するために
リビングに「吹抜け」をつくる
という手段が考えられます。

吹抜けをつくり、
より高い位置から光を採るようにすれば
1年中、前に建つ家によって
光を阻害されることがなくなるからです。

かつ、太陽高度が低くなる冬は
奥深くまで光が射し込んでくれるため、
北に配置されやすく暗くなりがちなキッチンも
明るくなりやすいし、
吹き抜けがあることによって抜け感が出るため
開放感も感じやすくなりますしね。

vol.126simplneoteblog2.jpg

また、「中庭」という手段も「吹抜け」同様に
1年中光を確保し続けることが出来る
とっても有効な手段となります。

「中庭」をつくるとなれば、
リビングは一番南ではなく
一番北に配置することになるため、
必然的に前に建つ家との間に
充分な距離が生まれるからです。

かつ、西や東に建つ家との間にも
充分な距離が確保出来るため
1日中安定的に光が入ってくるし、
家の真ん中から採光を確保出来れば
家全体に満遍なく光を届けられるので、
隣家との距離が近い外周面に
採光のための窓をつくる必要もないし、
間取りの自由度も高まりますしね。

いかがでしたか?
土地に合わせて間取りを考えることの
大切さについて「なるほど!」と
思っていただけたのではないでしょうか。

では、次回は、
この分譲地内のEの土地について
解説していきたいと思いますので、
ぜひ次回もご覧いただけたらと思います。

それでは、また次回。


vol.125 平屋の現実 その5

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「平屋の現実 その5」です。

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共働きが多くなってきた今、
家事の負担を下げたいとお考えになる方も
多くなってきていると思います。

そして、その実現の手段として
「平屋」を推奨するのですが、
今回はその理由について
お伝えしていきたいと思います。

今回の内容も、
言われてみるとごく当たり前のことですが、
言われるまで案外気がつかないことなので、
ぜひ最後までお付き合いください。

vol.125simplenotebog1.jpg

まず平屋にすることで
圧倒的に負担が減ることが
洗濯の一連の動きです。

干すにせよ、取り込むにせよ、
たたむにせよ、片付けるにせよ、
全て平面移動だけで事足るからです。

2階建ての場合は、
上と下を行ったり来たりしないといけない
可能性がグンと高くなりますからね。

ただ、平屋の場合でも
注意しておかないといけないことが、
「干場をどこにするのか?」ということです。

家の正面に干すとなると、
他人から洗濯物が丸見えになるし、
隣家との間のスペースに干すにしても、
勝手口から外に出るとなると、
その往復だけでもけっこうな手間になりますからね。

人と会う可能性も考えると、
ノーメイクやパジャマのまま
外に出ていきにくいですしね。

また、室内干しにする場合でも、
それなりにスペースを確保しないと
ギュウギュウで洗濯物を干すことになり、
これがなかなか乾きにくくなる原因となり、
半乾きの臭いが発生しやすくなってしまいますしね。

そんなわけで、平屋にする場合
洗濯物をどこに干すのかを熟慮することが
大切かと思っている次第です。

vol.125simplenoteblog2.jpg

✔️片付け・掃除も楽になる

そして「平屋」にすることで
圧倒的に負担が減るのが片付けと掃除です。

片付けの負担が減る理由は、
全ての部屋と収納が同じ階にあるから。
つまり、子どもたちのおもちゃや学校道具を
自分の部屋に片付けておけるようになるし、
家族みんなの衣類なども各々の収納に
片付けておけるようになるからですね。

2階建ての場合だと、
子どもたちのおもちゃや学校道具を
毎日2階にある自分の部屋に
持ち運びするのはほぼ不可能だし、
衣類にしても
いちいち上に持っていくのが面倒になり
そのうちリビングやダイニングに
置きっ放しになってしまいます。

掃除に関しては、
片付けがしやすいことから
掃除をする前の一手間が減るから、
そしてワンフロアなので、
お掃除ロボットに昼間働いてもらうことができます。

そして、これに加えて
もっと掃除の手間が省ける方法が一つ。
それは、埃が貯まる場所を
最小限にする工夫をするということです。

例えば、幅木。
床と壁の取り合いのところに
つける部材のことです。
これに関しては、
従来のものよりも薄型のものが
製品として出ているので、
これを使うことを推奨しています。

また、ドアを天井の高さに合わせると、
ドア枠の上にたまる埃がなくなるし、
窓枠もなくしてしまえば、
窓枠の上にたまる埃もなくなります。
かつ、カーテンがいらないように
間取りを設計すれば、
カーテンレールにたまる埃もなくなるし、
カーテンの掃除をする必要もなくなります。

カーテンをなくすことが出来れば、
窓の数を最小限にすることが出来るし、
そうなれば窓掃除もずいぶんと楽になりますしね。

そんなわけでSIMPLENOTEの家は、
「間取りに一工夫を加えた平屋」を
オススメさせていただいているというわけですね。

いかがでしたか?

平屋は老後に良いとよく言われますが、
それは当たり前として、
実は子育て期間中こそ
「平屋が最強」なんじゃないかとよく思います。

間取りさえ間違えなければ、
便利なのはもちろんのこと、
超快適にも暮らせますしね。

というわけなので、
これから家を建てる方は、
平屋という選択肢も持ちながら、
家づくりに臨んでいただければと思います。

それでは、また次回。


vol.124 平屋の現実 その4

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「平屋の現実 その4」です。

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「家の中の温度環境」という点でとらえると、
昔の家に比べて今のお家は
はるかに「快適」になりました。
「ガラス」も「壁」も
断熱性能が格段にアップしたからです。

その上、脱炭素の流れもあって
更に断熱性能の強化が進んでおり、
これから家を手に入れる方は、
暑さ・寒さに関しては
極上のものを手に入れることが出来るわけですが、
なおのこと「平屋」はその恩恵を多く受けられるんですよね。

では今回は平屋の快適性について
お伝えしていきたいと思います。

vol.124simplenoteblog1.jpg

まず冒頭でお伝えした恩恵を
平屋の方が多く受けられる理由についてですが、
これは極めて単純で部屋が上下階に分かれないからです。
つまり、2階建てに比べて空気が循環しやすいからです。

ゆえ、2階建てのお家で
上下階で生じる温度差をなくすために
よく設置している数百万もする
空調システムを設置する必要もなくなり、
その分コストも浮くことになるという
恩恵も享受出来ることになります。

そんなわけで平屋は、
「快適性」という点においても、
またコスト的な面においても
2階建てを凌駕するわけですが
とはいえ、ただ家の中の温度環境が優れているだけでは
充分に快適であるとは言えません。

✔️快適性の鍵は「プライバシーの担保」

巷では、いわゆる高性能住宅さえ建てれば
快適性が担保されたように言われていますが、
実際はそうではなく、快適性を語る上では
プライバシーの担保を外すことが出来ません。

例えば、南からの光さえたくさん入れられれば、
明るく快適な家になると
なぜが自然と思い込んでしまいがちですが、
そのために南向きの土地を買い、
南向きに部屋をたくさんつくり、
南にたくさん大きな窓をつくってしまうと、
一体どのような状況になるのでしょうか。

想像してみてください...
部屋の中に入ってき過ぎる直射日光が眩しすぎて
かえって居心地が悪くなりそうだと思いませんか?
テレビは見にくいわ、家具やインテリアが焼けるわ、
やたらと暑いわ、という状況になりますからね。

また、このような間取りは
他人から家の中が丸見えになるため、
カーテンなしでは
とてもじゃないけど家の中で落ち着いて過ごせません。

結果、当たり前のようにカーテンをつけ、
それを開けることは
窓を開けて換気をするわずかの時間しかありません。
また、眩し過ぎる直射日光が
カーテンだけで防ぎきれない場合、
シャッターまで下ろすことになります。

そして、家の中は当初の計画とは裏腹に
薄暗くなってしまいます。
それどころかキッチンや脱衣といった
明るくあって欲しい場所が照明なしでは使えないほど
暗い場所になってしまいます。

果たしてこのようなお家を快適だと言えるのでしょうか。
ゆえ、平屋で快適性を高めるためには、
プライバシーが担保された間取りを
つくることが必要不可欠なんですよね。
もちろんこれは2階建てのお家においても
同じことが言えますけどね。

この大切さは、
残念ながら多くの方が建てる前には気づかず、
建ててから気がつくことだと思います。

なので、これから家を建てる方は
すでにお家を建てた方の家に一度お邪魔させていただき、
実際暮らしてみてどうなのかと
実際家の中は明るいのかなどを
その目で確かめてから間取りについて
考えていただくことをオススメします。

快適性の鍵は確実にここにあるはずですから。
それでは、次回。

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vol.123 平屋の現実 その3

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「平屋の現実 その3」です。

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前回、前々回と建築コストはもちろん
土地コストも外構コストも上げずに
平屋を建てる方法についてお伝えさせていただきましたが、
SIMPLENOTEの家が平屋を推す理由は
製品の良さを語る上で欠かせない
「安全・快適・便利」の3要素全てに
非の打ち所がないからです。

というわけで、
ここからはこの3つの要素についての
具体的な説明をしていきたいと思います。

言われてみると
ごく当たり前なことばかりなのですが、
言われるまで案外気づかないことでもあるので、
引き続きお付き合いいただけると幸いです。

まず「安全」ということから
お伝えしていこうと思うのですが、
これは大きく分けると
「耐震」と「防犯」という2つの要素があります。

vol.123simplenoteblog1.jpg


✔️最も大切な構造の安定

「耐震」に関しては、
2階建てに比べて平屋が強いのは
「言わずもがな」ではないでしょうか。

地震が起こった時も
2階建てより揺れを感じにくいし、
トラックやバスといった
大型車が家の前を通った時も
2階建てのように揺れを感じないし、
台風時に強烈な風を受けたとしても
2階建てのように揺れを感じませんからね。

理由は、平屋は重心が低く構造が安定しているから。
2階建てのように上からの荷重が大きくないから。
かつ、2階建てのように
壁のバランスが「ちぐはぐ」になりにくいからです。

なんせ2階建てのお家は
2階に細かく部屋をつくるのに対し、
2階を支える1階には大空間のLDKをつくるため、
上下階の壁量バランスが悪くなりやすい上、
充分な採光を確保したいLDKには大きな窓を設置するため、
さらに2階を支える壁が減ってしまうわけですからね。

かつ、採光を確保した南面に大きな窓をたくさんつくる反面、
冷気の侵入を防ぎたい北面には窓をほとんどつけないため、
壁のバランスもより「ちぐはぐ」になりやすいですしね。

そんなわけで
こういった耐震を悪くしてしまう要素が少ない平屋は、
そもそも構造的に優れているわけですが、
これは大きな地震の時に
家族や自分の命を守るだけじゃなく、
他にもメリットをもたらしてくれます。

例えば、天然で構造が安定していれば
2階建てのように「制震ダンパー」を設置することによって
頼りない耐震性を補強する必要がありません。
結果、40〜50万円ほどかかる
余分なコストを払う必要がありません。

また、大型車両の通行や強風を原因とする
日常的な振動をほぼ感じることがなく、
耐震性が劣化しにくいというのも
平屋ならでは、の特徴ではないでしょうか。
つまり、高い耐震性が継続してくれるため
必然的に耐久性も高くなるというわけですね。

vol.123simplenoteblog2.jpg


✔️安全性に欠かせない防犯の高さ

そして安全性を語る上で
もう1つ大切な要素が「防犯の高さ」だし、
とりわけ平屋となると
2階建て以上に神経質になるべきところが
この防犯性だと思うのですが、
これを実現するためには
自分たち以外の人に間取りを判別されない家にすることが
最良の手段ではないでしょうか。

窓の形を見ただけで間取りが分かってしまうとか、
電気がついているかいないかで
どこにいるかが分かってしまうとなると、
決して防犯性が高いとは言えないし、
その対策としてセコムやアルソックといった
警備会社のシステムをつけるという選択もありますが、
これも余分なコストが必要になってくるし、
塀や目隠しなどによって防犯性を高めるという方法も
その効果に見合わないぐらい
莫大なコストだけがかかるだけですからね。

ゆえ、SIMPLENOTEの家は
窓の形を見ただけで間取りが分からない家を
提案させていただくようにしているし、
どの部屋の電気がついているのかも
全く分からないようになっています。

結果、セコムやアルソックといった
警備会社のシステムを設置する必要もなければ、
塀や目隠しといった無駄にコストが上がる工事も
全く必要ありません。
かつ、家の外観もスッキリしお洒落なお家になります。

これが高い安全性を実現するために
設計で配慮しているポイントですね。

では「安全」についての説明はここまでにして、
次回は「快適」についてお伝えしていきたいと思います。
快適性の関しても「言われてみると確かに」
というところがあるので
次回もまた読んでいただけると幸いです。

それでは、次回。


vol.122 平屋の現実 その2

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「平屋の現実 その2」です。

------
平屋は2階建てに比べて
面積を小さくしやすいことから、
実質2階建てと同じぐらいか
あるいは安く建てることも出来るので、
「平屋の建築が可能な土地である場合
前向きに平屋を考えてください」
というお話を前回させていただきました。

しかし、平屋には平屋なりの懸念点がいくつかあり、
当然それらをクリアしないと
かえってあまり良くない家に
なりやすかったりするのも事実です。

というわけで今回は
「平屋の懸念点とその解決方法」
についてお伝えしていきたいと思います。

平屋を建てるにあたり懸念されることの一つが、
「家の中に光が届かない暗いスペースが出来やすい」
ということです。

平屋の場合、家の大きさによっては
採光が確保出来る外周面に
接しないスペースが出来やすいからです。

ゆえ、暗いスペースをつくらないようにするために、
外周面からの採光量を増やそうと窓の数を増やしたり、
サイズを大きくしたりするのですが、
この作戦は新たな問題を引き起こします。

プライバシーと防犯の問題です。
窓を大きくすれば外から家の中が丸見えになるからです。

結果、今度はそれを防御するために
カーテンやシャッターを全ての大きな窓に
設置することになるのですが、
これがまた家の中に暗いスペースをつくってしまう
という問題を再び引き起こします。

カーテンをしていても
窓の近くは光が入ってくるのでそれなりに明るいものの、
その光が奥の方まで拡散していきにくいからです。

また、採光を確保するためには
隣に建つ建物から充分な距離が必要となるのですが、
単純に2階建ての倍近い建坪が必要な平屋だと
それなりに土地を広くしないとそれもなかなか実現出来ません。

ゆえ、20〜30坪ほど土地を広く購入せざるを得なくなり、
土地代に数百万円余分にお金がかかり、
さらに外構工事費までも数百万円余分にかかることになります。

外構工事費が余分にかかるのは、
単純に工事面積が増えてしまうだけじゃなく、
プライバシーと防犯問題を解決するための
工事もそれなりに必要となるからです。

要するに平屋は家の価格は上がらずとも、
土地と外構の価格が上がってしまうため
結局、予算が高くつきやすいというわけですね。

vol.122simplenoteblog1.jpg


✔️土地も外構も予算を上げない方法

この問題を解決するためには、
光の採り方を工夫するしかありません。

例えば、家の真ん中から光を採り、
真ん中から隅々まで拡散するように間取りを設計すれば、
家の中に暗いスペースが生まれることはありません。

外周から光を採れば、
それに伴って他人の視線まで入ってきてしまうのに対し、
家の中に外をつくりそこから光を採るようにすれば、
他人の視線は完全にシャットアウト出来るため、
カーテンをする必要がなくなるからです。

