vol.59 平屋のススメ(日常生活前編)

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「平屋のススメ(日常生活前編)」です。

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予算のことも大事だし、
もしものことから家族の身を守ることも大事ですが、
それに負けず劣らず大事なことが日常生活のしやすさですよね。

家事に育児に仕事に忙しいうちは、
なるべく家事にかかる時間が短縮出来る家にしておきたいですし、
歳をとった後はもちろん、歳をとってなかったとしても
動く距離が短ければ短いほどなにかと楽です。

そんなこんなで、今も未来もずっとそんな暮らしが出来る
「平屋」をオススメしています。

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まず「2階建て」と「平屋」の明確な違いが「洗濯動線」です。

2階建ての場合、ベランダに洗濯物を干すとしたら
上と下を行ったり来たりしないといけません。
干すために階段を昇ってベランダに洗濯物を干し、
取り込むために再び2階に上がって、
取り込んだ洗濯物をリビングに持って降りてきて、
たたんだ洗濯物の一部を再び2階に持って上がるという感じですね。

最近はこの面倒くささを解消するために
1階に干場をつくり2階に上がる回数を減らしているのですが、
これはこれで、わざわざ靴を履いて外に出て
干したり取り込まないといけないし、
何度も外と中を往復しないといけないので、
楽ちんかと言われると全然そんなことない気もします。。

外に出るとしたら
お隣さんやご近所さんと顔を合わす可能性だってあるので、
いつもそれなりに綺麗にしておかないといけないわけですし。

他方、平屋にすれば上下移動が全くなくなるので、
それだけでずいぶんと動きがスムーズになります。

ただし、平屋の場合でも勝手口から外に出て干したり
取り込まなければいけないとなると、
先程お伝えした状況と全く同じなので、
そうならないように工夫しないといけません。
人目につかない場所で洗濯作業が出来るように、
かつ、干す・取り込む、の動線が短くなるようにという工夫ですね。

これが実現出来れば、
時間に関係なく洗濯作業を行うことが出来るので、
時間的なことも身なり的なことも
隣近所に一切気を使うことなく洗濯が出来るようになりますからね。

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そして、続いての明確な違いが「片付けのしやすさ」です。
2階建ての場合、2階につくった子供部屋を
子供たちは中学生ぐらいになるまでほぼ使わないと思います。
つまり、子供部屋が使えない分、
子供たちの荷物が1階のどこかしらを占領してしまうというわけです。

では、その占領場所がリビングだとしたら?
そして、リビングだけでは事足りずダイニングまで占領するとしたら?

もはや自慢のリビングダイニングは、
足の踏み場もないぐらい子供たちの荷物が溢れ、
生活感が漂う残念な家になってしまうことでしょう。

他方、平屋にすれば子供部屋が1階になるため、
全てとは言わずとも、ある程度のものを自分の部屋に片付けることが出来ます。
ランドセル(バッグ)・制服・普段着・絵本・パジャマ・
あまり使わない2軍のオモチャといったものたちをです。

そして、それだけでずいぶんとリビングやダイニングの
散らかり方や見え方が違ってくるのではないでしょうか。

また、自分たちの服やパジャマや普段着やカバンだって、
寝室とクローゼットが1階にあれば、
ずいぶんと片付けやすくなるのではないでしょうか。

疲れて帰ってきた時もそうだし、
朝、寝ぼけて頭がボーっとしている時に
わざわざ2階まで行くのってホントに面倒くさいですから。

というわけで、
「平屋」にはメリットがたくさんあるため、推しているというわけです。

この他、片付けの手間が省ける家になれば、
掃除機も埃掃除も楽ちんになるので、
これから家を建てようとお考えの方で面倒くさがりの方は、
ぜひ前向きに「平屋」を考えてみていただければと思います。

では、次回は日常生活の続編
「快適さ」についてお伝えしていきたいと思います。
次回の内容も、ストレスの少ない暮らしを手に入れるためには
絶対に欠かせない要素なのでぜひご覧いただければと思います。

それでは、また次回。

vol.58 平屋のススメ(強度編)

