vol.64 日陰は決して悪ではない

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「日陰は決して悪ではない」です。

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設計士の多くは日陰となる場所に家を建てたがりません。
そこには太陽高度が低くなる冬に直射日光が入ってこないからです。
一番、直射日光を入れたい冬に。

それゆえ、彼らは家を建てる敷地が、日当たりが悪そうな場合、
広さ的には充分平屋が建てられる土地であるにもかかわらず、
当たり前にように2階建てを提案します。

あるいは、あなたがこれから土地を探すのだとしたら、
直射日光を阻害されることがない南向きの土地を優先してオススメするか、
直射日光が確保出来そうな広々とした土地をきっとオススメするでしょう。

しかし、これらの提案は決してベストな提案ではないし、
コスト的にも負担がかかりやすくなることから
SIMPLENOTEではこれらと180°反対の提案をさせていただいています。

平屋が建てられるなら
たとえ日当たりが悪い土地でも平屋を提案しているのですが、
これは、その方が圧倒的に暮らしやすいからです。

子ども部屋も、
2階にあるより1階にあった方が小さいうちから使ってもらいやすいし、
自分たちのものを自分の部屋に持っていってもらいやすいですしね。

寝室やクローゼットだって
2階にあるより1階にある方が何かと便利だと思います。
毎日のこととなれば、いちいち上に行くのって面倒くさいので。

家事動線も上下移動がなく水平移動だけとなれば、
ずいぶんと楽になるのは火を見るより明らかですよね。

これらはほんのちょっと想像したら誰でも分かることだと思いますが、
最悪なのは歳をとってからだと思います。
健康な状態の今はこんなこと想像もつかないと思いますが、
誰だっていつどのタイミングで足腰が悪くなってもおかしくないし、
そうなれば2階に上がるのがホント億劫になってしまいます。

で、そのうえ下に部屋が足りないとなれば
改築に加えて増築までしないといけなくなり、
大きな出費を余儀なくされるかもしれませんしね。
空っぽになった子供部屋さえ下にあれば
そんな無駄な出費をしなくて済んだのに...ということです。

以上のような理由から
基本、平屋を提案しているというわけです。

そして、南向きや広い土地を提案しない理由は
コストを出来るだけ抑えながら家づくりをするためです。

南向きの土地は一番人気なので割高に価格が設定されているし、
広くなればなるほど土地の値段は上がってしまうし、
広くなれば土地代だけじゃなく外構費用も高くなるし、
固定資産税も高くなりますからね。

南向きの土地で南に部屋を配置して南に大きな窓をつくると、
部屋の中が丸見え状態になってしまって、
プライバシーもなくなってしまいます。
もちろん防犯的にも良くありません。

で、見られないようにするためや敷地に侵入しにくくするための工事に
多額のお金をかけざるを得なくなり、
終わってみるとずいぶんと余分なお金がかかってしまった...
なんてことになってしまいます。

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✔️「明るい=直射日光」じゃなくてもい

例えば、玄関や廊下などは明るいに越したことはありませんが、
かといって、それが直射日光じゃなきゃダメなわけではありません。
それと同様に、寝室にも必ずしも直射日光が必要なわけではありません。
通常、寝室は日が沈んでから日が昇るまでの間に使う部屋ですし。

また、子ども部屋も同様です。
明るくしてあげないといけませんが、
その手段が直射日光である必要はないと思いませんか?
書斎や仕事部屋も同じですが、
ガンガン直射日光が入ってくると日や時間によって光量にムラが出て
勉強や仕事をするにしてもなかなか集中出来ませんからね。

そんなわけで、各自のお部屋は
直射日光にこだわらずにつくってもいいと思っている次第です。
もちろん暗いのだけは絶対にNGですが。

これらの部屋の配置にこだわらなければ、
土地選びもしやすくなるし間取りの幅もずいぶんと広がるでしょう。
また、土地取得コストも抑えられるし、
より暮らしやすい家をコストを抑えながら建てることが出来るでしょう。

なので、これから家を建てる方は
部屋の向きにまでこだわる必要はないということを覚えておくといいと思います。
家は直射日光が本当に必要な場所だけ
南向きでつくることが出来ればいいわけなので。