そして、採光が安定すれば
外周部からは光を採る必要がなくなるので、
風を抜く程度の小さな窓だけ設置すれば
それだけで機能的にも事足ります。

結果、プライバシーや
防犯の問題も完全に解決出来ます。

また、家の真ん中から光を採るということは
「=全ての方位で隣の建物から充分な距離が確保出来る」
ということでもあるので、
敷地いっぱいに家を建てても
家の中が暗くなる心配もありません。

結果、土地を無駄に広く買う必要もなくなるというわけです。
かつ、外構工事にも余分なコストをかける必要もなくなる
というわけです。

vol.122simplenoteblog2.jpg

いかがですか?
口頭だけの説明では少し分かりにくいかもしれませんが、
なんとなくはご理解いただけたでしょうか。

もしこんなお家をご覧になりたいと思っていただけたなら、
いつでもお家を見ていただけるので、
お気軽にご連絡いただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.121 平屋の現実 その1

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「平屋の現実 その1」です。

------
「平屋は高い」というイメージがあることから、
ホントは平屋にしたいのに
最初から諦めている方も決して少なくないと思います。

実際、2階建てのお家に比べて
価格に割高感があるのは確かだし、
原材料費の値上がりによって
なおその肌感覚が強くなっているような気もします。

しかし、感覚的ではなく論理的に考えてみると、
実のところ平屋と2階建てとの間には、
そう大きな価格差が生まれるわけではないので、
その理由について今回はお伝えしていきたいと思います。

これをご理解いただき、
平屋の建築が可能な土地であれば、
平屋を前向きに考えてみてください。

結論から申し上げると、
平屋が高くなり過ぎないのは
「2階建てに比べて面積を圧縮出来るから」ですが、
ではなぜ平屋は2階建てに比べて
面積が圧縮出来るのでしょうか?

vol.121simplenoteblog1.png


✔️2階建てにあって平屋にないもの

まず考えていただくところがこれです。
例えば「階段」。
2階建てには100%必要で、
平屋には100%不必要なスペースです。
実は階段は上下階合わせると2坪(=4帖)必要なので、
これがなくなればその分家はコンパクトになりますよね。

続いてが「トイレ」。
これも2階建ての場合は、
上下階ともに必要となりがちですが、
平屋になれば基本1つでいけますよね?
(2つ欲しいという方もありますが)
となると、1帖(=0.5坪)分、
さらに家をコンパクトにすることが出来ます。

まずはこれが、面積が圧縮出来る要素ですね。
このほか平屋は2階建てに比べて
「廊下」を少なくしやすいので、
設計によってはさらに面積を圧縮出来たりします。

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✔️2階建てと平屋の決定的な違い

平屋と2階建てには違いがいくつも存在しますが、
その中でも僕自身が決定的に違うなと感じるところが
「家の使いやすさ」です。

2階建ては、
掃除にせよ、片付けにせよ、洗濯にせよ、
上と下とを行ったり来たりしないといけないのに対し、
平屋の場合はすべて平面移動だけで事が足りるからです。

また、当たり前のことですが
平屋は子ども部屋も1階にあるため、
2階建てに比べて圧倒的に
子ども達が自分の部屋を使いやすくなります。

結果、リビングに散乱しがちな
子ども達の勉強道具や遊具などを
自分達の部屋に片付けやすくなるし、
衣類なども同様ではないでしょうか。

そんなわけで何が言いたいのかというと、
子ども部屋と寝室以外の
余分な部屋をつくる必要がないということです。
2階建ての場合にかなり高い確率でつくる
「客間」的な意味合いが強い部屋のことですね。

2階建ての場合は、
子ども達が小さいうちの「収納的」な意味合いと、
親御さんが泊まりに来た時の「寝所的」な意味合いと、
やがて迎える老後の「寝室的」な意味合いを兼ねて
つくらざるを得ませんからね。

そんなわけで、平屋にすると決めた時点で
この部屋代は丸々浮くと考えていただいて支障はないと
思っている次第であります。
4.5帖〜6帖(2.25坪〜3坪)といったところでしょうか。

いかがでしたか?

こうやって冷静に考えてみると
実は、平屋は2階建てに比べて
ずいぶんと面積を圧縮することが出来るため、
2階建てとそう変わらないか、
あるいは安く建てることが出来たりするんですよね。

ただ、平屋の場合は間取りのつくり方が
2階建て以上に難しいのもまた一つの事実なので、
次回は「平屋の懸念点」について
お伝えしていきたいと思います。

それでは、次回。

vol.120 適切な土地面積を知る方法 2階建て編

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「適切な土地面積を知る方法 2階建て編」です。

------
過去3回に渡り「平屋」を建てることを前提として、
自分がどれくらいの広さを求めているかを
具体的に数字にしていただいたのですが、
家の広さをご理解いただくと共に、
必要な土地の広さもご理解いただけたのではないかと思います。

ただ、たとえ空前の平屋ブームが訪れているとはいえ、
みんながみんな平屋を求めているわけじゃないし、
全ての地域で平屋を建てることが出来るわけではないので、
今回は「2階建てバージョン」でお伝えしていきたいと思います。

イメージとしては、
土地面積が45坪未満だと
2階建てになってしまうかなと考えているので、
前回までとはちょっと角度を変えて、
45坪の土地ー(余白10坪+駐車場スペース13.5坪(4.5坪×3台)
+デッキスペース3坪)=18.5坪が1階部分となる
2階建てのお家がどんな感じになるのかについて
お伝えしていきますね。

vol.120simplenoteblog2.jpg


✔️18.5 坪=37帖の1階部分

それでは、玄関から一つ一つ考えていってみましょう!
まず外玄関に1帖、内玄関と玄関ポーチにそれぞれ1帖ずつ、
そして土間収納に1帖の合計4帖必要だとすると、
残りは33帖になりますよね。

続いて、水回りです。
トイレは1つで1帖、お風呂は1坪タイプで2帖、
洗面スペースに1帖、
脱衣スペースに2帖必要だとしたら
水回りの合計は6帖になりますよね。
そして、残りは27帖ということになります。

では続いてLDKです。
対面式のキッチンに4人掛け(90cm×150cm)の食卓を置き、
3人掛けのソファー(80cm×200cm)を置く場合、
ちょうどいい広さは16帖なのですが、
このLDK内に階段をつくるとしたら
階段スペースを加算しないといけないので、
2帖をプラスした18帖が
LDKスペースとして必要な広さとなります。

というわけで、
27帖から18帖を差し引くので残りは9帖となります。

vol.120simplenoteblog1 .jpg


✔️2通りの考え方

では残り9帖では
どのようなスペースをつくることが出来るのか?

考え方の1つは、
寝室と収納を1階につくるということです。
仮にセミダブルベッドを2台置くとか、
シングルとダブルを組み合わせるとか、
あるいは布団を敷いて寝るのであれば、
寝室は6帖あれば充分なので、
残りの3帖は収納スペースとして確保することが出来ます。
そして、子ども部屋+@を2階に持っていくという感じですね。

もう1つの考え方は、
寝室と収納を2階につくり、
子ども部屋を1階につくるということです。
9帖ということは4.5帖を2室つくるイメージですね。

この場合、
1階に充分な収納をつくることが出来ませんが、
子ども部屋が1階にあるため、
子ども達のものや常時着用する衣類などは
この部屋に置いておくことが出来ます。

ゆえ、この部屋さえ有効活用出来れば、
LDKがそう散らかることもないのではないでしょうか。

子ども達だって親の気配が感じられない2階より
親の気配どころか姿まで見ることが出来る1階の部屋の方が、
自分の部屋を使いやすいでしょうしね。

ただこの考え方の中には
廊下が含まれていないので、
プライバシーも考えて廊下が欲しいと思っている方なんかは
また違った考え方をすることになります。

いかがでしたか?
なんとなくイメージしていただけたでしょうか。

今回は、分かりやすく
説明させていただくために
土地の広さから逆算して考えてみたのですが、
土地を探す時は、どんな家にしたいかを
ある程度明確にした上で必要な土地の広さを算出する
という流れになるかと思います。

なので、土地を探す前に
まずは自分が建てたい家や広さを
ある程度明確にしていただくために
ぜひこの考え方を覚えておいていただけたらと思います。

それでは、次回。

vol.119 適切な土地面積を知る方法 続々編

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「適切な土地面積を知る方法 続々編」です。

------
前回、前々回と
適切な家の広さを把握していただくために、
玄関回り・LDK・水回り・収納
について考えていただきましたが、
ある程度明確な数字は出てきたでしょうか?

そして今回は締めくくりとして
寝室や子供部屋などの「個室」について
考えていくつもりなのですが、
今回が終わった時点で
必要な家の広さが明確に分かることになるので、
ぜひ最後までお付き合いいただければと思います。

「個室」の広さを知るにあたっては、
そこに何を置くのかが重要な点となるので、
何を置くつもりなのかをぼんやりと想像しながら
考えてみてください。

vol.119simplenoteblog1.jpg


✔️寝室=寝るだけの部屋?

寝室の広さを知る上でまずお聞きしたいことが
ベッドで寝るのか?それとも布団を敷いて寝るのか?
ということ、
そしてベッドで寝る場合
どのサイズのベッドをどう配置するのか?
ということです。

ベッドの選択肢としては
シングル・セミダブル・ダブル・クイーン
の4種類が考えられますが、
長さは全て2mが標準的なものの、
標準的な横幅はシングルが90cm、セミダブルが120cm、
ダブルが140cm、クイーンが180cmとまちまちなので、
ベッドで寝ようとお考えの方は
どのベッドをどのように置くかを考えてみてください。

また、寝室にベッド以外のものを置く予定があるのかも
広さを考える上で必要な情報となります。
ドレッサー、チェスト、テレビなどを
置く予定があるかどうかですね。

では、寝室にはベッド以外なにも置かない、
そしてベッドはセミダブルを2台並べて置くという場合、
どれくらいの広さが必要なのでしょうか。

この場合、120cm×2台となるので
ベッドが占領するスペースは
240cm×200cmということになりますが、
これが入る広さは一体どれくらいでしょうか。

4.5帖=260cm×260cm
6帖=351cm×260cm
7.5帖=442cm×260cm
8帖=351cm×351cm
9帖=533cm×260cm
10帖=442cm×351cm

さて、あなたなら
どのサイズをお選びになるでしょうか。
この場合、4.5帖では流石に厳しいので、
6帖以上ということになりますよね。

というわけで、
以上の内容やサイズなどを考慮しながら
寝室の広さを算出してみてください。

基本的には寝室はただ寝るだけの部屋なので、
必要最小限でいいとは思っています。
家の広さはコストに直結するからです。

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✔️子ども達はいつか出ていくもの

続いて、子ども部屋について考えてみましょう。
子ども達は遅かれ早かれ出ていくものなので、
この部屋もまた必要最小限でいいと思っています。

また、親の気持ちとしては、
子ども部屋は人数分つくってあげたいと思うのですが、
部屋を増やせばその分コストがアップするので、
部屋を増やしたいなら一つ一つの部屋を小さくするか、
部屋を小さくするのに抵抗があるなら
部屋数を最大2つにするのがいいと思っております。

というわけなので、
先程の寝室同様にどんな家具を置くのかを想像しつつ、
先程記載させていただいた部屋の広さを参考にして、
また前回の収納のことも考慮しつつ
広さを考えてみていただければと思います。

いかがでしたか?

この他「書斎」が欲しいというご主人や
「ランドリールーム」が欲しいという奥さま
もいらっしゃると思うので、
その場合はここまでで出てきた数字に
2帖もしくは3帖を足していただけたらと思います。

また間取りのご要望や立地条件によっては、
1帖もしくは2帖程度の廊下が
出来てしまうこともあるかもしれないので、
この段階ではその数字も加算しておいてください。

そして、ここまでの内容を網羅していただくと
最低限必要な広さがお分かりいただけると思うので、
ぜひ出てきた数字を前々回の冒頭の式に当てはめてみてください↓
「家の周囲(10坪)+車1台(4.5坪)×台数
+家の1階部分の面積+デッキの広さ」

これで導き出された数字が
あなたが選ぶべき土地の広さということです。
それでは、また次回。

vol.118 適切な土地面積を知る方法 続編

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「適切な土地面積を知る方法 続編」です。

------
自分が建てたい家の1階の面積を
ある程度把握しておくと、
適切な土地面積を導き出しやすいので、
前回からそれを算出するための
質問をさせていただいているのですが、
前回の「玄関周り」と「LDK」に続き、
今回は「水回り」と「収納」、そして「客間」についての
ご質問をしていきたいと思います。


✔️洗面・脱衣・風呂・トイレ

洗面と脱衣については
分けてつくるか?それとも分けずにつくるか?
お子さんに女の子がいるか?と女の子の数、
主に室内干しで考えているか?
それとも室内干しはせず外に干すのか?
あるいは「カンタくん」などの
乾燥機を主に使用するつもりなのか?
これらによって必要な面積が違ってきます。

例えば、女の子が複数いるとしたら割と小さいうちから
小さな洗面台ではものが溢れ出してしまうし、
洗面台を使用する時間も長いため、
朝の混雑した時間帯とっても邪魔だったりします。

ゆえ、通常洗面スペースは1帖なのですが、
女の子が複数いらっしゃる方には、
2帖をオススメさせていただく場合があります。
2帖あれば、棚にも色々と陳列出来るし、
隣に並んで身支度出来ますからね。

洗濯機を置く脱衣室に関しては、
室内干しされる場合は干すスペースのことを考えると
最低でも2帖はあった方がいいし、
全て室内干しという方に至っては
出来れば3帖あった方がいいと思います。

逆に、室内干しの比率が低い方や、
「カンタくん」などの乾燥機を主に使う方なんかは、
2帖もあれば充分だし、
場合によったら洗面も含めて
2帖〜2.5帖あれば充分かもしれません。

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続いてはお風呂です。
お風呂に関してはズバリ2択ですね。
1坪タイプにするか?
それとも1.25坪タイプにするか?です。
1坪=2帖なので、要は2帖でいいのか
それとも2.5帖必要なのかってことですね。

この広さの違いは浴槽ではなく洗い場の広さなので、
洗い場が広い方が良いという方は、
2.5帖タイプを選ばれるといいかもしれませんね。

トイレに関しては
1ヶ所でいいのか?それとも2ヶ所必要なのか?
そして手洗いをどうするのか?で面積が変わってきます。

便器と一体になったタンクについた手洗いでいいという方や、
タンクレスだけどトイレから出たところに洗面をつくる方や、
小さな手洗いがあればいいという方は1帖あれば充分なのに対し、
ホテルやお店のように洒落た手洗いスペースを
トイレ内につくりたい方なんかは1帖では心許ないので、
1.5帖ほど必要かもしれません。

というわけで、以上の内容を参考にしながら
水回りスペースの面積を考えてみてください。



✔️集中型か個別型か

では続いて「収納」について考えていきたいと思います。
収納に関しては集中型がお好みなのか?
それとも個別型がお好みなのか?
でつくり方が違ってきます。

集中型とはいわゆるファミリークローゼットのことで、
要は、全員の衣類や持ち物を
同じ場所で管理するってことですね。
一方で個別型とは
個人個人でそれぞれ衣類や持ち物を管理するために
部屋ごとに収納をつくるということですね。

個別の場合、
4人家族がそれぞれに1帖ずつ収納をつくるとしたら
合計で4帖分収納が必要ということですね。
あるいは、夫婦の収納を
ウォークインクローゼットにしたい場合は、
「子ども達の人数×1帖+W.I.Cの広さ」が
収納に必要な場所ですね。

また、収納に関しては
季節ものや日用品などをどこに置いておくのかも
考えておかないといけないので、
前回の広々としたパントリー収納を
つくっていない方なんかは、
衣類や持ち物収納とは別に
納戸的な収納が必要かもしれません。

なので、自分の家の荷物量と
どうやって管理していくのかを考えつつ、
必要な広さを導き出していただけたらと思います。

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✔️「客間」という保険は必要なのか?

