vol.73 本当に大切な要望を打ち消す要望 その1

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「本当に大切な要望を打ち消す要望」です。

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「こうしたい!」という要望を伝えつつも、
同時にその要望から遠く離れてしまうようなことを
伝えてしまうことが多いのが家づくりの困ったところです。

例えば「温度差の少ない快適な家にしたい」という要望を叶えるためには、
ただ単に断熱材や窓の性能が良いだけではダメで、
それに加えて幾つかの条件を備えておかないといけないのですが、
あまりに性能だけを重視する考え方が浸透し過ぎたせいもあるのか、
実際建っている家の多くは、
その性能の良さを殺してしまっているような気がします。

というわけで今回は、
ハイスペック(高性能)住宅のポテンシャルを最大に引き出せる
3つの基礎的要素についてお伝えしていきたいと思います。

3つ全てを網羅出来れば
より快適な住まいになるのはもちろん、
確実にコストも安くなるはずなので、
必要な知識として吸収していただけたらと思います。

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✔️窓はより少ない方がいい

まず1つ目がこれです。
窓と壁とを比べた時、確実に壁の方が、断熱性能が高いからです。

ゆえ、出来るだけ不要な窓は減らした方がいいのですが、
そうすると暗くなるんじゃないか?という懸念点から
多くの方が窓を増やしてしまっているというのが現実だと思います。

実際たとえ窓を増やしたとて
そのほとんどにカーテンをつけるので
明るくなるかというとそうでもないんですが。

それどころか、むしろ断熱性能を劣化させると同時に、
窓とカーテンに余分なコストがかかり、
経済的な負担だけが上がってしまっているといったところでしょうか。


✔️家はコンパクトな方がいい

2つ目がこれです。
面積が小さくなれば体積も小さくなり
家全体に冷暖房が循環しやすくなるからです。

ゆえ、なくても問題がない場所は
出来るだけ省くようにすべきなのですが、
先入観や見栄からか、部屋数や部屋の広さ、そして家の坪数にこだわるあまり、
むやみやたらと家を大きくしてしまっている方が
かなりたくさんいらっしゃると思います。

また、「廊下」は空気を遮断する
いわば断熱材のような役割を果たしてしまうため、
ハイスペック住宅では基本つくるべきではありません。
ゆえ、出来るだけ廊下をなくすように設計することも
とっても大切なことなんですよね。

実際、廊下がなくなれば、
空気が循環しやすくなると同時に廊下分だけコストが削減出来るし、
それだけじゃなく家の中のドアの本数だって削減出来ますからね。

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✔️家は平屋の方がいい

そして最後の要素がこれです。
2階建ては上下の空気が確実に分断されてしまいますからね。
簡単に申し上げると、
夏は下が涼しいのに上が暑い、冬は下が寒いのに上が暖かい、
という環境が出来上がってしまいやすいというわけです。

ゆえ、2階建ての場合は、
この自然現象を緩和し家の中の温度差を最小限にするために、
冷暖房と換気システムを利用した空調システムを導入することを
オススメする住宅会社がたくさんいらっしゃいます。

もちろん、この空調システムはとっても良いものですし、
あるのとないのとでは快適性がものすごく違うと思うのですが、
しかし、これにも莫大なコストがかかる
ということも決して忘れてはいけません。

安価なものでも100万円ぐらいはするし、
メーカーによっては2~300万円する場合もあります。
しかも、電気製品なのでゆくゆく故障する可能性が高いし、
その場合、また途方もない費用がかかるかもしれませんしね。

そんなわけで、
そんなものが必要なくてもそもそも温度差を生みにくい
平屋にすべきだと思っている次第であります。
それだけでかなりコストが削減出来ますからね。

というわけで、
これから家を建てようと思っている方は、
この3つをぜひ覚えておいて、
建てる時にこの3つと反対のことを
伝えないようにしてもらえたらと思います。

「カーテンがいらないコンパクトな平屋」
これにハイスペックが加われば、
とっても快適に暮らせること間違いなしだと思います。

それでは、また次回。

vol.72 平屋に最適な広さ

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「平屋に最適な広さ」です。

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もちろんこの話は必ずしもそうだとは限らないのですが、
家族3~4人で暮らす平屋を建てるにあたって
最適な土地の広さは「55坪」ではないかと思っています。

