vol.27 短期的思考と中長期的思考

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「短期的思考と中長期的思考」です。

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家を建てれば、
隣近所に気をもむことなく
子どもたちをのびのびと
遊ばせることができます。

また、自分の部屋が持てることに
きっと大喜びすることでしょう。

そして、子どもたちが喜ぶ姿を想像すると、
なおのこと家を建てることに
ワクワクしてくると思いますが、
家を建てる時は、
子育て中のことだけじゃなく、
子育て後のことまで見据えて、
間取りを考えなければいけません。

言い換えるなら、子どもたちは
やがて家を出ていく可能性が高いので、
そうなった時に備えて、
子ども部屋は使い勝手よくつくっておいた方がいい
というわけですね。

では、これからの暮らしを
時系列で考えてみた上で、
子ども部屋はどうつくるのがベターなのかを
一緒に考えていきたいと思います。
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✔︎子どもたちが小さいうち

多くの方にとって家を建てる時は、
おそらく子どもたちが小さい時だと思いますが、
では、小さな子どもたちにとって使いやすい部屋とは、
一体どんな部屋なのでしょうか。

例えば、一般的に
子ども部屋は2階につくられることが多いですが、
残念ながら小さな子どもたちは
2階にある自分の部屋を全く使いません。
小さな子どもたちは
親から離れた場所で過ごさないからです。

となると、子どもたちのおもちゃや絵本などは、
自分たちの部屋ではなく、
リビング周辺に置かざるをえないか、
あるいは、それが嫌なら
1階にもう1つ部屋か大きな収納を
つくらざるをえなくなります。

結果、前者の場合、
リビングが片付かなくなり、
イライラしながら過ごすことになるかもしれないし、
後者の場合、家づくりのコストが跳ね上がり、
ローンに負荷がかかってきます。

一方で、子ども部屋を1階につくると
余分な部屋も余分な収納もつくる必要がなくなります。
子どもたちが自分の部屋を使いやすくなるからです。

結果、家づくりのコストを抑えやすくなる上、
リビングが片付きやすくなり、
いつもスッキリした家を保ちやすくなります。

つまり、友達が突然やってきても
焦ることなく迎え入れることができるし、
散らかった部屋にイライラしながら
過ごす可能性も圧倒的に低くなるというわけですね。

そんなこんなで、
子育て期間中にフォーカスすると
子ども部屋は1階につくる方が
ベターだというわけです。

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✔︎思春期を迎えたとき

では、子どもたちが成長し、
思春期を迎えたときはどうでしょうか。
この場合、子ども部屋が1階だと、
子どもたちのプライバシーが
低くなりそうな気がしますよね。

子どもとて、それなりの歳になれば、
親との距離を取りたくなるものなので。

自分たちの昔のことを思い出してか、
この時期に備えて子ども部屋を2階につくるのが
当たり前になっていると思いますが、
実は、間取りのつくり方次第で
1階に子ども部屋をつくりつつも
それなりにプライバシーをとることもできます。

なので、この時期のことが
どうしても気になる方は、
その旨をお伝えいただければと思います。

この時期に最もフォーカスすると、
幼少期はもちろん、これから説明する将来にも
困ったことが起きやすくなってしまいますからね。

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✔︎歳をとってから

子どもたちが出て行った後は
夫婦2人だけの生活がずっと続くことになります。

そして、時が過ぎ、
やがて誰もが年寄りとなるのですが、
この家でずっと暮らし続けていく以上、
これも想像しておかないといけません。

では、子ども部屋も寝室も2階にある
2階建ての家を建てた場合、
数十年後どのような暮らしになるのでしょうか。
おそらく2階は全く使わないと思いませんか。

また、健康ならまだしも、
やがて足腰が弱ったり事故などで
体が不自由になってしまったら
どうなるのでしょうか。

日常生活で支障なく暮らせるように
部屋を増築せざるを得なくなりますよね。

そんなこんなで、
老後のことを想像してみると、
子ども部屋を1階につくっておく方が
いいというわけですね。

使わなくなった子ども部屋を、
部屋や収納として使えば、
わざわざ貴重な老後資金を捻出して
増築する必要ありませんからね。
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✔︎家づくりに必要な柔軟な思考