では、最後に客間について考えていきたいと思います。
ズバリ客間に関しては、
平屋の場合は不必要ではないでしょうか。

仮に親御さんが泊まっていく場合でも、
わざわざそのために一つ部屋を用意しなくても
子ども部屋を使ってもらえばそれで済むからです。

それか、そんなシチュエーションになった場合、
親御さんはお互い気を遣わなくていいように
近くのホテルを取る可能性もあります。

そんなわけで、
基本的には必要ないと思っているのですが、
コストがかかったとしても
やっぱり欲しいとお考えの方は、
4.5帖か6帖という広さで
客間をカウントしていただければと思います。

いかがでしたか?
今回もある程度具体的に数字を導き出せたでしょうか?
では、次回は寝室・子ども部屋・書斎などの
個室について考えていきたいと思います。

それでは、また次回。

vol.117 適切な土地面積を知る方法

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「適切な土地面積を知る方法」です。

------
土地探しをする時、
自分に必要な土地の広さを理解していないと、
かなり高い確率で無駄に広く
土地を買ってしまいます。

結果、土地取得費用も高くつくし、
後々ずっと必要となる固定資産税も
高く払い続けることになるし、
余白が増える分、
外構工事費用も高くつくことになります。

ゆえ、そうならないために
土地探しをする前に土地予算を算出すると同時に、
探していただく土地の広さも
算出することをオススメしています。

というわけで今回は、
探すべき土地面積の計算方法について
お伝えしていきたいと思います。

計算方法は
「①家の周囲(10坪)+②車1台(4.5坪)×台数
+③家の1階部分の面積+④デッキの広さ」
と極めて単純なものなのですが、
③だけは1人で算出するのが難しいと思うので、
今回から数回に渡ってその方法について
「平屋」を建てると仮定してお伝えしていきますね。

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✔️玄関周りの広さ

まず考えていただきたいのが
「外玄関、内玄関、玄関ホール、土間収納」の広さです。
外玄関とは玄関ポーチのことで、
濡れないように屋根を設ける部分ですね。
ここは最小限で良いという方は、
1帖で考えていただくといいと思いますが、
もっと広くしたいなーという方は、
2帖もしくは3帖で考えていただくといいかと思います。

内玄関についても、
最小限で良いかなという方は、
外玄関同様に1帖でいいかなと思うのですが、
もっと広めが良いとお考えの方は
1.5帖もしくは2帖になるかと思います。

玄関ホールについても内・外玄関同様ですね。
ここも1帖でいいと思っているのですが、
これまた広い方がいいという方は、
1.5帖もしくは2帖で考えていただくといいかと思います。

土間収納(シューズクローゼットも兼ねる)については、
何をどれくらい置くかで広さが違ってきます。

例えば、釣りやキャンプといった
荷物が少々嵩張るような趣味がなく、
そこには靴とベビーカーぐらいしか置かない
という方に至っては1帖もあれば充分かと思います。

なんせ1帖あれば、
仮に棚を6枚設けたら
大人の靴で50足近く置けますからね。
2帖になればさらに靴が
35足置けるようになりますが、
流石にそこまで必要な方は
そういらっしゃらないと思うので、
その余ったスペースに釣り道具やキャンプ用品を
置くことが出来ると思います。

ゆえ、土間収納は
1帖もしくは2帖あれば充分かと思っているし、
最大でも3帖あればいいのではないでしょうか。

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✔️LDKの広さ

では、玄関周りが分かったところで、
LDK(リビングダイニングキッチン)
の広さについて考えていきましょう。

ここに至っては、
誰もが広ければ広いほど良いとお考えだと思いますが、
広くし過ぎてしまうと、どこかで調整しなければ
その分家のコストが上がってしまうし、
広くしたことで余白が生まれればそこに物を置いてしまい
かえってゴチャゴチャした空間になりやすいので、
ここもまた適切な広さを知ることが大切だと考えています。

ここで考えていただきたいことは、
キッチンは対面型がいいのか?そうじゃなくていいのか?
パントリー収納は必要なのか?
ダイニングテーブルを置くのか?
置く場合、4人掛けなのか6人掛けなのか?
ソファーは置くのか?
置く場合3人掛け程度の大きさにするのか?
L型の大きなものにするのか?
1人掛けのソファーチェアーも置くのか?などです。

対面型のキッチンにしつつ、
4人掛けもしくは6人掛けのダイニングテーブルを置きつつ、
3人掛け程度のソファーを置くとしたら
16帖が適切な広さだと思っているし、
L型の大きなソファーを置いたり、
3人掛けのソファーとは別に
1人掛けのソファーチェアーを置くとしたら
18帖が適切ではないかなと思っています。

そして、パントリー収納が必要なのであれば、
その求める広さを足してみてください。
弊社がよくしている冷蔵庫も家電も隠せるぐらいの
バックヤード的収納にするなら
3帖もしくは4帖必要となるし、
そうじゃなく冷蔵庫や家電は隠さず、
単純に食品ストックや食器類だけを置くパントリー収納なら、
1帖もしくは2帖もあれば充分だと思います。

いかがでしたか?
ざっくりでいいので、とりあえずここまでで
どれくらいの広さが必要そうなのか算出出来たでしょうか?

では今回はここまでで、
次回は洗面や脱衣などの水回りから
はじめていこうと思っているので、
どんな感じにしたいのか頭を整理しておいてくださいね。

それでは、また次回。


vol.116 家づくりの幅を広げるための提案

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「家づくりの幅を広げるための提案」です。

------
「南向きの土地」は
一般的に最も人気がありますが、
SIMPLENOTEのお家では、特に南向きをオススメはしません。

理由は4つ。
1つ目は、土地の価格が高いから。
2つ目は、外構費が高くなるから。
3つ目は、外観がかっこよくなりにくいから。
4つ目は、設計が難しいから。
です。

というわけで今回は、
この4つの理由について
もう少し詳しくお伝えしていきたいと思います。

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まず1つ目の
「土地の価格が高いから」ですが、
これは単純に「日当たりがいい土地=いい土地」
という価値観が浸透していることに尽きると思います。

つまり、みんながこぞって
「日当たりがいい南向きの土地」を
買おうとするからこそ
必然的に価格が高く設定される
というわけですね。
かつ、欲しい人が多いこの土地は
値引きをする必要もありませんしね。

そんなわけで、南向きの土地は
そのエリアで最も割高に価格が設定され、
ほぼ100%と言っても過言ではないぐらい
不動産屋さんの言い値で取引されているんですよね。

2つ目の「外構費が高くなるから」については、
南向きの土地はプライバシー性を担保するための工事が
必要となる可能性が高くなることが予想されるからです。

南向きでつくった部屋の丸見えを防ぐ。
南向きでつくったデッキの丸見えを防ぐ。
南向きでつくった庭の丸見えを防ぐ。
などの一手間をかけなければ、
カーテンを閉めたままの薄暗い家で暮らさないといけないし、
せっかくデッキを作ってもほぼ使うこともないでしょうからね。

そんなわけで、南向きの土地は
必然的に外構工事費も高くつきやすいというわけです。

3つ目の「外観がかっこよくなりにくいから。」については、
なぜ外観がかっこよくなりにくいかと言うと、
南向きの土地は生活感が前面に出やすいからです。

洗濯物を干すのも家の正面になりやすいし、
庭も家の裏ではなく正面につくりますしね。
また、南向きの土地だと部屋を南につくり
南に大きな窓をつくるところまでが
設計のワンセットとなっていますが、
それらの窓には全てほぼ確実にシャッターが設置されるため、
これもまた外観がかっこよくなりにくい一つの要因となります。

では最後に「設計が難しいから」について
お伝えしていきたいと思います。
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✔️強力な南向きバイアス!

南向きの土地の設計が難しい理由は、
まさにこのバイアスが超強力だからです。

つまり抜群に日当たりがいい
南向きの土地を買ったんだから、
その恩恵を最大に受けるために
部屋も窓も南向きでつくることが
当たり前となっているがために、
それを崩した設計をすることも難しいし、
また出来たとしても理解してもらうことが難しい
というわけですね。

そんなわけで、先程お伝えしたように
外観がかっこよくなりにくいし、
外観のかっこ悪さと丸見えをカバーするために
外構工事に巨額の費用をかけざるを得なくなるんですよね。

そして、土地代も含めて
全て割高な買い物をすることになり、
結果、予算が最も膨らむという
結末を迎えることになります。

端的にまとめさせていただいたのですが、
SIMPLENOTEの家が「南向き」の土地を
オススメしない理由について
ご理解いただけたでしょうか?

もちろんこの考え方に反論がある方も
たくさんいらっしゃると思うし、
決して既成概念通りの家の建て方が
ダメだというわけでもありません。

ですが、こういった考え方もある
ということを知っておいていただくと
確実に家づくりの幅は広がると思うので、
安易に否定するのではなく、
一度頭の中で咀嚼いただければ幸いです。

それでは、また次回。

vol.115 バイアス解除のススメ

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「バイアス解除のススメ」です。

------
周りを見渡してみると
ほとんどの家がそうなっているように、
家を建てるとなれば、
日当たりがいいところに部屋を配置し、
そうじゃないところに
部屋以外を配置するものだという
当たり前が存在します。

そして土地の方位や環境などは
どこ吹く風と言わんばかりに、
どんな土地であっても
このもっともらしい論理になぞって
設計プランがつくられていくのですが、
もちろん、この結末がいいものになることは
必ずしもそうでありません。

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例えばこの論理が最もしっくりきそうな
南向きの土地の場合、
日当たりがいい場所に全ての部屋を配置すると
部屋には直射光がたっぷりと
入ってくるのは間違いありません。

しかし、光が眩し過ぎること、
熱も入ってき過ぎること、
台風の直風がモロに当たること、
そして、なにより家の中が丸見えなり過ぎること、
などの困った理由から
大きな窓には全て基本的に
カーテンとシャッターがセットで必要になってきます。

そしてカーテンはおろか、
立地によったらシャッターまでも
ずっと閉めた状態にしているという光景も
よくお見かけするのではないでしょうか。
つまり、何のために大きな窓をつくったのやら・・
という状態になっているというわけです。

庭につくったウッドデッキだって
丸見え過ぎることから
全くと言っていいほど使っていない、
というか使いたくても使えない
状況になるかもしれません。

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次に北向きの土地で考えてみます。
この場合、南に部屋をつくったとしても
よほど土地に奥行きがない限り
南からの光が充分に入ってきません。
北向きの土地では基本すぐ南に家が建っているからです。

また、南に部屋を配置すれば
必然的に水回りが北に配置されるのですが、
この結果、正面である北面に
窓や換気扇や給湯器といった部材が
設置されることになります。
つまり、家の顔となる正面が不細工になりやすいというわけです。

では、東や西向きの土地はどうでしょう。
これらの土地に共通して言えるのは、
家の正面に丸見えになる
大きな窓を設置する可能性も低いし、
景観を乱す水回りも正面になりにくいということですが、
北向きの土地と同じように
日当たり面で支障が出やすいのが特徴です。
基本すぐ南に家が建っているからです。

ゆえ、この場合も単純にこの論理になぞって
間取りを決めるのは懸命な選択だとは言えません。

また、すぐ南に家が建っているということは、
「=家の裏側がよく見える」ということでもあるので、
南に大きな窓をつくった場合、
いい景色を窓から臨むことは皆目出来ないことも
もはや言うまでもありません。

そして、この問題を解決するために
外構工事により多くのお金を
かけざるを得ないということになります。
南向きの土地以外は庭の景観をよくするために。
南向きの土地はプライバシーを担保するために。


✔️根本的な解決策を知っておく

冒頭でお伝えした論理は、
それを適用して問題がない土地なら
そうしていただいても何の問題もありませんが、
ここまでお伝えしてきたように、
よほど広い土地じゃない限り、
必ず何らかの支障が出るのは間違いありません。

つまり、最適なプランというのは
セオリーだけで成り立つのではなく、
「土地」そのものが持つ個別の条件によって
大きく左右されるということですね。

ゆえ、家を建てる時には
こういった当たり前のように認識されている
様々なバイアスを一旦解除することをオススメしています。

そして、家を建てる土地の前に立ち、
周囲の環境をよく観察してみてください。

これらがバランスよく考えられれば、
きっと本当に住みやすい家を
建てることが出来るようになるはずです。
もちろん、美しいデザインも両立しながら。

それでは、また次回。

vol.114 多面的に捉えることの大切さ

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「多面的に捉えることの大切さ」です。

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例えば、東向きの土地に家を建てるとしたら、
光を遮る建物がない東に部屋を配置し、
採光と風通しのための窓をつくるのが一般的です。

しかし、この場合、
何点か注意しておかないといけないポイントがあり、
それらを知らないまま建ててしまうと
思っていたのとは違う家が出来上がってしまいます。

まず注意すべき点は、
エアコンの室外機を置く場所が
どこになるのかということです。

東向きの土地で
東にしか室外機が置けないとなると、
家の正面に室外機が置かれると同時に、
エアコンの配管カバーまで見えてしまうからです。

ゆえ、図面を見る時には
エアコンをどこにつけるのかということも
一緒にチェックするようにしてください。

続いて、注意すべき点が
換気扇がどこにつくのかということです。
換気扇はトイレや脱衣などにつける
排気のためのものだけじゃなく、
各部屋につける給気もあるからです。

ゆえ、エアコンのチェックと共に
換気扇の種類と製品がどこにつくのかも
チェックするようにしてください。

細かいようですが、
外部につく換気扇のカバーも
景観を乱す原因となるものだし、
壁から突起した部材は全て外壁を汚す原因となり、
それが正面だとただただ汚れが
目立つことになりますからね。

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最後に注意していただきたいことが、
そこにつける窓が充分な採光と風通しを
もたらしてくれるのかということです。

闇雲に窓のサイズを大きくしても
透明ガラスだとカーテンが必ず必要になるし、
かつカーテンを開けることが出来なくなります。

また、カーテンが開けられないということは
イコール窓も開けられないということでもあるので、
基本、風を取り込むことも出来ません。

ゆえ、窓に関してもその場所ごとに
どのような形状がベターなのかと
どのようなサイズがベターなのかも
しっかり考えていかないといけないということも
覚えておいていただいた方がいいかと思います。

窓もカーテンも開けられないでは、
そこに窓をつくった意味は
「皆無に等しい」わけですからね。

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✔️設計図の見方を知っておくことが大事

ここまでお伝えしたようなことは
こうやって言われてみると
ごく当たり前なことのように
お感じになると思いますが、
現実は決してそうではありません。

例えば、間取り提案の時に
お見せする立面図(外観図)や立体パースなどには、
エアコンの室外機まで記載しないし、
もちろん換気扇の外部カバーなんかも
記載されることはありません。
かつ、雨樋も記載されていません。