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例えば、この土地は
ある分譲地の一画で、
間口約12m×奥行き約15mの約55坪の長方形の土地なのですが、
この土地には基準法的にも建築面積約33坪の平屋を建てることが出来るし、
実際、車を4~5台置けるようにしながらも
建築面積約27.55坪の平屋を建てることが出来るし、
あるいは駐車スペースはもっと少なくて良いのであれば、
もっと面積を広げることも出来ます。

しかし、一般的にはこの広さの土地には
95%以上の確率で2階建てが建てられているし、
おそらく今後もこの確率が減る可能性もかなり低いのではないかと思います。

というわけで今回は、
その理由についてお伝えしていきたいと思います。

では早速。
2つあるので1つずつご説明していきたいと思います。


✔️平屋では日当たりが確保出来ないから

まず1つ目の理由がこれです。
つまり、平屋を建てるには土地が狭すぎると思っている方が
圧倒的に多いということですね。
住宅会社、不動産会社も含めて。

なんせ、この広さに平屋を建てるとなれば、
駐車スペース以外は敷地いっぱい使うことになりますからね。
ましてや、この土地なんかは南側に2階建ての家が建っていて、
いかにも日当たりの悪さを醸し出してくれていますからね。
その上、東と西両隣に2階建ての家なんて建とうものなら
まさに「四面楚歌」状態になってしまいますしね。

そんなこんなで、
南に建つ家との距離を十分に開けるために
2階建ての家にするというわけですね。
そして、リビングだけじゃなく寝室や子供部屋といった
部屋という部屋をなるだけ南向きで設計するというわけです。
日が沈んだ時間に使う寝室や
昼間、眩しすぎて結局カーテンを閉めっぱなしにしている子供部屋までです。

いわば、直射光一本頼みの「南向き信者」になってしまっている人は、
こういった設計しか手段を知らないまま
家を建てざるを得ないというわけですね。
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✔️平屋は高いから

そして、もう1つの理由がこれです。
もちろん、同じ広さで価格を比べた場合、
2階建てより平屋の方が高くなるのは紛れもない事実です。

しかし、平屋には階段がありません。
2階建てのように無駄な廊下も必要ありません。
トイレだって1つで大丈夫です。
2階建てでは1階にリビングとは別で1つ部屋がないと使い勝手が悪いですが、
平屋はそんな部屋をつくる必要がありません。

そして、これらを組み合わせていくと、
2階建てに比べて面積がかなり小さくなるので、
むしろ安い価格で建てられるようになります。
そして、家が小さくなった分、
55坪の土地にも十分収まるようになります。


✔️この土地に建つ平屋とは?

SIMPLENOTEがこの土地で平屋を建てるとしたら以下のように考えます。

・リビングダイニングキッチンには絶対に直射光を入れたい
・直射光を入れるためには、南の家から十分な距離を開けた場所に
リビングダイニングキッチンを配置しなければいけない
・寝室や子供部屋は明るくしたいが、かといって直射光じゃなくても良い
・であれば、天空光や反射光を使って明るく出来る場所に配置すればいい
・洗面や脱衣室にこそ直射光が入るように出来ないか?
・かつ、キッチンかリビングから近い場所に水回りをつくれないか?
・玄関を明るくするためにはどのように光を入れればいいか?

こんな感じでしょうか。
そして、これらが全て叶う平屋をこの土地に合わせて提案させていただきます。

とにかく、たとえ少々日当たりが悪かろうと
55坪もあれば平屋を建てるには十分だと思っているので、
平屋を建てたいけど土地の広さや日当たりや家の価格のことで
悩んでいらっしゃる方は一度ご相談にお越しいただければと思います。

きっと何らかの突破口が見つかると思います!
それでは、また次回。