大工としての誇りを受け継ぐ
![金木建築創業](https://www.h-daikichi.com/background_11.jpg)
5年間の修行を終え独立。
1998年に金木建築を創業。
創業したとはいえ、
初めからそんなに上手くいくはずもなく、
仕事はもっぱら下請け工事ばかり。
でもその中で、
飛騨高山の合掌造りの移築
を請け負う工務店との出会いがありました。
その工務店は、
世界遺産に認定されて今では解体することが出来ない、
白川郷の合掌造りの建物を世界遺産認定前に
何棟も解体してストックしており、
日本全国はもとより、
ハワイや南米などにも移築している工務店でした。
お客様より新築工事を受注すると、
まず解体してストックしてある
合掌造りの骨組みを岐阜の作業場で組み立てます。
これは実際に新築を建てるように柱を立て、
梁を架け築200年の家を一度、復元します。
柱の間隔や梁組みを採寸したり、
材料の傷み具合や仕口(しくちと読みます、柱と梁などをつなぐホゾやアリ、カマなどの事)の確認、
そして新たに必要な部屋などの柱や梁を墨付け加工し、
全てをまた解体します。
そしてその全ての材料を新たな土地に運搬し、そこに建てます。
そのような移築の仕事の中で、
私は仲間の大工と4人で下宿生活をしながら、
吉祥寺に移築する現場を担当しました。
昔の囲炉裏のけむりでいぶされた真っ黒な梁は、
大柄な私が両手で抱えても全然届かない直径80cm以上。
幾重にも重なった梁や燻製した竹、
真っ白な漆喰などが調和し、
まさに芸術品のようでした。
そんな先人達の知恵や技術に触れたことによって、
大工としての誇りを受け継いだ
そんな気になれました。