つまり、実際建ってみたら
結構ゴチャゴチャしそうなのに、
プラン上は割とスッキリ見えてしまう
ということですね。

ゆえ、この問題を解決するには
ご自身でしっかり想像していただくか、
あるいは、そういった細かい部材まで
図面に反映して出してもらうか
のいずれかを選択するしかありません。

また、窓に関しても
平面図だけを見ていたのでは
99.99%設置すべき窓を間違えてしまうと思います。

窓はただサイズを大きくしたから
その分光量が増えるわけではありません。
たとえ計算上は増えるとしても、です。
また、数を増やしたから
その分光量が増えるわけでもありません。
たとえ計算上は増えるとしても、です。

風通しに関しても、
同じ部屋に2ヶ所窓をつけたから
単純に風が通るわけではないし、
開口を大きくしたから
その分取り込める風量が増えるわけでもありません。

これらに関しても、
家の中や外からどのように見えるのかを
想像していただくことが
なにより大事なのは
もはや言うまでもないと思います。

そして、そこまで考えつつ
窓の形やサイズ、そしてガラスの種類などを
一つ一つ考えていかないといけません。

というわけなので、
本当に暮らしやすい住まいや
本当に景観が美しい家をつくるためには、
平面図(間取り図)だけを
見ていてはいけないということ、
そして間取りや動線だけじゃなく
外観との兼ね合いなども
一緒に見なければいけないということを
ぜひ覚えておいていただければと思います。

それでは、また次回。

vol.113 適切な部屋の広さの導き出し方

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「適切な部屋の広さの導き出し方」です。

------
せっかく家を建てるんだから、
これからの暮らしに困らないように
収納もたっぷりと欲しいし
なるだけ家も広くしておきたい...
誰もがそうお考えになると思います。

もちろん予算的に問題ないのであれば
広さも含めてやりたいことを
詰め込んだ方がいいと思うのですが、
なかなかそういうわけにはいかない
という厳しい現実に直面している方も
決して少なくないのではないでしょうか。

ましてや現在は資材高騰の影響を受け
20%ほど建築費が上がっているので、
広さに関してはグンと削らないといけなくなっている
というのが率直な感想です。

そんなわけで今回は、
「適切な広さ」というテーマで
お伝えしていきたいと思います。

おそらく、ほとんどの方に
「確かにそうだよね」と
共感いただける内容であるとともに、
この内容をご理解いただくと
自然と家のコストを縮めることが出来ると思うので、
ぜひ最後までお付き合いいただければと思います。

では、早速1つ1つ広さや必要性について
検証していってみましょう!

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✔️寝室の適切な広さ

今は、寝室に隣接してか、
あるいは寝室からそう遠くない場所に
ウォークインクローゼットをつくるのが
スタンダードになっているし、
かつ、テレビ離れが加速していることから、
わざわざ寝室にまでテレビを置かないか、
あるいは、置くとしても場所を取らない
壁掛けにされる方が多いため、
寝室には基本ベッドしか置かない
という方が圧倒的多数だと思います。

となると置くベッド寸法と台数さえ
あらかじめ分かっていれば、
自ずと寝室の広さをどれくらいに
すればいいのかが分かります。

例えば、置くベッドが
セミダブルが2台だとしたら、
ベッドが締める面積は
横2m40cm(1m20cm×2台)、
縦2mということになりますが、
実は6帖あればこれらを置くことが出来ます。

6帖という広さは、
3m51cm×2m60cmだからです。
つまり、3m51cmに対して2m40cmを置けば
1m11cmも余白が出来るし、
2m60cmに対して2mを置けば
60cm余白が出来、
通るだけならそれだけで
充分なスペースが出来るからです。

そんなわけで
寝室の広さを決める時は、
このように考えていただければと思うし、
子供部屋に関しても同じように考えていただければ、
闇雲に大きくすることもなくなるかと思います。

子供部屋に関しては、
シングルベッド(90cm×2m)と勉強机を
置くか置かないかという感じでしょうかね。
子供たちはいつかは家を出ていくので、
その点も加味しつつ考えてみていただけたらと思います。


✔️客間の必要性

仮にあなたが建てる家を
2階建てだと決めていて、
かつ寝室と子供部屋を2階につくる
と決めているのであれば、
1階にはLDKの他に
もう1つ部屋をつくっておいた方が
いいと思います。

1階にLDKしかないと
子供たちが小さいうち
LDKが荷物でごった返すことになるし、
足腰が悪くなった時、
生活そのものに困ることになるからです。

他方、平屋を中心に間取りを考えると
全ての部屋と収納が1階に集結するので、
寝室と子供部屋以外に部屋を
つくる必要がなくなります。

そしてそれだけで、
200万円ぐらい家のコストを
カットすることが出来ます。
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✔️LDKの適切な広さ

LDKは過ごす時間がダントツで長く、
一番重要な場所であることから
出来ればここだけはやりたいようにしてもらいたい
と思っているのですが、
とはいえ、こことて広くなれば
その分コストは上がってしまうため、
あらかじめ適切な広さを知っておいていただくことが
大切かと思います。

もちろん、ここもどんな家具を置くかによって
適切な広さは変わってくるのですが、
仮にあなたが望むキッチンが対面型で、
家族そろって食卓で食事をし、
大きなソファーでくつろぎたいとお考えであれば
16帖という広さが適切だと思います。

なぜ18帖や20帖ではなく14帖でもないのか?
理由は14帖だと食卓とソファーの間に
全くゆとりがなくなるし、
18帖より大きくすると、
食卓とソファーの間にゆとりが出来過ぎ、
そこが荷物置き場と化しやすいからです。

また、人は隙間があると
そこを埋めたくなるという習性を持っており、
これが意味することは
どれだけゆとりをつくったとしても
全力でそこを埋めようとしてしまうということです。

つまり、リビングを広くつくると、
そこにチェストなどの家具を置きたくなり、
置いたが最後、
今度はチェストの中を埋めたくなり、
次から次へと物を買って
出費が増えると同時に、
どんどん物も増えていき管理出来なくなる。

その上、チェストをはじめ家具の上は
ちょこっと物が置きやすいため、
書類やら物が溢れる原因にもなりますしね。
リビングやダイニングの辺りには
細々した物が多いわけですしね。

というわけなので、
これから家を建てようとお考えの方は、
前回の収納と共に今回の内容も
ぜひ参考にしていただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.112 収納と建築コストの関係性

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「収納と建築コストの関係性」です。

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建築コストが高止まりしている現在、
少しでもコストを抑えながら家を建てるためには、
家の面積を抑えることが欠かせない要素ですが、
そのためには図面の見方を知っておく必要があります。

というのも、平面図(間取図)を
上からずっと眺めていると
部屋は狭いような気がしてくるし、
収納に至っては少ないような気しかしないからです。

つまり、その不安から
本来縮めないといけないのに、
逆に広げてしまう可能性が
高くなってしまいます。
そして、限界ギリギリまで
ローンを組まざるを得なくなります。

ゆえ、今回は図面の見方について
お伝えしていきたいと思います。

vol.112simplenoteblog1.png

例えば、収納のポテンシャルは
「床面積」というよりは、
「壁面積」によって違ってくるのですが、
これを知らないまま家を建ててしまうと
単純に「床面積」だけを
増やそうとしてしまいます。

そして床面積を増やした代償として
建築コスト上昇のダメージを
モロに食うことになります。
2帖の収納を追加でつくれば、
単純に70〜80万円ほど
コストアップするという感じですね。

2帖もの収納を追加でつくると
入り口をどこにつくるかでも
分量は変わってくるものの、
一般的には1段あたり2.93m
物が置けるようになるので、
仮に棚板を4枚設置したとしたら
5段トータルで14.65mも
物が置ける場所が増えるので
かなりな収納アップにはなるんですけどね。

これが「床面積」増加による
収納力アップという方法ですね。

一方で「壁面積」を上手く使えば
コストを増やすことなく
先程の床面積アップと同等か
あるいはそれ以上に収納力を
アップさせることが出来ます。

例えば、6帖のお部屋は
長手方向が有効寸法で3m51cm、
短手方向で2m60cmの部屋ですが、
この短手方向に窓をつくらず
一面を壁にした場合、
この壁面全てを収納として
使うことが出来るようになります。

つまり、1段あたり2m60cm
物が置けるようになるので、
先程の2帖の収納より少し劣るものの
ほぼ同等近く物が置けるということですね。

あるいは、
長手方向に棚を設置するとなると、
1段あたり3m51cm
物が置けるようになるので、
先程の2帖の収納以上に
物が置けるということですね。

もちろん、床面積は
全く増やしていないので、
コストアップも必要ありません。

とはいえ、この場合
部屋の中に棚を設置するため
部屋の有効寸法がその分小さくなるので、
それが嫌だという方もいらっしゃるかもしれないし、
収納が丸見えになるので、
隠すために「扉をつけたい」となり、
そうなれば扉1枚あたり4万円ぐらいの
コストが必要になるので、
計12〜16万円はコストが
アップしてしまいますが。

それでも
わざわざ別で収納をつくるのに比べたら
ずいぶんと割安です。

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✔️利便性VSコスト

そして収納を考える上で
知っておいていただきたいことがもう1つ。
それは、通り抜け動線や回遊動線は
「壁が有効に使えなくなる」ということです。

つまり、床面積の割に
収納のポテンシャルが低くなる
というわけですね。

例えば4帖のウォークインクローゼットは、
壁面積を有効に活用すれば
1段あたり7mもの棚を設置することが出来るのですが、
仮にこの収納を通り抜け出来るようにしてしまうと、
その分量が一気に半減してしまいます。
片側の壁しか使えなくなるからです。

要するに、通り抜け動線にすると、
名目上は4帖収納があるんだけど、
実質は2帖分の収納しかないのと
同じになってしまうというわけなんですよね。

ゆえ、確かに利便性は上がるものの
本当に通り抜け動線にする必要があるのか?
を考えていただきたいと思っています。

わずか数歩でも毎日のこととなれば大きい
という気持ちもよく分かります。
より使い勝手がいい家にしたい
という気持ちもよく分かります。

ですが、現在の建築費を考えると、
通り抜け動線にした場合ぐらいの
収納力でなんとかなるなら、
通り抜け動線をやめて
収納を2帖にしてもいいのではないでしょうか。

単純にそれだけで
コストを70〜80万円も
縮めることが出来るからです。

というわけなので、
これから家を建てようとお考えの方は、
こういった知識もお持ちになった上で
間取りを決めていって
いただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.111 一戸建てしか果たせない役割

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「一戸建てしか果たせない役割」です。

------
いくつかの原発が再稼働することになると
電気料金の値上がりは若干緩和されるかもしれませんが、
とはいえ、今後も電気料金は値上がりの方向で進むと
考えておいた方がいいと思います。

というのも、脱炭素と電力供給の安定のために
今後もさらに太陽光発電をはじめとした
再生可能エネルギーが普及していくため、
電気料金に上乗せされている
再エネ賦課金はますます高くなっていくし、
自動車のEV化が本格的に進んでいけば、
さらに電気の消費量が上がることが予想されるからです。

ゆえ、私たちは
高騰が予想される電気料金への対策を
早いうちから講じなければいけないのですが、
では、そのためには一体どうすればいいのでしょうか。


✔️太陽光発電の設置

まずやるべきことがこれです。
太陽光発電の普及が始まった10年ほど前は
電気料金がまだ安かったため、
発電した電気を売るために
太陽光発電を設置していたのですが、
現在は、当時に比べて電気料金が
ずいぶんと高くなっているため、
売るよりも買わないという選択を取ることで
負担を減らすという理屈です。

そんなわけで、これから家を建てる人みんなに
太陽光発電をつけることをオススメしています。
太陽光パネルの発電は25年という
電化製品の中では異例の長さの保証がついているし、
その年数が経過した後も、発電効率は若干落ちるものの、
それなりに働き続けてくれる可能性が高そうですしね。


✔️蓄電池の設置

まずは太陽が出ている間の
電気料金を買わないという選択を
取っていただくわけですが、
可能であれば太陽が出ていない間も
電気を買わないという選択を取っていただく方が
なお良いと考えています。
そして、そのために必要なツールが「蓄電池」です。

蓄電池を設置しておけば、電力会社から
ほぼ電気を買う必要がなくなります。
なので、巷の電気料金が上がろうが
全く気にする必要がありません。

また、自然災害を原因とする
停電が起こった場合も、
全く不自由を感じることもありません。

さらに、これから購入する車を
電気自動車にした場合、
その車の燃料代だって必要なくなります。

ゆえ、会社が遠い方なんかは、
蓄電池を設置すると同時に、
電気自走車に買い替える方が
圧倒的に家計が楽になるんじゃないかと
思っている次第です。

電気自動車は少し価格が高いものの、
かなり多額の補助金も出るし、
税金だってかなり割安ですしね。

というわけで、
高騰していくことが予想される
電気料金をヘッジするためには、
太陽光発電はもちろん、蓄電池の設置と
場合によったら電気自走車に
チェンジしていただくのが
良いんじゃないかと思っている次第です。

電気料金は住宅ローンと違って
生涯払い続けないといけない費用なので、
対策を講じたか講じていないかで
とてつもなく家計のゆとりに
差が生まれてくるでしょうしね。

とはいえ、蓄電池はまだ価格が高いため
あくまで設置した方がいいかどうかは、
太陽光発電同様にシュミレーションした上で
決めた方がいいです。
(あくまで採算が合うかどうかで決めるということです)

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✔️一戸建ての所有が唯一の手段

このセットを実現するためには
住むところが自ら所有する一戸建て
であることが絶対条件となってきます。

分譲マンションはおろか、
賃貸マンションや賃貸アパートも
自分のために太陽光発電も設置出来ないし、
蓄電池や電気自走車の充電器も設置出来ないからです。

住むところを考える時は、
一戸建てを持つことを前向きに考えたほうがいいと思っています。

ただし、その場合注意すべきことは予算です。
というのも、現在は建築費が高騰しており、
かつ、そのコストも高止まりした状態が続きそうだからです。
また、土地に至っても災害が予想される地域での建築が
今後どんどん厳しくなっていきそうで、
そうなれば建築代に加えて土地代まで高くなりそうだからです。

かつ、太陽光発電のパワコンや蓄電池なども
寿命とともに買い換えないといけないので、
それらのメンテコストも含めた長期的な目線を持って
家づくりの予算計画を立てていただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.110 住宅ローン金利の仕組みと今後の金利動向

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「住宅ローン金利の仕組みと今後の金利動向」です。

------
昨年12月、日銀が誰もが予想してなかったタイミングで
「長期金利」の利上げをし、
その後も「長期金利」はジワジワと上昇し続けています。

これを受けて、
長期金利に連動する住宅ローン金利が上昇傾向にあるのですが、
果たして住宅ローン金利は今後どのようになっていくのでしょうか。

というわけで今回は、
これから家を建てたいなーとお考えの方が
最も気になっていることであろう
「住宅ローン金利」について
お伝えしていきたいと思います。

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✔️住宅ローン金利はどうなるのか?