このように考えてみると、
子ども部屋って2階につくるより、
1階につくった方がいいかなとか、
1階につくるのもありかな
と思っていただけたのではないでしょうか。

これはあくまで一例ですが、
実は、家づくりには子ども部屋の考え方のように、
なぜか勝手に決めつけてしまっている
セオリーというのもがいくつもあります。

そして、それらは家づくりの範囲を大幅に縮め、
かつ暮らしにくさをつくりだす原因になっていたり、
コストがかさむ原因になっていたりします。

なので、人から聞いた話を鵜呑みにし、
そのままを実行するのではなく、
こういった視点でも考えた上で、
家づくりをしていただけたらと思います。

それでは、また次回。

vol.26 住宅の現状と予算計画のアップデート

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「住宅の現状と予算計画のアップデート」です。

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建築価格が急上昇した現在、
これから家を建てる人が心がけておくべきことは
これまでの価格を基準に考えないこと、
そして、同じ予算で建てるためには、
家のサイズを抑えなければいけないということ、
ではないでしょうか。

では今回は、
これからはどのように家づくりをすべきなのか
考えていきたいと思います。
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年収400万円の夫と年収200万円の妻の
共働き世帯が家を建てると仮定して、
世帯年収600万円のご夫婦の場合、
どのように考えたほうがいいのか
述べていきたいと思います。

まず、この世帯の手取り収入を
毎月に換算するとざっと36万円ぐらいになるのですが、
このうち奥さまの収入は
できるだけ多く「貯金」していくことが望ましいと考えています。

なぜなら子どもたちの教育資金、
家の維持管理費用、やがて必要となる増改築資金、
老後資金の積立など、
これから先に向けて準備しておくべき費用が
たくさんあるからです。

そんなわけで、
ご主人さまの収入の範囲内で
実現できる家づくりを行うことが
ベストではないでしょうか。

具体的には、毎月の返済額は
手取り金額の3分の1以内、
つまり、手取りが24万円だとしたら
8万円になりますね。

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✔︎8万円の返済でできる家づくり

では、毎月の返済額8万円では、
どのような家づくりができるのでしょうか?
頭金もなくて、固定金利という選択肢が
もっとも現実的な場合で考えていってみましょう。

この場合、銀行から借りられる金額は、
2850万円前後となります。
その予算の中で、
土地を買い、家を建て、外構工事をし、
諸経費を払わなければならないのですが、
冒頭でお伝えしたように、
家だけで2000万円を超えるのが
当たり前となりつつある今、
土地を買い、家を建てるのは、
なかなか現実的なことではありません。

外構工事と諸経費を合わせると、
ざっと300万円~400万円ほど
かかりますしね。

そんなわけで、
仮にそれぞれの実家に
土地があるとするならば、
ありがたくそれを使わせてもらうことを
まずは検討すべきかもしれません。

とはいえ、どうしてもそれは嫌だ
という方もいるでしょうし、
そもそも、そんな土地がないため
絶対に買わないといけないという方もいるでしょう。

では、そんな方はどうすべきなのか?
この場合、考えるべきことは、
まず家をコンパクトにすることです。
かつ、住むエリアにこだわらないこと
そして、土地の形や広さ、道路の向きにもこだわらないことです。

さらに、それでも家の予算はオーバーすると思われるので、
車にかけるお金も圧縮したり、
これにプラスして収入を上げる方法を
夫婦で話し合って具体的に考えるといいと思います。

奥さんの収入を増やす方が現実的だとしたら、
家事や育児の分担を変えたり、
ご主人の収入を増やす方が現実的だとしたら、
負荷をかけてもっと働くといった感じで。

これらのことを全て踏まえた上で、
家づくりの予算を計画してもらえたらと思います。

それでは、また次回。
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