それでは、また次回。
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vol.63 外構予算の決め方と減らし方

こんにちは。
お家づくりコラム、本日のテーマは「外構予算の決め方と減らし方」です。

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家づくりの予算を大きく狂わせる一番の要因と思われるのが
「外構工事」です。

住宅会社は建築工事の予算を減らして欲しくないがために
外構工事の予算を減らす傾向があるし、
かつ、出来上がっていく家の姿を見ると
外構にもより手を加えたいという欲求が生まれてくるからです。

というわけで今回は、
外構工事の予算の決め方と外構予算の減らし方について
お伝えしていきたいと思います。

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まず外構工事の予算に関しては、
土地の広さや状況、そして建てる家によって違ってくるものの、
ハウスメーカーのような一般的な間取りのお家を建てる場合、
少なく見積もって坪あたり3万円、普通に考えると坪あたり4万円、
それなりにこだわりたいなら坪あたり5万円は
最低見積もっておくべきだと思います。

つまり、50坪の土地だとしたら
150万円では思ったような仕上がりにならない可能性が高いので、
200万円はみておいた方がよくて、出来れば250万円にした方がいい。

60坪の土地だとしたら
180万円では思ったような仕上がりにならない可能性が高いので、
240万円はみておいた方がよくて、出来れば300万円にした方がいい。

といった感じですね。
お施主様の期待に応えてお洒落に仕上げてあげたいのに、
全く予算が合わなくて困っている外構屋さんの気持ちを代弁すると
こんなところではないでしょうか。

なので、資金計画の時、
家と外構の合計予算が2800万円になったとしたら、
土地が50坪の場合は家の予算を2550万円にすべきで、
土地が60坪の場合は家の予算を2500万円にすべきだ
ということになります。

もちろん選んだ土地によって予算が変化することもあるため、
土地が決まった時点でもう1回予算の見直しが必要ですが、
このシンプルな法則に従って予算を確保しておくと
概ね狂わないんじゃないかと思います。

逆に言うとこの知識を持っていれば土地も選びやすくなるし
家のことも考えやすくなるし、
納得のいく外構仕上げにもなりやすいと思うので、
この機会にぜひ覚えておいてもらえたらと思います。

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✔️外構予算を減らす方法

では、ここからは外構予算を減らす方法について
お伝えしていきたいと思いますが、
まず1つ目は「無駄に土地を広く買わない」ということです。
先程の予算振り分けのところをご覧いただくと一目瞭然ですが、
土地が広くなればなるほど外構予算は膨らむわけですからね。

それゆえ、探しているエリアに土地情報がほとんどないとか、
そもそも広い土地しか売っていないといった特殊な状況じゃない限りは、
出来るだけ広く買わないように心がけていただけたらと思います。

そして、それを実現する方法として
土地を探し始める前にどんな家を建てたいのかを
明確にしておくことをオススメしています。
建てる家に合わせて土地を探せば、
ちょうどいい広さで土地を買いやすくなるからです。

広い土地を買うと、
固定資産税だって割高になってしまいますしね。

というわけで、
広すぎないちょうどいい土地を探し、
かつ見つけた土地に出来るだけ余白を残すことなく
家を建てるように設計することで外構工事の施工面積を極限まで減らす
という方法によってコストを抑えるというわけですね。

で、その上で「余分な装飾が必要ない家を建てる」と
さらにコストが抑えられます。
いわば、塀も植栽も目隠しも必要なく、
外観を引き立たせるための一切の工事が必要ない家を建てるというわけですね。

端的に言ってしまうと
砂利とコンクリだけで終わりという感じです。

この3つの要素が全て揃うと、
外構工事の予算は坪あたり1.5万円あれば充分だし、
コンクリの面積によっては坪あたり1万円以内で済むことだってあります。
60坪の土地でも60万円~90万円で済みます。

というわけで、
外構工事にそんなにたくさんお金を使いたくない...
庭の手入れとかめんどくさいから手間がかからないようにしたい...
そうお考えの方は、ぜひこの考え方を参考にしてもらえたらと思います。

それでは、また次回。