今回の日銀の利上げによって
全ての住宅ローン商品の金利が上がるのかというと
決してそんなことはありません。
変動金利と固定金利では
金利を決定する要素が違うからです。

変動金利は、
銀行が融資に問題がないと判断した
信用力の高い優良な企業に融資をする際に
適用される返済期間1年以内の金利を
参考にして決定するのに対し、
固定金利は「長期金利」を参考にして決定するからです。

つまり、現在金利が上がっているのは
長期金利を参考にして決定される
固定金利だけというわけですね。

具体的な商品としては、
フラット35をはじめとして
各銀行が取り扱っている全期間固定型の住宅ローンが1つ。
そしてもう1つが、当初の10年間だけ金利が固定される
いわゆる「10年固定」と呼ばれている住宅ローンです。

もちろん固定金利が上がれば、
少なからず変動金利も影響を受けて上がりやすくなるのも
また一つの事実ではあるものの、
まー、今の状況だと変動金利が上がることは
しばらくの間ないと思うので、
すでに住宅ローンを変動金利で組んでいる人が
返済が苦しくなるということはまずあり得ません。


✔️これから家を建てる人はどうするべきか?
長期金利の利上げに伴って
全期間固定型の住宅ローンと10年固定の住宅ローンは
すでに上昇してしまいましたが、
全期間固定型を選んだ方が安心できると考えています。

これから先、インフレや金利の動向が
どうなるかは誰にも分からないし、
仮に変動金利の金利が上がるような状況になった場合、
それから固定金利に借り換えしようとしても
商品の性質上、変動金利が上がる頃には
固定金利はずいぶん上がっている可能性が高いからです。

借り換えは、たとえ金利が下がり返済負担が下がるとしても
都度、手数料や登記代といった余分な手数料がかかることになるし、
団体信用生命保険への加入が必須となるので、
健康状態にも左右されますしね。

そんなわけで、
そんな心配や煩わしい手間がかからない全期間固定型の商品を
選んでおいた方が安心と思っている次第です。

もちろん、金利が高くなれば
多少なりとも返済負担は上がるし、
全期間固定金利を選んだ場合は
借入時に余分な手数料がかかってくるので、
これから家を建てようとお考えの方はそれらも考慮した上で
変動金利と比べて、予算計画を立てるようにしていただければと思います。

それでは、また次回。
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vol.109 家づくりに潜むリスクとヘッジ対策

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「家づくりに潜むリスクとヘッジ対策」です。

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2024年以降に新築した家に入居することになる方は、
少なくとも省エネ基準を満たした家にしていないと
住宅ローン控除が適用されなくなります。

住宅ローン控除とは、新築してから13年の間
借入金額の年末残高の0.7%を上限に
税金を還付してくれる制度で、
仮に銀行から借りたお金が3500万円で
1年目の年末残高が3400万円だとしたら
3400万円×0.7%=23.8万円を上限に
税金を返してくれるということですね。

年収が500万円で
払った所得税が15万円だとしたら
年末調整の時に全額国が返してくれて、
控除しきれていない分(8.8万円)は
住民税から控除されるというイメージです。

そして13年間を合計すると
もちろん所得や借入によっても違うのですが、
260万円から±40万円ぐらいの
税金が返ってくるという感じですね。

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ゆえ、これから家を建てる方は、
最低でも省エネ基準を満たし、
出来ればZEH水準もしくは長期優良住宅・低炭素住宅を満たした
住まいにしなければいけないのですが、
もちろん、そうなれば申請費用とグレードアップ費用で
家の価格は高くなってしまいます。

現在の資材高騰によるコストアップと合わせると
コロナ前と比べるとざっと500万円〜600万円アップ
といったところでしょうか。

結果、コロナ前までは
1500万円で建てることが出来ていた家は
2000万円〜2100万円となり、
2000万円で建てることが出来ていた家は、
2500万円〜2600万円となり、
2500万円で建てることが出来ていた家は、
3000万円〜3100万円になってしまったという感じです。

要するに、これから家を建てる方は、
もはや1000万円代で家を持つことが
出来なくなってしまったというわけですね。

これを受けて家を建てる方と私たち住宅会社が
共に知恵を絞って考えなければいけないことが、
これだけのレベルの負担増を
どうやってヘッジしていくのかということです。

500万円予算が上がったのは仕方ないからと、
単純に借入を増やすという選択を取れば
15,000円も負担が増えてしまうだけですからね。


✔️負担軽減策その1

まず検討すべきことが、
土地を買わないという選択です。
つまり、どこか使える土地があるのなら、
そこを使うことを前向きに考えるということですね。

土地を買わなくていいとして、
かつ土地にかかるコストも一切負担しなくていいとなれば、
かなり大幅に負担が減るからです。

ゆえ、この選択肢がある方は、
最優先で考えて欲しいと思っている次第です。

今後は電気自動車が急速に普及する可能性が高いので、
それに備えて、家を建てると同時に
太陽光発電と蓄電池さえ設置しておけば、
すぐさま電気自動車に乗り換え出来、
そうなれば通勤距離が遠くなったとしても
むしろ燃料代の負担は減ることになるので、
多少、不便な地域に住んだとしても
金銭的な負担は上がることもありませんしね。


✔️負担軽減策その2

どうしても土地を買わないといけない場合、
負担を増やさないためには、
土地の価格を抑えつつ家の価格も抑えなければいけません。
このどちらかだけでは賄いきれないからです。

ゆえ、住む地域を変えるとか、
買う土地の面積を小さくするとか、
部屋の広さや数を見直すことで
家の面積を出来るだけ小さくするとか、
やりたいことを絞ることで
出来るだけグレードアップを防ぐなどを並列で検討しながら
家づくりを進めていくことをオススメしています。

かつ、馬鹿にならない外構工事のコストも
出来るだけ抑えられるような
土地の選び方と間取りを考えることも
忘れてはいけない大切な要素ですね。


✔️負担軽減策その3

最後にご紹介するのは、
ローンの返済期間を最大に延ばしつつ、
生命保険、学資保険、医療保険を見直し、
積立投資に可能な限りお金を入れていただく
という戦略です。

負担軽減策1はもちろん
負担軽減策2も出来ないという方は、
この状況を難なく乗り越えていくには
この策を講じることも考えてください。

ローンの期間を延ばす理由は、
積立投資に回す資金余力を高めるために
毎月の返済負担を少しでも抑えるため。
3つの保険を見直す(解約・減額)理由も、
積立投資に回す資金余力を高めるため。

積立投資を考える理由は、
銀行や保険にお金を預けていても
全くお金が増えないため。
いや、それどころかインフレが進めば、
お金の価値が目減りしてしまうかもしれません。

たとえ家を持つことが出来ても、
その後の暮らしが苦しくなったのでは、
家を持ったことを後悔すると同時に、
家族の関係まで悪化してしまいます。
これでは本末転倒です。

なので、これから
家を建てようとお考えの方は、
かつてない厳しい状況の中、
建てなければいけないということを
ご理解いただくと共に、
少しでも負担が軽減出来るよう
よく考えて、慎重に家づくりを
進めていっていただければと思います。

それでは、また次回。
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vol.108 光と色の特性を活かす

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「光と色の特性を活かす」です。

------
安定的に家の中を明るく保ち続けるためには、
直射光と天空光を上手に使い分けた方がいいということを
前回お伝えさせていただいたのですが、
入ってきた光を効率よく家全体に拡散していくための工夫も
同時に必要なことです。

例えば、SIMPLENOTEの家では室内の壁のほぼ全てを
「白」で仕上げるようにしているのですが、
この理由は「白」が最も光を反射し拡散してくれる色だからです。

また、壁同様に天井も
基本「白」で仕上げるようにしています。
もちろん、光の拡散効果を狙ってです。

さらに、室内に使用するドアも
壁同様に「白」を基本としているのですが、
これに加えて、室内のドアは全て
凹凸のないフラットなデザインにしつつ、
天井と高さをそろえるようにしています。

理由は、壁とドアを一体化させた方が、
空間がよりスッキリと見えること、
そして、天井と高さをそろえれば
ドアの上に出来る垂れ壁がなくなり、
抜け感が出ると同時に、
反射光をより遠くまで運んでくれるからです。

こうして天空光を中心に採り込んだ優しい光を
家全体に拡散させていくという感じですね。

このように安定した状態で
明るさを保ち続けるためには
間取りだけじゃなく仕上げにも工夫を施すのですが、
弊社の家の特徴である中庭の
壁を白で仕上げていることが多いのも、
もちろん光の反射効果を狙ってです。

直射光を反射させた光を
中庭を通して室内に届けることが出来れば、
たとえ日当たりが悪い場所に部屋を配置しても、
安定した明るさを保ち続けることが出来るからです。

ゆえ、中庭につくる窓は
基本、大きいサイズを採用しているし、
かつ、窓の高さもドア同様に
天井と合わせるようにしています。
こうすれば、より多くの光を
室内に届けることが出来るからですね。
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✔️明るさの最大の秘訣

以上のような手法を使い
どんな土地でも安定した状態で
明るさを保ち続けられるような
住まいづくりを提案しているのですが、
言わずもがな、
これを実現するために最も心がけていることが、
「カーテンありきの窓」をつくらないことです。

外からの丸見えを防ぐために
カーテンをしなければいけないとしたら、
99.99%カーテンが開けられる日が
訪れることはないからです。

つまり、大なり小なり
侵入してくる光を殺してしまい、
自然光だけで日中過ごすのが
難しくなってしまうというわけですね。
そして、四六時中照明が必要な暮らしを強いられます。

また、カーテンありきで窓を考えると、
採光に不安が残ることから、
不用意にたくさん窓をつくってしまいます。
そして、窓のコストが上がると同時に、
カーテンのコストまでもさらに余分に必要になります。

かつ、窓が増えることによって
耐震性が悪くなり、断熱性が悪くなり、
窓掃除の手間が増えることになり、
戸締りの不安が増えることになり、
外壁の汚れが増えることになり、
家具や家電の配置がやりにくくなり、
設計段階では分からない様々な支障が
暮らしの中で生じることになります。

ゆえ、SIMPLENOTEの家では、
可能な限りカーテンがいらない窓をつくるようにしています。
カーテンが必要になる時は、視線を遮るためではなく、
入ってき過ぎる直射光を遮るため程度という感じでしょうか。

世間一般とは違った考え方かもしれませんが、
これを知っているかどうかで
家づくりの幅が大きく変わってくるので、
これから家を建てられる方は、
ぜひこの考え方も頭に入れておいていただけたらと思います。

それでは、また次回。
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vol.107 直射光の呪縛から脱出する

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「直射光の呪縛から脱出する」です。

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家を建てる方の多くが、
直射光だけに頼って採光計画を立てようとしますが、
実のところ「直射光」だけで採光計画を立てると
かえって住みにくい家が出来上がってしまう上、
家づくりにかかる総コストも割高になってしまいます。

というのも、
「直射光だけに頼る=南向きにこだわる」
ということだからです。

南向きにこだわれば
土地代は確実に一番高くなります。
かつ、値引きもしてもらえません。

南向きにこだわれば、
明る過ぎるのと、眩し過ぎるのと、丸見えなのが被さり
カーテンやシャッターなどが必須となり、
建築コストも上がってしまいます。

また、ウッドデッキや庭をつくるにしても
あまりに丸見え過ぎることから
目隠しや植栽、塀などが必要となり、
さらにコストを押し上げることになります。

つまり、南向きにこだわると
土地・家・庭の全てがコストアップ
してしまうというわけですね。
で、ローンにその皺寄せがくる
という結果を招くことになります。

さらに、南向きにこだわれば
自然と2階建ての家になる可能性が高くなります。
全ての部屋を南向きにしなければ
家が暗くなると思っているとしたら、
陰になる場所に部屋を配置することに
抵抗が生まれるからです。

そして、望んでもいないのに
出来てしまった庭(余白)の維持管理に
四苦八苦しながら暮らし続けることになります。

かつ、使い慣れていないし住み慣れてもいない
2階建ての家を上手く使いこなせず、
片付けや掃除、洗濯に余分な手間を取られることになります。
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そんなわけで今回は、
もう1つの光である「天空光」について
お伝えしようと思っている次第です。

「天空光」とは、
太陽光が大気中の水蒸気や塵などで乱反射した光のことで、
直射光ほどの熱の高さや明るさ・眩しさがない一方で、
方向性がないため均一した採光を得ることが出来るという
特徴を持っている光のことですね。

つまり「天空光」の存在さえ
あらかじめ知っておくことが出来れば、
直射光だけに頼らなくても
安定した採光を確保することが出来るというわけです。
もちろん、たとえ日当たりが悪そうな土地だとしても、です。


✔️直射光じゃなきゃダメなところと直射光じゃなくても良いところ

家を建てる前に知っておいてもらいたいことが、
自分にとって直射光じゃなきゃダメなところと
直射光じゃなくても良いところが
どこなのかということです。

例えば、リビング。
ほとんどの家がリビングに直射光が
ガンガン差し込むように設計しますが、
ここに日光が入り過ぎるとかえって快適じゃなくなってしまいます。
テレビの画面も見にくくなりますしね。

一方で、洗面や脱衣。
これらも含めて水回りは南以外に配置されることが多く、
かつ窓も小さめに設計されることが多いのですが、
そうなれば薄暗くジメッとした空間が生まれやすくなります。
明るくカラッとした場所にしたいと思っているにもかかわらずです。
基本、室内干しをする方なんかはなおのことそうではないでしょうか。

続いて、寝室。
ここは文字通り寝るだけの部屋であり、
太陽が沈んでいる時間しか使っていない部屋ですが、
ではこの部屋を南向きでつくる意味はありません。

子供部屋も然りですよね。
南向きにすれば日中ずっと太陽の光が入り続けるため
かえって勉強に集中しにくくなってしまいそうです。

このように、家を形成する1つ1つの部屋が
一体どちらの光が必要なのかを自分なりに考えてみると、
案外直射光にこだわる必要ってないんだなと気付けるため、
結果的に、ずいぶんと間取りに自由度が生まれることになります。

ヒアリングの際に、
丁寧に部屋の位置まで指定しなくてよくなるからです。

そして、土地に合わせた
より暮らしやすくてより快適な住まいを
つくりやすくなります。

日陰でも部屋を配置しても問題ないと知っていれば、
敷地をフル活用出来るようになるため
「2階建てだけしか無理!」と思っていた土地でも
平屋を建てることが出来ますしね。

というわけなので、
光には「直射光」と「天空光」の
2つがあるということを
覚えておいてもらえたらと思います。

それでは、また次回。
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vol.106 資金計画の真意 その2

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「資金計画の真意 その2」です。

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前回お伝えさせていただいたように、
家づくりではほぼ確実と言っていいほど
理想の家づくりと理想の返済の間に
大きなギャップが生まれます。

そして、そのギャップを埋めるために
まずは土地や家にかける予算を
再考していただいているのですが、
多くの場合、それだけではこのギャップを
完全に埋めることが出来ないため、
このタイミングで
預金・投資・保険の見直しをすることをオススメします。

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例えば、銀行から3500万円を
金利1.4%(全期間固定金利)で
借り入れしなければいけない場合、
35年ローンだと
毎月105,458円の返済になりますが、
例えばこれを40年ローンにしてみただけで
95,270円まで返済額がダウンします。

つまり、毎月の負担が約1万円減るため
その分、家計にゆとりが生まれるということですね。

考え方によっては
可能な限り返済を長くし、その約1万円の浮いたお金で
長期積立投資を行っていただくこともいいと思います。

とはいえ、
返済期間を長くするということは、
ローンに縛られる期間が長くなるだけだし、
利息の支払いが増えるだけなので、
ダメじゃないかと思ってしまう方も
決して少なくないかと思います。