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「平屋のススメ(強度編)」です。

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高い耐震性を備えた家を建てることは
今や当たり前のことですが、
そのためにSIMPLENOTEの家では「2階建て」ではなく
「平屋」をオススメすることが多いです。

というのも、2階建ての家は、
平屋に比べて家のバランスが悪くなりやすい傾向があるからです。

まず2階建ての家は、
2階の壁量に対し2階を支える1階の壁量が少なくなりやすいという特徴があります。
2階にはプライベートルームを細かく区切ってつくるのに対し、
1階には大空間のパブリックスペースをつくるのが一般的だからです。

つまり、2階に柱や壁の数が増えることによって
上からの荷重が大きくなるにもかかわらず、
それを支える1階に柱や壁が少なくなってしまうからというわけですね。

圧倒的に過ごす時間が長い
パブリックスペースを明るくしたいという気持ちから
どうしても1階には窓を必要以上につくりやすいですしね。

また、一般的に南には出来るだけたくさん窓をつくり、
逆に北には出来るだけ窓をつくらないようにしていますが、
これも家のバランスが悪くなる原因の一つとなります。
南には壁がほとんどないのに対し北にはたくさん壁が出来るからです。
つまり、南と北の壁のバランスが悪くなってしまうからですね。

その上2階建ての場合、
2階の南にはベランダやバルコニーを張り出してつくることが多く、
支える壁が少ない南により大きな負荷をかけてしまうわけですしね。
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✔️2階建てならではの制約

それゆえ2階建ての場合、
高い耐震性を維持するために
何らかの皺寄せを飲み込まざるを得ません。

例えば、耐震等級3を取りたい場合、
間取りに何らかの制限が発生することがあります。
せっかくの大空間のど真ん中に柱や壁が必要になる、
南の窓のサイズを小さくすることになる...という感じですね。
また、その制限を飲み込んだ上で
さらに「制震装置」も設置しなければいけないかもしれません。

2階建ての場合は、台風の時や爆弾低気圧の時に
強風の影響で家の2階部分がグラグラと揺れやすいし、
トラックや工事車両のような大型車両が通行した時にも
同じように2階部分がグラグラと揺れやすく、
それらを小刻みにくらうことは
地震を小刻みにくらっているのと同じようなものであり、
それはつまり耐震金物を緩めてしまう原因となる可能性が高いからです。

そして、そのために40万円~50万円のオプション費用を
半強制的に払わざるを得なくなってしまうというわけですね。
それで安心を買っていると考えたら、そりゃあ出さざるを得ませんよね。

そんなこんなで、可能であるならば
「平屋」を建てた方がいいと思っている次第です。

平屋にすれば強風や車両振動の影響を受けにくいし、
地震の影響も受けにくいため、
基本、制振装置を設置する必要がないし、
上からの荷重も少ないし、ベランダやバルコニーといった
さらに耐震性を悪くするものをつくる必要もありませんし。

後は、南と北の壁量バランスが
悪くならないようだけ気を配りながら間取りを考えていけば、
天然で耐震性が高い家が完成するというわけですね。
かつ、家が長持ちする耐久性の高さも。
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✔️土地に合わせることが重要!

そして、建てる家を土地に合わせることが
耐震面においてとっても大切なことではないでしょうか。

例えば、交通量が多い幹線道路に面した土地で家を建てる場合、
通行車両の振動の影響を受けやすいため、
出来るだけ家の重心を下げるべきだし、
海に近い場所で家を建てる場合も、
日常的に強風にさらされるため出来るだけ重心を低くといいです。
つまり、可能なら「平屋」ということですね。

また、周囲に家が建っていない場所で家を建てる場合も、
建てられるなら「平屋」するといいと思っています。
台風の時や爆弾低気圧の時、風を遮ってくれる建物がなければ、
モロに強風の影響を受けることになるからです。

そんなこんなで、
立地という点も建てる家に大きな影響を与えるということも
覚えておいていただけたらと思っている次第です。

平屋のススメ(強度編)でした。
では、また次回。