vol.42 進化すべき常識の概念

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「進化すべき常識の概念」です。

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現在当たり前とされていることは、
歴史を遡るとその成り立ちがよく分かるし、
同時にその当たり前をいまだ採用する理由がないこともよく分かります。

例えば、『貯金』という文化は、
一説によると太平洋戦争の時に浸透したと言われています。
理由は、戦争中は戦争のための資金を外国から集めることが出来ないため、
国民から調達するしか選択肢がなかったからです。

そして、その手段として
当時国営だった郵便局への貯金が奨励されたようなのですが、
これ以降、金利が高い郵便局にお金を預けておけば、
放っておいてもお金が増えたため銀行への貯金が当たり前化し、
今なお、貯金一択の考え方が浸透しているというわけですね。
今や、貯金しても全く増えないにもかかわらずです...。

では続いて、家づくりの歴史を少し遡りつつ、
それをもとにこれからの家づくりについて意見を述べていきたいと思います。

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✔️国民所得倍増計画

岸田政権が「令和版」と称して打ち出しているし、
社会の授業で習ったのでご存知かもしれませんが、
高度成長期の真只中、当時の内閣が打ち出した政策が国民所得倍増計画ですが、
この時住宅の需要が一気に膨れ上がりました。
そして、国民の多くが家を持つことが当たり前になり、
日本のGDPが一気に伸びました。

当時は、現在のようなモノ余りじゃなかったので、
家や車や家電といったモノを所有することが幸せの象徴だったこともあり、
なおのこと急速に普及していきました。

そして、この時に急速に普及していった住宅が
公団住宅であり、ハウスメーカーの商品住宅です。
いわば、コストと工期を圧縮した大量生産型の家が普及したというわけです。
総二階建てならではの家族間でのプライバシーも考慮した
(1階が団欒・2階がプライバシー)
という触れ込みも当時は画期的でした。

そんなわけで、今や家を持つことは
国民の夢ではなく当たり前となっているのですが、
では、今なお大量に建てられている
高度成長期以降に急速に普及した商品住宅は暮らしやすいのでしょうか?
現在のライフスタイルに合致していると言えるのでしょうか?

✔️長期視点で考えるのが鍵

これらの制度が出来た当時と比べ、
現在はいろんなことが変化してきています。
それゆえ、それらに合わせて家のカタチも見直すことも大事かと思います。

例えば、家は2階建てが当たり前ですが、
長寿化しつつある現在、
そこに50~60年住む可能性が高いことから
平屋にしたほうがいいかもしれません。

子どもたちはやがて家を出ていくし、
歳をとれば足腰も弱ってきて2階に上るのが億劫になる可能性が高く
そうなれば2階につくった部屋は使わない無駄な部屋になりますし。

また、子育て期間中のことを考えても
子供部屋が1階にあった方が使い勝手がいいと思いませんか?
1階に子供部屋があれば、
わざわざ2階まで荷物を持ち運びしなくていいので、
自分の部屋に荷物を片付けてもらいやすくなります。

そんなわけで、
これまでの時代に沿ったままの常識に従うのではなく、
これからの時代に沿った考え方のもと
家づくりに取り組んでいただきたいと考えています。

そんな家づくりが出来れば、
より暮らしやすく、より幸せで、より充実した日々を
きっと送ることが出来るのではないでしょうか。

それでは、また次回。
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vol.41 数字だけでは分からないこと "その2"

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「数字だけでは分からないこと "その2"」です。

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前回、リビングダイニングは数字上同じ広さだったとしても
仕上げや間取りによって感じ方が大きく違ってくる
ということをお伝えしましたが、
断熱性能もまた、数字だけで判断しがたいものの1つです。

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というのも、性能を表す数値は、
そこまで良くないものが実は体感的にはかなり良い場合もあるし、
逆に性能を表す数値は良いのに、
体感的には全然良くない場合もあるからです。

具体的には、発泡系(吹き付け)の断熱材が前者で、
グラスウールやロックウールが後者といったところでしょうか。

しかも、困ったことに
後者の断熱材は数値的が良いだけじゃなく、
コストも安いという特徴も持っています。

ゆえ、コストと性能の話だけを聞いただけで、
実際の住まいを体感していない人は、
「じゃあ、こっちでお願いします!」となってしまいやすいというわけですね。

とはいえ、
体感が驚くほど違うのを知っているし、
なにより現場で働く職人さんたちから聞く感想が違うので、
"数字よりも体感が大事"ということを何とか伝えたいと思っている所存です。

いざ、住みだすと夏の暑さの感じ方も違えば、
冷暖房の効きの良さや速さも違うし、
冷暖房効果の持続性も全く違いますからね。

また、多くの方が2階建ての家を建てますが、
これも快適性を損なう原因の1つなので、
建てることが出来るなら平屋にできないかを優先して考えといいかもしれません。
理由は、階段があることによって空気の流れが分断され、
上下階で温度差が生まれやすくなるからです。

つまり、移動するたびに温度差を感じることになり、
あまり家が快適じゃなくなってしまうというわけですね。
体感上良くない断熱材だとしたら
なおのこと、この不快さを感じることになりますし...。

そして、それを解決するために、
空気が全ての部屋を循環する空調システムを設置するようになり、
結局、数百万円ものコストが上乗せされることになります。
もちろん、断熱材の差額なんて全く比べ物になりません。

そんなわけで、できれば平屋を建て、
体感上良い断熱材を使うことはとてもオススメです。
平屋だと屋根から入ってくる熱が多くなる分、
使う断熱材によってさらに違いが出やすくなりますからね。

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✔︎耐震等級3<平屋

そして、数字だけではなんとも判断しきれないものがもう1つ。
「耐震等級」です。
もちろん、確認申請が通る基準となる
耐震等級1よりも耐震等級3にした方が頑丈であることは
火を見るより明らかなことです。

ですが、ただそうしただけで良いのかというと、
決してそうではありません。

例えば、耐震等級3をとった家に囲まれていない土地に
ポツンと建つ2階建ての家と、
耐震等級3はとってないけどぐるりと家に囲まれた土地に建つ平屋では、
必ずしも前者の方が耐震性や耐久性が高いとは言い切れません。

ポツンと建つ家は、台風の時などの強風をまともに受けるのに対し、
周囲に家がある平屋は、強風をまともに受けないのに加え、
そもそも風を受ける面も2階建てよりも少ないからです。
平屋は上からの荷重も少なく足腰もしっかりしていますしね。

そんなこんなで、耐震的な理由からも
平屋はとてもオススメです。

ということで、断熱にせよ耐震にせよ、
数字で表すことが当たり前になっていて
それももちろん大事なことですが、
「それだけでもないんだよ」ってことも
知っておいていただければと思います。

それでは、また次回。