ですが、住宅ローンの金利の中には
団体信用生命保険という
掛け捨ての生命保険料が含まれていて、
債務者にもしものことが起こった場合、
住宅ローン返済の義務から解放されるという
大きなメリットが存在しています。

ゆえ、繰上げ返済することによって
返済期間を圧縮していく必要もないという考え方もできます。

かつ、この死亡保証があることを考えると、
現在入っている生命保険を
全て見直してもいいでしょう。

もしものことが起こった場合、
住宅ローン返済という大きな固定費がなくなると共に、
債務者の生活費や車の維持費などもなくなり、
逆に遺族年金が入ってくるため、
たちどころに生活が苦しくなる可能性はほぼゼロに近いからです。

そんなわけで、
借入期間は出来るだけ長くしてもいいし、
かつ、この保証があることから
必要なさそうな生命保険を全て解約し、
これらの余剰資金を全て長期積立投資に回し、
ローンの金利よりも上回る利益を出していくという考え方もあるということを
知ってもらえればと思います。

それでは、また次回。

vol.105 資金計画の真意 その1

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「資金計画の真意 その1」です。

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「家づくり」は誰もが初めての経験であるもの。
ゆえ、住宅会社側から
予算や希望する家の大きさについて
質問を投げかけられても
「どう答えていいのか分からないから困る」
というのが本音ではないでしょうか。

実際、人から聞いた情報や
ネットやSNSなどから仕入れる情報で
なんとなくこれくらいなんだろうなー
という指標を知ることは出来るものの、
あくまでそれは平均的な指標であって
必ずしもそれが自分にとってベストだとは限らないわけですし。

そんなわけで予算を導き出していくという作業を
最初のステップとして行ったほうがいいです。
いわゆる「資金計画」という作業ですね。

では、資金計画とは
一体どのようなものなのか。
何をどのように決めていくのか。
これについて今回はお伝えしていきたいと思います。

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✔️理想と現実のギャップを埋める作業

どんな場所に住みたいかやどんな家を建てたいかを
先に考えてから予算を組んでいくのではなく、
まず総予算を算出してから
どんな場所に住みたいかやどんな家を建てたいかを
考えたほうがいいと思います。

理由は、自分たちの理想と現実(理想の家づくりと理想の返済)
との間に生じるギャップがどれくらいあるのかを
知っていただきたいからです。

これを知らないまま家づくりを進めてしまうと、
今後とんでもない状況が
待ち受けることになるかもしません。

例えば、自分が住みたい場所で
自分が建てたい家を建てるとなると
諸経費なども含めると4500万円かかるとしたら、
一方で、固定金利で毎月の返済を
9万円以下に抑えたいとしたら、
借入を3000万円にしないといけないため、
理想の家づくりと理想の返済を両立するためには、
1500万円前後もの自己資金を
準備していただかなくてはいけないのですが、
身内から多額の資金援助でもない限り
これだけの自己資金を準備出来る方は
そうそういらっしゃらないと思います。

ゆえ、こういう状況に陥った場合、
単純にローンの負担を増やすしか手段がなくなってしまいます。

仮に準備出来る金額が500万円なら
借入が1000万円増えるため
毎月の負担を3万円アップさせるか、
あるいはそのアップは流石にキツいので
返済金額を抑えたいとなれば、
金利が安い変動金利を選ぶことで
そのアップを1.5万円までに抑えるか、
という感じですね。

ただし、変動金利を選ぶ場合は、
金利が上がることによって
下手をしたら3万円以上負担が上がってしまうかもしれない
というリスクは今後ずっと抱えていくことになります。

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一方で、準備出来る自己資金と
毎月の返済金額を先に算出した上で、
家づくりを進めるようにすれば、
自己資金500万円と借入3000万円を合計した3500万円の中で
どのような土地を買い、どのような家を建てればいいかを
あらかじめ理解した上で土地選びと設計が出来るようになります。

つまり、今後の暮らしに
大きな負担や不安を背負うことなく
家づくりをすることが出来るというわけですね。

とはいえ、口で言うのは簡単ですが、
実際のところ、理想と現実の間に生じる
1000万円ものギャップを埋めるのは
そう簡単なことではありません。

つまり、家づくりの予算を抑えるために
選ぶ土地や建てる家を見直したとしても
1000万円もコストを落とすのは流石に難しいというわけですね。

ゆえ、弊社では住宅ローン選びや各種保険の見直し、
そして貯蓄の手段の見直しなどをアドバイスしたり
提案させていただくことによって、
家づくりを見直すだけではカバーしきれない部分を
完全にカバーするようにしております。

というわけで次回は、
家づくり以外の部分である
お金のことについての見直しや提案を
どのような考えをもってさせていただいているのかについて
お伝えしていきたいと思います。

建築資材の高騰によって
建築代が上がっている現在では、
この作業はとっても大事なことであり、
これから家を建てるのであれば
例外なく誰もが真剣に考えるべきところだと思うので、
次回もぜひご覧いただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.104 最もバランスがいい土地

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「最もバランスがいい土地」です。

------
土地を買うとしたら
東向きか西向きの土地がベターなのかなと思っています。
というのも、南向きの土地よりも安く購入出来るし、
防犯対策やプライバシー確保のために
建築費や外構費に余分なコストをかける必要もないからです。
(詳細は前々回のブログを参照)

また、北向きの土地のように
外観が不細工になりやすかったり
外壁の汚れが目立つこともないからです。
(詳細は前回のブログを参照)

そんなわけで
防犯対策やプライバシーの確保が比較的しやすく、
外観を美しくつくりつつ保ちやすい東・西向きの土地が
コスト面で考えてもベターだと思っているわけですが、
とはいえ、これらの土地にも「ならでは」のデメリットもあるので、
それを設計によって解消出来るかどうかが
いい家になるかどうかの大きな分かれ目になります。

では、東向きや西向きの土地が抱え持つデメリットとは
一体何でしょうか?


✔️採光問題

東向きや西向きの土地は、
北向きの土地同様に
基本、南にお家が建っているか、
今後建つことになる可能性が高いため
採光の確保が難しいという特徴があります。

ゆえ、設計によって
その問題を解決しなければならないのですが、
これを解決するためには、

A:南の建物から充分な距離をとった場所に
直射日光を入れたい部屋を配置する

B:南の建物から充分な距離がとれない場合は
吹き抜けをつくり高い位置から光を取り込む

この2つの手段のいずれかを採用します。

しかし、Aの手段を選択する場合、
敷地の南にたっぷり余白をつくりつつ
全ての部屋が南向きの2階建てを建てようとすると、
「リビングからの眺めが悪い」という問題と
「外構工事のコストが高くなる」という
問題が発生してしまいます。

リビングからの眺めが悪くなるのは、
南に建つ建物の裏側が景色になるから。
つまり、勝手口や換気扇、エアコンの室外機や給湯器などを
見ながら暮らすことになるからですね。

外構工事のコストが高くなるのは、
単純に土地の余白が増えるから。
そして、景色の悪さをカバーするためにお洒落な塀を立てたり
手の込んだ外構をしなければいけなくなるからです。

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ゆえ、東向きや西向きの土地に家を建てる場合は、
北向きの土地に家を建てる時同様に
「中庭」という手段がベターじゃないかなと思っている次第です。

直射日光が当たらなくても
天空光や反射光を上手く利用すれば
まるで直射日光が差し込んでいるかの如く
部屋を明るくすることが出来るので、
玄関やホールや水回りはもちろん
寝室や子供部屋などの直射光が必要じゃない部屋は
日陰となる場所に配置しても別段問題ないと思います。

敷地を有効活用することで
無駄な余白をなくすことが出来れば、
外構工事のコストも大幅に削減出来るし、
効率よく採光さえ確保出来れば、
家の正面に採光確保のための窓を設ける必要がなくなり、
外観が美しくなると同時に
防犯性がグンとアップすることから
さらに外構工事のコストが削減出来ますし。

ただし、こういった家の建て方は、
建築コストが割高になるというデメリットがあるため、
建築コストを抑えるための工夫が必要にはなります。

その工夫をしなければ、
外構工事のコストは削減出来たけど、
それ以上のコストが建築費にかかってしまった
なんてことになりかねませんからね。

というわけなので、
こんな建て方をしているお家に興味を思ってくださったなら、
一度SIMPLE NOTEの家を見に来ていただけたらと思います。
きっと今回のご説明の答え合わせが出来るはずです。

それでは、また次回。

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vol.103 北向きの土地はダメなのか?

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「北向きの土地はダメなのか?」です。

------
一般的に考えて
北向きの土地を積極的に買おうとする人はそういません。
北向きの土地は日当たりが悪いことが多いからです。

なんせ、すぐ南に隣接して家が建っているのは当たり前で、
その上、東や西まで家に囲まれていたら
まさに四面楚歌状態ですからね。

そんなわけで北向きは
そうじゃない土地に比べて価格が安く設定されているし、
かつ価格交渉にも応じてもらいやすい
というメリットがあるのですが、
とはいえ、そうは言っても光が入ってこないというのは
家を建てる上で致命的なデメリットとなりそうなので、
たとえ安く土地が買えるとしても
なかなか手が出ないのが普通だと思います。

また、北向きの土地には
先程申し上げた顕在化されたデメリットの他、
家が完成するまで気が付きにくい潜在的なデメリットもあり、
これが北向きの土地を買ったことを
さらに後悔させる原因となりかねません。


✔️家が汚くなりやすい

北向きの土地は2つの意味合いで
家が汚くなりやすいというデメリットを備え持っています。

1つ目が外観がカッコ悪くなりやすいことです。
なぜなら、北向きの場合、
洗面、トイレ、お風呂といった水回りや階段スペースなどが
正面となる北面に配置されやすいからです。

つまり、正面に窓がたくさん出来やすい上、
その形や高さなども不均一になりやすいから。
かつ水回りに必須である換気扇なども正面につけられやすいため、
どうしてもスッキリとしない外観になりやすいというわけですね。

場合によったら、
勝手口が正面につけられることもあるし、
給湯器やエアコンの室外機などが
正面に置かれることもあり得ますしね。

2つ目は1つ目を原因とする二次的な被害ですが、
窓から垂れ流れる雨水によって出来る「垂れじみ」や、
換気扇の下に出来る黒い汚れなどが
家の正面に出来てしまうということです。

直射日光が全く当たらない北面は
なおのことこの汚れが出来やすいので、
住んで数年後には見るも無惨な姿になっていることだって
充分あり得ると思われます。

ゆえ、北向きの土地で家を建てる時は、
日照問題と外観問題が同時にクリア出来るように
間取りを設計していかないといけません。


✔️設計とは土地の問題解決手段

例えば、日当たりが悪い土地で
リビングに充分な光を届けるためには、
土地がそれなりに広い場合は、
直射日光を入れたいリビングを
南に建つ家から充分な距離をとった場所に配置し、
中庭をつくりつつ
リビングの南につくる建物を平屋にするという手段があります。

こうすることによって
光を阻害する障害物がなくなるので、
安定的に光が入ってきます。

また、土地がそれほど広くない場合、
つまり中庭をつくる余裕がない場合は、
リビングに吹き抜けをつくるという手段があります。
1階に充分な光が差し込まないのであれば、
より高い位置から光を取り込めばいいからです。

階段や水回り至っては、
思い切って南に配置すると良かったりします。
階段は吹き抜けとなっているため階段を南につくれば
それだけで自然と光をたっぷりと家の中に取り込んでくれるから。

水回りは南に配置すれば
統一性のない窓や換気扇などを全て家の裏に隠すことが出来るから。
また、中庭がある場合などは
中庭から光を入れれば採光問題もあっさり解決しつつ、
洗濯動線までも抜群に出来るからです。

そんなわけで今回の話の結論としては、
北向きの土地は一般的に最も敬遠されがちですが、
こういった解決策を知っている住宅会社からすると、
実はそう悪くない土地だということです。
いやむしろ価格をグンと抑えられることから
前向きに選んでいただいてもいいと思っています。

というわけで、これから土地をお探しの方は、
ぜひこの記事を参考にしつつ土地探しにのぞんでみてください。

それでは、また次回。
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vol.102 表だけではなく裏も見る

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「表だけではなく裏も見る」です。

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土地探しをしている誰もが
「土地を買うなら南向きがいい」
とお考えになると思います。

間違いなく日当たりが良いし、
全ての部屋を南向きに出来そうだし、
洗濯物もよく乾きそうだし、
お布団も干しやすそうだというイメージが
頭の中に膨らむからです。

そんなわけで南向きの土地は、
土地探しをしている方たちから
絶大なる支持を得ているわけですが、
そんな多くの方の心を魅了する
全く非の打ちどころのなさそうな
この南向きの土地でさえ
実は大きなデメリットが存在します。

というわけで今回は、
南向きの土地が持つ大きなデメリットについて
お伝えしていきたいと思います。

もちろん南向きに限らず全ての土地が
メリットとデメリットの両面を持ち合わせていて、
そのデメリットの多くは設計によって
解決することが出来るのですが、
この南向きの土地に関しては、
南向きのメリットが設計による
デメリットの解決を阻みやすいという
なかなか厄介な問題を抱えており、
これをスッパリと解決するためには、
建てる方の理解が必要となってくるので、
ご理解いただく意味も込めてお伝えしていきたいと思います。

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✔️予算が大幅にアップする!?

ズバリ南向きが持つ最大のデメリットがこれです。
なぜなら、土地代はもちろん、
建築代や外構代までも割高になってしまうからです。

土地代が高くなる理由は、
"みんなが欲しがる=「供給<需要」"
という図式が出来上がりやすいからです。

つまり、人気がある南向きの土地は
労力をかけなくても売れやすいため
そもそも価格が割高に設定されているし、
値引き交渉にも応じてもらいにくいことから
高く買わざるを得ないというわけですね。

では、土地が高い理由は分かるにしても
なぜ建築代までも上がってしまいやすいのでしょうか?

その理由は、南向きの土地が
最もプライバシー性と防犯性が悪くなりやすいからです。
せっかく日当たりが良い南向きの土地を買った理由は、
出来るだけ全ての部屋を南向きでつくり、
南向きの窓からたくさんの光を入れたいからだと思いますが、
そうすれば居住スペースが四六時中丸見えになってしまいます。

ゆえ、外からの視線をシャットアウトするために
それらの窓には全て遮光カーテンをつけなくてはいけなくなります。
レースカーテンだけでは丸見えを防ぐことが出来ないからです。

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また、南向きの土地で
南向きに窓をたくさんつくるということは、
向かって正面にガラスが多くなるということでもあるので、
台風の時や強風の時に何かが飛んできても大丈夫なように、
シャッターもつけざるを得なくなります。
旅行などで数日間家を空ける時は、
防犯のためにシャッターを閉めておきたいでしょうしね。

そんなわけで、大きな窓の数だけ
高価な遮光カーテンとシャッターという
オプション工事が必要になるというわけです。

外構に関しても、
防犯とプライバシー強化のための工事が必要になるのが
コストアップの大きな要因です。

ウッドデッキをつくるにしても、
丸見えの場所にオープンでつくると
使いたくても恥ずかしくて使えなかったり、
家族でバーベキューをするにしても、
プールをするにしても、日向ぼっこをするにしても、
あまりに丸見えだと気が引けちゃいますね。

そんなわけで、
家の中をカーテンで隠すのと同様に、
目隠しのために塀をつくることによって
ウッドデッキスペースを見えないようにせざるを得ない
というわけです。

かつ、家のカーテンや窓を少しでも開けられるように、
目隠しのための植栽やフェンスを
つくってもらわざるを得なくなるというわけです。

要は、日当たりが良い土地を買ってしまったがために
日当たりがいい間取りをつくらないといけない
という作用が働き、それが結果的に
防犯性とプライバシー性の悪さを招き、
それを解決するために
先程申し上げたような解決策を講じなければいけなくなり、
土地だけじゃなく家も外構も
コストアップさせてしまうというわけですね。

そして、必然的に借入額が増加するというわけです。
図式としては、不動産屋もより儲かり、
建築会社もより儲かり、外構屋もより儲かり、
銀行もより儲かるのに対し、
建てた方だけが負担が上がるという感じです。

なので、
巷では無敵のように扱われている南向きの土地と言え、
経済的なデメリットが存在すること、そしてそのデメリットは
ともすれば最も厄介なものかもしれないことを
ぜひ知っておいてもらえたらと思います。

それでは、また次回。


vol.101 おうち時間を豊かにするために最も大切なこと

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「おうち時間を豊かにするために最も大切なこと」です。

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例えば、リビングやダイニングに設けた大きな窓から
いつも外が感じられるとしたら、
そして空に浮かぶ雲や太陽の光線、
光り輝く星空を当たり前のように見ることが出来るとしたら、
暮らしがより心豊かなものになるのではないでしょうか。

想像してみてください。
晴れた日の朝、
サンサンと朝日が射し込む明るいダイニングテーブルで
外を感じながら朝食をとる姿を。

また、気候がいい時期の休日に
外であるにもかかわらず人目を気にすることのない
デッキテラスでまったりと朝食をとる姿を。

想像してみてください。
照度を抑えた落ち着いたリビングで
デッキテラスに飾られている
ライトアップされた植栽と星空を眺めながら
まったりとソファーで過ごしている姿を。

また、デッキテラスに出て
キラキラと輝く星空の元、ランタンに火を灯し
まるでキャンプ気分で、家族みんなで夕食を食べている姿を。

想像してみてください。
しんしんと雪が舞う中、
うっすらと雪化粧されたデッキと外用のクリスマスツリーを
暖かいリビングから眺めている姿を。

いかがですか?
これらは全てSIMPLE NOTEのお家で体験出来ることばかりなのですが、
きっと、とっても素敵な暮らしだと
感じていただけたのではないでしょうか。

さて、今回はおうち時間をより豊かにするために
最も大切な要素となる「窓」について
お伝えしていきたいと思います。

内容としては、窓が担う3つの役割と
その役割をまっとうしてもらうために
必要なたった1つのことについてです。

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✔️窓が担う3つの役割

窓が担う役割は、
「光を家の中に届けること」
「風が通る家にすること」
「外との一体感を出すこと」
この3つなのですが、
実際に建っているお家を見渡してみると、
およそ90%以上のお家が、
この3つ全てを実現出来ていないのではないでしょうか。

理由は、全ての窓が
カーテンありきの設計になっているからです。
つまり、カーテンによって
光や風はもちろん、外とのつながりまでも
シャットアウトされてしまっているからというわけですね。

ゆえ、この3つを全て実現するためには、
カーテンありきで窓を考えないようにしなければいけません。
カーテンありきで窓を考えてしまうと、
どれだけたくさん窓をつくったとしても
それに比例して家が明るくならない上に、
窓が増えたことによって窓にかかるコストも増えるし、
カーテンにかかるコストも増えるし、
シャッターにかかるコストも増えるし、
窓掃除の手間も増えるし、
家の壁が減ってしまう分、
家の耐震性も悪くなるし、
家の断熱性能も悪くなるし、
家具のレイアウトもしにくくなるし、
収納もつくりにくくなるし、
なにより窓が増え過ぎると
戸締りの心配や防犯面の心配が増えてしまいますからね。
窓が多くなればなるほど、
外壁の汚れも目立ちやすくなりますしね。

そんなわけで、
SIMPLE NOTEの家ではカーテンありきの窓を
全くつくらないようにしているというわけです。

そしてその結果、
窓の数を減らすことが出来、
窓のコストも削減出来るし、
カーテンコストも限りなくゼロに近くなるし、
シャッターも全く必要ないし、
窓掃除の手間もグンと減るし、
耐震性も断熱性も高くなるし、
家具のレイアウトに困らないし、
収納も少なくならないし、
戸締りの心配もしなくていいし、
なによりプライバシーが担保されるため、
冒頭でお伝えしたような
開放的で贅沢で豊かな暮らしを
日々送ることが出来るというわけですね。

窓をたくさんつくれば
家が明るくなるわけではないということ。
また、窓をたくさんつくれば、
風通しが良くなるわけでもないということ。
そして、窓をたくさんつくれば、
開放感が出るわけでもないということ。

この3つの事実は
思っていた事実とは真逆のことかもしれませんが、
悲しいかなこれが現実なので、
このような考え方があるということも
ぜひ知っておいていただけたらと思います。

きっと、より豊かな住まいづくりが
出来るようになるはずです。
それでは、また次回。
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vol.100 明暗をくっきり分ける小さなお家

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「明暗をくっきり分ける小さなお家」です。

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コロナ前に比べて現在は
同じ大きさで家を建てようとしたら
4~500万円ほど値上がりしてしまったため、
予算を大幅に上げることなく家づくりを行うためには
家のサイズを小さくせざるを得ません。

とはいえ、家のサイズダウンは
やり方を間違えてしまうと使いにくくなると同時に、
やがて老後を迎えた時、大きな出費を招く恐れがあるので、
間取りづくりを間違えないようにしなければいけません。

例えば、割安に家を建てようと思ったら、
1階と2階の大きさが同じいわゆる「総二階建て」
にするのが一番手っ取り早いのですが、
建売住宅やハウスメーカーの企画住宅などに多いこの建て方は、
お子様が小さい家庭にとって最も使い勝手が悪く、
家が散らかりやすくなります。

この建て方にする場合、
寝室と子供部屋が99.99%、2階につくられることになる上、
リビングダイニングの広さによっては
1階に部屋をつくることはもちろん、
いつも使うものや衣類をしまっておく収納すら
つくることが出来ないからです。

想像してみてください。
子供たちがいつも遊ぶ場所は一体どこでしょうか?

お母さんやお父さんの姿が見えない
2階にある自分の部屋ではなく親の姿が見えるリビングですよね。

では、そこに出したおもちゃを遊び終わったらいつも片付けて
2階にある自分の部屋まで持っていくでしょうか。
間違いなくそんなことしませんよね。

想像してみてください。
ご主人や子供たちは、パジャマやいつも着る服を
いちいち自分の部屋まで片付けに行ってくれるでしょうか。
これもそれほど期待出来ませんよね。
だって、どうせ毎日着るのなら
リビングのソファーやダイニングの椅子にでも
引っ掛けておく方が絶対に使い勝手いいですもんね。

以上のような理由から、小さな総二階建ての家は、
リビングやダイニングが散らかりやすくなるというわけです。
それどころか散らかった状態が
常態化してしまうというわけですね。

洗濯の動線にしても
上下を行ったり来たりしないといけない複雑な流れになるため、
これを原因とする片付けのやりにくさから
家が散らかりやすくなってしまいますしね。

また、1階に部屋も収納もないこのような住まいは、
足腰が丈夫な若いうちは使い勝手が悪いぐらいで済むものの、
歳をとり足腰が弱ってしまったとしたら
とっても暮らしにくい家になります。

そして、その問題を解決するために
1階に部屋と収納を増築せざるを得なくなり、
再び数百万円という出費を余儀なくされてしまいます。

大切な老後資金から捻出するか、
あるいはその資金が貯まっていない場合は、
リフォームローンを組むことによって。
おそらくまだ住宅ローン返済が終わっていない状態でです。

そんなわけで、家を小さくする場合は、
こういった問題にも配慮しながら
あらかじめ間取りを考えるといいです。
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✔️コストと使いやすさの両立

では、コストを抑えるために
家の面積をカットしながら使いやすく無駄な出費が防げる
家を建てるためには一体どのようにすればいいのか?

まず優先して考えるべきは「平屋」にすることです。
平屋にすれば階段も省けるため
より面積を抑えることが出来るし、
全ての部屋と収納が1階に集約されれば、
多少、部屋や収納が小さくなっても別段支障がないからです。

ただし、平屋にすれば面積を小さく出来るものの、
土地面積はそれなりに必要になってしまいます。
かなり家をコンパクトに出来るのであれば
50坪あればいけますが、
出来れば55坪は欲しいところですからね。

ゆえ、家のコストも抑えつつ
土地や外構にかける費用も抑えるとなれば、
「平屋」という選択肢ではなく、
使いやすさと経済性を両立した
2階建てにするのがベターかもしれません。

つまり、1階に子供部屋か寝室と
いつも使うものや衣類をしまう収納をつくっておくのが
いいのではないかというわけですね。

こうすれば、
子供たちが小さいうちもリビングが散らかりにくくなるし、
老後に増築をする必要もありませんしね。

2階に部屋を持っていった分だけ
土地面積を小さく出来るので、
土地代も削減出来るわけですしね。

というわけなので、
これから土地を買って家を建てようとお考えの方は、
こんな考え方もあるということを
ぜひ覚えておいていただけたらと思います。

それでは、また次回。
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vol.99 物価上昇と家づくり

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「物価上昇と家づくり」です。

------
20年前は20%台だった日本のエネルギー自給率は
今や約10%に減っているし、
約50%あった食料自給率も約40%まで減っているため、
現在、日本が招いている円安は家計に大きなダメージを与えます。

実際、すでに大幅に値上がりした食料品もたくさんあるし、
肥料の価格も大幅に値上がりするため、
近い将来、野菜やお肉などにも
その値上がりが反映されることでしょう。

また、電気料金にしても
この1年で3割上がったとか、
12ヶ月連続値上げだとか、
「えっ?そこまで?」という
劇的な値上がりを見せている状態であり、
これらの値上がりが
きっとボディブローのように
ジワジワと効いてくるのは
間違いないのではないでしょうか。

とまあ、景気の良し悪しに関係なく、
また給料が増える見込みも少ない中、
ガンガン物価上昇だけが進んでいる日本ですが、
御多分に洩れず、こと住宅価格においても
高止まりした状態で
落ち着くんじゃないかと言われています。

そんなわけで、
こんな状況の中で家を建てるとしたら
どうすればいいのかについて
今回はお伝えしていきたいと思います。

おそらく平均すると
1年前に比べて4〜500万円ぐらい
値上がりしていると思うので、
そんな値上がりの中でも、
負担を増やさないようにするための
具体的な手段についてです。

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✔️返済年数を5年延ばす

500万円値段が上がれば、
そのまま借入が500万円増えることになると思いますが、
返済年数を35年のままでこれを試算すると
返済負担が1.5万円ほど上がります。

ゆえ、個人的には返済年数を5年延ばす
という選択をとっていただいてもいいと思っています。

そうすれば
毎月の返済負担が上がらないからです。
かつ、住宅ローンには
債務者にもしものことがあった時、
住宅ローンの残債がゼロになるように
掛け捨ての生命保険料が含まれているので、
家を建てるタイミングで
必要以上に加入している生命保険を
見直してもいいと思っています。

というわけで、
この2つを実行することで
まずは負担を上げないようにしてください。

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✔️太陽光発電を設置する

そして、もう1つやって欲しいことが
太陽光発電の設置です。
理由は単純明快で、
電気料金は確実に今後も上がり続けていくからです。

政府は電気料金の安定のために
原発の再稼働に前向きですが、
おそらく再稼働はそんなに簡単じゃなさそうです。

ゆえ、買取金額が低いから
設置すべきではないという意見は
鵜呑みにしないでください。

現在は、儲けるために
太陽光発電パネルを設置するのではなく、
高騰していく電気を電力会社から
買い続けなくてもいいようにするために
設置するという考え方になっています。

かつ、次に購入する車を
電気自動車にするつもりだとしたら、
そのタイミングで蓄電池を設置することも
視野に入れておいてもいいかと思います。

蓄電池を設置すれば、
夜の電気も電力会社から買わなくて済むので
さらに電気料金が格安になるし、
車1台分の燃料代もいらなくなりますしね。

もちろん、
蓄電池の設置に費用はかかるので、
これに関してはきちんと
採算が合うかどうかを計算した上で
設置すべきではありますが...。

以上が、これから家を建てる方に
知っておいていただきたいことであり、
ぜひ実行してもらいたいことです。

厳しい物価上昇の中、家を持つことは
これまで以上に金銭的な不安を感じると思いますが、
この2つを実行すれば、
きっと大丈夫だと思っているので、
ぜひ参考にしていただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.98 白をベースにする理由とその合わせ技

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「白をベースにする理由とその合わせ技」です。

------
「白」という色は、
「熱を吸収しにくい」ことと
「光を反射しやすい」という
特徴を持っていることから、
SIMPLE NOTEの家では「白」を外壁と内装の
メインカラーとして使用しています。

熱を吸収しにくい「白」を外壁に使えば、
家の中が暑くなりにくいし、
光を反射しやすい「白」を室内の壁と天井に使えば、
光が家全体に拡散しやすく家が明るくなりやすいからです。

とはいえ、ただ単に「白」を外壁に使えば
それだけで快適性が増すわけではなく、
それに加えて良い断熱材を使うという合わせ技が大事なように、
室内とて、ただ単に「白」をメインに使えばそれだけで
家が明るくなるわけではないので、
今回は、どんな土地でも明るい家を実現するための
合わせ技についてお伝えしつつ、
最後に内装を「白」でまとめている
もう1つの理由についてお伝えしていきたいと思います。

では、まずはどんな土地でも
明るい家を実現するための
合わせ技についてから。

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✔️カーテンがいらない家にする

壁や天井で光を拡散するためには、
そもそも家の中に光を入れないといけません。
ゆえ、窓をつくるわけですが、
設計の時に熟考しないといけないのが
この窓のつくり方です。

というのも、闇雲に窓をたくさんつくっても
カーテンがセットになって
ひっついてくるような窓ばかりでは、
充分な光が家の中に入ってこないからです。

SIMPLE NOTEの家では基本カーテンがいらない窓しか
つくらないようにしているのですが、
この合わせ技をやった結果、
たっぷりと室内に光が入ってくると同時に、
窓の数が減りその分コストが削減出来るし、
さらにカーテンもいらないので、
もっとコストを削減することが出来ます。

また昼間から照明をつける必要もなくなるので、
高騰していく電気代も削減することが出来ます。
(曇りの日でも必要ないレベルです)


✔️ハイサッシを使う

そして、窓に関するもう1つの工夫は、
光をたっぷりと採り込みたい窓は
天井まで高さがあるサイズのものを使うということです。

つまり、一般的に使われている
窓の高さは2mですが、
2mは使わず天井と同じ高さの
2m40cmを使うということですね。

わずかこれだけのことですが、
これだけでも窓から入ってくる
光の量が格段に変わります。

というわけで、
カーテンがいらない窓にしつつ
メインで光を入れる窓をハイサッシにする、
という合わせ技をすることで、
「白」による光の拡散効果を
最大限に高めているというわけですね。

では最後に、
「白」を内装のメインカラーとして使っている理由、
もっと言うと内装をシンプルにしている理由について
お伝えしていきたいと思います。


✔️内装をシンプルにする理由

それは、いざ生活しだすと、
家の中がたくさんの色で氾濫することになるからです。

つまり、ただでさえ
いろんな色で氾濫することになるのに、
その下地となる内装にまで
色をたくさん使い過ぎてしまうと、
家の中がゴチャゴチャし過ぎて
リラックスした状態で
過ごしにくくなってしまうからですね。

ゆえ、SIMPLE NOTEの家では、
基本壁と天井の色を「白」にすると共に、
室内ドアの色も「白」にし、
かつ、そのほかの様々な部材も
「白」にしているというわけですね。

いわば、家具や雑貨、そして生活用品などが
そこに加わることを前提として
家をコーディネイトしているという感じでしょうか。

確かに、白を基調とした
色をほとんど使っていない室内は、
なんだか病院を連想させそうだし、
味気なく物足りない感じがしてしまうかもしれません。

しかし、大切なことは、
全てのアイテムが揃った時、
その空間がどうなるかだと思っています。

なので、これから家を建てようとお考えの方は、
こういった考え方があることも
ぜひ知っておいていただければと思います。

それでは、また次回。

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vol.97 これから土地を買って家を建てる方へ

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「これから土地を買って家を建てる方へ」です。

------
原材料費の値上がりによって
家の価格は約20%値上がりしているのですが、
残念ながらおそらくこの価格は高止まり状態が続くと予想されます。

ゆえ、住宅ローンの負担を軽減するために、
実家に土地があるなら
そこに家を建てるという選択肢を
これまで以上に前向きに検討した方がいいと思っているのですが、
もちろん、みんながみんな
その選択肢があるわけじゃないと思うので、
今回はその選択を取れない方、
つまり土地を買わないといけない方が
住宅ローンの負担を軽減するためには
どうすればいいのかについて
お伝えしていきたいと思います。

結論から申し上げると、
土地を買って家を建てる方が
やるべきことはシンプルにたった2つ。
「土地の面積を少しでも小さくすること」と、
「家の面積を少しでも小さくすること」です。

では、それぞれのやり方を
お伝えしていきたいと思います。

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✔️土地の面積を少しでも小さくする

例えば、
家を建てるにあたって必要な土地の広さは
家+家の周囲スペース+駐車スペースですが、
仮に必要な駐車スペースが3台で
建てたい家が約30坪の平屋だとしたら、
これを実現するためには
最低約55坪の土地が必要となります。

そして、その地域の
土地の価格相場が20万円だとしたら、
単純に土地代に最低1100万円かかることになります。

もちろん、自己資金(貯金・贈与)が多く、
この土地を買ってもローン返済的に全然問題ないのであれば
そのままゴーしていただいても構いませんが、
資金計画の結果、予算を落とすべきだとなったとしたら、
もっと価格が安い地域で土地を探すか、
あるいはそれが嫌だとしたら
土地の面積を削るという選択を取るしかありません。

単純に土地面積を10坪小さくして
45坪の土地を買うようにすれば、
20万円×10坪=200万円も
予算を落とすことが出来るからです。

もちろんこの場合、
土地が10坪小さくなった分、
家に取れる面積も10坪減ることになるので、
家にそのままの広さを求める場合、
平屋は諦めざるを得ず、
どこかの部屋を2階につくらなければいけないのですが、
設計のやり方さえ間違えなければ、
家がコストアップすることもなければ、
住みにくくなることもありません。

理由は、1階部分で20坪取ることが出来るとしたら、
1階には玄関・ホール・土間収納・
LDK(階段)・水回り・中庭に加えて、
寝室とウォークインクローゼットまで
充分取ることが出来るからです。

つまり、子育て期間中にしても、
やがて老後を迎えたとしても、
1階に備わっておいて欲しい
スペースが全て揃ってさえいれば、
建てた後ずっとなんの問題もなく
暮らし続けられるからというわけですね。

そんなわけで、
住む地域を妥協したくないという方には、
こういった柔軟な考え方を持っておいていただくことを
オススメしている次第です。

土地代で200万円削ることが出来れば、
建築コストの上昇を
全て吸収することは出来ずとも、
大幅な負担増は回避出来るわけですからね。

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✔️家の面積を小さくする方法

そして、土地同様に
小さくした方がいいのが家の面積です。
当たり前のことですが、
家が小さくなれば
その分確実に価格も減少するからです。

では、家の面積を小さくするためには、
何をどのようにすればいいのか?

まず削減すべきは、
部屋でもなく収納でもなく「廊下」です。
これに関しては、間取りのつくり方次第で、
1坪〜1.5坪ほど削れるはずなので、
40万円〜60万円ほどコストを削減出来ると思います。

次に考えるべきが「部屋の数」です。
単刀直入に申し上げると「客間」のことですね。
というのも、仮に時折親御さんが泊まりに来るとしても、
わざわざそのために部屋をつくらずとも、
自分の部屋で寝ていない
小さな子供たちの部屋で寝てもらえばいいからです。

そして、この部屋をつくらなければ
3坪ぐらい面積を削減出来るので、
ざっと考えても150万円ぐらいは
コストを削減出来ると思います。

最後に考えるべきは
寝室や子供部屋などの広さですね。
今の家は昔の家に比べて
ずいぶんと収納が充実しているため、
昔のように家具を持ち込む必要がないからです。
家族みんながリビングで大半の時間を過ごすため、
ただ寝るだけの部屋になっていますしね。

そんなわけで、これらの部屋もミニマムサイズにしても
別段問題ないと思っている次第です。
そして、これを実行すれば3坪〜4坪ほど面積がカット出来、
結果、コストも120万円〜150万円ほど
カット出来るのではないかと思っています。

いかがでしたか?

少しでも家を小さく出来れば、
自然と土地も小さくすることが出来ます。
そして、いずれのコストも削減出来た結果、
住宅ローンの負担を上げることなく
家を持つことが出来るようになります。

なので、これから家を建てる方で、
どうしても土地から買わないといけない方は、
このシンプルな方法をぜひ実行していただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.96 外構コストをミニマムにするいくつかのステップ

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「外構コストをミニマムにするいくつかのステップ」です。

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外構工事に予算を取り過ぎてしまうと
建築工事に充分な予算が取れなる可能性が高くなることから、
建築会社が行う資金計画では
最後の工事となる外構工事の予算を
少なめに設定することが多い傾向があります。

もちろん、たとえ少なめに予算を設定されようとも、
その予算で工事が完結出来ればなんの問題もないのですが、
現実は、当初の予算では到底思っているような工事が出来ず、
後から泣く泣く貯金の中から
追い金を出している方も少なくないでしょうし、
あるいはそれが出来ない方は、
工事を後回しにせざるを得なくなり、
未完成な状態のまま暮らしているのではないでしょうか。

そんなわけで今回は、
その予算ギャップをなくすために
知っておいていただきたい知識について
お伝えしていきたいと思います。

まず知っておいてもらいたいことが、
「そもそも論」的なことです。
これを知っておいていただければ、
間違った土地選びや間違った家のプランを
しなくて済む可能性がグンと高くなると思います。

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✔️土地の広さは家に合わせて!

最初にお伝えしたいことが、
土地は自分が建てたい家に合わせて
探した方がいいということです。

つまり、土地を探し始める前に、
土地に費やすことが出来る予算を具体的に試算すると共に、
どんな家を建てたいのかを明確にしておくことが大切だ
ということですね。

例えば、
あなたが建てたい家に必要な土地の面積は
本当は50坪もあれば充分なのに、
なんとなく広い方がいいからと
70坪の土地を契約してしまったら、
単純に20坪分工事面積が増えてしまう
ということになりますよね。

そして、草が生えるのが嫌だからと
そこを全面コンクリートにするとしたら
それだけで55万円〜60万円ほど
出費が増えてしまいます。

ゆえ、まずはそもそも買う土地の広さを間違えない
ようにしてもらえたらと思います。

とはいえ、地域によったら
そんな都合がいい広さで土地が売られてない場合もあるので、
そんな場合は次の方法を講じるしかありません。


✔️土地の余白はミニマムに!

例えば、あなたが建てる家に
ちょうどいい土地の広さは50坪だけど、
探してみると70坪以上の土地しか売っていないなんてことも
地域によればあり得ます。

となると、
そのままの計画で建ててしまうと
単純に20坪以上余分に
工事をしなくてはいけなくなります。

ゆえ、出来るだけその余白を小さくする
工夫をした方がいいと思っています。
つまり、2階建てで計画していたなら、
計画を変更して平屋にした方がいいというわけですね。

これによって外構工事面積が15〜20坪ほど減れば、
無駄な余白が出来なくなり、
当初の計画通りの予算で工事を完遂しやすくなりますしね。

そんなわけで、
当初の予算を大幅に狂わさないためには、
家そのものも土地に合わせて
柔軟な対応をした方がいいということも
覚えておいていただけたらと思います。

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✔️工事項目を削減する!

そして、以上の2つの基本を踏まえた上で
SIMPLE NOTEの家で行っていることが、
外構工事の項目を削減するということです。

例えば、多くのお家が
家の中が周囲から丸見えであり、
かつ間取りも一目瞭然で分かることから、
防犯性やプライバシー性を担保するための
工事を施さなければいけません。

これらに合計100万円以上は
予算を費やすことになると思います。

SIMPLE NOTEの家は、
防犯性とプライバシー性を考慮してつくっており
これらの工事に一切予算を注ぎ込む必要がなくなります。
また外観のデザインがおしゃれなので、
外構を簡素に仕上げたとしても、
家が引き立ちます。

また、外部に向かって大きな窓が多いお家は、
外部からの不法侵入者に備えて
塀にも気配りをする必要がありますが、
防犯性とプライバシー性に優れたお家は、
家の壁そのものが塀代わりになるため、
境界塀を立てないという選択を
取ることが出来るようになります。
そして、この費用だけでも50万円〜100万円ほど
予算を削減することが出来たりします。

いかがでしたか?

SIMPLE NOTEの家では、資金計画の時、
必要な土地面積×1〜1.5万円で外構予算を確保しているのですが、
以上の全てを実行出来れば、
当初の予算からはみ出ることはほとんどありません。

他方、土地の広さや、家の建て方を間違え、
かつ、防犯やプライバシーの担保のための工事を
しないといけないとなると、
必要な土地面積×4〜5万円は
予算をみておかないといけません。

というわけで、
外構と家は別々の工事ですが、
それぞれが依存し合う密接な関係なので、
資金計画時点で外構の予算設定を間違えないように
していただければと思います。

それでは、また次回。

vol.95 40年返済という選択はダメなのか?

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「40年返済という選択はダメなのか?」です。

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人生100年時代に突入したと
巷で言われているからなのか?
長寿化に伴って退職年齢が延びていくからなのか?
はたまた、家の価格が上がっていっているからなのか?
住宅ローン返済の最長年数が
35年から40年へと移行しつつあります。

もちろん、住宅ローンは借金なので、
期間を延ばすよりも、
早く返したほうがいいという意見の方が
圧倒的に多いかと思いますが、
考え方によっては返済年数が延びたのをいい事に
借入金額さえ上げなければ
最長の40年を選択しても良いのではないかと思っています。

では、その理由について
今回はお伝えしていきたいと思います。
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✔️理由1:保険期間が延びるから

住宅ローン金利の中には、
団体信用生命保険という掛け捨ての
生命保険料が含まれているのですが、
この保険があることによって
債務者にもしものことがあった時に
残債がゼロになるというメリットがあります。

ゆえ、住宅ローンを借りた時点で、
これまで掛けていた掛け捨ての定期保険があるとしたら、
解約してもいいと思うし、
住宅ローンにはせっかく死亡保証がついているのだから
そんなに焦って返済をして
無理にその保証をなくす必要もないかもしれません。

というわけで、最長の40年で借りて、
繰上げ返済をせずに保証を継続していってもいいのではないでしょうか?


✔️理由2:金利圧縮<資産運用

そして、もう1つの理由がこれです。
返済年数を短くしたり
繰上げ返済をすることによって、
1%前後の金利を圧縮するよりも、
返済期間を延ばすことで浮いたお金を
積立投資などに回す方が
はるかに手元にお金が残る可能性が高いと思われるからです。

もちろん、投資に抵抗があるとしたら、
少しでも返済を短くし、
少しでも借入金を減らし、
繰上げ返済した方がいいと思います。

ただ、過去は1%より
はるかにお金が増えていっているというデータがあるので、
資産運用も考えてみてはいいかもしれません。

というわけで、
これから家づくりを検討されている方は、
こんな考え方があるということも
ぜひ知っておいていただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.94 メンテ費用も織り込んで考える

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「メンテ費用も織り込んで考える」です。

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品質が良いものを
良い状態で長く使い続けるためには、
定期的にメンテナンスを
しなければいけないのですが、
もちろんそのためにはその費用を
積み立てていかないといけません。

良いものの維持管理には、
それなりにコストがかかるからです。


✔️毎月4万円の積立

家を良い状態で維持していくためには
出来れば働いてお金を稼いでいる間
毎月4万円維持管理費用として
積立していくことをオススメしています。

では、その根拠を
あなたの年齢が現在35歳で
70歳まで働き90歳までその家に住み続けると仮定して
試算してみましょう。

35年×12ヶ月×4万円=1680万円
まずはこれが維持管理のために
積み立てていって欲しい費用なのですが、
では、リアルに必要となるであろう工事とその費用を
ここから出していってみますね。

・15年ごとに必要となる外壁の塗り替え
→これには足場費用も含めると、
150万円〜200万円ほどのコストが都度必要となります。
ゆえ、生涯で3回必要だとしたら、
450万円〜600万円必要だということになります。

・20年ごとに必要となる水回りの入れ替えに伴う簡単なリフォーム
→これには都度250万円〜300万円必要になると思われます。
ゆえ、2回この工事が必要だとしたら
500万円〜600万円必要だということになります。

いかがですか?
この2つを合わせると、
この時点で950万円〜1200万円もの費用が
必要だということになるのですが、
実はもう1つ必要となる費用があるのを
ご存知でしょうか?

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それは、家電の買い替えコストです。
冷蔵庫や洗濯機といったハイコストなものだけでなく、
オール電化住宅なら給湯器というハイコストなものまで
10年ごとに壊れるかもしれません。

では、これらには
一体どれくらいの費用を準備していくべきなのでしょうか?

冷蔵庫を30万円、
洗濯機を20万円、
給湯器を40万円、
その他諸々の家電を10万円だとして、
これらを10年ごとに買い換えるとしたら、
5回は回転することになるので、
500万円ほど必要になりますよね。

ゆえ、これも先程の費用に
プラスして考えてもらえたらと思います。
つまり、1450万円〜1700万円は
家を維持管理していくためには
かかると思っていただいた方がいいというわけですね。

この話は、
これから家を建てる方は知っておきたいものの、
あまり目を向けたくない嫌な現実だと思います。

しかし、価値ある資産を持つということは
その維持管理のために
多額の費用がかかるということでもあるので、
この現実をご理解いただいた上で
家づくりに進んでいただけたらと思います。

というわけで、資金計画時には
ランニングコストの積み立て費用も
忘れず組み込むようにしてくださいね。

それでは、また次回。